神次元ゲイムネプテューヌ 渇望のアウトサイダー【完結】   作:ジマリス

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11 アイVSベール

 

「で、どう?」

 

「リーンボックスのハードはたしかにリーンボックスでは人気だけど、こっちの大陸ではそれほど人気ってわけじゃないね。どっちかっていうと不人気」

 

リーンボックスの宣戦布告から数週間が経過したものの、その影響は少なかった。

この大陸の三国にはニーズが合わなかったらしく、そしてそれぞれの国の尽力もあり、ダメージは少ないどころかほとんどなかった。

 

「あうあう…どうしましょうどうしましょうどうしましょう!ううううー!」

 

新しい女神の登場と宣戦布告に、レイはまだあわあわとしている。

 

「まだあわあわしておるのか、こいつは…」

 

「だいじょうぶだよ、レイ。ようは勢力はあんまり変わってないってことだし、それに女神同士で勝手に争ってくれるようだから」

 

落ち着かせるために、わかりやすく危険がないことを示す。

とりあえずのところ、現状はなにも変わっていない。

リーンボックスを含めた四国のシェアは変動はないし、国をかけての争いもない。

そして僕も、あの「女神計画」については進展がないままだ。

このことに関しては、僕は焦りを覚えていた。

 

「で、でも、このまま放置しておくわけには…」

 

「いま下手に動いたら、また七賢人の株が落ちるかもしれない。あと数年は待つべきじゃないかな」

 

「そんなに待てるか!」

 

確かに簡単に待てる時間ではないが、それでも待つしかない。

いま、七賢人が見つかればややこしいことになるだろうし、どう動いても悪い結果になる。

流れがよくなさすぎるのだ。

 

「しかしあの計画も、あの子たちあってのものだしのう……まだ準備ができていないのは確かじゃ」

 

「なによ、その計画って」

 

「うっ、なんでもないんじゃ、なんでも……それよりアイは、アイはまだ戻ってこんのか?」

 

アクダイジーンの失言にアブネスが睨むが、アクダイジーンはあくまでもしらをきる。

すでにわかっていたことだが、アクダイジーンも例の計画に関わっている。

アノネデスとマジェコンヌ、アクダイジーン。

この三人が協力しているなら、かなり危険なことには違いない。

 

「まだ気にしてるんだろうさ。こっちは怒ってないって伝えたんだけどね。いまは…リーンボックスに行ってるみたいだ」

 

僕は気にしてないふりをしつつ、アイから送られてきたメールを読んだ。

まだチャンスはある。

だがそれを必死で手繰り寄せないと、なにかが手遅れになる気がする。

 

 

 

 

「ん、わかったッス。それじゃ、モニターしといてくださいッスね」

 

誰かと連絡をしていたアイは、携帯端末を閉じて懐にしまう。

すこしばかり難しい顔をして、顎に手を当てた。

う~むむ、とうなっては眉をひそめる。

 

「誰と連絡してたの?」

 

「んふふ、秘密ッスよ」

 

ノワールの問いに対して、唇に手を当てウインクしてみせる。

その顔には先ほどの悩んだ表情は一寸も見られない。

 

「七賢人のヤマトとかいうやつね。彼は来ないの?」

 

「う~ん、たぶん来ないっすねえ。ヤマトは船苦手ッスし…」

 

ブランはヤマトに会ったことはないが、ちょくちょくヤマトの話を聞いたことがある。

ブランが七賢人に興味があることもあるが、アイが仲の良い兄妹のように慕っているせいで話したがりというのも原因である。

 

「それにしても、やっぱりリーンボックスは遠いッスねえ…」

 

「そうだねぇ~」

 

アイとプルルートははあ、とため息をついた。

 

いま一行はリーンボックスのある大陸のヘイロウ森林というところに来ていた。

それなりに舗装されたこの森は、どうやら女神メモリーを生む場所でもあるらしい。

 

事の発端は、リーンボックスの宣戦布告から数週間経ったある日のことだった。

その宣言をした張本人であるベールが、今度はプラネテューヌに来て文句を言いに来たのだ。

 

