左右対称のエース 作:パワプロ大好き男
3回戦当日、土屋はトイレにいた。
「ウゥ~、腹痛いし、紙がないよ~」
土屋はトイレでうずくまっていた。
するとトイレで聞き覚えのある声が聞こえた。
「全く、お前が先発だとブルペンが辛いぜ。」
沢村の声が聞こえた。
沢村と言えば夏の大会では稲城実業高校のクリーンアップである吉沢、原田、成宮を三振に仕留めたサウスポーピッチャーであった。
「悪いな、けどスタミナはもう大丈夫だから。」
降谷の声が聞こえた。
恐らく沢村とトイレしていたのだろう。
土屋はすかさず言った。
「誰か~トイレットペーパー下さい。」
土屋が言うと、誰かが言った。
「栄純君、誰か助けを呼んでるよ。」
小湊春市の声が聞こえた。
小湊亮介先輩の弟だった。
沢村がトイレットペーパーを投げ込んだ。
「いよっ、このトイレットペーパーを受け取ってください!!」
沢村が元気よくトイレットペーパーを投げた。
すると土屋の頭にトイレットペーパーが当たった。
「イテッ、おぉ、ありがとうございます。」
土屋は早速トイレットペーパーを使ってトイレを済ました。
トイレから出ると、沢村が言った。
「あぁ、お前は、夏の大会で騒がれた1年生の土屋だろ!!」
「栄純君、人に指さしちゃダメだよ。」
「無礼者だな沢村。」
春市と降谷が沢村を止めた。
土屋は手を洗い終えると、沢村に礼をした。
「済まなかった、助かったよ。」
「いえいえ、なんのなんの。」
すると降谷が言った。
「土屋、久しぶりだな。」
「あぁ、降谷こそ、夏の大会以来だな。」
「えっ、降谷君知ってるの彼のこと?」
春市が降谷に質問した。
降谷が答えた。
「あぁ、土屋とは中学時代のチームメイトさ。」
「そうなんだ、初めまして小湊春市です。」
春市が俺に話しかけてくれた。
「あぁ、初めまして、俺が土屋貴之です。」
「オホン、私が前回の試合で5回コールド勝ちをおさめました、5回完封勝利投手、炎のサウスポー、沢村栄純と申します。」
「あぁ……よろしく……」
沢村の勢いに、さすがの土屋も押され気味だった。
自己紹介を済ませ、降谷が言った。
「鵜久森戦はかなりてこずったようだね。」
「まぁな、でも最終的に勝てばいいんだよ、こうやって降谷に会えたんだし。」
「この試合、必ずリベンジさせてもらうから。」
「悪いけど、そんなことはさせねぇよ、こっちには借りを返さなければならないんだ。」
「借りを返す?」
「あぁ、俺達は甲子園準優勝に終わった、だからこそもう1度、あの舞台に立って、テッペンを取りたいんだ、こんなところでつまずくわけにはいかないんだ。」
「そうか……だが、こっちだって稲城実業高校に負けて悔しい思いをしたんだ、こっちだって借りを返させてもらうから。」
「いいだろう、どっちが強いかハッキリしようじゃねぇか、逃げるなよ降谷。」
そう言って土屋はあとにした。
「なんだよアイツ、感じが悪いな、降谷、あんなやつに負けるなよ。」
「栄純君落ち着いて…」
「分かってるよ沢村、春市。」
こうして稲城実業高校と青道高校の試合が始まろうとしていた。