火の聖痕が欲しいです!   作:銀の鈴

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お久しぶりです。銀の鈴です。

少し前に前話を投稿したような気分だったのですが、前話の投稿日を確認したら三年近くが過ぎていました。
すごくビックリしました。歳を取ると時間の流れが早く感じますね。
まるで、タイプスリップを擬似体験した気分です。



第52話「想い」

 

その日、紅羽は和麻から会いたいという連絡を受けた。

 

デートのお誘いならお断りだと電話越しに答えた紅羽に対して、彼にしては元気のない声色で『相談があるんだ』と、ポツリと漏らす。

 

紅羽が知る和麻は、いつも馬鹿みたいに元気よく──武志に向かって──叫んでいるイメージが強い男だった。決してこんな頼りない声をだす奴ではなかった。

 

紅羽は、そんな不自然な彼の様子にふと思い出した。和麻とは古い付き合いがあったことを。

 

二人は中学の途中から高校入学直前までクラスメイトだった。転校当初は色々と彼に気にかけてもらった記憶が紅羽にはあった。もっとも長年の悩みから解放された後は、可愛い弟(武志)との憩いのひと時(通学時)のお邪魔虫でしかなかったが。

 

和麻の相談事とは一体……間違いなく厄介ごとだろう。そう分かっていても紅羽は彼の相談を受けることにした。なぜなら転校当初のほんの僅かな期間だったとはいえ、紅羽は間違いなく和麻からの温かい気遣いに助けられたのだから。

 

「……すまない、紅羽」

 

紅羽の了承の言葉に答える和麻の声にはやはり元気がなかった。何故か紅羽は彼のそんな声が気に入らなかった。かつて、可愛い弟(武志)と交わしていた彼の楽しげな声がひどく懐かしく思えてしまった。

 

故に、彼女が──可愛い弟(武志)の真似である──軽口を叩くのは当然のことだったのだろう。

 

「もう、そんな元気のない声をだすなんて貴方らしくないわね。中学の頃、武志と戯れあいながら私の胸を盗み見してた頃の元気さはどこにいったのかしら?」

 

「それは元気の意味が違うよな!? っていうか、紅羽の胸を盗み見なんかしてねえよ」

 

「あら、本当かしら?」

 

「ほ、本当だぞ」

 

「本当の本当に?」

 

「ほ、本当の本当だ」

 

「……そうなんだ。私ってそんなに女としての魅力がなかったんだ」

 

「えっ!? い、いやそんなことはないぞ! 紅羽は中学の頃からすごい色っぽかったぞ!!」

 

「本当に?」

 

「本当だ!」

 

「本当の本当に?」

 

「本当の本当だ!!」

 

「私は魅力的だった?」

 

「すごい魅力的だったぞ!! 中学生とは思えないエロいおっぱいだった!!」

 

「エロっ!?……ち、ちなみに操の胸はどうだったのかしら?」

 

「おうっ、操のおっぱいもエロかったな! あの頃は、武志の奴がしょっちゅうお前らに抱きついてはエロいおっぱいに顔を埋めていたからな、それが羨ましくて何度枕を涙で濡らしたか分からんぐらいだぞ!! 俺もエロいおっぱいに顔を埋めたかったんだ!!」

 

「……」

 

「ん? どうした、急に黙ったりして?」

 

「……いいえ、なんでもないわ。私の目論見通りとはいえ、ここまで急加速のノンストップで元気を取り戻すだなんて思っていなかっただけよ」

 

「あっ……気を使わせちまったみたいだな。ありがとな、紅羽」

 

突然始まった紅羽の軽口が、自分のことを思ってのものだったと気付いた和麻は胸に温かいものを感じた。

 

「いいえ、お礼なんていらないわ。私の忘れたい記憶がひとつ増えただけだもの」

 

「そうか……ん? 忘れたい記憶ってなんだ?」

 

「ううん、何でもないわ。気にしないで」

 

「あ、ああ、分かった」

 

和麻と喋りながら紅羽は思った。

 

昔の借りは今のセクハラ発言でチャラね、と。

 

 

***

 

 

待ち合わせ場所についた紅羽。彼女の姿に気付いた和麻は爽やかな笑顔を浮かべながら両手をあげる。

 

その不自然な体勢に『こんな場所でハイタッチ?』などと不審に思った紅羽だったが、そのまま和麻は膝を折ると、これぞ土下座の見本だと言わんばかりの見事な土下座っぷりを披露した。