リーンボックスのハードがこちらの大陸にも流れてきて時間が経ったが、その勢いはまったくない。

なにか悪いことをしているんだろうとベールが言った。

しかしどの国でも調べる限り、クレームのほうが多い。

リーンボックスでは大人気のハードのようだが、明らかにこっちには合わなかった。

もちろんベールは認めたくなかったのだろう。

そしてキレたベールはこんどこそ宣戦布告をしてきた。つまり実力行使だ。

リーンボックスの「ベールが女神としての生を受けた神聖な場所」、つまり女神メモリーが生まれる場所へ来いと言ってきた。

そのときに挑発されたブラン、ネプギアのために女神メモリーをもらおうとするネプテューヌ、付き添いのアイとプルルート。そしてツッコミの補強としてノワールもついていくことになった。

 

「ここでいいのかな、ベールの言ってた場所って」

 

「…あなたに言うだけムダだと思うけど、下調べくらいしてこようって発想はないの?」

 

「ない!」

 

「したしらべってなぁに~?」

 

「…まあ、予想通りの回答だけどね」

 

「あ、あの、私は調べてきました。たぶん、ここで合ってると思います!」

 

前回のリーンボックス訪問の際、置いてけぼりにされてしょんぼりされたネプギアは、ネプテューヌに愛を叫ばれてころっと機嫌を直した。

いまではすっかり機嫌を良くし、(ときには変な属性を付けられながら)ネプテューヌならびに女神たちの世話を焼いている。

 

「うーん、なんだか力を感じるッスね。そろそろ近いッスよ」

 

「あ、あそこよ」

 

森林のなか、大きな円形のフィールドに一人たたずむ美女がこちらに気付く。

ベールだ。

 

「お、いたいた!やっほー!おっまたせー!」

 

「…来ましたわね。あまりに遅いものですから臆病風に吹かれたのかと思いましたわ」

 

かなりの時間待ったのだろう。少し怒った様子で腕を組む。

その姿勢でより強調された胸を見て、ブランとアイが眉をひそめた。

 

「ごめんなさい~。あたし、歩くの遅くて~…」

 

「プルルートは悪くないッスよ。こんな遠くまで呼んだベールが悪いんスよ」

 

「むむむ、あなた以前からわたくしに当たりがきつくありません?」

 

「なんだかんだ言って、あなたもコンプレックス持ってるのね…」

 

友人の共感できる一面を新たに見つけたことで、ブランは少し余裕が出てきたように微笑む。

 

「そりゃあんなもんぶら下がってるの見たらピッキーンってなるッスよ」

 

「ならまずはあなたからお相手して差し上げましょうか?」

 

「ほほう、望むところッスよ」

 

取り繕うことをやめて、アイは青筋をたてる。一歩踏み出し、間合いを詰める。

ベールも同時に身の丈ほどの槍を取り出し、構える。

 

「あー、たんまたんま!その前にさ、ベール。女神メモリーって余ってたりしない?」

 

険悪な空気の中、ネプテューヌが待ったをかけた。

彼女の目的はネプギアを女神にするためのメモリーをもらうことだ。

このまま戦闘になれば、うやむやになる可能性がある。

 

「え?まあ、いくつかはありますけれど…それがどうかしましたの?」

 

「おお、やっぱりあった!それ、ネプギアにくれないかな?こっちに来たばっかで、まだ女神になってないんだよ」

 

「お、お願いします!」

 

いままで影が薄く、後ろに控えていたネプギアが頭を下げる。

 

「ネプギア…?あら、そういわれればお一人増えてますわね」

 

「んっとねー、かくかくしかじかでー」

 

「まるまるうまうまなの~」

 

「はあ、あなたの実の妹さん…そして、二人とも別の次元の女神…」

 

ネプテューヌとプルルートの意味の分からない説明を、ベールは一瞬で理解したようで、疑問に思いながらもうんうんと頷く。

 

「…今ので通じるのね」

 

