東方羅戦録(外伝)   作:黒尾の狼牙

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気づけば東方羅戦録もお気に入りが18に…
皆様には本当に感謝しております
気づけば冬も終わってるけど、最後に黎人達にこれを過ごして貰おうと思います
では、どうぞ〜


UA5000突破記念‼︎みんなで鍋を…

幻想郷は今、冬である

もう直ぐ春が来るから、もうそんなに寒くは無い

だから寒いと感じる人はいない

寒がりを除いて、だが…

 

 

 

 

 

 

「ガチガチガチガチガチガチ…」

「まだその状態なの?いつまでたっても変わらないわねぇ…」

「しゃ、しゃむいもんはしゃぶいんだ」

「…しかも喋れてないし」

未だ炬燵で震えている黎人

いい加減慣れてほしいものだと思っている

「だ…だいたいな、外に比べて此処(幻想郷)の冬は比べ物にならねぇんだよ」

「そんなに寒くないのね。外の冬、て」

幻想郷は、電気やガスがそんなに使われていない

だからストーブや暖房がないから炬燵でしか温めれない

しかも地球温暖化などないから外より寒くなるのは当然である

「どうしようかしら…こんな寒がりがいるんだし」

何か打開策が無いかと霊夢は考えていた

 

 

 

 

 

「みんなで鍋をつつけばいいんじゃない?」

すると襖から、萃香が入ってきてそう言った

「鍋?どういうこと」

「もう冬も終わりに近いし、最後にみんなで鍋を食べようって感じ。黎人も願ったりだろ?」

「ああ、成る程ね。確かに食べたくなる気はするはね」

「いやしかしよ…ここって鍋ができるほど豊かじゃ《ギュウ》ゴア⁉︎…カァ……《バタ》」

霊夢が黎人の首を絞め気絶させた

彼女は暗殺の才能がある

「一言多いのよ、あんたは。少しデリカシー、てものをね…」

「無理じゃない?」

「…そうだったわね」

言われたい放題である

 

「でも確かに出来ないのよね…どうしたものかしら」

材料、道具、鍋に必要なものは無い

霊夢はウンウンと考え込んでしまった

「それだったら、別のところから借りていけばいいんじゃないっすか?」

すると同じく同居人の刃燗から言われた

「別のところから?」

「鍋だったら、霧雨のところの道具屋とか香霖堂とかにあるから借りれば良いじゃないっすか」

道具屋に鍋を借りようと言うのだ

普通は買うべき場所なのだが

「そうね…森近さんなら貸してくれるでしょう」

…霊夢が乗った

巫女がそれ言っていいのか

 

「それに材料だったらみんなに集めさせて貰えばいいじゃないか。嫌な奴は居ないよ」

「そうっすね。みんなでワイワイと有意義な感じになりますよね」

 

萃香と刃燗はなんか良さげなことを言っているが…

「…いやお前らが楽しみたいだけだろ」

「あ、起きた」

復活した黎人

彼の耐久力も中々である

 

「てな訳でみんなに知らせてくるよー。今夜始めるね」

萃香は霧となって消えていった

「おい、いきなりすぎじゃねぇか?」

「大丈夫よ。どーせ何時もの事だし」

計画性?そんなもの幻想郷に必要ない

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

夜(18:00)

「何でこんなに集まるんだよ」

急な呼び出しにも関わらず大勢の人及び妖怪が来た

「宴会、て言ったらみんなで来るわよ」

「飲みたがりの溜まり場か此処は」

黎人の言うことは間違ってはいないだろう

博麗神社は参拝より宴会目当てで来ている方が多いのだ

 

来ていたのは紅魔館、永遠亭、白玉楼のメンバー

天狗、河童などの妖怪や妖精

守矢神社の3人の神などなど…

 

「…結構いるな。ひょっとして、全員来てるんじゃねぇか?」

黎人は率直に言った。なんかもうほとんど来てる感じである

 

「そうでもないわよ。紫も来てないし」

言われてみればその通りだ。妖怪の賢者の彼女がそこにはいない

「どーせ冬眠でもしてるんでしょ。スキマの中で」

「クマかよあいつは」

思わず突っ込んでしまう。何もしないで冬眠する人間はいない。勿論家にずっといる人はいるかもしれないが…

 

「それにさとりとか聖もいないのよ。伝わってないのか来なかったかだけどね」

黎人には誰のことか分からない。全地域を渡った訳ではないのだから

(そいや魏音もいねぇな…あいつの場合は来なかっただろうがな…)

 

 

 

 

 

 

「よっしゃー!!出来たぜー!!!」

奥から叫んでいるのは魔理沙だ。彼女は材料が入った鍋を煮る係をやっていた。彼女曰く、やってみたかったそうだ。まぁ、それはいいのだが…

 

 

 

 

 

 

出来上がった鍋を机の上に置く。机にひとつずつ鍋が置いてあり、適当な場所に陣取る

 

