インフィニット・ストラトス ~未定~   作:ぬっく~

24 / 44
第24話

亡国機業(ファントム・タスク)との激闘を繰り広げて一ヶ月が経ち、六月になった。一夏は安静の為、長期入院が言い渡され、今も病院で仲良く暮している。

あの後、一夏が入院したことが簪の耳に入り、こっぴどく怒られた。

そして、一夏が入院している間に一組に二人の男女が転校して来たらしい。

 

『二人目の男性操縦者?』

 

「うん。でも、何か違和感を感じるの」

 

フランスからの転校生であり、名前はシャルル・デュノアと言うらしい。しかも、代表候補生でもあるみたいだ。

簪が言うには、見た目が女性に近い人らしい。まあ、女性顔で男性って言う人はいなくはない。だが、その転校生はそっちの方ではないらしい。遠くから見たからあんまり知らないが、簪が一番最初に感じた感じだと、女性だと思ったらしい。

 

『この時期に転校だと、俺が狙いか……』

 

「うん。クラス対抗戦の時に一夏が使った《リンドヴルム》も、その対象だと思う」

 

単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)である瞬間移動《支配者の神域(ディバインゲート)》に、触れただけで機能が低下する大槍《雷光穿槍(ライトニングランス)》。広範囲殲滅兵器《星光爆破(スターライト・ゼロ)》。と今までにない能力や特殊武装が満載された一夏のIS《リンドヴルム》を各国が目に留めない訳がない。

しかも、その製造は完全に秘匿されている上、製造及び設計図を知っているのはここにいる簪のみである。

 

『もう一人の方は?』

 

「うん。それがちょっと厄介な転校生なの……」

 

話によれば、その転校生の名前は、ラウラ・ボーデヴィッヒと言うらしい。

これも、前者と同じく代表候補生で、ドイツと言うことだ。

 

『ドイツ……となると』

 

「うん。一夏のお姉さんである織斑先生の元教え子らしいの」

 

『そりゃあ、厄介事だな』

 

この情報は一組にいるのほほんさんからだ。

のほほんさん。更識家の()()()で、専属が簪である。一夏にしてみれば、先輩にあたる人物である。

ちなみに本名は布仏(のほとけ) 本音(ほんね)。楯無の専属メイドの布仏(のほとけ) (うつほ)の妹である。

そんな、本音……もとい、のほほんさんから得た情報からだと、骨の隅まで軍人精神が染みった転校生らしい。

 

『あの千冬姉だから、神様と勘違いしていそうだな……』

 

「あり得そう……」

 

『とりあえず、俺がいない間の報告ありがとうな。簪』

 

「うん。本当に無理だけはしないで」

 

『嗚呼』

 

「それと、これお姉ちゃんから」

 

簪は一通の封筒を一夏に手渡す。

表には『秘匿』と赤く判子が押されており、見るに怪しげな封筒だった。

 

『嗚呼。ありがとう』

 

一夏は早速開け、中にある書類を確認する。だが、一夏の知りたい情報は得られなかった。

 

「お姉ちゃんに何を頼んだの?」

 

黄昏種(トワイライツ)……』

 

黄昏種(トワイライツ)……?」

 

『嗚呼。どうやら、このタグがそうらしい。だが、黄昏種(トワイライツ)に関する情報が全くないのだ。しかも、更識家の力ですら』

 

「それって、可笑しくない?」

 

更識家は裏工作を実行する暗部に対する対暗部用暗部であり、情報網は相当あるのに、黄昏種(トワイライツ)に関する情報は全く手に入らなかった。あるのは、過去に一度だけ会ったことがあるだけで、それ以外の情報がない。完全に手詰まりだった。

 

「う~ん。私だと足手纏いだね」

 

『まあ、無い以上仕方ない。地道に探すさ』

 

そうさ。この情報を良く知るのはあの亡国機業(ファントム・タスク)である。

奴らとは、また会うだろう。その時に手に入れればいい。

 

「じゃあ、私はもう行くね」

 

『嗚呼。またな』

 

「今度は学校でね」

 

そう言って、簪は行ってしまった。

簪を見送った一夏は首に提げられたタグを握る。

 

『私たちは幸福を得られない者だ』

 

オータムが言ったあのセリフを思い返す一夏。

 

「(例えそうだとしても、俺はあいつ()が幸せであるなら、それでいい……それ以外に望む物はない)」

 

例え、人類が敵になろうとも、俺はお前の味方だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。