「…便利な言葉だわ」

 

「なるほど、今度使ってみるッスかね」

 

ノワールとブラン、アイは要領を得なかったものの、「そこはネプテューヌとプルルートだから」と納得せざるを得なかった。

そんな三人をさしおいて、ベールはネプギアをじろじろと品定めするかのように見た。

 

「な、なんですか?そんなにじろじろ見られると…」

 

「ふふ、あなた、なかなか可愛らしいですわね。わたくしの好みですわ。ネプギアちゃん」

 

「え?え?」

 

ベールが放った言葉は、その場の全員の頭にはてなとともに危険信号が走らせた。

 

「…ねえ。いまのちょっと、意味深っぽくなかった?」

 

「もしかして…そっち方面なの?」

 

「これ…は…否定できないッスね」

 

「いやいや。向こうのベールとおんなじだったら、そんなことありえな…」

 

アイですら目を丸くするベールの発言の意図を、ネプテューヌが否定しようとするが、

 

「ありうるっ!うわああああ!まさかベール、ガチな感じなの!?」

 

この慌てっぷりからみて、どうやら「そっち」であることは否定できないようだ。

 

「失礼なことを言わないでくださる?わたくしはプラトニックですわ。さあ、ネプギアちゃん。あなたのかわいらしさに免じて、これは差し上げますわ」

 

「は、はい…あ、ありがとうございます…」

 

ベールは胸の谷間から女神メモリーを取り出した。

光り輝くひし形のそれを、ネプギアは警戒しながらおずおずと受け取る。

 

あっさりともらえたことになにか裏を感じながらも、これを逃せば女神メモリーを手に入れられるチャンスはなくなるかもしれない。

ここは素直に受け取っておくのが吉。

 

「ぎあちゃんぎあちゃん、早く女神になって~。女神のぎあちゃん見たい~」

 

「はい、それじゃ…」

 

わくわくと待ちきれない様子のプルルートに急かされ、ネプギアがメモリーをかじる。

すると女神メモリーが光りだし、その光はネプギアを包む。

光が収まったときに現れたのは、パープルハートと似た形の、白のプロセッサを纏ったネプギア、パープルシスターだった。

巨大な銃剣、M.P.B.L(マルチプルビームランチャー)を手にし、背中には扇形の翼が、蝶のように展開されている。

 

「ふう…なれ、ました…」

 

「わぁ~。かわいいぃ~」

 

「プラネテューヌの女神としては、そんなに変わんないッスね」

 

「プルルートとネプテューヌが例外なだけよ」

 

ぱちぱちと拍手するプルルートだったが、他の反応は少なかった。

やはり、プルルートやネプテューヌのギャップある変身と比べると、印象が薄れてしまう。

 

「女神に、なりましたわね?」

 

「あ、はい。おかげさまで。ありがとうございました」

 

「礼には及びませんわ。だってそれを使ったということは……あなたはたった今からわたくしの妹なのですから!」

 

集中線が見えるほどのドヤ顔で、ベールは胸を張った。

全員が、ベールが何を言っているのかわからず、再び目を丸くする。

 

「…え?」

 

「ということですから、さあ。お姉ちゃんであるわたくしと、一緒に戦ってくださいませ、ネプギアちゃん」

 

「ダ、ダメですよそんな!何を言ってるんですか!?私のお姉ちゃんはお姉ちゃんで…」

 

「そーだよ!ネプギアはわたしの妹なんだからね!」

 

「それは、そちらの世界でのお話しでしょう?こちらの世界では、同じメモリー・コアから生まれた女神メモリーを使った者同士は姉妹になるんですのよ!」

 

得意げに持論を展開するベールに気圧され、みんなは口をあんぐりと開けるだけだった。

アイは思わずブランを見た。

 

「どうなんスか?いまいるなかで最古の女神さん」

 

「知らないわ。そもそもそんな事例は聞いたことが…」

 

「まあ、そうッスね。うーん、でもだとすれば…」

 

「そんなこと話してる場合じゃないよ!ネプギア!?」

 

