バカとテストのなく頃に   作:夢の天鱗

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知恵と度胸と試召戦争

 僕は、圭一とま二人で弁当を食べている。圭一の、だけど。

 僕のは答えるのも恐ろしい程残念な弁当だから、圭一の弁当を半分貰っている。

 しかし、そこに新たな惨劇が始まろうとは、誰も知らなかった。

「なあ、明久。観察処分者って事は召喚獣の扱いは上手なんだよな?」

「当然じゃないか」

「俺の召喚獣の武器って何だろうな」

「さあね。始まれば解るよ」

 そんな、他愛無い話をしていると、ドアがゆっくりと開いた。

「圭一、明久、弁当を持ってきたのですよ。にぱ〜☆」

 そこには、古手梨花……だっけ?正直なんで高校にいるのかが解らない少女が、弁当を持ってきていた。

「梨花ちゃん、どういう魂胆だ?」

「どうもこうもありませんですよ。これは、瑞希の弁当なのです」

 圭一は、明らかに警戒している。どうしてなのか。

 とりあえず、姫路さんの弁当らしいし、さっさと頂く事にした。

 しかし、古手さんはどうして瑞希なんて呼び捨てなんだ?

「や、やめろ、明久。最悪毒が盛られてるかもしれないぞ!?」

「これは姫路さんのだよ?」

 僕は、卵焼きを食べてみた。

「ああ、無駄に甘くなく、でもほんわり甘くて中々柔らかい。それに、卵の風味が生きている。しかも、また結構辛いのが……ぐっはぁ」

「明久ぁ!」

 

 

「梨花ちゃん、何を盛ったんだ……!?」

「これは瑞希の弁当なのですよ」

 私は、無言でムッツリーニに指示をする。圭一の死角からムッツリーニが口目掛けて投げる。

 驚いて口が開きっぱなしだったから、抵抗する間もなく圭一も食べてしまった。

 大丈夫よ。雄二と秀吉と魅音で、死なない事は確認してるから。

「梨花は恐ろしいのです……」

「羽入、私はDクラスを見ていてと言った筈よ」

「大丈夫。作戦はちゃんと見てきたのです」

 ………さて、褒美にシュークリームでも食べますか。

 羽入は、また皆に見えなくなっている。しかし、逆に言えば相手の作戦は羽入によって筒抜けになる。

 けど、流石に全部バラしたら面白くないから、皆には少しだけ教えるとしよう。

 けど、瑞希の弁当って何が入ってるのかしら。

 

 

「……っは!?」

「……っは!?」

 誰かと声がハモった。隣を見ると圭一が目を覚ました様子。僕も、今目が覚めた。

 僕は確か、姫路さんの卵焼きを食べたんだ。そしたら、気絶したんだっけ?

「ほら、圭ちゃん。早くしないと試召戦争始まっちゃうよ」

「明久も早く起きろ。あんたは先行部隊だ。圭一もな。更に他四人も行く。まあ、頑張れ」

 

 

 試召戦争が始まり、僕達は渡り廊下で戦闘を始めた。

 先生の立ち会いの元、召喚獣(と言っても見た目はデフォルメされた本人)を呼び出し戦う。

 試獣召喚(サモン)という掛け声の元、皆の召喚獣が召喚されていく。

 しかし、状況は……

『くそっ!K!此処は撤退して……』

『うわっ!補習は嫌だぁ!』

『もう駄目だ……おしまいだぁ』

 バタバタと味方がやられていく。

 結局残ったのは僕と圭一。僕の召喚獣の武器は木刀、圭一の召喚獣は鉄バットと、一対一を耐え切っただけでも素晴らしい点数だ。

 ……しかし、多対二は。

「明久、俺に案がある」

「僕も同じ事を思ったよ……」

「「撤退ッ!」」

『待ってくれKぇえ!』

 此処で試召戦争のルールを確認。

 まず、先生に許可を貰い、召喚獣を呼び出す。この時、先生から半径……何メートルだっけ?兎に角先生の周りだけ呼び出せるようになる。

 この時、召喚者は相手を攻撃するのは禁じられている。

 後、試召戦争はクラス代表者が負けると終わる。Fクラスの代表者は雄二だ。認めたくないけど。

 また、相手が戦闘を仕掛けてきた時、戦闘を放棄すると相手の不戦勝、つまりこちらの負けになる。

 しかし、複数人いる時は一人でも残ればいい。だから、今僕と圭一は誰かさんを一人残して逃走している。

 

「あぅあぅ……圭一も明久も逃げ出したのです」

 

「………何か聞こえなかった?」

「明久もか。あうあう言ってたよな?」

 何か聞こえたのでそれに戸惑っていると、突如向こう側から鉄人の姿が。

 ……僕達負けた記憶無いんだけど。

 良く見ると、ムッツリーニと竜宮さん、その他数名がいた。

「レナ!ナイスだ!」

「ごめんね圭一君。囮になってもらって」

 ……え?囮?

