左右対称のエース 作:パワプロ大好き男
甲子園が終わり、稲城実業高校のメンバーはホテルに戻り、準優勝になったことを祝う、祝賀会が行われた。
皆は旨い飯を食べたり、ドリンクを飲んだりしてワイワイと楽しんでいた。
「貴之、どうだ?楽しんどるか?」
「あぁ、兄貴、最高の気分だよ。」
土屋コーチと弟・貴之も楽しんでいた。
「正直、コーチである俺がお前に教えること自体すごく違和感あったけど、お前の活躍している姿を見て、俺は感動したよ。」
「ありがとう兄貴、けど俺は2年生、3年生になっても甲子園に行けるように頑張るからよ、必ず兄貴が叶わなかった夢を叶えると同時に、兄貴を必ず越えて見せるからよ。」
弟の言葉を聞き、兄のコーチ・隆則は涙ぐみながら言った。
「お前にそう言われると、嬉しいワイ。」
「だから兄貴、泣くなよ。」
貴之は隆則をなだめた。
「新体制のこともあるけど今日はそんなこと忘れて祝賀会楽しもうや。」
「あぁ、とことん楽しもうや、なまら旨いわ。」
北海道弁を交えながら2人は祝賀会を楽しんでいったのであった。
「兄貴は酒飲めないの?」
「俺は酒に弱いから飲めないんだ、監督には叶わないよ。」
「マジかよ、兄貴なら飲めると思った。」
「バカいえ、俺はソフトドリンクで十分だよ。」
野球のことすっかり忘れ、祝賀会を大いに楽しんだのであった。
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9月に入り、新体制が始まった。
新キャプテンは福井健斗に決まった。
しかし、個性が強い稲城実業高校をまとめるのはかなり大変のようだった。
ブルペンでは成宮と多田野が練習していた。
土屋は隣で練習していた。
「鳴さん、ストレートいいですね~、次はチェンジアップをお願いします。出来れば低めで。」
多田野が言った。
すると成宮が笑いながら言った。
「いいけど、取れるの?」
成宮が言った。
「まぁ、お前のことを考えると、俺についていけば、嫌でもバッテリー出来るようになるって、安心しろ。」
まるで、成宮は多田野を見下すような感じで話していた。
隣で練習していた土屋が呟いた。
(全く、この人は相変わらず人を信じないよな、本当にこの人で大丈夫なのかよ、エース変えた方がいいんじゃないの?)
土屋は多田野を信じない成宮の姿に腹を立てていた。
(樹が可哀想だ、こんなヤツに振り回されて、それでも我慢している樹は偉いよ。)
土屋は心の中で呟いた。
不安を抱えたまま、秋季大会を迎えるのであった。
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10月に入り、監督が背番号を渡すことになった。
「背番号を若い順に渡すから、呼ばれたやつは取りに来い。」
「はい!!!」
「背番号1、成宮鳴」
「はい。」
成宮が背番号1を受け取った。
「背番号2、多田野樹」
「はい。」
多田野が背番号2を受け取った。
「背番号3、山岡陸」
「はい。」
山岡が背番号3を受け取った。
「背番号4、江崎卓」
「はい。」
江崎が背番号4を受け取った。
「背番号5、矢部浩二」
「はい。」
矢部が背番号5を受け取った。
「背番号6、白河勝之」
「はい。」
白河が背番号6を受け取った。
「背番号7、杉良平」
「はい。」
杉が背番号7を受け取った。
「背番号8、神谷カルロス俊樹」
「はい。」
神谷が背番号8を受け取った。
「背番号9、福井健斗」
「はい。」
福井健斗新キャプテンが背番号9を受け取った。
福井健斗は夏の大会ではレギュラーになれなかったものの、チームをまとめる真面目で一生懸命なところを原田に高く評価され、新キャプテンに指名された人である。
土屋はまたもや背番号1ケタを手にすることが出来なかった。
「背番号10、土屋貴之」
「はい。」
土屋が背番号10を受け取った。
(まぁ、夏は11だからな、1つ上がったと思えばいいや。)
土屋は冷静に割りきった。
「背番号11、平野啓二」
「はい。」
平野が背番号11を受け取った。
その後も背番号を呼ばれていき、全員受け取った。
いろんな不安を抱えたまま秋季大会を迎えるのであった。