VANISHING POINT~もう1つのBECKの物語~ 作:JhonnyWolf
~その日Kさんに声をかけたのはBadのマネージャーとして最低限の音楽知識は必要だと思ったからだった…結果的にあぁなるきっかけにはなったのだけど…~
「Kさん、この後時間ありますか?」
その日私はKさんに付きっきりだった…Kさんは蘭さんやコユキさんとの例のバンドで忙殺されており、デビュー以降走り続けていたBadは一呼吸吐く形になった
「別に用はないけど?」
本来なら今から例のバンドが出るイベントの打ち合わせだったのだが、肝心の蘭さんが他の仕事が長引き参加出来なくなり、後日に延期になったのだった
「もし良かったらCD屋さんに付き合ってくれませんか?
昨日一人で行ってみたんですけどチンプンカンプンで…Badならストーンズ聴いてみろって社長に言われたけどアルバム沢山あってどれ聴いたら良いのか…」
私の話を聞くとKさんは笑った
「俺がストーンズ好きだからかな?、良いよどうせコユキと行く約束してたし」
Kさんが言うと先程までペコペコしながら電話してたコユキさんがKさんにてを合わせて謝った
「ゴメン、早く終わったからKとCD見に行くって真帆に言ったら「彼女を置いて男とデートですか?」って怒られちゃって…」
「世界を股にかけるBECKのコユキも彼女には頭が上がらないか」
Kさんはそう言うと笑った
「あっアリサさんには許可受けてますから、と言うかKさんに教えて貰えって言ってくれたのはアリサさんですし」
「アリサ?なんで?バイト中だろアイツ」
普段と変わらない顔を見て「そういう人なんだよね」って心の中で思った」
「何も新品じゃなくても良いだろ?」とKさんが連れて行ってくれたのは高円寺の古本屋とくっついた中古CD屋だった
「音楽のカテゴリー分けはCD屋の仕事で俺達の仕事じゃないんだよね」
最初にそう言ってKさんは「あぁでもない、こうでもない」とCDを出し入れしていた
「音楽ってさ、単体では理解しにくいと言うかさ…「何故その音楽がそこで生まれたのか?」まで考えると、どうしても世界史とかを知る必要があるんだよね…例えばウチも取り入れてるパンクロックはさ…」
普段はあまり口数の多い人ではないKさんが饒舌になるのを見て「本当に音楽が好きな人なんだな」と微笑ましく思うと同時にアリサさんが「音楽が好き」と言わなければいけなかった悲しさを感じた…
「ストーンズならこれかな?「ベガーズバンケット」あーでも「ラブライヴ」も…でもコレはライヴ盤だからなぁ…」
正直普段は絶対見せない子供っぽい姿を可愛くも思った、でもそれ以上にアリサさん程私は強くは成れないと思った