左右対称のエース 作:パワプロ大好き男
練習も慣れていった1年生は、5月に入り、練習試合が始まった。
相手は薬師高校だった。
「練習試合に出場するメンバーはこのメンバーでいく。」
その中には土屋も入っていた。
成宮は1年生が練習試合に参加することに驚いていた。
(なんでアイツが選ばれているのかよくわからないな~でも俺もウカウカしてられないな、しっかりしないとアイツにエース持ってかれるからな。)
成宮は気を引き締め直した。
監督が先発投手を発表した。
「練習試合の先発は土屋でいく、スタメンはこの打順でいく。」
そのスタメンのなかには成宮がいたが、先発が土屋のため、成宮はレフトに守ることになった。
「土屋、炎上するなよ。」
成宮が上から目線で言った。
「えぇ、打たせませんから。」
土屋は無表情で言った。
(ったく、かわいくねぇ後輩だよ、全く、土屋コーチの弟はホントにめんどくせぇな。)
そう言って成宮はレフトの守備に就いた。
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練習試合が始まった。
【稲城実業高校のスタメン】
1番(中)神谷カルロス俊樹
2番(遊)白河勝之
3番(三)吉沢秀明
4番(捕)原田雅功
5番(左)成宮鳴
6番(一)山岡陸
7番(二)平井翼
8番(投)土屋貴之
9番(右)富士川慎也
【薬師高校のスタメン】
1番(二)福田大輝
2番(右)山内豊
3番(一)三島優太
4番(三)轟雷市
5番(左)秋葉一真
6番(投)三野勇人
7番(捕)渡辺達也
8番(遊)小林圭佑
9番(中)大田功
試合は投手戦となり、なかなか点数が取れず、歯がゆい展開となった。
前半終了した時点で0―0となった。
1番厄介なのは、1年生の4番である轟雷市だった。
まるでスラッガーのようなバッティングだから、なおさら投げづらかった。
「6回からは成宮でいく、レフトに梵が入れ、土屋は大会も考慮して、ここで降りてもらう、ムリして怪我しては困るからな、よく頑張った。」
監督が言った。
「はい、ありがとうございます。」
そう言って土屋は成宮にボールを渡し、託した。
「よろしくお願いします。成宮先輩。」
「ふん、俺に任せろってんだ、俺はエースだからな。」
そう言って成宮はマウンドに上がった。
しかし、轟雷市に1発を打たれ、結局負けてしまった。
1―0で負けた。
「この試合で負けたことを生かして、夏までには仕上げるぞ、いいな?」
「はい!!!」
監督が言うと、皆が返事した。
「よくやったぞ土屋、大したもんじゃねぇか。」
神谷が言った。
「5回で降りないで完投してくれたらいいのに。」
白河が言った。
「さすがだな、エース並みの仕事っぷりだぞ。」
山岡が言った。
「バッティングも絶好だしな。」
矢部が言った。
「そんなことはありません、先輩方が守ってくれたおかげですから、感謝しております。」
土屋が言った。
(なんだよ…アイツの周りにたくさんチームメイトが居やがって……)
成宮は土屋に対して闘志むき出しになっていた。
成宮はこの後、猛烈な練習をし、仲間の信頼を取り戻し、次の練習試合では無失点で試合に勝ったのであった。
土屋も成宮に刺激され、練習を積み重ねていき、エース争いに食い込んでいったのであった。