左右対称のエース   作:パワプロ大好き男

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第6話

夏季西東京地区大会が始まった。

 

「土屋、ガンガン投げてこいよ。」

 

原田が言った。

 

「打たせてもいいからな、しっかり守ってやる。」

 

山岡が言った。

 

「打者に集中してね。」

 

平井が言った。

 

「ビクビクするなよ、俺たちがいるんだから。」

 

吉沢が言った。

 

「まぁ、点とられたら承知しないからね。」

 

白河が言った。

 

「外野のことは俺達に任せとけ。」

 

梵が言った。

 

「まぁ、俺の足ならどんな球でもとってやるぜ。」

 

神谷が言った。

 

「絶対にホームランだけは打たれるなよ。」

 

富士川が言った。

 

「ありがとうございます、ぶっとばされたら、よろしくお願いします。」

 

土屋が言った。

 

「オーーーーー!!!」

 

ナインは全員守備位置に着いた。

しかし、ベンチではわがままを言っているやつがいた。

そう、エースナンバーを着けときながら、シードである2回戦で先発のマウンドから明け渡され、なおかつスタメンにも外れた成宮だった。

 

「チェッ、なんで初戦はエースである俺じゃなくてアイツなんだよ、ふざけんな!!」

 

成宮の怒りは最高潮に達した。

それを見ていた監督が言った。

 

「成宮、お前を外した理由は、初戦でお前の体力を消費しないためだ。」

 

監督の言葉に成宮は驚いた。

 

「初戦は大抵エースを持っていく高校は山ほどいる、しかし、うちらはそんなことはさせない、エースであるお前を決勝までとっておけば、相手はさすがに打てはしないからな。」

 

成宮は監督の言葉を聞いて感心した。

 

「だが、全く投げさせるわけにはいかないからな、次の試合はお前でいく、その次の試合は土屋でいく、そんな感じで交互に投げさせてやるから、これ以上のわがままは言うな。」

 

監督の言葉に成宮はニンマリした。

 

「ニヒヒ、監督、さすがですね~まさかそんな作戦を考えているなんて、頭が上がらないですわ~」

 

成宮が言った。

――――――――――――――――――――――

試合は5回まで無得点だが、6回の表は土屋ではなく井口がマウンドに上がっていた。

実は土屋は160㎞/hのストレートを投げすぎて、肩を痛め、さらにはスタミナが持たなかったため、降板した。

ついでに病院に行って検査を受けた結果、右肩を炎症してしまった。

 

「アイツ馬鹿だよな~初回からあんな速い球投げてたら肩とスタミナ持たねぇのによ。」

 

成宮がベンチでボヤいていると監督が言った。

 

「成宮、それ以上言うと明日は井口が先発させるぞ。」

 

監督の言葉に成宮はゾッとした。

 

「あ~あ~分かりましたよ監督、すみませんでした。」

 

若干ふて腐れたような口調で話した。

試合は最終回にサヨナラホームランを放ち、1―0で勝利した。

試合後、選手一同はバスに乗り込んだ。

後から土屋も乗り込んだ。

 

「あ~あ、つまんねぇの、今日は結局、俺の出番なかった。」

 

成宮は不機嫌な態度で言った。

監督は無視して選手全員に話した。

 

「土屋は最低でも2週間は安静にしなければならなくなった、しばらくは土屋なしで戦うことになる、次の試合からは成宮でいく。」

 

これを聞いた皆がざわついた。

 

「マジかよ。」

 

「土屋がいなくなるのは痛いな~」

 

「でも成宮がいるからな」

 

「あぁ、なんとかなるだろう。」

 

無駄話をしながらバスは発車した。

 

「土屋、俺がエースのお手本を見せてやるから、ベンチでしっかり見とけよ。」

 

成宮が土屋に言った。

 

「えぇ、分かりました。私はしばらく安静してますから。」

 

土屋は言った。

 

(本当にこんな上から目線で高飛車で浮かれてる先輩がエースナンバー着けていいのかよ。)

 

土屋はここの中で思った。

3回戦以降は成宮が先発、果たして成宮はエースとしての意地を見せることが出来るだろうか?

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