「まだまだお宝の臭いがプンプンするねえ。この世界....。」
異変が解決してから、どれ程の時を経ただろうか。
独り言を虚空に向かい言いながら、妖怪の山から幻想郷を眺める1人の男がいた。海東大樹である。今日も彼はこの世界のお宝を求めて、この幻想郷を闊歩するのである。闊歩というか、疾走というか、どちらかの表現を使っても良い気はする。それもそのはず、闊歩している暇が無い場合も、あるのだから。この幻想郷、お宝となるモノの近くには強力な存在がいると考えて間違い無いこの世界では、大樹は他の世界以上に危険な目に遭っている。
「居たぞ!侵入者だ!」
「やれやれ、また来たのかい?白狼天狗のかわい子ちゃん。」
「馬鹿にするな!人間のクセに...!」
妖怪の山で警戒にあたる白狼天狗の種族に、大樹は追跡をされていたのだ。白狼天狗が手に持つ刀で斬り付けて来るならば、ディエンドライバーで応戦しながら逃走するを繰り返す。その光景は某大怪盗が某刑事から全力で逃げる絵そのものである。白狼天狗の手に彼が収まりかけたとしても、大樹の十八番であるインヴィジブルで緊急回避されてしまった。今回はそうはいかないという意気込みを見せる、白狼天狗。犬走椛は、片手に刀を持ってそれを振りかぶり大樹に突っ込んで行く。
「さて。じゃあ君の力をまずは見せてもらおうかな?」
例の如くディエンドライバーへカードを挿入しつつ、軽快な動作で攻撃を回避する大樹。その表情は余裕がまだうかがえた。
KAMEN RIDE
SASORD
「剣士には、剣士。だね。」
「!?(何?!何か召喚した!)」
突然現れた1人の戦士に驚く。紫の鎧、毒々しい液体を滴らせる剣に、緑に煌めく鋭い複眼。仮面ライダーサソードが、椛の前に立ちはだかる。
「しかし君の能力もこの世界にいる間に耳にしたけど、凄い能力だ。その能力....。」
そう言いながら、大樹はディエンドライバーの銃口を椛に向けた。
「ぜひとも僕の手中に収めたくなった!」
激烈な射撃音が妖怪の山に響く。他の天狗たちがその騒音に気付いたのは言うまでもないことであった。
.....。
博麗神社。そこに住む博麗霊夢は、今日も忙しなく動いている....、わけではなかった。のんびりとした動作で竹ぼうきを地に這わせ、落ち葉をかき集めている。
「いつぞやの泥棒まがいな奴。...そろそろどこかで暴れまわるころかしら。」
博麗の巫女が有する直感に、どうやら狂いはないようだ。霊夢はまた自分に降りかかる災難を予想しながら、ゆっくりと縁側に腰を下ろし空を仰ぎ見たのだった。