幻想郷は今日もいつもと変わることなく、青い空を頭上に広げ、広大な自然をその大地に存在させ続けている。空を駆け巡るのは澄んだ空気?それとも時折吹き抜ける一陣の風であろうか?いやいや、幻想郷には烏天狗と言う存在がある。
「号外ー!号外ですよー!!」
景気が良い声を響かせて通り過ぎた後に、新聞を辺りに配っている。いや?これは....まき散らしているのだろうか?まさか豆まきじゃないんだから。その中の一部がとある屋敷へ風に乗って冊子の隙間へ滑り込むようにして、器用に入って行った。
「(前回の異変から時間が経ちましたが、平穏を取り戻したようですね....。)」
その新聞を手に取るのは、稗田阿求。一度見聞きしたものを決して忘れることはないという力を秘めている彼女は、もちろん先の異変のことに関しても例外ではない。この異変で初めて明らかになった、仮面に顔を隠し、強靭なパワーを持つ仮面ライダーそしてそれに変身する外来人。そして.....。
「....おはようございます。」
玄関口にて聞こえる誰かの声。そこへ行ってみれば、あの皐月という少女....、に擬態したワーム。レプトーフィスワームが、立っていた。
「ああ。おはよう、れぷちゃん。皐月ちゃんならまだ寝ているから....。」
「なら、...また後で来る。」
「そんな。永遠亭からここまで遠かったでしょ?ゆっくりしていってもらった方が、私は嬉しいわ。」
「クロックアップを使えば、どのみちすぐに着くんだが.....。わかった。」
レプトーフィスワームは幻想郷に流れ着いた当初はそれは受け入れられるという存在ではなかったが、その働きと温厚かつ有効的な性格から、次第に幻想郷の面々に受け入れられていった。
「あなたの能力はいざという時にこそでしょう?」
「使えるときに、私は使っているだけだ....。使い勝手が良いし、体に対する負担もこれと言ってあるわけじゃない....。」
「そう....。まあ上がってちょうだい。御茶を淹れるわね。」
稗田亭では現在、孤児となっている皐月を阿求が引き取っている。レプちゃんはその双子の妹という提で、現在戸籍上の話も進められている。レプトーフィスワームも、もはや家族も同然となっていた。
カタン....。
乾いた音と共に、何者かが立ち去る音をレプトーフィスワームは、聞き逃さなかったがあえて触れることなく、稗田亭の屋内へと上がって行った。
「ヤツも、この世界に受け入れられた存在か....。」
「そのまま一緒に入っちゃえばよかったのに。」
門矢士と射命丸文は、2人で人里のメインストリートへ足を運ぶ。