インフィニット・ストラトス ~未定~   作:ぬっく~

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第34話

一夏が倒れてから数日が経った時だった。楯無の元に一通の情報が耳に入ったのだ。

それは、今までに待ち望んだ物……亡国機業の潜伏先の情報であった。

 

「わかったわ。虚ちゃん、後の事はお願いね」

 

「わかりました」

 

楯無は虚にIS学園のことを任せ、すぐさま本家の部隊と合流する。

 

「(ようやく……)」

 

一夏の命を繋ぐために必要な情報を持っている亡国機業との接触することができると楯無は普段の足取りとは違い、急ぎ足で進む。

そして、数時間後。

とあるホテルの前にいた。

 

「では……」

 

楯無は合流した部隊の指揮を執り、突撃命令を下そうとした時だった。

 

ガシャンッ!

 

ホテルの一室から何かが落ちてきたのだ。

楯無はその場から下がり、落ちてきた物を目視する。

それは、人だった。

 

「!?」

 

斧か何かで滅茶苦茶になったそれが、上から降ってきたのだ。楯無は嫌な予感を感じながら、一人ホテルに突入した。

 

「ッ……」

 

思わず楯無は息を呑んだ。

楯無の後に入った部隊の者もそれを見て息を呑む。

 

「一体……どう言うことよ」

 

ホテルの中は……地獄と化していたのだ。

血と肉の塊がそこらじゅうに転がったフロントに楯無は口を押える。

それは、あの日の……出来事と同じだった。

 

「まだ、戦闘が続いている……」

 

上の方で戦闘音が聞こえたことから、まだ戦闘が行われていると楯無は分かると上へと進む。

 

 

 

 

「くっそ……」

 

ホテルの最上階では、激戦が行なわれていた。

残りの弾倉を確認するオータム。

しかし、彼女の顔からして、余りにも余裕がなかった。

 

「こんな時に、奴らが来るんだよ」

 

「…………」

 

オータムの横に待機していたMも同じであった。

楯無がここに来ると言う情報を掴んでいた亡国機業は迎撃準備に入っているとこを襲撃されたのだ。

 

「更識よりもヤバいわね……」

 

「…………」

 

襲撃者は……たったの四人。加えて亡国機業は総勢二百、その内、黄昏種は五十いた。しかし、現在このホテルで生きているのは、二十に満たない。その上、襲撃者に脱落者はなし。異常と言える戦況であった。

休むオータムの横に一人の女性が座る。

 

「スコール……」

 

スコールと呼ばれた女性はオータム、Mの部隊長を任された存在であり、亡国機業の幹部の一人だった。

 

「火はあるかしら?」

 

スコールは普段吸わないたばこを取り出し、オータムに尋ねる。

一服吸うと、肩の力を抜く。

 

「こりゃあ、間違いないね」

 

「ああ、ハンターだろうな」

 

ハンター。黄昏種を「狩る」集団で、黄昏種と同等の高い身体能力を持つ者のことだ。第二次世界大戦の後に設立された存在で、今でもこうして、黄昏種を狩っている。

そして、亡国機業とは対立した存在でもあった。

 

「ちっ……仕方ねぇ」

 

「そうね」

 

そう言って、スコールはたばこを消し、立ち上がる。

 

「最後くらいだ。足掻いてやるわ」

 

 

 

 

「(悲惨すぎるわ……)」

 

楯無は上に上がる度におびただしい数の死体を目にする。

そこには刃物に刻まれた者、斧で両断された者、鈍器で殴り潰された者……まともな奴ではないこだけがハッキリと分かった。

 

「(次が最上階……ッ!?)」

 

楯無が次の角を曲がろうとした瞬間、体勢を後ろに倒す。

その上を斧が通り過ぎ、後ろにいた隊員が巻き込まれた。

 

「ちっ……外したか」

 

楯無が体勢を戻すと、ツインテールが特徴の少女がロリポップを口にくわえていた。その肩には、血で汚れた戦斧を担いでいた。

 

「(この感じ……)」

 

楯無は一度だけ感じたことある感覚に、冷や汗を掻く。

それは死に直面した時のことだった。

 

「この匂い……あんた、ノーマルだな?」

 

「ノーマル……」

 

少女の言葉に楯無は……今にも逃げ出したかった。

だけど、それは出来ない。

 

「そこを退きなさい!」

 

楯無はIS《ミステリアス・レイディ》を部分展開し、ランスの穂先を向ける。

 

「…………」

 

少女は戦斧を下ろし、楯無も構える。

そして、無言の戦いが始まった。

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