だとすれば、ネプテューヌやノワールはプルルートの妹になるのだろうか。

そう続けようとしたアイを遮ったネプテューヌは、慌ててパープルシスターを見る。

 

「ふふふ、あなたたちが話している内に、この通り…」

 

「ベールさんが、お姉ちゃん…私は、ベールさんの妹…」

 

愛おしそうにパープルシスターの頭を撫でるベールに、パープルシスターは洗脳されたようにうつろな目でただ言葉を繰り返すだけ。

 

「ちょっと、すっかり信じ込んじゃってるじゃない!」

 

「素直…ねえ」

 

ネプテューヌから、ネプギアはいい意味でも悪い意味でも素直だと聞いたが、こういうことだったのかとアイはため息をついた。

 

「これで数の上では二対五。加えてここは、わたくしに有利なフィールド……わたくしたち姉妹の勝利は揺るぎありませんわ!」

 

「ううううう…ごめんなさい!」

 

構えようとする女神たちをアイは制して、先に一歩踏み出してベールを指さす。

 

「いいや、あくまでも一対一ッスよ。ベールとウチの」

 

「あら、人間が女神にかなうとお思いですの?」

 

「試してみるッスよ!」

 

上段蹴りを放つ。

素早い攻撃に狼狽しながらも、ベールはなんとかよける。

負けじと槍を横に振るが、アイはしゃがみ、槍が頭上を通ったあとその姿勢のままベールの腹を蹴り突く。

 

「え、ええ?じゃ、じゃあ私は…」

 

戦っている二人以外があぜんとするなか、パープルシスターが声を上げた。

その前に現れたのは、いつの間にか変身していたアイリスハートだった。

にっこりとした笑顔に、思わずその場の全員が震えた。

 

「うふふふ…ぎあちゃん…?」

 

「ひっ!?プルルート、さん…」

 

「実はねえ、密かに楽しみにしてたのよ。この姿で遊んであげられる時を。たぁ~っぷり可愛がってあげるからね、ぎあちゃん…」

 

「お、おお。お手柔らかに…」

 

笑顔のまま蛇腹剣を鞭のようにしならせるアイリスハートを見て、パープルシスターの震えが大きくなる。

いままでアイリスハートの姿は見たことないはずだが、それでもあふれ出る嫌な予感。

 

「あああ、ドSぷるるんががっちりネプギアをターゲットしちゃってるよ。ど、どーしよう。わたしは姉としてどーすれば…」

 

「躾として任せればいいんじゃないかしら。それよりもシノの加勢するわよ。女神相手に人間が戦うなんて、自殺行為だわ」

 

「ええ、そうね……って…」

 

目の前で悲鳴を上げるパープルシスターから目をそらし、三人はアイを見る。

 

「あ、あれ?」

 

ベールが連続の突きを繰り出す。

同時にアイも蹴りを放ち、槍を相殺した。

技をかわされたベールが驚いている隙に、アイは中段を蹴る。

間一髪で退いたベールに息つく暇も与えないように、顔をつかんで地面に叩きつけようとするが、ベールはとっさに槍の柄でアイを殴る。

手を離してしまったアイに、追撃のために突く。

それをなんなくかわしたアイは再び中段を蹴った。今度はクリーンヒットし、ベールを吹き飛ばした。

 

「互角?」

 

「それどころか、シノちゃん優勢じゃない?」

 

立ち上がろうとしたベールに、アイの足先が迫る。

槍でなんとか防いでみせたベールだったが、勢いでそのまま転がってしまう。

また立とうとしたベールは膝をついたまま固まってしまった。

 

アイの足がベールの顔寸前で止まっているのだ。

アイはゆっくりと足を下ろし、もう充分だというように踵を返した。

 

「ぐぬぬぬっ」

 

バカにされたように感じたベールは突然光に包まれる。

変身だ。

現れたのは、緑の長髪をポニーテールにまとめ、アイリスハートに負けず劣らずの露出度の黒いプロセッサを纏った美女、グリーンハートだ。

 