 

「この通りだ! 頼む、仕事を紹介して欲しいんだ!」

 

紅羽が呼び出された場所は、別に無人の荒野などではなく、ごくごく普通の街中だ。当然ながら周囲には多数の通行人がいる。必然的に二人は好奇の視線を一斉に向けられた。

 

「か、和麻……頭を上げてくれないかしら?」

 

「ダメだ! このまま俺の話を聞いてほしい。そしてその返事を聞くまでは頭を上げるわけにはいかない!」

 

紅羽は頭を上げるようにと言うが、和麻は頑として聞き入れない。

 

土下座をしたまま微動だにしない和麻に、紅羽は困ったように眉を寄せる。

 

「あのね、和麻。貴方はそれで誠意を表しているつもりかも知れないけど、他人からは男性に土下座をさせている怖い女だと私は見られているのよ。現代において土下座って、一種の脅迫なのだと私は思うわ」

 

「うっ、すまない。たしかに紅羽の言う通りだな」

 

紅羽の厳しい言葉に、和麻は周囲を慌てて見渡すと通行人達の注目を集めていることに気づいた。和麻は慌てて立ち上がると申し訳なさそうに紅羽に謝罪する。

 

「頭を上げてくれたのならいいわ。それで、仕事の紹介というのはどういう事かしら? 貴方だって一流の拝み屋でしょう? モグリだけど」

 

和麻は世界中を巡りながら数々の高難度の依頼を達成していたことは紅羽の耳にも入っていた。たとえモグリとはいえ、そんな和麻になら依頼人など幾らでもいるだろう。

 

「いや、確かに海外なら問題ないんだが、日本だと神凪一族の影響が強くてな……俺の名を出すだけで仲介者が顔を青くして逃げていくんだよ」

 

「ああ、そういえば和麻は虚空閃を盗んで女性と逃げたのよね。あの時、怒り狂った操が貴方を賞金首にしていたわ。あれがまだ影響しているんじゃないかしら?」

 

「俺が賞金首!? それは初耳なんだけど」

 

和麻と武志が和解した後は、操によって賞金首は解除されていたが、この日本において絶大な影響力を有する神凪と揉めた者に態々関わろうとする仲介者などいるはずがなかった。

 

「海外でも賞金を懸けられていたけど、まさか日本でも賞金首になっていたのか。くそう、操の奴、俺と顔を合わせたときはニコニコしてやがったくせに酷いな」

 

和麻と翠鈴、そして小雷の三人で海外を放浪中に巻き起こした数々の騒動のせいで、和麻達は色々な組織から賞金を懸けられて追われる立場になっていた。そんな三人だったが拝み屋としては超一流だったため、依頼内容の危険度を度外視すれば仕事に困ることはなかった。

 

その為、賞金首にされることに慣れていた和麻は口では操の悪態を吐くが、実際にはそれほど気にしなかった。もちろん、恨まれる原因が自分にある事を理解していたからだ。

 

「それで、和麻は金欠だから仕事をしたいわけね」

 

「有り体に言えばその通りだ。扶養家族もいるから生活費がかかるんだよ」

 

翠鈴と小雷はまだ日本に慣れていないため、仕事はさせられない。それに日本でまで騒動を起こされたくないため和麻は自分が頑張るつもりだった。

 

「つまり彼女達には専業主婦になって欲しいわけね。ふふ、意外と和麻は独占欲が強いのね」

 

「……ああ、そうかも知れないな」

 

和麻にとっては非常に納得しがたい言葉だったが、紅羽の雰囲気が柔らかくなったように感じたため話を合わせることにした。

 

勿論、機嫌が良くなれば多少の譲歩はしてくれるだろうと期待してのことだ。だから、紅羽が揶揄うようにニヤニヤしていても和麻はグッと堪えた。

 

「ふーん、本当に二人が大事なのね……うふふ、いいわ。仕事を紹介してあげる」

 

「そ、そうか! うん、ありがとな。紅羽」

 

反論を我慢していた和麻の姿に何を思ったのかは分からないが、紅羽は優しい笑みを浮かべると仕事を紹介することを了承する。

 

その笑みを見た和麻は、どこか懐かしいような、切ないような、そんな郷愁にも似た想いを抱いた。

 

──紅羽が見せた笑み。それは、二人が中学に通っていた頃、稀に見せてくれた優しい笑みだった。

 

