【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

199 / 202
今回もデュエルなしです。
本当なら色々とやりたかったですが、どれもこれも中途半端且つ、つまんないのでボツになりました。

そして、この話の後はいよいよ最終回に向けたデュエルです。
なんかもう・・・感慨深いです。
・・・・・遊輝君の対戦相手、誰にしようかな?


第195話 卒業旅行?

遊輝 side

 

 

「ついた〜!!南国の国、沖縄〜!」

 

「温かいわね〜。さすが気温20度」

 

「おい、まだ空港の中だぞ」

 

「外は意外と寒いらしいから少し着込まないとダメって観光ブックに書いていたわね。海風で体感が寒くなるなんてなんか意外」

 

12月のクリスマスが終わって数日。

クリスマスライブが終わって1日の休みの後、飛行機で沖縄に到着した。冬でも温かいイメージがあったが、観光のページ曰く、海風で体感は寒くなるから注意しろよだった。

この沖縄旅行に来たのはSECRETのメンバーのみ、一応、収録やライブの練習があるので関係者しか来れない。

 

「とりあえずペンションに行こう。マンションのようなペンションを3部屋借りたみたいだら」

 

「えっと・・・・ゆいレールに乗っていけば良いんだね。じゃあゆいレール乗り場に行こう!」

 

「ここから出たら良いのね・・・・うっひょ〜、ほんと寒いわ〜」

 

「早いとこ行こうぜ」

 

空港から出て、海風が吹いて冷たい風が体に染み渡る。これでも外の気温は20度なんだからなぁ〜。

 

「えっと・・・この駅だな。5つ目か。よし、いくぞ」

 

「おう」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「はいさい、めんそーれ沖縄へ」

 

「小林さん、3日ぶりですね」

 

「クリスマスライブにあったばかりだからね、これ部屋の鍵だよ。1時間後に今回押さえたスタジオと近くのスーパーを案内するからそれまで部屋でゆっくりしておいで」

 

「分かりました」

 

目的地となるペンションに辿り着いて、そこのロビーにいたレミの会社の人と会う。レミが代表して前に出て、握手をして部屋の鍵を3つ受け取った。

 

「君たちの部屋は2階だよ。エレベーターでも行けるけどそこの階段から行った方が近いから」

 

「分かりました。それじゃ」

 

鍵を受け取ったレミを先頭にゆびざしした階段をスーツケースを持って移動し、目的の部屋に着く。

 

「ここから3つね。一部屋につき二人、まぁ男は男で過ごしてよね」

 

「分かってますよ」

 

「そんじゃまたね〜」

 

鍵を一つ受け取って、扉を開ける。中は普通のマンションの一部屋みたいなかんじだ。リビングとキッチン、ベットルームでトイレとお風呂付き。

 

「とりあえず荷物はここに置いといて・・・掃除機と洗濯機もあるのか。洗剤買ってこなくちゃな」

 

「タンスはここ一つだけだな」

 

「半分ずつ使うか。とりあえず荷物を軽く出そう、それから先はまたあとで」

 

「そうだな。スティックは・・・・ここで」

 

「えっと・・・・・あっちゃ〜、ピックの予備切れかけてるじゃん・・・・あるかな〜」

 

「スタジオで聞いてみたらいいだろ。とりあえず整理しようぜ」

 

「おk」

 

とりあえずスーツケースの中の荷物をタンスに入れるか・・・・えっと、こいつはここで、こいつはここで・・・・

 

ピンポーン

 

「ん?なんだ?まだスタジオに行くには早いだろ?」

 

インターホンが鳴ったのでバタバタと駆けって玄関の鍵をあける。扉の向こうには響と奏がいた。

 

「どうしたんだよお前ら?」

 

「ご・・・ご・・・・ご・・・」

 

「ご?」

 

「ゴキブリ!!ゴキブリがいるの!!」

 

「はぁ?ゴキブリ?」

 

「うるせぇな!!近所迷惑だぞ!」

 

