ACE COMBAT Shining Merteor 作:vangence
『こちら、オーシア空軍所属ペレグリン隊。現空域を飛行中の飛行隊に尋ねたいことがある。・・・ここはどこだ?』
オープン回線から国籍不明の飛行隊に連絡をする。
しかし、一切の返答が無い。
『繰り返し尋ねる。ここはどこだ? オーシア領空内なのか?』
・・・・・やはり返事がない。
ヴィムの無線に周波数を調整する。
「どうするヴィム? 一言も答えないんだけど」
『お前だからじゃないか?』
「なにそれ新手のいじめ?」
初対面の人間に嫌われるような覚えはない。
「・・・とはいえ、やっぱ普通じゃなさそうだな」
『民間ということはないだろうな』
ここに向かう途中で、かなりの反応をロストした。
恐らく撃墜されたと見て間違い無いだろう。
『敵がうごいた。こちらに向かっているようだ』
「おいヴィムまだ敵と決まったわけじゃ」
すると突然、
『―――― ッ!! レーダー照射確認、ロックオンされている!!』
ヴィムが怒鳴ったのと同時に、レーダーに別の反応が複数、けたたましい警告が鳴り響く。
それは、敵ミサイルの接近を知らせるミサイルアラートであった。
『ユウスケ!』
「わかってらぁ! ブレイク! ブレイクゥゥ!」
脚でラダーペダルを踏み込み機体を減速させ、操縦桿を右に倒し機体を傾け右に大きく緩旋回。
そのままヴィムのSu― 47と交差しながら散開し、機体を加速させる。
速度の計器が数値を一気に跳ね上げ、Gが体を襲う。
キャノピー越しにミサイルの位置を確認する。
すでに距離は相当詰められてしまった。
エンジンを吹かし振り切ろうとするがしつこく食いついてくる。
「―――― なら!」
敵に接近しつつ、チャフ―――― アルミニウムなどの金属片を大気中に散布させてレーダーを妨害する ―――― を放つ。
すると数瞬後、後ろの方で爆発が起きた。
バックミラーで確認する、運良くミサイルは誤爆してくれたようだ。
『敵の機体は・・・
ヴィムは敵のレーダーを、お得意のランダム機動で振り切りミサイルから逃げおおせていた。
にしてもMIG― 31か・・・無駄に速やいんだよな、あれ。
「離されると面倒だな、一気にやるぞ」
機首を敵に向け敵4機編隊と向かい合う。ヴィムはもう片方に向かう。
さて、今度はこっちのターンだ。
武装を選択し、固定武器 M61A2機関砲を起動、
次第に大きくなる敵影にレイクテルの中心を重ねる。
「インガンレンジ・・・」
敵との距離がさらに縮まる。
まだまだ、敵を引きつける。
「―――― ファイア!!」
すれ違いざまにトリガーを引く。機関砲から20ミリ弾が敵に襲いかかる。
機体中を穴だらけにし、機体が火を噴く。
敵の残骸を避け、そのままインメルマンターンで敵の後ろをとる。
武器を機関砲から赤外線誘導兵器 AIM― 9に切り替える。
機体下部のウェポンベイが開き、アームによってAIM― 9が姿を現す。
HUD上で前方の敵2機をロックオン。トリガーを引く。
「FOX2 FOX2」
推進剤に火が入り、急加速しながらAIM― 9が敵に食らいつき、2機とも吹き飛ばす。
「スプラッシュ2」
最後の一機が機首を上げ急上昇する。そのまま追従してゆきドッグファイトに持ち込む。
敵は何とかしてこちらの追尾を振り切ろうとするも、いっこうに距離は離れるどころか縮まっていた。
MIG― 31最高速度は文句なしだが、なんといっても小回りが悪い。
格闘能力ならF― 22に分がある。
武器をM61A2機関砲に切り替えレイクテルに敵影を重ねる。
「・・・おやすみ」
トリガーを引き敵主翼をもぎ取る。翼をもがれた敵はそのまま海上に叩き付けられていった。
「こっちは全部おとしたぞ」
ヴィムの方を見ると、ちょうどSu― 47が最後の一機をおとしたところだった。
『スプラッシュ4・・・こちらも全機堕とした』
「・・・ってか、おいテメェヴィム、全部おとしたら道案内させられないじゃんか」
『・・・てへ☆』
「てへ☆じゃねぇぜ!? 頼むぜヴィムさん!! てか気持ちわりぃんだよ!!」
しかし困った。無駄に燃料を使ってしまった。このままだと俺たち海のもずくに・・・
『あの~すみません』
突然無線に連絡が入る。
「・・・おい、今のヴィムか?」
『俺は女の声なんぞ出せん』
レーダーを確認しても何も反応していないし、ハーネスを緩めてあたりを見回すが敵影は確認できない。
すると、横からコンコンと音が聞こえてきた。
『そっちじゃなくて、こっちですよ、こっち』
・・・・・・・いやいやいやいやいや。
餅つけ俺・・・じゃなかった。落ち着け俺。
ここは空中、コックピットの横を叩くなんて芸当が人間にできるわけがない。
きっと幻聴何かだろう。きっとさっきの光を浴びたとき『すみません。こっち向いてください』・・・。
嘘だろ?常識的に考えて。
おそるおそる音のする方を見てみると――――――――
―――――――― 少女が空を飛んでいた ――――――――
おいおいおいおいおいおいおいおい。
そりゃあ無いぜ神さまよ。
面白いことが起きればなんて思ってましたけど、こんな大げさじゃなくていいです。
少しトリップ状態になっていると、目の前の少女の口が動いたのが見えた。
『私は時空管理局、古代遺失物管理部所機動六課所属、スターズ隊隊長 高町なのは一等空尉です。すみませんが、あなたたちの名前を教えてくれませんか?』
まだ整理のついていない頭で何とか自分を口にする。
「・・・オーシア空軍所属ペレグリン隊隊長・・・ユウスケ・カザマ二等空佐だ」
『ユウスケ・カザマさん・・・まず、助けてくれたお礼を言わせてください。―――――――― ありがとう』
目の前の少女は屈託のない、笑みを美しい笑顔を浮かべていた。
これが、彼らと彼女達の初邂逅であった ――――――――
隼の英語読みがPeregrine ペレグリンです。