真剣で私に恋しなさい!S~弓腰少女のマジ恋!~【未編集再投稿】 作:Celtmyth
決闘を終えた後は何事もなく全てが終わり、蘭の川神市案内ツアーは終わった。蘭も大和たちに感謝をしていた。しかし蘭は母親の言いつけからまた川神谷に戻らなくてはないため、すぐに島津寮に戻り昨日までの格好に戻った。
「今日ハ、ありがとうデス」
「気にすんなよ。俺たちだって好きでやったわけだからな」
「もしお礼がしたいってんなら外人美女を紹介してくれりゃあいいぜ」
「それ、女の子に頼むのってどうなのよ?」
「言ってやるな妹よ。必死なんだよコイツも」
蘭がファミリーのみんなを前にして礼を言う。皆も皆で楽しんだと答えた。
「デハ、川神谷ニ戻りマス。マタ下りた際ニハお世話ニなってモいいデスカ?」
「もちろん! なんだったら屋根ある場所を紹介してもいいぜ」
「え、それってもしかして」
「ああ、俺たちの秘密基地。まぁみんなの意見もあるから今の内に聞くぜ。賛成な人っ!」
翔一が叫ぶと全員が手を上げた。
「反対の人っ!」
また叫ぶと今度は全員が手を下げた。全員一致で秘密基地の宿貸しはOKとなった。そして秘密基地が廃ビルだと知らない蘭は誰かの家の比喩だと勘違いをしていた。
「ナラその時ハお願いシマス」
「おうっ、海賊船に乗った気でいてくれ!」
「そこは大船でしょ?」
「大波を超えるんだったら海賊船だろ!? 海賊王の船とかな!」
「あ、それは乗ってみたいかも」
「こっちは気にしなくていいから、何かあったら俺に電話するか島津寮に来てくれ」
「Yes. デハ私は帰りマス」
蘭は一礼をし、そしてファミリーに背を向けて川神谷に戻るのだった。
「またあの場所で自給自足で生活かぁ……。多分川神で一番のサバイバルしてるだろうね」
「橘さんですら多馬川沿いにテントを構えてるからな。モロの考えは強ち間違ってないだろうな」
「え、アレぐらい普通じゃね?」
「キャップは自分の基準に図るんじゃねぇよ」
翔一を除き一同、岳人の言葉に頷いていた。
案内を終えたファミリーの面々は秘密基地に集っていた。あのまま流れでここに来ることとなり、道中で適当な菓子とジュースを買った。加えてクッキーも合流している。ちなみに第4形態である。
「いやー、やっぱ面白いやつだったな」
「それほどの方だったのですか?」
「まぁ驚くこともあったしね。かなり特殊な家庭だと思ったよ」
「弓聖の娘で両親は芸能人並みの年の差夫婦、弓兵としては今までにないスタイル。まぁ川神のは似合う感じだったかな」
「私、今度決闘を申し込むわ!」
「自分もだな。ああも真正面から戦う弓兵というのも興味ある」
「私は決闘申し込んでも断られそうだよなー。どうしよっかなー?」
「同じ弓兵としての京さんはどうですか?」
「戦う場所が違うから勝負とかは止めておく。まぁあの弓とかは気になる」
『弓兵の腕より職人の腕が気になるんだな京さん」
「あと弓聖に恋の秘訣を聞いてみたい」
「……なんか背筋が寒いな」
ここにいる皆は一人も蘭を好意的に見ていた。
大和は背筋に悪寒を感じならがケータイを手にとった。電波の棒は立っているが蘭の方はもう川神谷だから圏外だろうなと考えた。
「どした大和? 珍しくケータイ弄ってないな」
「ああ、いや」
『そいや大和坊、風呂上がりの蘭々に見とれてたよな。ドキッとしたのか?」
「いいいいや!!」
「動揺しすぎでしょ」
あからさま過ぎる反応に皆は理解――いや翔一、一子、クリスが首をかしげてるので一部を除いて松風の発言は正しいと理解した。
「なんだよー。私を差し置いて新しい女に興味が出たのかー?」
「い、いや。そういう訳じゃ」
「大和のハートを射抜くのは私だよ」
「おお、いつにもなく京が燃えてるわ」
「私は京を応援します。支援攻撃にはいつでも手を貸します」
「まぁどっちも頑張りなよ」
「いやだから―――」
~♪♪♪ ~♪♪♪
