左右対称のエース 作:パワプロ大好き男
5回終わって3―1と稲城実業高校がリードしてる。
成宮は6回表のマウンドに上がった。
[6回の表、青道高校の攻撃は、8番 ピッチャー 丹波君]
途中出場の丹波が右打席に入った。
成宮は丹波を三振に仕留め、続く白州をライトフライに打ち取った。
ついでに、1番の倉持をピッチャーゴロに仕留め、この回は三者凡退に倒れた。
しかし、その裏の攻撃も、稲城実業高校は三者凡退に倒れた。
「樹、なかなか点取れないな。」
土屋が呟くと多田野が言った。
「確かに、ピッチャー変わると点をとるのは難しいからね。」
そうこうしていくうちに7回が始まった。
7回表は、青道打線に苦戦しながらも、無失点に抑えた。
その裏、青道高校は守備位置につこうとしたが、何やらざわついていた。
「何だ、マウンドで誰かが足をつったみたいだな。」
「ひょっとして、向こうのエースじゃないか?」
土屋と多田野が言った。
マウンドで足を吊ったのは青道高校のエース丹波光一郎(たんばこういちろう)だった。
結局、ピッチャー交代せざるを得なかった。
[青道高校、選手の交代をお知らせします。ピッチャー丹波君に変わりまして、沢村君、8番 ピッチャー 沢村君]
何とサウスポーの沢村栄純(さわむらえいじゅん)がマウンドに上がった。
「マジかよ、サウスポーかよ……」
土屋が呟いた。
しかし、彼はとんでもないピッチャーだった。
なんと稲城実業高校のクリーンアップをねじ伏せたのであった。
「マジかよ!?」
江崎が言った。
「アイツ本当に1年生か!?」
杉が言った。
「これは厄介だね。」
多田野が言った。
「あぁ、先輩方がタイミング取りづらそうな感じに見えたわ。」
土屋が言った。
吉沢、原田、成宮に聞くと3人とも同じことを言っていた。
「球の出所が見えないから分かりづれぇ~」
吉沢が言った。
「スピードは速くないが、打者の手元で曲がるからやりづらい、クセ球だ。」
原田が言った。
「アイツ、タイミング取りづれぇヤツだよ全く!」
成宮が言った。
(マジか……沢村ってヤツ、そんなにすげぇヤツかよ……)
さすがの土屋も動揺を隠しきれなかった。
すると、国友監督が言った。
「確かに彼はデータがないからやりづらいかもしれない。しかし、全く手がつかない相手でもない、俺達が出来ることをしっかりとやれ。いいな?」
「はい!!!」
監督の言葉に選手が全員返事した。
「よぉ~し、8回も頑張るか~」
成宮が余裕をぶっこきながら言った。
ここまで成宮が1人で投げきっているが、果たして最後までいくのだろうか?