黒の銃弾~赤き瞳の見る果ては~   作:黒パン

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二話連続です!
よろしくお願いします!
物語の進め方が難しい…


神々を目指した者達
仮面の男


《ガストレア》

それはガストレアウィルスによって遺伝子を書き換えられ変異し、他生物を無差別に襲い同族へ変えていく生物の総称。

圧倒的な感染度により次々に変異していった生物達はそのまま人類の脅威となった。

生物を超越したかの如き生命力と理論上不可能とされた生物の巨大化。

これにより、人類の攻撃も意味を成さず次々に人類は数を減らし《モノリス》のなかへ追い詰められて行った。

ガストレア、それは食物連鎖の現頂点であり人類の敵だ。

 

 

 

 

★★★★★★

 

 

 

 

春の先、とある平日の午前。やる気は兎も角、学業が本文の学生は今頃せっせと授業を受けている筈の時間。

 

 

いかつい顔に太い眉、一見すればヤクザにも見えなくもない殺人課の主任刑事に一人の少年が脅されていた。

 

「テメェみてぇなガキが民警だぁ!?」

 

怒鳴るように言われても、興味のないような目で見ている少年は里見連太郎。

見た目は中肉中背で一般的な黒い髪、顔は悪くない良い部類に入る筈なのに見た瞬間に感じるのは不幸顔。

服装は学校の制服と思われる物に場違いの黒い刀という何とも言えない物騒な外見だ。

 

 

 

 

 

 

「高校生が民警やってちゃ悪いかよ

ライセンスだって、武器だって持ってる

グチグチいうなら帰るぜ」

 

そう言うと舌打ちし、最近はガキまで民警ごっこかよ…などと言い、ジロジロと見てくる

 

こっちだって早く帰りたいのだ。

本当は今日、好きなライトノベル「やはり俺の迷宮都市での出会いは間違っている7〈初回限定版:ひねくれ!ヒキ○ニ君voice人形付き〉」の発売日であるためにワザワザ学校を欠席してでも行こうと思っていた。

なのに木更さんからの電話に、お?モーニングコール?デレ期か?と少し期待して出てしまったが為に買いに行けず仕事になってしまったのだ。(ヤッパリ現実にそんなの求めちゃいけないね!)。

それでも嫌とは言わず(言えず)全速力で他社に仕事を取られまいと走らせて来たというのに、この言われよう。

時間に遅れた訳でも無しにここまで言われる筋合いは無い。

 

「ちっ!…ライセンスを出せよ」

 

明らかに不機嫌そうにしながら舌打ちし、そう要求してくる。

 

差し出すと、その刑事は顔と写真を見比べて、写真だと不幸面が際立って見えるな!と笑う。

さっきから一々ムカつく男だ。

すぐに笑いを押さえると自分のことを多田島と簡単に紹介し、ライセンスを投げて返してきた。

 

「天童民警会社?聞かねぇ会社だが…この際もう良い、仕事の話をしよう」

 

此方には言いたいことは山ほどあるが、怒りを抑え改めて現場らしいマンションを見た。

それは特に外傷はない何処にでもあるような六階建ての古びたマンションだった。

 

「異常は無さそうだが…ここで事件が?」

 

「ああ、上の階から血の雨漏りがするんで下にいた住人が悲鳴をあげながら通報してきた。

恐らくガストレアで間違いない

まぁ、ついてこい」

 

そう言い多田島は、まるで此方に非があるかのように肩をすくめながらヤレヤレやっとか、とワザと大きい声で案内する。

連太郎は溜め息をつきながら、それについていく。

 

こんなことは今に始まったことではない。

そもそも、民警と警察の中が悪いのはガストレアとの敗戦後までに遡る。

敗戦後、ガストレア絡みの事件は民間警備会社、民警の同伴なしに現場に入ることを禁止する法律を定めた。

しかし、意図することはあるものの自分達の領域に踏み込んでくる民警は警察にとっては唯々忌々しいの一言だったらしい。

 

「そう言えばお前イニシエーターはどうした?」

 

「パシ…あ、相棒は今日、別件で忙しいんだ!」

 

 

危ない危ない…一瞬口を滑らせるところだった…

 

現場に向かうと既に大量の警官隊がドアの前を固めていた。

それを眺めながら、ふと気づいたのはドアの向こうから漂う、ほのかな≪人間≫の血の臭い。

それも新しい。

これは誰かが殺られたなと思っていると

 

「状況は?」

 