なんとか弁解をしようとした大和のケータイが鳴った。しかし話題を逸らすいいタイミングだとすぐに電話に出た。
「もしもし」
『大和デスカ』
相手の声を聞いて話題は逸れないと理解した。相手は件の蘭だった。
ちょっと今は勘弁したいと思いつつ、なにかあっての電話と考えすぐに応対を始めた。
「笹谷さん、どうかした?」
『『『ぬ?』』』
蘭の名前を口にした事で周囲の視線を集めてしまう大和。気にしつつも無視して蘭の声に耳を傾ける。
『実ハ川神谷ニ入ろうトしたのデスガ、許可ガ下りナカッタのデス』
「え、確か笹谷さんのお母さんに伝手で許可を貰ってたはずじゃ?」
『管理人サンに確認したトコロ、どうヤラ永続的ナ許可デハなく、コノ前限りの許可だったヨウデ、ハハもソレに気づカズニいたヨウデス』
「それはまた……」
『ハハは基本、自分ノ周り以外ハ無頓着なモノデ』
今日この日でかなり弓聖の人物像がかなり下がるな、と大和は実感していた。その反面、娘の蘭はそれに苦労しつつも不満を出さないのは尊敬をしている面があるかもと考えた。
しかしそんな状況になったのならこの電話の要件も察することもできる。
「別れる前にこっちが伝えた事をお願いしに電話したでいいかな?」
『Yes. ワタシも職人ノ端くれ。技を晴天ニ晒すノハ駄目デス。人気のナイ場所カ、隔たる場所ガいいデス』
「だったら俺たちの秘密基地は条件的にいいよ。それじゃあ迎えに――」
『ああ、問題ないデス。外、見てクダサイ』
「え?」
なんかこれってアレな展開? と思ったが自然と百代に目を向ける。彼女がここにいる間は気の結界を張って侵入者を警戒してる。そのはずだ。
「ん、どうした弟?」
この様子を見て大和は彼女の索敵にはないと判断する。それを確認した後に窓に近づいて外を覗いた。
そこには廃ビルの敷地入口の前で佇む蘭の姿があった。
「……どうやって場所を?」
『気配デス。得意なモノデ』
川神市全体で? と聞こうと思ったがそれは招き入れてから聞くことにした。
招く前に大和は皆に蘭の事情とすでに来ている事を伝え、その後迎えを一子に行かせた。
「皆サン、ゴ迷惑をお掛けシテスミマセン」
「いいってことよ!」
「でもよくここを見つけたね。別れた時に僕たちの誰も教えてなかったでしょ」
「ヨク目立つ気配ガありマシタので」
「ああ、私だ」
「だよな、やっぱり」
「でもモモ先輩はここに結界を張っていますよね? 敷地内ではなかったとは言え、気づかれなかった笹谷さんも凄いですよ」
「気配察知ハ慣れてマス。狩りニハ便利デス」
「弓兵より狩人だな」
「でも弓の腕は確かだよ」
『おいお前さんたち、今はそんな話じゃなくてその娘さんにここを宿ととして貸す話だろうよ』
「確かにそうですね。あ、自己紹介が遅れました。私、九鬼製のご奉仕ロボット、クッキーと申します。今は第4形態です。よろしくお願いします」
「笹谷蘭デス。川神ニハ武者修行へ来マシタ。こちらこそヨロシク」
最初は少し話題がそれか買ったが松風がそれを静止した。その後にクッキーと蘭が互いに自己紹介をした。
「前置きは捨ててここが俺たちの秘密基地! 基本的には自由にしていいけど変に壊すなよ」
「ってもう使っていい話になってる!」
「え? だって皆、別れる時にいいって言ってただろ」
「さすがに話を進めすぎだって。でも一応確認するけど皆、笹谷さんが使うことに反対はないんだよね?」
大和の言葉に皆が頷く。クッキーも頷いたので問題ないのだろう。
「じゃあ笹谷さんにここを使わせてもらうのは決定でいいね」
「おう、問題ないぜ」
「でも俺は皆でここに様子を見に来た方がいいって考えてるんだけど」
「それがいいね。あなたも問題ない?」
「大丈夫デス。借りる以上、ソチラの都合ニ合わせマス」
「わかった。じゃあみんなで当番制にしよう」
「ありがとう、ゴザイマス」
これにて蘭の新居住地が決定した。