足立が稲羽市にやってきた翌日。
彼は1人の男と会った。
「堂島だ。よろしくな、足立。」
足立の上司にして相棒の堂島遼太郎である。
足立「よろしくお願いします。」
堂島は、特捜隊リーダー鳴上悠の叔父である。
鳴上はまだこの地に来ていないが、後に堂島の家で暮らすことになる。
…正直、自分が唯一心を開いた相手が堂島だけだった。
今でも、自分が真犯人だとばれた日、TVの中から外に出た後に手厚く保護されたのを覚えている…
堂島「ん、どうした?具合でも悪いのか?」
つい、堂島との過去を思い出してしまった。
足立「あ、いえ、大丈夫です。」
堂島「お前が新米でいられるのも今日までだぞ。明日からこき使うつもりだから家に帰ったらゆっくり休んどけよ。」
足立「分かりました…」
この人は普通に優しい人だ。しかし、それをストレートに言えないぶっきらぼうだと知っているので、今の言葉は優しさとして受け取れた。
家に帰り、部屋で1人、呟いた。
「“あいつ”さえいなけりゃなぁ…」
自分の唯一安らぎの場所だと思っていた堂島家の居場所を奪ったのは“あいつ”である。
そして事件の真犯人である自分を打ち破った特捜隊のリーダーも“あいつ”である。
どうして自分と同じハズなのに自分と違うのだろうか。
…足立は自分の非について考えはしなかった。
そうこうしているうちにTVをつけたら、綺麗な顔立ちの女子アナが映っていた。
事件の第一被害者、山野真由美である。
足立「……。」
前回と同じ方法でTVに入れてやろうか。
それともいっそ入れないのはどうだろうか…
いや、自分がまた捕まるのだけはゴメンだ。
しかし前回よりもっと楽しいゲームにしたい。
山野と小西は前回と同じく、久保はどうしようか。
自分が真犯人だとバレる鍵になった言動をしないように気をつける…。
しかし1周目と全てが同じとは限らない…
先のことを考えるのは止めにした。
思えば1周目もカッとなって犯行に及んだにも関わらず
12月までバレなかったため、今回は少しだけ計画を立てつつ、流れに身を任せる形にしようと思った。
犯行のことについて考えているこの足立の立場が前回と大きく変わることになるなど、黒幕以外の誰が分かるだろうか。
彼、足立透の目覚めた力が前回とは違うものであることに彼自身でさえまだ気づいていないのだから…
ーとある場所ー
???「残りは…“虚無”と“絶望”か…。」
ーまた別の一室ー
「今度の客人は、変わった定めをお持ちのようだ。
フフフッ、実に興味深い。」
誤字、脱字があったら指摘お願いします。
「前回」というのは、1周目のことです。
「今回」というのが、2周目つまり今のことです。