Debug and degraded   作:白紫 黒緑

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序章です。




虚ノ中ノモノ

何を持って生きているというのか、明確に全ての万人に正解として示せる答えなど無いだろう。故に人それぞれの生の定義がある。………だとすれば、今俺は生きていると言えるのだろうか?

俺の周りは殆ど興味の失せた不快な灰色で溢れ返っていた。生きれば生きるほど毎日が色褪せていき、人の話声はノイズが入ったように、興味の無い人の声はより一層遠くに聞こえる。………そう感じる。意味は分かるし、認識も出来るが、指の間を砂がすり抜けて行くように消えていく。

どれだけ嫌な思い、不快な出来事もいずれは、ただの日常となり、自らの内に苛立ちや絶望、諦めを積もらせて行く。この身を縛る物は無い。されど魂と心を縛る鎖は確かにある。………これは呪いと言う方が正しいかも知れない。

現状を打開すべく様々な方法は浮かぶが、それらは泡沫のように消えていく。完璧な方法も意味は無いのだから、

 

ー退屈だ。

こんな場所では発狂する事もできない。不可能では無いがより最悪な状況になっていくからだ。冷静なのではない呆れている、飽きているだけ、そんな掃き溜めから色のある液晶に視線を移し、コントローラを握る、キーボードを打つ。ただ何をしていても頭の中で声がする。

 

『この柵…………切って…『自由が欲しい』『怒…を…『痛み…『逃げ…『まだ!』………抑えられるか?』無理だ!』……くだらない』『いい加減に『クソが!』『意味なんて…『馬鹿馬鹿しい』『終わりは………『もうどうでもいい…』『………議論の体を『馬鹿が!』『意思を………『平気でふ……『くたばれ!』カスが!』『辛いだけの………『無駄だ』

 

『『『『『『生きていて楽しいか?』』』』』』

『『『『『『わかってるだろう?』』』』』』

『『『『『『意味も何も無いことは』』』』』』

 

いつからかは忘れたが、ずっとこれを繰り返し続けている。頭の中で結論がある程度纏まったのだろう。ただそれに意味ない。意思と行動できない現状の乖離から自ら行動する事を促す幻聴か、あるいは………

しかし、考えても仕方のない事だ。結局何もできないことに変わりはない。なのでこの音を止める方法は現状、ただ一つ、

 

ー殺せばいい。〇〇を、

 

俺は生きているとは言えないだろう。されど、死んでいる訳ではない。その曖昧なまま、漠然と求めていた。苦痛以外ないこの生を引き伸ばしながら、死ぬに相応しい理由を求めながら、そして、このイカれた世界を面白可笑しく生きる方法を、

 

声が止んだの確認してヘッドホンを付けると、画面に目を向ける。もしかしたらこうして外と遮断することが本来の目的なのではないか、ふと思った、

 

ー〇〇の限りを尽くして、○の安寧を

 

今楽しいのは事実なのでその考えは放置した。殺した〇〇はバラバラになってまた戻ってくる。

 

ー怒りも退屈も閉塞も、〇〇と〇〇で塗り潰せ

 

そこからまた、蠢き、集まり、意思を持ち、それを殺す。これを何度繰り返したか最早覚えていない。

 

ー汚泥に塗れた尊厳無き、○であれど

 

ただ、自らの置かれた環境と他人との違いを気にし始めてからだったのは忌々しい事に鮮明に覚えている。

 

ーこの身を縛られようとも、○こそは〇〇であるために

 

はじめの頃は解決方法もわからなかったため、随分寝不足になった。

 

ーこの〇〇〇な〇〇と〇〇を○して、○して、○げ○してしまいたくなったとしても、

 

それでも、頑張れるだけ頑張るしかない。

 

ーたとえ〇〇に○んだとしても、〇〇まで生き抜く

 

命が、心が、魂が、この身体にある限り、どんなに怒りに蝕まれようと、どんなに苦痛に塗れるようとも

 

 

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