左右対称のエース   作:パワプロ大好き男

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第7話

3回戦は成宮が先発した。

2回戦は土屋が先発したこともあり、この試合は成宮が全力で投げ抜いた。

1回に3番の吉沢が先制スリーランを放ち、2回には富士川がスクイズを決めたりと、得点を積み重ねてきた。

気がつけば5回コールド勝ち、無失点で試合を決めた。

 

「フフ~ン、俺が投げた試合は必ず勝つからな~」

 

成宮は上機嫌に言った。

 

「また調子に乗って、いい加減にしろよ。」

 

原田が呆れた感じで成宮に言った。

スタジアムから出ると、成宮フィーバーになっていた。

 

「成宮く~ん」

 

「鳴く~ん」

 

この雰囲気に選手は戸惑った。

 

「なんだコイツら?」

 

吉沢が言った。

 

「鳴のフィーバー半端ないね。」

 

平井が言った。

 

「エヘヘヘヘ」

 

成宮が照れた。

その姿を見た土屋はイラついた。

 

(ったく、これだからイヤなんだよ、浮かれやがって。)

 

土屋は心の中で思った。

自分がケガで試合に出られなくなるのもそうだが、1番イラついたのは成宮が女子生徒にチヤホヤされて浮かれている姿を見るのが嫌なのである。

 

「成宮、明日も頑張れよ。」

 

「任せてくださいよ監督、俺が投げる日は負けませんから。」

 

監督から励ませた成宮は胸を張って返事した。

――――――――――――――――――――――

4回戦も成宮が先発し、この試合もコールド勝ちをおさめた。

3回に成宮自信がホームランを放ち、投げては150㎞/h近いストレートを武器に次々と打者を打ち取っていくのである。

そして、7回コールド勝ちをした。

 

「いや~井口さんの出番がなくて申し訳ないですね~」

 

「シュッ(いいんだよ、気にするな。)」

 

成宮が浮かれた表情で井口に話しかけた。

井口は相変わらず「シュッ」しか、言わなかった。

そこへ、3年生の記録員である丸瀬一太郎が慌てふためいて監督に言った。

 

「監督、大変です!!」

 

「どうした丸瀬、そんなに慌てて。」

 

すると、丸瀬から信じられない言葉が飛び出した。

 

「市大三高が…薬師高校に…負けました…4回戦敗退で…姿を…消しました。」

 

それを聞いて全員驚いた。

春の選抜甲子園で優勝した市大三高が、ここで負けるとは誰も予想してはいなかった。

 

「市大三高が負けた…」

 

「嘘だろ…」

 

「真中が打たれたのかよ…」

 

「やっぱりアイツが打ったのかもな…」

 

「あぁ、アイツだろ、1年生のスラッガーでサード守ってる轟雷市だろ…」

 

「やっぱ恐ぇな、薬師高校って…」

 

3年生の声が1、2年生に響き渡った。

市大三高が負けるという大波乱に稲城ナインは動揺を隠せなかった。

 

(轟雷市、やはりアイツは要注意人物だ、気をつけないといけないな。)

 

土屋は思った。

 

「市大三高が破れたということは薬師高校はそれだけ強いということだ、準々決勝の試合が終わったら、薬師高校の試合を見に行くぞ、いいな?」

 

「はい!!!」

 

監督の声に選手全員返事した。

稲城実業高校の戦いはまだまだ続くのであった。

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