東方 躍動仮面   作:佐藤練也

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第16話 変身っ!! 後編

 

「(凄い!本当に変身した!?)」

 

 

身体の奥底から無限に湧き出るエネルギーが、絶えず練也の身体中を駆け巡っていた。

 

 

 

 

「(俺の後ろには霖之助が居る。なるべく彼を巻き込まない様に戦わないとな。)・・・行くぞ!」

 

 

 

 

練也は手始めに妖精達に向かい突撃を仕掛ける。無論、ただ単に突っ込む訳ではない。幻想郷で身に付けた能力を発揮しつつ、妖精を一体ずつ確実に仕留めに行く。

エネルギーを収束させた右足で一足跳びをしてから、腕力、脚力を活かした肉弾戦に持ち込む。妖精の攻撃をものともせずに、まさにゴリ押しと言うに相応しい戦闘スタイルで妖精達を圧倒している。しかし妖精達も自然が具現化された存在である為、幾ら倒しても後から湧く様に現れる。

 

 

 

 

「(次から次へと・・・、しつこい奴等だ。)」

 

 

 

 

目には目を。数には数を。練也は新たなカードを1枚、ライドブッカーから抜き出しディケイドライバーへ挿入する。アクティブに動き回る中で、カードを取り扱うのは難しいと彼は感じながらも戦闘を続行する。

 

 

 

ATTACK RIDE

ILLUSION

 

 

 

自身が3体に分裂し、各人ごとに妖精の撃破に当たる。自身の分身体と言えどもその実力はオリジナルの人物をそのまま再現したものとなっており、総合戦闘能力は一時的にではあるが飛躍的に向上する。練也は引き続き妖精達に対しての攻撃を加えるが、一向に撤退する気配がない。それどころか、戦力が増強されている様にさえ思える。

 

 

 

 

「(カードを挿入するってことは、もしかしたら...。)...ものは試しだ!」

 

 

 

 

スペルカードを1枚挿入すると同時に、練也は新たな能力を発動する。

 

 

 

SPELL ATTACK RIDE

HEAT SMASH

 

 

 

 

自身を中心に巨大なカードの形を成したエネルギー体が出現し、それが妖精達の動きを拘束する。それを見ていた霖之助は、驚愕の表情を浮かべた。

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

妖精達の動きが封じられたことを確認した練也は、妖精達に攻撃を仕掛ける。地面に目掛けエネルギーを収束した右拳を振りかざし、拳が地面に減り込んだ直後に莫大なエネルギーがカード状のエネルギー体を伝って妖精達に流れ込む。それを受けた妖精達は爆発四散し、跡形もなく消し飛んだ。

 

 

 

「(流石に懲りたか....。)」

 

 

 

辺りを見回すが、敵意を剥き出している存在は皆無であった。練也はディケイドライバーからカードを抜き取り、変身を解除する。香霖堂に隠れていた霖之助は、戦闘が終わった事を知り練也に歩み寄った。

 

 

 

 

「ありがとう。君が居てくれたおかげで、命を失わずに済んだよ。」

 

 

 

「いや...。...でも良かったよ、大丈夫そうで。」

 

 

 

練也はディケイドライバーと、2つのライドブッカーを手に持ちながら言った。霖之助以上に、練也が1番この状況に対して驚いていた。何故ディケイドライバーとライドブッカーを自分がこんなにも容易に扱えるのか...?この力と、朝方に会った男との関連性はあるのか?練也はその場で硬直し考え込む。

 

 

 

「(そもそも、オモチャならまだしも...。本物が何故この世界に...。俺なんかが使える代物なのか...?)...霖之助さん。...コレは、何処で手に入れたんだ...?」

 

 

「...そのベルトは、ある日突然現れたんだ。この店の近くにね。僕はただならぬ気配を感じて、ベルトを店で預かることにしたんだ。本来コレは、箱の中から出すべきモノじゃなかった...。ずっとあのまま封印しておくつもりだったんだよ。」

 

 

「それじゃあ、その封印を俺が...?」

 

 

 

霖之助の話を聞き、練也は何かいけないことをしてしまったと感じた。

霖之助としてはこのベルトを封印すると霊夢と約束している手前、下手なことはしたくなかったが緊急事態の為に使用したと話せば解ってくれる筈だと判断し、そこまで言及しなかった。

 

 

 

「本当は今日、僕の知り合いが来て本格的に封印される予定だったんだけど、緊急事態が発生したわけだしこうなったのは仕方が無いことだ。その知り合いにもそう伝えておくよ。君がそれを使って僕を助けてくれたのは事実だしね。お礼と言ってはなんだけど、ソレはもらっていってくれ。」

 

 

「良いのか?」

 

 

「ああ。命の恩人だからね。」

 

 

 

霖之助はそう言って店の中へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

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