「ていうか、色々入ってんな。何鍋だよ」

妹紅が持って来た筍や鶏肉、惣一が育てた野菜、魔理沙が入れたキノコ…

「おいこのキノコ、毒キノコとかじゃねぇだろうな」

キノコを見て不安気味に尋ねる黎人。確かに心配にはなる

「大丈夫だって。幾ら何でも毒キノコを食べようとは思わねぇよ」

「お前だから言ってんだろうが」

自信満々に答える魔理沙。だが彼女関係でいい思い出が無い黎人は不安要素しかない

 

 

 

 

 

「まぁ、良いじゃないスか。こういうところでは楽しくやりましょうよ。材料は沢山あるんだし、適当に盛っていけば…」

 

刃燗が箸で適当に掴む。奥に沈んである白い塊を掴んだ。恐らく肉だと思ったのだろう

しかし、手応えは感じなかった。というか、表面がツルツルしていて、オマケに凄く凹んで…

不思議に思って引き上げて見るとそれは…

 

 

 

 

黎「何でゴリゴリ君入ってんの?」

ゴリゴリ君のソーダ味(袋ずめ)だった

 

 

 

 

 

 

「あ、それアタイが入れた‼︎」

「やっぱりお前か‼︎鍋にアイス突っ込んでどうすんだよ!これ絶対液体と棒だけだよね⁉︎バカなの⁉︎あ、そいや⑨かすまん‼︎」

「お前今アタイをバカにしたな!!」

バカにしてますゴメンなさい

 

 

 

 

「まぁ、そう騒がなくても良いじゃないですか。別に他にも美味しそうなものはありますし。ほら、これは…⁉︎」

 

黎人を宥めるように言って惣一は箸を突っ込むと、何故か彼は凄く大きな物を掴んだ気がした。箸は明らかに掴みきれておらず、一回完全に離れた。変に思った彼は掬うようにそれを持ち上げるとそれは…

 

 

 

黎「何でミスティア入ってんの?」

 

ミスティア・ローレライだった

 

 

 

 

 

 

「それ私が入れたのよ」

「何て事してくれてんすか亡霊⁉︎もうこれ死にかけてんじゃねぇか‼︎ていうかどうやって入れたんだよ!!この中人間が入るほどの大きさ無いんだけど!?」

「無理やり入れたら出来た」

「ミスティアーーーーー!!!!」

ミスティアが死んだ!この人でなし!!

 

 

 

 

 

 

「ていうか魔理沙!お前も気づけよ」

「いやー、あまり見ないで魔法で一気に燃やしたからな。こう…グアッと」

「鍋料理を何だと思ってんだよ!」

普通はゆっくりと煮て食べるものだが、ここではセオリーに縛られないらしい

「ていうかツッコミ忙しいわね。黎人」

黎人がギャーギャー騒いでいる後ろで冷静に突っ込む霊夢がいた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アイスを再び冷やし、ミスティアを救出して鍋パーティが再開された。材料が沢山入っている鍋は中々旨い。特にみんなで囲んで食べると普段では味わえない楽しさがある。お酒を飲んで、みんなと騒いで…

「うぇ〜〜い、ちょっと呑み足りないんじゃないの〜?黎人〜」

「寄りかかんじゃねぇ!てか呑みすぎだろ霊夢!」

酔っ払いに絡まれるのは好き嫌いが分かれるかもしれないが…

「なによ〜こんないい女が寄りかかってんのに、冷たいわね〜」

「酔いすぎだろ!酒にも自分にも」

黎人の肩に乗っかって左腕に手を組んでいる。彼女の口からは酒の匂いが強烈に漂う。近くでそれを受けてる黎人には堪ったものではない

 

因みに黎人は酒に強い。最初彼は少し悩んだが、意外にいけた。天狗や鬼ほどでは無いが、人間の中では上位に立てる。因みに外では酒が飲める年齢では無いが、ここでは気にしてはいけないらしい

 

「大変ね。黎人」

彼の後ろから声をかけたのは…

 

「…出たなクマ」

「何でクマって言われないといけないの?」

クマ…じゃなかった八雲紫だ

「もう此処に慣れて来てるじゃ無い?久しぶりにあったけど、みんなと仲良くしているようで良かったわ〜」

「テメェ…若干呑んでるな」

「あらやだ、ばれちったテヘペロ」

ワザとらしく舌を出す。少しは年を考えてほし…ゲフンゲフン

 

「でも貴方は並外れて凄いわよ。霊夢とそんなに仲が良くなっちゃって」

霊夢を見るといつの間にか眠っている。黎人としては腕が重いから迷惑なのだが…

「そうか?コイツは周りの奴と同じ様に接しているようだが」

 

霊夢は周りの人と平等に接する。必要以上の接触はせず、接する時も素っ気ない。魔理沙とかと話している時は比較的多く話しているが、それは相手の方が話しかけているのであって霊夢が求めているのではない。それに対して適当に受け流すか相槌を打つかのどっちかだ

 