『K殿。こっから一気にケリつけましょうや!』

「全く、戦死者を連れて行くのに大変だというのにな」

「ありがとうございます。西村先生」

「明久、どうしたんだ?ボケッとして」

 ……まさか、僕が囮な筈が。この最高の僕が囮の筈がっ!

「……レナ。相手を殲滅したら明久をお持ち帰りして良いぞ」

「えっ!?良いの!?………じゃあさっさと戦争終わらしちゃおう!」

 ……ゾッとした。曰く、僕は竜宮さんにずっと振り回されていたとか。

 いや、この優しそうな竜宮さんがそんなコトスルハズナイ……

 凄く悪寒を感じたまま、また元の場所に突撃するのであった。

 

 そして、渡り廊下。僕達は異変に気がついた。

『Fクラスめ!先生に手を出すなんて!』

『このタライ何処から降ってきたんだ?』

『なっ!?鉄人がいるぞ!?』

 先生が気絶してる。タライとセットで。

「西村先生!数学で召喚許可を!」

「良いが、あの事について後でみっちり聞かせてもらうぞ」

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 次々と皆の召喚獣が召喚される。しかし、ある異変に気がついた。………また異変か。

 竜宮さんの召喚獣は、素手だった。

「レナの犠牲になれぇ!」

「かぁいいモードが召喚獣に響くとはな……!?」

 全員が、戦慄した。

 レナの召喚獣は、Aクラスの人の召喚獣でも出せなさそうなスピードで相手の召喚獣に肉迫し、次々と不可視の攻撃を繰り出す。

 攻撃力は、流石に一撃必殺ではないが……

 

Fクラス 竜宮礼奈  

      85点

 

 その点数の能力を遥かに上回る攻撃力は確かにあった。

 

 鉄人の代わりに補習室へ誰かが連行していった。つまり、鉄人はまだ使える。

 この鉄人だけは、どの教科のフィールドを張る事ができる。つまり、こっちの得意教科で攻めれるのだ。

「……コホン。兄弟、ここで一つ確認だ」

「K!兄弟だなんて俺には早いです!」

「まあ……静かに。お前達、戦死する覚悟はあるか!ここから保体で特攻するが相手もDクラス、負けることはいつでもありえる。しかし、俺達の最後の目標はなんだ!?Aだ、Dじゃない。ならば、もっと先を目指そうじゃねえか。敗北は後の勝利、それを……忘れるな!行くぞお前達!!」

「「俺達は何処までもKについていきます!男たる者、変態であれ!!」」

 ……鉄人がいまにも圭一その他を殴りそうだけど、生憎試召戦争中なので我慢してる様子。

「レナもかぁいい物の為に最後まで頑張るよ!」

「……よっしゃ、全軍突撃ッ!」

「「うをぉお!!」」

 

「………西村先生、先に行っていてください」

 あんな演説しておいて圭一本人はその場から動こうとしないという。仲間騙した!兄弟騙した!

「いや、俺は後続の隊にも激励しなければならないんだ。明久も先に行っていてくれ」

「そっか。それなら仕方ない。先行ってくる!」

 

「………こちら圭一。第二部隊特攻を始めた。援軍を要請する」

 なんか圭一が言ってるけど……そっか、練習してるのか。

 

 

「圭一から連絡です。馬鹿共が特攻し始めたので援軍をくれ、だそうです」

「レナは生きてますか?」

「大丈夫ですよ。にぱ〜☆」

「……こちら魅音。そろそろ発動だ」

「……ムッツリーニ。沙都子の援護に向かえ。秀吉は第三部隊と一緒に行け」

 

「あぅあぅあぅ………皆悪魔なのです」

「にしても、羽入。あんた本当に試召戦争で使えるわね。特別に心を鬼にしたらシュークリーム一個足すわよ」

「………全力でDクラスを堕とすのです」

 

 

『くっ!ただで死んでたまるか!』

『Fクラスに、栄光あれぇえ!!』

『まだだ、まだ終わらグハッ』

 確かに、保体の点数は高かった。しかし、それはFクラスにしては、という程度だった。

 次々と倒れていく皆。残ったのは僕だけ。今度は逃げる事もできない。

「「試獣召喚(サモン)!」」

 そう思った時、敵にも味方にも援軍が……!