「……それじゃあ、早速で悪いが具体的な話をしたいんだが」

 

「ええ、そうね。でも紹介する依頼を決める前に、今の和麻の正確な実力が知りたいわ」

 

「それもそうだな。どこかで試合でもするか?」

 

──和麻が抱いた想い。それは、本人にもよく分からないものだった。だが、それは確かに存在していた。

 

 

 

***

 

 

花音は疑問に感じていた。

 

「煉くん、昨日のドラマは見た? すごく面白かったよね」

 

「そうだね、登場人物の心の機微を細かく演じていて興味深く見ていたよ」

 

少し前の煉なら目も合わさずに「見てないよ」の一言で終わっていた恋愛ドラマの感想に付き合ってくれる。

 

「そういえば、その後の歌番組に出演した新しいアイドルの子って、すごい可愛かったよね」

 

「そうだね、あの子は鈴原さんぐらい可愛かったと思うよ」

 

「やだあ、煉くんってばお世辞が上手いんだからあ」

 

少し前の煉なら目も合わさずに「興味ないよ」の一言で終わっていた歌番組の感想にも付き合ってくれた上、花音を喜ばせる言葉まで口にしてくれる。

 

「そうだ、よかったら今日一緒に帰らない?」

 

「いいよ。途中までになるけど一緒に帰ろう」

 

「やったー、約束だよ!」

 

少し前の煉なら目も合わさずに「断るよ」の一言で終わっていた帰りのお誘いにも応じてくれる。

 

 

──いや、違った。

 

 

今までの煉なら、全ての話を無視しただろう。

 

そんな状況が、ある日を境に一変した。

 

数日間、家の事情とやらで学校を休んだ後、久しぶりに登校した彼は今の煉になっていた。

 

無口で無愛想……いやいや、寡黙でクールだった煉が、朗らかで社交的な煉になっていたのだ。

 

花音はこの変化の理由を考える。

 

「……私の想いが煉君に通じたとか?」

 

──そんなわけないだろう。

 

どこかから天の声が聞こえた気がした。不本意ながら花音もその天の声と同意見だった。

 

「……嫌な予感がするわ」

 

女の勘が最大級の危険を告げていた。最早、手遅れレベルの警鐘が花音の頭の中で鳴り響いていた。

 

「大丈夫? 顔色が悪いみたいだけど」

 

煉が心配げな表情を浮かべていた。自分の事を案じてくれる彼に、花音は衝動的に抱きつきたくなった。

 

だけど、そんな乙女心の発露が叶うことはない。

 

軽く曲げられた膝のたわみを利用して瞬間的に発生させた力は、床との反発力となり、花音の華奢な身体を容易くトップスピードまで持っていく。

 

その花音の姿は、同じ教室で見ていたクラスメイトの目には、煉に襲いかかる肉食獣のように見えたという。

 

「煉クーン!!――あれ?」

 

「うん、どうやら僕の見間違いだったみたいだね」

 

愛しの君に抱きついた。そう思った次の瞬間、愛しの君は花音の背後に立ち彼女の両肩に手を置いていた。

 

(う、動けない? まるで力を吸い取られているみたいだわ)

 

不思議なことに両肩に手を置かれただけで花音の身体は動かなくなっていた。それは煉によって花音の動きが完全に制されているためだ。

 

(やっぱり、煉君はすごいわ。んぅ……やばっ)

 

花音の聴勁では煉の動きが全く読めない。自分を遥かに凌ぐ煉の実力を感じた花音は、別の意味でも感じそうになり慌てて自制しようとする。

 

「えっと、そろそろ休み時間が終わるから席に戻るね」

 

クネクネと身をよじる花音。煉はそんな彼女からあっさりと身を離す。

 

「あっ、煉君……」

 

身体から離れていく煉の体温を感じたとき、花音は何故だか無性に悲しい気持ちに襲われた。

 

「……絶対に振り向かせてみせるからね、煉君」

 

状況は絶望的だと女の勘は告げていた。だけど、だからといって、花音は諦めるという選択肢を選ぶつもりなどなかった。なんといっても恋は戦いなのだから、不戦敗など選ぶもんかと拳を握り締めて、花音はその想いを新たにした。

 

「よお、振られちまったな。もうあんな奴のことはいいだろ。いいかげん俺と付き合えよ」

 

「あら、高松くんまたあんたなの。私に付きまとうのもいい加減にしてほしいんだけど」

 

