洩矢神社の境内。そこでは練也が朝の空気を身体に取り入れようと、屋内から姿を見せたところであった。
「古き日本の良い空気かあ....。」
深く深呼吸をするその心は、心身を満たしていくよう。日本の自然の中に居てこそ、この充実感が生まれてくるのだ。そして幻想郷に来てからの戦いの連続。連戦に連戦を重ねたことにより、身体が求めていた境地に近付きつつあると、練也は感じていた。懐からスペルカードを取り出して見るを、紫からカードを受け取ってから何回繰り返しているのだろうか...。能力を身につけて多少扱えるようになったとは言え、まだまだこの世界では実力はそこまでではない。まだ時間はかかろうと、この世界でやりたいこと、やるべきことを出来れば良い。しかし、練也はどうしても新しいスペルカードを完成させたいようだった。
「スペルカードの数だけが強さを決めるわけじゃない。それはわかっている...。だが俺にはもっと火力やパワーが必要だ...、俺の戦い方には、それが必要なんだ...!」
それから一呼吸置いて朝ごはんを済ませてから、練也は人里へ行く準備を済ませて境内へ出る。さあ今日から洩矢の宮司が本格的に始動していくわけだが、出だしが肝心である。"全力を挙げて注力する。何ごとに対しても"
しかしそれが過ぎれば、災いを招きかねない。練也は災いかそれとも招くのは幸運か。おもむろにその場で姿勢を作る練也。半身の姿勢をとり、前傾姿勢。まるで何かに向かい突進でも繰り出すのではと思うモーションだが、本人はそういう気でいるようだ。半身の姿勢。その時の蹴り足が赤いオーラを纏い始め、エネルギーの流動が起こる。そして、次の瞬間....。
人里。慧音の持つ能力、『歴史を食べる程度の能力』により、人里が破壊されたという歴史を消滅させ人々の生活は元に戻っていた。慧音は異変解決の報告を受け、寺子屋を再開。今日も寺子屋へと向かい歩みを進めていた。
「(子供達は元気にしているだろうか...?)」
心配事は勿論あるが、それは彼女は表情に出さない。そんな顔を子供達に晒せば、逆に自分が子供達に心配をかけてしまう。毅然とした態度で歩く彼女の耳に、聞き覚えのある音が響く。
ッッッッドッオオオオオオオオオオオオオォォォォンッ!!!!
耳に響く轟音は、幻想郷全体に木霊する。空気が震え、見えない壁が自らに迫るような感覚。そしてその音源は、どうやら妖怪の山の山中に存在するようだ。慧音は立ち止まり、その方向に鋭い視線を向けた。そこで彼女は、信じられない光景を目の当たりにした。
「(ん...?...アレは、人...?)」
上空から迫る、1人の人間の影。その人影から何かが発せられる感覚を、彼女は感じた。
ドッオオオオオオオォォォォンッ!!!!!
自分の近くで凄まじい衝撃を感じた慧音は、舞い上がる砂塵に顔を覆った。