「明久、待たせたな!」

「圭一!やっと来たんだね」

『『我らがK!我らがFクラスの為に……死ねぇえ!Dクラスッ!!』』

「圭一も演劇部に入らんか?」

「秀吉、悪いが俺には俺の部活があるんだ」

 援軍に来ていた圭一と秀吉は、仲間が圧倒的な力で敵をねじ伏せるのを見て、今関係ない話をしている。

 それくらいの余裕がある程、皆は圧倒的だった。圭一って恐ろしい。

 まあ、鉄人がいなくなればこいつら瞬殺されると思うけど。

『誰か鉄人をここから……グハッ!』

『大変です!先生が見当たりません!』

『Fクラス……その名、忘れパタリ』

 次々と敵を撃破し、本拠地へと侵入する事ができた。

そこには、Dクラス代表平賀(ひらが)源二(げんじ)とその近衛部隊らしき人達がいた。

「Kの名において命ずる。お前達、近衛部隊を一蹴せよ!」

『『我らがKよ。言われなくとも殺ります!試獣召喚(サモン)!』』

「……レナ、後は任せた」

「勿論だよ!明久君をお持ち帰りできるんだったらなんでもやるよ!」

「ワシらも参戦するか」

「行くぜ!」

「……これは僕もだよね?」

「当たり前だぜ!」

 全員が召喚し、Dクラスに突撃。その直後、後ろで何かが落ちた。ドスンと廊下を揺らして(本拠地がDクラスの教室だなんて誰も言ってない)………鉄塊らしきそれは退路を封じた。

「……圭一、アレは誰がやったと思う?」

「仕掛けたのは、明らかに沙都子だ。というかそれしかありえない」

 半ギレの鉄人に、笑顔で伝える圭一。そうか、圭一と沙都子の関係は僕と雄二みたいなものなんだね。

「………レナ、今だ!」

「おっ持ち帰りぃいい!!!」

 全員がやっと正気に戻ってきた所で、半狂乱のレナ(の召喚獣)が平賀に突進する。

「Fクラス竜宮レナが平賀君に宣戦布告するよぉお!」

 近衛部隊は、既に他の人と戦って、竜宮さんを止める事はできない。

 戦いを挑まれた平賀君は、仕方なしといった感じで召喚する。

 

『Fクラス 竜宮レナ  VS  Dクラス 平賀源二

保健体育 86点    VS 117点      』

 

 点差は、平賀君が、明らかに上だった。

「その点で俺に勝とうなど」

「持っらいぃ!!」

 竜宮さんの召喚獣が消えたと思ったら、アッパーをしていた。平賀君の召喚獣は綺麗に宙に舞う。

 竜宮さんの召喚獣はそれをキャッチし、頭の上でブンブン振り回し始めた。

「どうしていうことを聞かないんだ!?」

「うおっりゃあ!!」

 更に竜宮さんの召喚獣は、その状態で近衛部隊に突撃。加勢する。

 因みに僕はもう戦闘が終わっている。

 平賀君の召喚獣は、仲間だった物を次々と蹴散らし(こちらにも戦死者多数だけど)Dクラスは平賀君だけになってしまった。

「うおおぉ!!動けぇえ!!」

「お持ち帰りぃぃぃいいい!」

 竜宮さんの召喚獣は、平賀君の召喚獣をがっちり頭上で掴み、駆け出した。

 鉄塊を無視し……召喚獣は物体では無いため、基本的に物に触れれないというルールがあって……それで何処かに消えてしまった。

 ルールをもう一回確認しよう。勝負を仕掛けられた時、戦闘を放棄したら負け、戦死となる。この時、他に戦ってくれる仲間がいれば別。また、フィールドから出た時は戦闘放棄したとみなされる。

 ……つまり、フィールドから出ても竜宮さんは召喚獣が消えるだけだが、仲間がいない平賀君は……戦死となる。

 

 つまり、そのまま走りフィールドから出た為、Fクラスが勝利したのである。

 Dクラスが戦闘放棄した、という悲しい形で。




異端審問会、ムッツリーニ化作戦を展開中。圭一もムッツリーニ型だと思われる。というかじゃないと納得できない。
平賀の倒し方だが、放棄しての不戦勝という形は、大将は別だなんて記述を見なかったからこんな形にしました。

しかし、ソウルブラザーをどうやってだそうかに悩んでる始末。鷹野も出したいけど全然いい案が無いという。
……あ、悟史君は出しますよ。それは決定事項です。
皆様方を出すいい案があるなら感想で……

「そんなに読者に頼って楽しいのかぁ!!」

え?悟史なんでこんな所にグハァッ!!……バタリ。

追記。ソウルブラザー()と間違えていた事に気がついたので直しました。
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