奏が大声で叫んで、それに反応してスバルが部屋からやってきた。そりゃあんな大声出したら近所迷惑の一つくらい言いたくなるわな。

 

「ゴ、ゴキブリだよ!?ゴキブリ!!しかもかなり巨大な!?」

 

「それがどうしたんだよ。さっさと退治しろ。そこらへんにある新聞紙まとめて」

 

「な、ななな、なんであんた達そんなにゴキブリで平然としていられるのよ!」

 

「俺は物置掃除していたらしょっちゅう出てくるし」

 

「お前、ちゃんと掃除しているのか?整備士失格だろ。俺はまぁ過去に大量のゴキブリと格闘した経験で耐性ついた」

 

あれは未だに覚えているわ・・・・爺ちゃん家の物置整理していたらゴキブリが出てくるわ出てくるわ。もう最後の方なんか機械作業で目が死んでいたもん。

 

「お願いだから退治して!!」

 

「分かった分かった・・・とりあえず黙ろう。本当に近所迷惑」

 

あ〜あ・・・・今回も騒がしい年越しになりそうだ。

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「奏さんいきま〜す。まずは『Best friend』」

 

「わかりました」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「・・・ここ、こう〜・・・・もっと広がる感じの方がいいじゃね?こうやって」

 

♪♪♪〜〜〜

 

「ドラムとの相性悪くなるから・・・・ちょっと待って、スバルに言ってくる」

 

「相性悪いか・・・じゃあ」

 

♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

「こんな感じ?」

 

「違うと思う。そこは多分こう・・・・抑えめで」

 

「抑えめ?」

 

「遊輝、ごめん。ここのコーラス取って」

 

「どこ?」

 

「ここ、ここのこの部分」

 

「・・・・あ〜わかった。ちょっと喉の調子整えてくる」

 

歌の収録をしていた奏が五線譜の紙を持ってコントロールルームに入ってきて、俺に鉛筆である部分を丸で囲む。そこの部分を見て俺はソファから立ち上がり、ペットボトルの水を一口飲んで発声練習を始める。

 

「あ、あ〜・・・・ふぅ〜。OK」

 

「じゃあよろしく。そのまま入っていいわ。私はちょっといい感じのフレーズ思いついたから」

 

「わかった」

 

紙を受け取った俺はそのままコントロールルームの隣にある小さな個室に入る。そこは簡単なコントロールパネルとヴォーカルの録音用のマイクしかない。備え付けのヘッドホンを耳に当て、マイクに向かって声を出す。

 

「あ〜、あ〜・・・・じゃあお願いします」

 

『分かりました』

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「あ〜、あ〜、ああ〜〜・・・・・」

 

マイクに向かって歌い始める。コーラスは編曲されるとは言えヴォーカルより目立っちゃダメだ。出来る限り目立たない且つ丁寧な高さに出さないと。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「一回聞きま〜す」

 

『は〜い』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「(・・・・・・・う〜ん、微妙)もう一回、頭から」

 

『分かりました』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

録音した自分の声を聞いて納得いかなかったのでもう一回歌い直し、そして再び録音していたのを聴く。

 

「ん〜・・・・なんかおかしい」

 

『違和感はありますね。ライブの時に取った、あの時の方がマシですよ」

 

「キーが外れてるのですか?なんか合わない」

 

『キーは外れてないよ。ただ、ライブの時よりも声量を落としているからじゃないか?』

 

「落としすぎ?そんなに」

 

『調整はこちらでやりますから一度ライブと同じ要領でやってみたらどう?』

 

「分かりました」

 

とりあえず声量に注意してっと・・・・・

 

♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪〜〜

 

「ああ〜〜・・・・・・・」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜

 

『OK、さっきよりいいよ』

 

「そうですか。ちょっと聞いてみます」

 

コントロールパネルのスイッチを押して、ついさっき録音した自分の声を聞く。

 

「(・・・・ああ、確かに違和感ねぇな。こうなるとここの音、半音下がるか・・・・)」

 

う〜む、難しい・・・・・こういう時は一番初めにやった通りにした方がいいな。後から考えれば考えるほどダメになるパターンだ。

 

