Sword Art 00nline -The world in which an angel fell-   作:シビリアン

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あらすじにも書きましたが、この小説が好評だった場合は連載小説として改めて投稿しますが、もし不評の場合は削除させていただきます。

みなさんの感想をお待ちしております。

それでは本編へどうぞ!


The world in which an angel fell -天使が墜ちた世界-
#Prorogue 天使が墜ちる日


国連軍の新型MS、GN-X……ジンクスの攻撃により、ソレスタルビーイングはついに滅亡を迎えようとしていた。

 

形式番号GN-X……ジンクス。ソレスタルビーイングのガンダムスローネシリーズに続き、疑似太陽炉を搭載した国連軍の新型モビルスーツである。

その性能はオリジナルの太陽炉を搭載したガンダムよりは劣るものの、第三国家軍が作り上げてきたMSの中ではトップに値する性能を持っているため、数機の連携があればガンダムと互角、下手をすればガンダムを圧倒的できる性能を持つと言われている。

 

ソレスタルビーイングの母艦である通称トレミー……プトレマイオスは、その数機のジンクスの攻撃により抵抗もままならないまま沈もうとしていた。

もともとプトレマイオスにはGNアームズ以外の武装を積んでいなかったため、ろくに反撃もできないのである。

 

そして遂にジンクスの止めの一撃とも呼べる攻撃により、プトレマイオスは大爆発を起こしながら暗闇の宇宙と言う名の海に沈んでいった。

 

ガンダムエクシア以外の他のガンダムタイプもジンクスの圧倒的な数の猛攻により撃破されていく。スメラギが、フェルトが、リヒティが、クリスティナが、モレノが、イアンが、ラッセが、ロックオンが、アレルヤが、ティエリアが、次々とその命を呆気なく宇宙に散らして消えていった。

 

そして刹那も今、漆黒の機体……フラッグとの戦いでその命を散ろうとしていた。

 

『私は、君の圧倒的な性能に心を奪われた!この気持ち……正しく愛だっ!』

 

「愛!?」

 

『だが愛を超越すれば、それはやがて憎しみとなる!行き過ぎた信仰が、内紛を誘発するように!』

 

「……!それがわかっていながら!なぜ戦う!?」

 

刹那は自分の過去があったからこそ知っている。かつてクルジスのテロ組織KPSAの少年兵として戦っていた刹那はこの世界に神は居ると信じて、親を、平和に暮らしていた者を殺し、その果てには本来起きなかった筈の争いを引き起こし、それが全て後に無駄だということに気づき、気がつけば自分の周りからはなにもなくなってしまったということを。それを知っているから何故奴はそうまでして戦おうとするのか……刹那はグラハムに向かい叫びながらエクシアのGNソードでフラッグのメインカメラを切り裂き、吹き飛ばす。

 

 

『軍人に戦いの意味を問うとは!ナンセンスだなぁ!』

 

グラハムもフラッグのビームサーベルでエクシアのメインカメラに突き刺し、吹き飛ばした。

 

 

「貴様は歪んでいるっ!」

 

刹那はエクシアを壊されたメインカメラから緊急の為のサブカメラに切り替え、再びフラッグに向かい、フラッグの両足を切り裂いた。

 

『そうさせたのは君達だっ!ガンダムという存在だっ!』

 

 

エクシアは鬼神のごとく迫り来るフラッグを切り裂くと、フラッグはエクシアの腹部にビームサーベルを持っている左手と逆の手である右手で殴り入れる。

するとエクシアはフラッグを破壊しようとGNソードを畳み、ビームライフルにして射つが全て避けられたからか、刹那は少し舌を打った。

 

 

『だから私は戦う!もう世界などどうでもいい……己の意思でっ!』

 

「貴様だって……世界の一部だろうにっ!」

 

『ならそれはぁっ!世界の声だっ!』

 

 

フラッグのパイロット……グラハム・エーカーもまたガンダムによって歪められた存在の1人だった。始めは憧れさえも抱いたガンダムに上司や部下、そして自分の舞う空を奪われ、ガンダムへの憧れを憎しみに変えたグラハムはガンダムをフラッグを以て倒すと、その為なら自分の身を粉にしてでも成し遂げるとハワード・メイスンの墓の前で誓ったのだ。