「す、すみません!たった今ポイントマンが窓から突入し、連絡が途絶えました…」

 

案の定、決まりを無視して入っていき返り討ちにあったようだ。

この様なことがあるため、対ガストレアのエキスパートである民警が同伴することになっているのだが…まぁ、よくある話だ。

そんなことより、今はつまらない争いをしているコイツらを退けて中に入る方が先だ。

 

「どけっ!俺が突入する!」

 

そう言い制服の裏ポケットに入っていた黒い拳銃≪スプリングフィールドXD≫を取りだし、コッキング。

 

恐らく部屋の大きさから中にいるとすればステージⅠかステージⅡのガストレアだろうとあたりを付け、サングラスをする。

 

それを怪訝そうに見てくる多田島達を尻目に扉を蹴り開け、素早く中を確認する。

と、其処には壁に叩きつけられザクロののように血を飛び散らせた警官だったで在ろう者の死体。

 

 

そして、首を徐々に此方へ向けてくる仮面の男だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ…一体何者だ?同業者か?」

 

この状況と相手の異様さ。何より自分自身の勘は上の言葉を否定しているが、一応念のため聞いてみる。

男の外見は身長凡そ190㎝に場違いな黒いシルクハットに燕尾服。そして、舞踏会用?の白い仮面を着けていた。

 

 

「感染源ガストレアを追っているという点では同じと言えるが同業者ではない。

何故なら、この赤くまみれている警官を殺したのは…私だからだ」

 

 

瞬間、連太郎は素早く思考を戦闘に切り替え、腕と足を狙い手元にある拳銃を4回発砲。

しかし、仮面の男は最小限の動きで回避し、お返しとばかりに拳銃をクイックドロウし、3回発砲してくる。

拳銃を抜こうとする動作を見た連太郎は警官が後ろに居ることから回避は不可能と判断。

相手の発砲と同時に銃口を合わせ3発と相手の胸と眉間を狙い2発、合計6発を発射する。

お互いの弾丸は其々が、まるで定められていたかのように吸い込まれて行きぶつかり合う。

キィィン!金属同士が擦れるような音と共に弾は明後日の方向に飛んでいく。

当然のことながら仮面の男には当たらなかった。

 

 

 

「っ!お見事!

まさか、避けられるなら未だしも銃弾を銃弾で弾いてくるとは予想外だよ」

 

 

仮面の男はそう言いヒヒヒッと気味の悪く楽しそうに笑う。

ー強いー

自分で言うのもアレだが、かなりの神業だったと思うのだが…

あまり動揺しない姿に連太郎は冷や汗がでる。

 

 

「それでは今度は此方から…おっと!」

 

 

そうしていると仮面の男の物らしき携帯電話がなる。

今だ!敵の油断した姿を見て神速もかくやという速度で間合いを詰め回し蹴りを放つ。

天童式戦闘術二の型十六番…隠禅黒天風。

洗練され美しくも効率的な軌道を描くそれは仮面の男の頭を狙う。

が、直撃はしなかったが男の腕に阻まれるもベキィッと凄まじい音がしたと思うと仮面の男は吹き飛び部屋の壁を突き抜ける。

手応えは有ったため普通の人間なら即死だ。

 

「なっ!」

 

 

「すまない小比奈、少々面白いものを見つけてね…

ああ、大丈夫だよ。直ぐそちらに行く」

 

 

しかし、あろうことか男は電話すら離さず首や腕をポキポキとならしながら平然と立ち上がり歩いてきたではないか。

 

 

「今のは流石に危なかったよ。君ともう少し遊んでいたいがやることが出来てしまってねぇ。

殺してやりたいのは山々なんだが…

君の名前は?」

 

 

「…里見連太郎。

お前は…何者だ?」

 

 

「里見くん…か

私は世界を滅ぼす者…誰一人として私を止めることは出来ない

また会おう里見くん」

 

 

そう言い男はベランダから飛び降りる。

 

 

「へ?あ、待て!名前を…」

 

 

別に連太郎としては奴の名前を聞いたつもりだったのだが…。

余りにも突拍子も無い発言に気が削がれてしまった。

 

…しかし、強かった…

奴がその気なら俺は殺されていたかもしれない…

それ程までに恐ろしい殺気を放っていた。

さらに気になるのは、まるで巨大な鉄球のような物で圧死させられたような警官の死に方だった。

奴にはまだ隠された何かがある。そう感じたのだ。

それに、世界を滅ぼすとは何とも物騒だ。

 

 

「仮面の男…お前は一体何者なんだ…」




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