そのことを黎人は非とは思わない。繋がりを求めるかどうかはその人が決めることだし、距離を置くというのは有効だ。必要以上の接触は疲れるし、事によっては互いを傷つける。彼も、人付き合いは苦手だ

 

現在酔っている時の霊夢はかなり寄りかかっているが、普段は距離を空けている。仲が良いのではなく、仲が悪くないというだけだ、と黎人は思っている

 

 

 

 

 

 

 

「違うのよ」

それを紫は否定した。黎人は「ん?」と言って紫の方を向いた

「あなたが初めてなのよ。魔理沙たちと同じ様に彼女と接する男性は」

黎人は訳が分からないという顔をしている。紫はそのまま続けた

 

「霊夢は…里の人間、特に男からは畏怖の目で見られているのよ。同じ人間の種族なのに、妖怪を味方にしてしまう彼女がね。更に、自分たち男より強い女性に嫌気がさす…男尊女卑、ていうのかしら?それを、本能で感じているらしいのよね。だから、霊夢に近づこうとする人は居ない」

 

紫の目から悲哀が感じれた。霊夢のことをかなり心配している、ということでもある

 

「でも、あなたはそんな目で霊夢を見ない。他の人と比べず、1人の女性として霊夢を見てくれる。そんな人がいてくれるなんて、霊夢としても嬉しいんだと思う。その証拠に、酔ってるとはいえ黎人に接しようとするなんて…今までだったら考えられなかったわ」

 

だが直ぐ笑顔になる。黎人は何もしていないが、紫にとってそのことが本当に嬉しいのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

「畏怖の目…ね」

 

 

 

 

 

 

 

『あの人、怖いよね』

『暗いし、何考えてるか分かんないし、何より…』

 

 

 

 

 

 

『あんな傷つけてて気味悪い』

 

 

 

 

 

「どうしたの?」

暗い顔になったのを見て、紫は尋ねた

「あぁ、悪いな。少し…」

「ひょっとして、あなたも…?」

 

図星だった。中学生の頃、黎人は孤立していた。彼が周りとあまり話したがらない、というのもあるが…

 

「あぁ、外の世界じゃ、傷がついてるだけで気味悪がれるからな」

 

小学生の時の事件以降、家を売って別のアパートに住んだ。その際に別の学校に入学したが、左目の傷が原因で周りから仲間外れにされた。それが原因で人付き合いを避けようとした訳でもある

 

「とはいえ、皆無でも無かったがな…興味本位で近づく奴もいたしな。だが、正直面倒になっていた。繋がり、というもんが」

「そう…」

 

紫は黙ってしまった。繋がりを持つのは結構難しい。双方から手を伸ばさなければ成り立たず、繋ぐよりも離す方が簡単で呆気ない。絆とは儚いものだ

 

「とはいえ…」

突然声をかけられた。出したのは当然、黎人だ。彼の目は悲哀とかそういったものは感じ取れない

 

 

 

 

 

「常識外れのこの世界で、接することを楽しく思えるようになったがな」

 

 

 

 

その言葉は励みだった。

「良かったわ。全てを受け入れる、この世界を作って…」

「あぁ、それに…⁉︎」

黎人が何か言おうとした瞬間、事件は起きた

 

 

 

 

 

突然、紫が倒れた

「え、おい!大丈夫か…⁉︎」

揺れた弾みで霊夢も倒れたが、良く見ると寝ているわけじゃ無い。明らかに気絶のそれだ

おかしい。彼女達は今日鍋しか食べてないし、鍋の中にも変なものは…

「まさか!!」

嫌な予感を察し、鍋パーティーが行われている大広間に行くと、そこでは…

 

 

多くの人妖が倒れていた

 

 

 

 

(アイツだけがいねぇ…やっぱり)

 

「お、おい…黎人、これは一体…?」

辛うじて生きていた魔理沙

ちょうど彼女に聞きたいことがあった

「お前…

 

 

 

 

 

スープはどうした?」

 

鍋の基本はスープ。それにより味が左右される

「えっとな…どうしようかと悩んでいたら…

 

 

 

 

 

惣一が持ってきてくれたものを入れて」

「それだァーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

ウッカリしていた。彼女は惣一の料理の事を知らない。

つまり、この鍋は…

 

 

 

一定時間後に効き目が訪れる劇薬である

 

 

 

「ごっは…」

「魔理沙⁉︎…ぐぁ……」

暫く経って黎人と魔理沙にも効果が出た

そのまま倒れ、ピクリとも動けなくなる

そして、誰もいなくなった

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?みなさん寝ているんですか?…参ったな。私一人で片付けましょうか」

少し席を外していた惣一は、鍋の片付けを始めた

「それにしてもなかなか楽しかったですね。少しアレンジを加えてみたんですが…もし次回があったらまたやってみたいものです」

御免被りたい、と誰もが思った

 

 

 

 

 

 

この異変を後に『鍋異変』と呼び

その後しばらくの間、みんなは鍋を見たくないということだった




おっそろしい鍋ですな…怖ッ
因みに私は鍋大好きです
さて、本編の方も宜しくお願いします
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