エクシアに足とメインカメラを破壊されたフラッグは、ボロボロになりながらもビームサーベルを突きだし、エクシアに向かっていく。

 

 

「違う!貴様は自分のエゴを押し通しているだけだっ!貴様のその歪み……この俺が断ち切るっ!」

 

もう自分にも相手にも後がなかった。エクシアも相手のフラッグももう損傷が激しく、次の一撃でどちらかが滅びることになる。

……たとえ俺がここで敗れようとも構わない、俺達が居なくなることでこの世界に平穏が訪れるというのなら……。だが奴だけは……!俺達の手とはいえ歪んでしまった奴は……奴の歪みだけはこの俺が破壊する……!

その一心で刹那もまたフラッグにより左腕とメインカメラを破壊されたエクシアを駆り、GNソードを展開させるとフラッグに向かって行く。

 

 

『良く言ったガンダムウウウウウウ!!』

 

「うああああああああああああ!!」

 

『うおおおおおおおおおおおっ!!』

 

雄叫びを上げながら激突する刹那とグラハム、それぞれの信念によって貫こうとした双方の刃は、やがてエクシアとフラッグのそれぞれの腹部に突き刺さり、小爆発を起こしていく。

 

 

『ハワード……ダリル……仇はっ……』

 

「ガ……ガンダム……」

 

二人は爆発が響くコックピットでそう呟くと、とうとう両方の機体も爆発が大きくなり、やがてエクシアとフラッグはGN粒子を撒き散らしながら爆発していった……。

 

そしてその日、ソレスタルビーイングは世界から完全に姿を消した……。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

マリナ・イスマイール、貴女がこれを読んでいる頃、俺はこの世界にはもう……。

 

 

武力による紛争の根絶……ソレスタルビーイングが戦うことしかできない俺に戦う意味を教えてくれた。

あのときのガンダムのように……。俺は知りたかった。なぜ世界はこうも歪んでいるのか?その歪みがどこから来ているのか?

 

なぜ人には、無意識の悪意というものがあるのか?

 

なぜその悪意に気づこうとしないのか?

 

なぜ人生さえ狂わせる存在があるのか?

 

なぜ人は支配し、支配されるのか?

 

なぜ人は、傷つけ合うのか?

 

なのになぜ、人はこうも生きようとするのか……。

 

俺は求めていた……。

あなたに会えば、答えてくれると考えた。

俺とは違う道で、同じものを求めるあなたなら……。

人と人がわかりあえる道を、その答えを……。

 

俺は求め続けていたんだ。

……ガンダムと共に……ガンダムと……共に……

 

 

 

「刹那……っ……」

 

彼女……マリナ・イスマイールは、刹那から届いた手紙を読むと、静かに涙を流していた。

彼もまたマリナと同じく、行く道は違えど、平和を望んでいたのだ。

このあまりにも残酷で理不尽な世界で……。

 

彼は"ガンダム"に乗りただ闇雲に戦争を終わらせようとしたのではなく、彼にも彼なりの考えがあったのだ。

そして彼は戦争を終らせたいが為に、こんなにも悩んでいたのだ。アザディスタンをどう導けばいいか分からかった自分と同じく。

 

それに気づいたのがこの手紙を読んでからだと思うと、マリナは一層胸を苦しめてしまう。

 

 

そしてマリナはまた静かに涙を流した。静寂に包まれた自分の部屋で月の光に射されながら……

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

刹那は今真っ暗な空間にいた。何もないただ周りが黒だらけの無の空間に……。

 

……ここは何処だろうか……

 

俺は死んだのか……ガンダムを駆り、あの世界戦い続けて結果的に滅びて……。結局俺はあの世界で何もかも失い、何も変われないままだったのか俺は……

 

刹那はそんなことを考えていると、急に刹那の視界がまばゆい光のように輝きだした。

刹那は今起きた急な現象を理解できずに、まばゆい光を見て直ぐ反射的に目を瞑った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

刹那は暫くして目を覚ますと、そこは自分の知らない場所……どこかの一室であった。

刹那はここは何処か確認しようとするが、なぜか体に違和感を感じていた。

何故だろうかと試しに手を動かしてみると、そこには自分の褐色の肌の成人並みの腕ではなく、白い肌の子供の腕であった。

 