「とりあえずこれでレミに渡してください。えっと・・・・次、『風に吹かれて』を頭から通しで」

 

『はいよ〜』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

ひたすら録音していた曲に歌を歌って、自分の歌を聴いて気に入らないところがあれば歌い直し、こんな作業をずっと続ける。気づけば夜の9時だった。

 

『遊輝さ〜ん、これ以上は無理ですよ。それと歌い過ぎです』

 

「あ゛あ゛・・・・ちょ、調子乗り過ぎた・・・・」

 

今日は調子いいわ〜・・・・とか思って呑気に歌うんじゃなかった・・・喉いてぇ・・・ペットボトルの水を飲み干して、小さな部屋から出る。

 

「お疲れ様です。明日は歌わないでくださいよ」

 

「さすがに歌いませんよ・・・・」

 

「他の皆さんは先に帰りました。遊輝さんが最後です」

 

「まぁ夜9時だもんなぁ・・・・」

 

とっとと荷物をまとめて部屋に戻ろう。明日まで収録して、明後日からは休みだな。確か明後日水族館行こうとか言っていたな・・・美ら海ってすげぇ遠いんだけど。

 

「お疲れ様でした」

 

「おつかれ〜」

 

スタジオに残っているスタッフさんに挨拶をしてスタジオを出る。晩飯はスバルに任せていたな・・・となるとコンビニか。

 

「まぁ夜9時過ぎちゃったら俺も作る気ないな・・・ふわぁ・・・」

 

にしても暗いなぁ・・・この辺はまだ建物が多いけど、お、お化けとか出ないよな・・・

 

「・・・あっ、ステーキ屋だ。そういえば沖縄県民はシメにステーキって言っていたけどマジなんだな。なんじゃあの行列」

 

チラッと見えたステーキ屋には夜9時を過ぎているのに長蛇の列。これがまだ深夜にかけて続くとかとても想像できない。

 

「沖縄ソバとかテビチとかあと魚の・・・グルクンとか食べてみてぇ料理いっぱいあるけど、どれもたどり着けそうにないな。マグロの目玉とか絶対に食わねえだろ」

 

あれはまぁ、コラーゲンの塊とか言えば簡単に釣れそうだけど。

 

「他なにあるかな〜・・・まぁこういうのはそこらへんの食堂に行けばあるだろ。っということでついた」

 

歩いて2〜3分、拠点のペンションに着いた。いや〜、近くにあるのマジ便利、アカデミアから家までそこそこかかるし。

 

「ふわぁ・・・さっさと食べて風呂入って寝よ。明日も早いし」

 

あくびを一つついて部屋へと戻っていった。

 

「戻ったぞ」

 

「おっせぇな。先に飯食ったぞ」

 

「わかってら。何買ったんだ?」

 

「サラダと電子レンジでチンするご飯と適当なオカズ」

 

「・・・・・・なんていうか、センスねぇな」

 

「お前人が買ってきたもんにケチつけるんか!?」

 

「だってお前、サラダにレジ横のチキンと肉まんだぞ?どう考えてもセンスねげだろ。沖縄のコンビニだって沖縄料理の一つや二つあるだろ」

 

「訳のわからねぇ魚の目玉とか豚の頭とか食えるか!!」

 

「・・・・・んなもん、コンビニに置いてるのか?」

 

流石にコンビニにそんなものは置かねぇだろ・・・せいぜいチャンプルーとかシリシリとかだろ・・・

 

「コンビニじゃなくて近くの市場に行ったんだよ。でも夜遅くてめぼしいものなかったからコンビニに寄ったんだよ」

 

「お前、6時も過ぎて市場に行っても何もねぇわ。市場は朝に行かなきゃ」

 

「知るか」

 

「まぁいいや。さっさと飯食って寝よう・・・明日も早いし、明日は忘年会に行くし」

 

「ああもう忘年会か・・・年末だもんな」

 