かけられた声に、花音は煉に向けていた切ない表情から心底嫌気がさした表情へと一瞬で変わる。そして、握り締めた拳はそのままだ。

 

花音に声をかけたのは、彼女のクラスメイトである『高松 隆志』だった。自分に気があるらしく付きまとってくる隆志のことを花音は毛嫌いしていた。

 

「おいおい、かのん。そんな照れ隠しなんかすんなよ。女は素直な方が可愛いぜ」

 

自分では決まったと思ったのだろう。隆志はドヤ顔を見せた。

 

──ドン。

 

微かに教室が震えた。

 

「ちょっと鈴原さん!?」

 

「あれ? どうして煉君が私の手を握っているの? ううん、全然嫌じゃないわ。むしろばっちこいよ。そうだわ、今から私の家に行きましょうよ」

 

何やら途轍もなくムカつくものを目にしたと思った次の瞬間、花音の意識は飛んでいた。しばらくして意識を取り戻した花音は、自分の右手が煉の手によって包まれていることに気づいた。

 

きっとこれは煉からのお誘いなのだろう。そう解釈した花音は煉を自宅へと招待する。

 

しかし、残念ながら煉にはそんな気はなかった。

 

そんな事よりも、隆志の顔面が潰されることを止められたのは良かったが、花音の震脚によりヒビ割れた床のことが気になった。このまま放っておけば先生に怒られるだろう。

 

「まあ、何はともあれ鈴原さんに凶行を犯させずにすんで良かったよ。高松くんも大丈夫かい?」

 

教室全体を揺らすほどの震脚からの顔面への突きは、煉から見ても危険を感じるほどだった。花音への評価を一段階上げながら、煉は床にへたり込んでいる隆志に声をかける。

 

「ひ、ひぃっ、ば、ばけもの……」

 

生まれて初めてぶつけられた殺気と、自分の命を容易く奪いそうな一撃を目の当たりにしたショックで隆志は混乱していた。いわゆるメダパニ状態である。

 

メダパニ中の隆志の言葉に花音は眉を顰める。たしかに化け物呼ばわりされて喜ぶ女の子はいないだろう。

 

「この程度で化け物なの?……そっか、高松くんは県外からの入学だったわね。うふふ、この学園には私なんか足元にも及ばない人達がわんさか(・・・・)といるんだから言葉遣いには気をつけないね」

 

花音は可憐な笑みを浮かべながら隆志に忠告する。腰を抜かしたのか床にへたり込んだままの隆志は、その可憐なはずなのに恐怖を感じさせる笑みに震えながらもコクコクと顔を縦に振った。

 

私立聖陵学園──この学園は百年を越える伝統を誇る名門だった。そして、神凪一族をはじめとする超常の力を秘めた『力ある者』が多く通っていることは、地元においては暗黙の了解だった。

 




