左右対称のエース 作:パワプロ大好き男
稲城実業高校の秋季大会が始まった。
稲城はシード校のため、2回戦から試合が始まった。
相手は鵜久森高校、先発は背番号11を着けた平野だった。
「OK、悪くなぁ~い、遊びなんかいらないよ、ねじ伏せろー!」
成宮がレフトから叫んだ。
「うるせぇなレフト。」
神谷が笑いながら言った。
「ヘイヘーイ!!」
成宮は続けた。
「自分と同じプレーが出来ると思ったか?バカエースが。」
白河が呟いた。
「自分が先発じゃないからって八つ当たりするなよな、あんな人がエースだなんて、ふざけんなだよな。」
ライトを守っていた土屋が呟いた。
そうこうしていくうちに、初回を三者凡退に抑えた。
「いいですね、平野さん、ナイスボールです。スライダーが絶好調ですね、この調子で行けば…」
多田野が言うと、成宮が言った。
「イヤイヤイヤ、押せ押せ、ストレートのタイミングあってないじゃん、そのまま押せよ。」
「ちょっと鳴さん、今は平野さんとバッテリー組んでいるんですから…」
「何だと、俺を除け者にする気か!!」
すると平野がなだめた。
「まぁまぁ、でも鳴や土屋君が後ろで守っていると、安心するよ、俺は自分のピッチングすればいいんだからさ。」
「平野先輩……」
土屋が言うと、成宮はニンマリした。
「いや~分かってるね~平野っち、誰が本当のエースなのか。」
「ちょっと、なに本気で照れてるんですか?」
多田野が言うと成宮はこんなことを言った。
「まぁ、俺さえいれば土屋なんていらないし。」
土屋は腹を立てた。
(本当にこの人、俺をバカにするよな。)
土屋は思った。
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稲城実業高校のスタメン
1番 センター 神谷カルロス俊樹
2番 ショート 白河勝之
3番 ライト 土屋貴之
4番 ファースト 山岡陸
5番 レフト 成宮鳴
6番 サード 矢部浩二
7番 セカンド 江崎卓
8番 キャッチャー 多田野樹
9番 ピッチャー 平野啓二
先頭の神谷がセーフティーバントで出塁すると、白河が送りバントで1アウト2塁となった。
続く3番の土屋は空振り三振を喫した。
「先発の梅宮先輩、スローカーブがかなり曲がっているな。」
土屋は冷静に分析し、山岡に伝えた。
すると山岡がタイムリーを放ち、神谷が生還。
1―0となった。
「ヤベェ、さすが稲城実業だぜ、もう1点取られちまったぜ。」
鵜久森高校のエース梅宮聖一(うめみやせいいち)が言った。
(1点だけじゃ済まさねぇよ、もっと点数を稼いで平野っちを楽にしてあげないとな。)
しかし、成宮はそう意気込むも、空振り三振。
試合はそのまま前半戦を終え、1―0と稲城実業高校がリードのまま、後半戦に入るのであった。