左右対称のエース   作:パワプロ大好き男

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第22話

3回戦当日、土屋はトイレにいた。

 

「ウゥ~、腹痛いし、紙がないよ~」

 

土屋はトイレでうずくまっていた。

するとトイレで聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「全く、お前が先発だとブルペンが辛いぜ。」

 

沢村の声が聞こえた。

沢村と言えば夏の大会では稲城実業高校のクリーンアップである吉沢、原田、成宮を三振に仕留めたサウスポーピッチャーであった。

 

「悪いな、けどスタミナはもう大丈夫だから。」

 

降谷の声が聞こえた。

恐らく沢村とトイレしていたのだろう。

土屋はすかさず言った。

 

「誰か~トイレットペーパー下さい。」

 

土屋が言うと、誰かが言った。

 

「栄純君、誰か助けを呼んでるよ。」

 

小湊春市の声が聞こえた。

小湊亮介先輩の弟だった。

沢村がトイレットペーパーを投げ込んだ。

 

「いよっ、このトイレットペーパーを受け取ってください!!」

 

沢村が元気よくトイレットペーパーを投げた。

すると土屋の頭にトイレットペーパーが当たった。

 

「イテッ、おぉ、ありがとうございます。」

 

土屋は早速トイレットペーパーを使ってトイレを済ました。

トイレから出ると、沢村が言った。

 

「あぁ、お前は、夏の大会で騒がれた1年生の土屋だろ!!」

 

「栄純君、人に指さしちゃダメだよ。」

 

「無礼者だな沢村。」

 

春市と降谷が沢村を止めた。

土屋は手を洗い終えると、沢村に礼をした。

 

「済まなかった、助かったよ。」

 

「いえいえ、なんのなんの。」

 

すると降谷が言った。

 

「土屋、久しぶりだな。」

 

「あぁ、降谷こそ、夏の大会以来だな。」

 

「えっ、降谷君知ってるの彼のこと?」

 

春市が降谷に質問した。

降谷が答えた。

 

「あぁ、土屋とは中学時代のチームメイトさ。」

 

「そうなんだ、初めまして小湊春市です。」

 

春市が俺に話しかけてくれた。

 

「あぁ、初めまして、俺が土屋貴之です。」

 

「オホン、私が前回の試合で5回コールド勝ちをおさめました、5回完封勝利投手、炎のサウスポー、沢村栄純と申します。」

 

「あぁ……よろしく……」

 

沢村の勢いに、さすがの土屋も押され気味だった。

自己紹介を済ませ、降谷が言った。

 

「鵜久森戦はかなりてこずったようだね。」

 

「まぁな、でも最終的に勝てばいいんだよ、こうやって降谷に会えたんだし。」

 

「この試合、必ずリベンジさせてもらうから。」

 

「悪いけど、そんなことはさせねぇよ、こっちには借りを返さなければならないんだ。」

 

「借りを返す?」

 

「あぁ、俺達は甲子園準優勝に終わった、だからこそもう1度、あの舞台に立って、テッペンを取りたいんだ、こんなところでつまずくわけにはいかないんだ。」

 

「そうか……だが、こっちだって稲城実業高校に負けて悔しい思いをしたんだ、こっちだって借りを返させてもらうから。」

 

「いいだろう、どっちが強いかハッキリしようじゃねぇか、逃げるなよ降谷。」

 

そう言って土屋はあとにした。

 

「なんだよアイツ、感じが悪いな、降谷、あんなやつに負けるなよ。」

 

「栄純君落ち着いて…」

 

「分かってるよ沢村、春市。」

 

こうして稲城実業高校と青道高校の試合が始まろうとしていた。

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