綾乃「ちょー久しぶりね」
紅羽「前回から約三年が経ってるわね」
綾乃「絶対にエタッたと思われていたでしょうね」
紅羽「あら、他の小説の投稿は多少はされていたから、きっと優しい読者は私達の出番を待っていてくれたわよ」
綾乃「私達の出番?今回、あたしの出番はこの後書きだけなんだけど?」
紅羽「私も似たようなものよ。チョイ役で出ているだけだもの」
綾乃「どこがチョイ役なのよ!!どう見ても主役級の扱いじゃない!!」
紅羽「もう、そんなに怒らないで。今回だけピックアップされた私と違って、綾乃は文字通りの作品全体を通しての主役級じゃない」
綾乃「えへへ♪やっぱりそう思う?」
紅羽「もちろんよ」
操「ええ、私もそう思いますよ。ただし綾乃様がメイン回は悪役チックなことが多いですけどね♪」
綾乃「なっ!?何ですって!!」
紅羽「ちょっ!?操っ!!なんて事を言うの!!」
操「あらあら、本当のことを言って怒られるなんて分家の身分というのは辛いわね。余りにも辛くて……思わず可愛い武志に愚痴ってしまいそうだわ。本家の怖い人にお姉ちゃんは怒られたって」
綾乃「ぐぬぬ……スーハースーハー。んんっ、こほん。やーねえ、あたしは怒ったりしてないわよ。あたし達は家族みたいなものじゃない。本家だとか分家だとか関係ないわ。紅羽もそう思うでしょう?」
紅羽「そ、そうね。綾乃の言う通りだわ。仲良くするのが一番だわ」
操「うふふ、そう言ってもらえるなんて嬉しいですわ。それじゃ、私は夕飯のお買い物に行ってきますね」
綾乃「うん、いってらっしゃい」
紅羽「操、気をつけてね」
綾乃「……」
紅羽「……」
綾乃「行ったみたいね。あの小姑は」
紅羽「こ、小姑って」
綾乃「完全に小姑じゃない。武志が中学生になった辺りからあたしに対する当たりがキツいのよね」
紅羽「そうなの?」
綾乃「そうよ!まあ、紅羽は完全に姉ポジションだから平気なんだろうけどさ」
紅羽「へえ、それなら綾乃は姉ポジションじゃないってこと?」
綾乃「……えっと、今のところ姉ポジションよ?」
紅羽「どうして疑問形なのよ。でも、今のところ、なのね」
綾乃「ウー、うっさいわね!武志とは歳が近いんだから色々あるのよ!紅羽みたいに歳を食ってたら関係ないんでしょうけどね!!」
紅羽「そこまで歳は離れてないわよ!!人を年増みたいに言わないで!!」
綾乃「あれ、そうだっけ?紅羽って何歳なの?」
紅羽「綾乃より5、6歳ぐらい上よ」
綾乃「微妙にいい加減な言い方ね」
紅羽「原作だともう少し上なんだけどね。オリジナル設定ってやつだわ」
綾乃「ふーん、原作だと紅羽はおばちゃんだったんだ」
紅羽「おばちゃん!?……ククク、初めてですよ…ここまで私をコケにしたおバカさんは」
綾乃「えっ?く、紅羽…?」
紅羽「ぜったいに許さんぞ、虫けらが!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」
綾乃「紅羽ーっ!?あんたキャラが違っているわよーっ!!」
紅羽「デスボール!!」
綾乃「きゃー!?その技だとなぶり殺しじゃなくて即死なんだけどーっ!?」



沙知「あれ?後書きであたし達が出るなんて珍しいね」
綾「数年ぶりの投稿だから特別みたいね」
沙知「ふーん、あたし達は完全にオリジナルキャラだから読者に思い出してもらう為かな?」
綾「その可能性は高いわね」
沙知「どうせなら本文で出してくれたらいいのにね」
綾「出る予定はあるわよ」
沙知「そうなの?武志とは違って、あたし達は戦闘力のインフレについていけないから出番があっても危険じゃない?」
綾「あらあら、この小説のメインは戦闘なんかじゃないわよ」
沙知「ええっ!?戦闘メインじゃないの!?だって原作はバリバリの異能バトル物よね!?」
綾「もう、沙知はダメね。今まで主役の武志がまともに戦ったことなんて殆どないでしょう?」
沙知「えっ?えっ?そ、そうかな?」
綾「ええ、そうよ。この小説はバトル物じゃなくて、武志さんと沙知、そして私の三人を主軸としたラブコメ物なのよ」
沙知「ラブコメーッ!?」
綾「私達も中学生になった事だし、そろそろ新たな段階を迎えそうね」
沙知「あ、新たな段階って?」
綾「R15とか?」
沙知「あたし達にはまだ早いよーっ!!」
綾「うふふ、沙知はまだまだお子様ね」
沙知「ふんっ、あたしはお子様でいいもん!」



マリ「オリジナルキャラといえば私も忘れるでないぞ」
武志「あれ、マリちゃんは原作キャラのはずだよ。沙知と綾以外のオリキャラは、僕の赤カブトぐらいかな?」
マリ「私は原作キャラだったのか!?」
武志「あはは、忘れがちだけど原作1巻にマリちゃんのことはバッチリ載ってるよ」
マリ「ほう、流石は私だな。だが、この私が原作1巻から出ていたのならパワーバランスが滅茶苦茶にならないか?」
武志「確かにそうだね。原作では最強に近い和麻兄さんが尻尾を巻いて逃げるしかなかったって言ってたからね」
マリ「和麻?ああ、あの男か。あの男が原作だと最強レベルなのか?……その原作とやらはギャグ物なのか?」
武志「えっと、一応本編はシリアスになるのかな?短編集はギャグ寄りだね」
マリ「短編集もあるのか……この小説は短編集とやらにも踏み込むのか?」
武志「うーん、そこまで踏み込んじゃうと大変だからね。取り敢えずは本編を完結させるのを優先かな」
マリ「うむ、それが無難じゃな」
武志「そうだね、マリちゃん」

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