 

「!?」

 

刹那は今目で確認したことが理解できないからか、ひどく混乱していた。なぜ16歳の筈の自分がいきなり2歳児の子供のようになっているのかということに。そしてなぜ肌が白いのかと言うことにもだ。

刹那は中東出身であり、普通ならば褐色の肌をしているはずなのだ。それがいきなり白くなり、しかも体が幼くなっているなんてこの話を聞いたら誰が信じるだろうか。というより自分ですら信じられなかった。

 

そして何故かまともに喋れない。上手く言葉を喋ろうとしても「うー」、「あー」しか喋れない。

 

刹那はそんな混乱した状況の中、ふと近くにあった鏡を覗いた。するとそこには、刹那・F・セイエイ……ソラン・イブラヒムの顔ではなく、全く別の子供であり、しかも顔立ちからして恐らく日本人であろう子供が姿が写っていた。

 

それを見て刹那は察した。いや、察せざるをえなかった。自分はもうソラン・イブラヒムでも刹那・F・セイエイでもないということに。

 

 

だとしたら自分は誰だ?ソラン・イブラヒムでもなければ刹那・F・セイエイでもなくなった自分は?

そう思って辺りを見渡すと、ドアノブが回る音がした。刹那は何事かと思い、ドアの方を向く。するとそこには一人の女性が笑顔を向けながら此方にやってきて、自分を抱いた。

 

その女性は刹那を抱いて何か優しく何かを語りかけてくるが、刹那はそれよりもこの抱かれている温もりに自然と浸っていたからか、何をいっているのか聞き取れなかった。

 

 

この温もりを刹那は知っていた。……いや、覚えていた。そう、自分があの時銃で撃ち、この手で"殺した"母親に抱かれたときと同じような温もりだった。

 

すると刹那はいつの間にか涙を流していた。なぜ抱かれているだけだというのに、こんなに涙が溢れてくるのだろうか……。

それは懐かしさゆえか、それとも亡くしたものが戻ってきた喜びゆえなのか、刹那自信も分からない。とにかく刹那は涙を流していた。

 

 

それに気づいた女性はずっと一人で寂しかったのだろうと思ったのか、優しく頭を撫でる。その時その女性が刹那を呼ぶとき、こう名前で呼んだ。

 

ーー和人という名で。

それがこの世界で刹那に与えられた名前、この世界で生きていく自分の名前。

 

ということはこの女性は恐らくこの世界での刹那……和人の母親なのだろう。

 

和人は何故か自然と母親に抱く力を強めた。だがそれと同時に和人はあの世界でのことを思い出した。

 

生きるためとはいえ沢山の人を殺した少年兵の……まだ自分の名前がソランだった自分、戦争根絶を掲げてエクシアを駆り、沢山の命を奪ったガンダムマイスターの……刹那・F・セイエイだった自分を。

そんな自分が誰かに甘えれる筈がない。甘えていいはずがない。甘えれる資格なんてあるわけがない。

 

 

だけど今だけは……この温もりに浸れることができる今だけは……母親に甘えたかった。

 

 

だから和人は母親を強く抱き締めた。

今だけはソラン・イブラヒムも刹那・F・セイエイも関係なく、和人という一人の人間として……。

 

そのまま和人は声こそ出ていなかったが泣き続けていたからか、急に眠気が来た。和人はそのまま流れに身を任せるように瞳を閉じ、そして母親に抱かれながら一時の眠りについた。

 

こうして刹那・F・セイエイは、和人……桐ヶ谷和人としてこの世界で生きていくこととなった。

この争いのない平和な世界で……。

 

そして彼はこの世界で何を見るのか、彼の新しい物語はまだ始まったばかりである……。

 

 

 




はい、お疲れ様でした。

それではあらすじや前書きにも書いた通り、みなさんのこの評価を評価を感想でお願いします。

好評ならまた次回でもお会いしましょう!それでは!

※この他に、もし誤字脱字やおかしな表現、要らない表現や、抜けているような所が御座いましたら今後の小説投稿で気をつけていきたいと思いますので、ご指摘の方をよろしくお願いします。
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