持ってきた小さなカレンダーを見てスバルが呟く。今年は本当、あっという間だったな・・・そう思ってかなり遅めの夜ご飯を食べ始める。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「来ました!!美ら海水族館!!」

 

「遠かったわね〜。バスで2時間」

 

「沖縄の北のほうにあるからなぁ」

 

「にしてもデケェ・・・想像していたよりも遥かにでかい」

 

美ら海水族館に着いてパンフレット目にして初めて分かったんだが、この水族館意外とデカイなぁ。しかも水族館以外にも色んな物があるから1日かけて回るって・・・・

 

「早速行こう!!まずはここ!!」

 

「走っちゃダメだよ響!」

 

「タッチプール!」

 

入り口から入ってエスカレーターで下の階に行き、入場口を渡ってすぐにある水槽に響が走っていく。

 

「見て見て!ヒトデとかいっぱいいる!」

 

「ヒトデとかなら近所の水族館にもいっぱいいるじゃん」

 

「こんな触る施設は無かったけど」

 

「へぇこいつら、以外と可愛いなぁ」

 

「たしかに、こうやって触ってみると以外と感触いいわね」

 

「おおい!次行くわよ!サンゴの解説がもうすぐ始まるんだから!!」

 

「おおっといけね」

 

「分かった!」

 

レミに言われてさっさと手についた水を切って、隣のサンゴが沢山ある水槽にいく。

 

「綺麗・・・」

 

「すげぇなぁ・・・」

 

「ここまで多いと圧巻ねぇ・・・」

 

「隣の熱帯魚もすごいぞ。色とりどりの魚がいてカラフル」

 

「あの辺は目立つ魚多いし」

 

何だっけな・・・・確かわざと目立つようにしてるんだっけ?

 

「あっ、ここに書いてあるわよ。えっと・・・『サンゴ礁に擬態するため、カラフルな色をしています。ただし、アマゾン川に住む淡水の熱帯魚はカラフルではありません』って」

 

「へぇ〜そうなんだ」

 

「こんなカラフルな色をしていても結局は生き残るためなんだね」

 

弱肉強食の世界じゃ怖いなぁ・・・人間に生まれてきて良かったよ、俺は転生して2度目も人間だから運が良かったんかね。

 

「あっ、カクレクマノミ」

 

「綺麗だな〜」

 

「こいつ毒のあるイソギンチャクを住処にしてるんだろ?不思議だな」

 

「物騒なこと言わないでよ」

 

「事実だろ。イソギンチャクは毒持ちなんだから」

 

とてもあの見た目・・・・いや、見た目も実はグロいけど、あの見た目から想像つかねぇよな。

 

「いいなぁ〜・・・こうやってのんびりと暮らしてみたい」

 

「今年一年は大変だったけど、来年も同じくらい大変よ」

 

「ゆっくりしたいわね〜」

 

「再来年ぐらいはゆっくりできるよ」

 

「お前ら、年末の水族館でやる話じゃないだろ」

 

たまにはゆっくりとしたいんだよ。そんな仕事関係のことをこの場で話すなよ。

 

「次行こうぜ!今日は貸し切りに近いし、大きな水槽を独占できるぞ!」

 

「お前も慌てなくていいぞ!」

 

全く・・・こいつらいつになったら落ち着きを覚えられるんだ・・・・そんな事を思いながら俺たちはスバルと響の後を追いかけた。




響「カヤック楽しかったね!」

遊輝「おいこらちょっと待て、水族館の話でなぜカヤックが出て来るんだよ」

スバル「実際行ったじゃねぇか」

遊輝「お前らにはモラルがねぇのか、モラルが」

響「楽しかったのは楽しかったからいいじゃない!」

スバル「正月の初日の出をビーチで見た時は良かったなぁ〜」

響「あとは沖縄そば!あれ美味しかった!」

遊輝「あそこの沖縄そばは間違いなくうまかった。あと豚足も」

スバル「・・・・お前、人のこと言えねぇよ」

響「というわけで次回、いよいよ最終回に向けたお話よ」

遊輝「【それぞれの未来】。次回もよろしく」

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