先端が緑に輝く黒い槍をたずさえ、アイを背中から攻撃しようとする

 

「おっとぉ!」

 

その攻撃はアイには届かなかった。

変身したホワイトハートが斧で止めたのだ。

 

「まだ終わってませんわ!」

 

「いいやもう終わってんだよ。人間相手に変身した時点でな」

 

「ひゃあうっ!こ、降参!降参です!」

 

「だぁめ、降参はなしよ」

 

「ごめんなさいごめんなさい!お、お姉ちゃん、助けてー!」

 

にらみ合うグリーンハートとホワイトハートとは別に、アイリスハートは一方的にパープルシスターをいじめ……もといしつけていた。

 

「う、うううう」

 

アイに勝てなかった涙目になったグリーンハートは武器を下ろし、変身を解いた。

それを見て、ホワイトハートも武器を下ろす。

 

アイとホワイトハートはグリーンハートの次の行動を注意深く観察していたが、本人は変身を解いてその場にへたりこんでしまった。

そして、

 

「認めませんわ、認めませんわ!こんなの絶対認めませんわー!」

 

みっともなく涙を流し始めた。

 

「わ。ガキみてーに泣き出しやがった…おい、やめとけ。似合ってねーぞ」

 

「わたくしがただの人間に負けるなんて、なにかの間違いですの!再戦を要求しますわ!」

 

「望むところッスよ」

 

アイはぎらぎらと闘志に燃えた目でベールに近寄るが、ネプテューヌが止める。

だがアイは興奮冷めやらぬといった様子で息を荒くする。

 

「やめときなよ~。こうなったら勝つまでやる気だよ、ベールは」

 

「あら、ネプテューヌ。妹のほうはいいの?」

 

「いやぁ、もう諦めよっかなって。ぷるるんは止められないし…」

 

質問したノワールも、答えたネプテューヌもアイリスハートのほうを見ようとはしない。

 

「ぎあちゃぁん…はぁ、はぁ…いけない子ねぇ、こんなにしちゃってぇ…」

 

「いーやー!たーすーけーてー!」

 

という声が聞こえてきても、決して目をそちらに向けない。

繰り広げられているであろうR-18の映像は、あまりにも刺激が強すぎる。

 

「…たしかに、あっちには関わらないほうがよさそうね。こっちもこっちでめんどくさいけど」

 

「はあ、ふう。落ち着いたッス…」

 

「やるったらやるんですのー!もう一回やるんですのー!」

 

「ほらほら、泣き止んで、ね?いつまでも泣いてるとドSぷるるんに目をつけられちゃうよ?ベールもあんな風にされちゃうよ?」

 

泣き止まないベールを、ネプテューヌはまるで教会のこどものようにあやす。

ずいぶん慣れた様子のそれに、ベールもようやく落ち着いた。

 

「あはぁぁ…もうやだぁ、勘弁してぇ…」

 

「あはぁ、色っぽい声出しちゃって…もしかして誘ってる?誘ってるのよねぇ?だったら、ご期待に応えてもっとぉ…!」

 

「ち、ちが…違いますからぁー!」

 

「う…あれは全力でご遠慮願いたいですわね…」

 

パープルシスターのあられのない姿も相まって、冷静さを取り戻すことができたようだ。

 

「は~…今回はこれで終了ッスかね…?」

 

お肌つやっつやのプルルートと暗い表情でひたすらつぶやくネプギアを見向きもせずに、アイが疲労のため息をつく。

 

「そうね。これ以上茶番に付き合うこともないし。それよりアイ、あなたが強いのは知ってたけど、どうやってそこまで強くなったの?」

 

「ま、普通じゃないってところッスよ」

 

変身を解いたブランがアイの身体を気遣いながらも、疑問を呈する。

それなりの期間友人でいるが、戦っている姿をめったに見たことはないのだ。

 

「なんか怪しいわね」

 

「そりゃそうッスよ。なにせ、ウチは七賢人ッスからね」

 

顔をしかめるノワールに、アイはウインクをして答えた。

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