DARK HERO   作:ドットマン

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第1話

暗い路地裏をある男がたった一人、歩いていた。

深くフードを被り、うつむきながら歩いている。

この時間にこんな場所で一人で歩いているような者は

異様とも言える雰囲気を醸し出していた。

 

そしてその男はこれから遊びに行こうとか買い物に行こうなどという雰囲気ではない。

悪意を感じる笑みすら浮かべている。

 

「おい」

 

声のする方を向くと男が三人立っていた。

「ここらは俺らの巣だ。ど〜しても見逃してほしいってんなら金、置いてきな?にいちゃん」

一人は刃物を握っている。

 

「本当にこの街は物騒だな…」

男は全く動揺していない。

 

「金出さね〜ってんなら……」

刃物を持った男が歩き出す。

 

「死ね!!」

刃物を強く握り男の腹に突き刺した。

「へへっ…俺が刺せねぇとでも思ってたかよ!!」

 

刃物を抜こうとする男、だが直後男の頭に衝撃が走った。

一撃――

刺されたはずの男が頭に向けて真っ直ぐ拳を打ち込んだ。

 

殴られて男はその場に倒れ込んだ。

痙攣を起こしていて意識がない。

 

「テメェ!!」

二人が殴りかかる。

刹那、男たちは宙を舞った。

「ッ!?」

蹴り――――

捉えられぬほどの動きで男は蹴りを打ち込んでいた。

二人はもう意識を失っていた。

 

「退屈だ………」

男は自分に刺さった刃物を抜き、また暗い道を歩き出した。

 

この男、名をガロン。

かつては武闘家として道場で武術を学んでいた。

だが今は己の欲のためだけに力を求めている。

 

そんな男が訪れた町は、ある意味彼と同じ思想を持つ者たちの住む街だった。

 

力を求め闘い、強者は勝ち、弱者は負ける。

強者は力を手にし弱者は力を失くし

やがてはこの闘いの世界から消える。

単純な法則――――――

 

ガロンはまだまだ喰い足りぬと言わんばかりに

『同士』を探す。

 

そんな彼にある日、思いもしなかった誘いが来る。

 

『大会に出てみる気はないかね?』

 

 

ガロンは一瞬何のことか理解できなかった。

突然老人に食事に誘われ、言われたセリフがこれだ。

「じいさん……なんのことだ?」

 

「カッカッカッ!とぼけんでもええわい!」

そして老人は満面の笑みを浮かべひそめた声で言った

 

「闘いじゃよ。世界中から強者が集まる闘技場。」

 

「なにッ!?」

ガロンは思わず立ち上がった。

「おぬしは前から見込んでおった。必ず活躍できるはずじゃ」

 

「なんでアンタは俺のことを……?」

「まぁこんなとこで話すのもあれじゃ。

ついてきなさい。」

 

老人に促され店を出る。

しばらく歩くと190cmはあるだろう巨体を持った人物が仁王立ちで道の真ん中に立っていた。

ものすごい体格だ。服の上からでも分かる筋肉。

外人だろうか。迷彩柄の服を着てパイプを吹かしている。

 

「来たぞ。レズノフよ」

老人が声をかける。

「オ〜!ミスター・サナダ〜!」

笑みを浮かべ老人と握手をする。

 

「誰ダ?」

レズノフがガロンに気付いた。

「そうそう!この若者があの師範の弟子じゃ!」

「oh!キミダッタノカ!」

驚いた表情でガロンを見る。

「こっちはアンタを知らない」

ガロンは警戒した様子で言う。

 

「ほっ!そうじゃ紹介が遅れたの。この方は地下格闘技場の管理をおこなっているレズノフ・ドットマンじゃ」

 

「地下格闘技場!?」

ガロンは思わず大声を出した。

「うむ。そこがまさに闘技場…キミの舞台じゃ!」

 

「何だかよく分からねぇよ……」

 

「じきにわかる。あっちなみにワシの名は真田成利じゃ」

「デハ…入リショウカ」

「うむ」

 

レズノフがフェンスの鍵を開ける。

中に入ると、長い階段があった。

「本当に地下があったのか……」

階段を下り、真っ直ぐ通路を進む。

すると眩しい光が目に入った。

「なッ――――!!?」

ガロンは目の前の光景に驚きが隠せなかった。

とても巨大なドーム状の闘技場が現れたのだ。

『『ワァァァァァァァ!!』』

周りは観客で埋まっている。おそらく一万人はいるだろう。

そして中央をみると上半身裸の二人の男が拳をぶつけあっている。

「ハッ!!」

スキンヘッドの男がアッパーをくりだす。

「フンッッ!」

だがもう一人の男はギリギリでそれをかわす。

『おっとォ!!なんとかわしたァァ!』

実況者らしき男が声をあげる。

「シュッッ!」

顔にカウンターを受けてよろめいた。

「トドメだッ!」

さらに追撃。ボディーブローを打ち込む。

これには耐えられずスキンヘッドの男は背中から倒れ込んだ。

『ケェイオォォーウッ!!素晴らしいカウンターだァ!』

『『オォォォォォォォォ!!』』

 

ガロンは迫力に思わずつばを飲んだ。

すると真田はニヤリとしてガロンに言った。

「これが地下格闘技場じゃ……!」

 

「こ……これが俺のッ……」

 

 

 

[ 舞台ッッッッッ! ]

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