インフィニット・ストラトス ~未定~   作:ぬっく~

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第39話

ざぁ……。ざぁぁん……。

 

「(ここは……?)」

 

遠くから聞こえる波の音に気付いたMは一面に広がる空が最初に目に写る。

 

『気付いたか』

 

波に身を任せながらMの横に浮かぶ一夏がMの意識が戻ることに気付き、そう言う。

お互いに全力を出しての戦い。そして、引き分けた。

もう、身体を動かす余裕などなく、こうして浮かぶだけで限界だったのだ。

 

「何故助けた……私はお前を……」

 

織斑一夏を殺そうとしたMは、その一夏に助けられた。

その意味が分からない。

 

『そんなちんけなこと……どうでもいいだろう』

 

「な!? ちんけだと!? 分かってて言っているのか!?」

 

殺意剥き出しで戦ったMにとって、一夏の前ではちんけなことだったらしい。

 

『スッキリしたか……』

 

「っ……。はぁ……何かどうでも良くなったよ」

 

『そうか……』

 

Mは今まで悩んでいたことが、どうでも良くなってしまった。

織斑一夏に殺されたスコールとオータムの敵を取ろうと必死になったにかかわらず、結局取れなかった。その上、二度も助けられると言う始末。

 

「私は……どうなるのだ?」

 

これだけのことをしでかしたMは一夏に問う。

一夏がその問に……

 

『一緒に来るか?』

 

「は?」

 

以外な答に、Mは目を丸くする。

 

『行く宛てがないんだろう? それに帰る場所も……なら、俺が与えてやるよ。きっとお前も気に入るさ』

 

一夏はニカッと笑う。

 

「いいのか……」

 

『いいさ。あいつなら、喜んで受け入れてくれるさ』

 

お互いに顔は見ない。

だけど、掴んでいる手から伝わる感触からは……

 

「マドカ」

 

『ん?』

 

「織斑マドカ……私の本当の名前だ」

 

ずっとMとして名乗ってきたマドカは初めて、自分の名前を明かす。

 

『あぁ。よろしくな、マドカ』

 

お互いの思いをぶつけた闘いは幕を閉じ、騒ぎを聞きつけた教師たちに一夏たちは回収された。

 

 

 

 

そして、その数日後。

 

「織斑マドカだ。よろしく頼む」

 

一年一組にIS学園の制服を着たマドカが立っていた。

マドカは正式に更識が管理することになり、一夏の部下として働くことになったのだ。

簪もマドカの存在は認め、一夏がいない間だけ、護衛を任せることになった。

楯無は……まぁ、専属としてマドカを欲しがっていたが、本人に却下され、涙目になったことは敢えて言わない。

 

「一夏ぁ!!」

 

「一夏さん!!」

 

「一夏?」

 

「嫁よ!」

 

マドカの登場に箒、セシリア、シャルロット、ラウラが立ち上がる。

 

「「「「これは、どう言うことだ!!」」」」

 

『そのままの、意味だが?』

 

一夏はしれっと返す。

何も普通なことに一夏は疑問を持つことも無く、彼女たちの意味が全くわからなかった。

 

「あれだけのことをして、何も無かったとは言いませんわ!」

 

セシリアがビシッ! とマドカを指差す。

 

「あぁ。あれは、すまなかった」

 

「すまなかったって……」

 

セシリアが言っていることは、マドカが使っていた《サイレント・ゼフィルス》のことだった。

あの戦いの後、《サイレント・ゼフィルス》はイギリスに返却された。しかし、その状態に問題があったのだ。

 

「スクラップ化した状態で返却して、よくそんなことをいえますわね」

 

コア以外、完全にオーバーホールする状態で返却され、イギリス側は激怒する。

操縦者をだせやコラと、ヤンキー顔負けの剣幕に日本は知らんと主張したらしい。

まぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

これが、政府がイギリスに出した報告だ。

しかし、本当のことを知るセシリアは、そのことは政府に言わなかった。

 

「言い争いはそれぐらいにしておけ」

 

千冬がセシリアとマドカを止め、SHRが終わる。

 

「では……」

 

そんな後の中で、山田先生は授業を始める。

マドカに対する視線が途切れることない一日が始まったのだ。

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