神次元ゲイムネプテューヌ 渇望のアウトサイダー【完結】   作:ジマリス

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4 あれから三年後

女神が一度に二人も誕生するという衝撃的な事件から三年が経った。

 

そのとき誕生した女神の内の一人が、新しくラステイションという国を建国。

僕たち七賢人はもちろん他の二国と同時にラステイションも見張っていた。

発展目覚ましい新国の勢力はもはや無視できないまでに膨らみ、七賢人は対策を余儀なくされた。

 

そんな日の会議中。

 

「んー?あらら?」

 

「どうしたっっちゅ?気持ち悪い声出して」

 

特にいいアイデアも出ずに沈黙が続いたなか、アノネデスがハテナを浮かべる。

 

「もう、相変わらず口が悪いわねえ。自分では魅力的なハスキーボイスだって思ってるのにい…」

 

「ハスキーボイスとはまた違う気がするッスよ」

 

ツッコんだのはアイだ。

肩までかかる金髪は三年前までのようにぼさぼさではなくなっている。ただ服にはほとんど無頓着で、右胸にドクロがプリントされた同じような灰色のジャケットしかみたことがない。

七賢人としては顔が割れていないので、現地での偵察や情報収集を任されている。

三年間鍛えたおかげで腕は確かなものになっている。

 

うむむ、七賢人なのに九人か。

 

「そこまでのものを作れるんなら、それっぽい声も作ればいいのに」

 

「やあねえ。この声でじかに話すから意味があるんじゃない」

 

「顔を隠しておいて、じかもなにも無いと思うッスけど」

 

「いやいやそんなことはいいのよ。で、どうしたのよ、一体?」

 

脇道にそれまくる二人を収め、アブネスが続きを求める。

 

「それがねえ、ラステイションとプラネテューヌの国境に置いといたモンスターが、誰かにやられちゃったみたいで…」

 

「ええええ?だ、誰かにって、いったい誰に…?」

 

「そんなもん、女神に決まっとろうが。どっちの国の女神かはわからんがな」

 

「ラステイションじゃないんじゃないかな。あっちの国は相当忙しいみたいだし」

 

国境にはかなりの強さのモンスターを置いておいたはずなのに、突破されるとは思わなかった。

ダラダラしていても女神っていうのは強いもんなんだな。

 

「じゃあ、プラネテューヌの女神……プルルートとええと、ネプテ……ネプト…」

 

「ネプテューヌ」

 

「それッス」

 

確かに発音しにくいけど、アイにはプラネテューヌの偵察を何回もさせてるんだけどな…。

偵察と言っても、アイは顔がばれてないから闊歩しほうだいなんだけどね。

 

「そそそんな!ダメじゃないですか!両国をあまり接触させないようにって、あんな危ないモンスターを配置しておいたのに…」

 

「ふん。あの程度のモンスターに女神共の足止めが務まるものか」

 

「ぼこぼこにされたオバハンが言うと、説得力が違うっちゅねー」

 

「っ…!私が負けたのは、女神が卑怯にも三対一でかかってきたからだ!」

 

「負け惜しみっちゅね」

 

「貴様は一人相手にやられただろうが!ふざけた口を叩くな!」

 

「目クソ鼻クソだ!貴様らのような弱卒、七賢人の面汚しだ!」

 

ワレチューとマジェコンヌの二人を煽るようにコピリーエースが怒鳴る。実際は煽ってるんじゃなくて本心を言っているだけなんだろうけど。

 

「なんだと?」

 

「あーもう、喧嘩はやめやめ」

 

僕がなだめる。

まだ納得いってないようだったが、どうにか落ち着かせることはできたみたいだ。

 

「それよりも」

 

「うむ、今気になるのは…ラステイションの急成長っぷりの話じゃ。しばらく静観を決め込んでおったが、正直この伸びっぷりは予想外じゃったな」

 

ラステイションが建国されて間もなく、その女神の手腕はいかんなく発揮された。

ルウィーのよりも進んだ新型ゲームハードの開発。噂では、他の二国もやっていない独自の情報収集・事件解決システムも編み出したらしい。

もとからそれほどシェアの少ないプラネテューヌはともかく、ルウィーはかなりのシェア減少となった。

 

「だから俺様は反対だったんだ!建国時に叩き潰しておけば、余計な手間もかからなかったものを!」

 

「それについては同意だな。こんな無駄に期間をかけるやり方は気に食わん」

 

「オバハンが負けなければ、そもそもラステイションの女神は誕生してなかったっちゅけどね」

 

「だから貴様が言うな!」

 

どっちにしろ、あのドS女神が出てきた時点で負けたようなものだった。

ワレチューは何をされたか言ってくれないけど、いや~な感じがぷんぷんしていたし。

 

「あ、あのあの!ですけど、相対的にルウィーを弱体させるという作戦はうまくいってるわけで、一概にはその…」

 

「そっちは確かにのう。ルウィーの女神も最近は目に見えて焦りだしておるし」

 

「ならルウィーはもうひと押ししておくか?それともラステイションを一度叩く?」

 

僕はアノネデスを見た。こういうとき、あらゆる面でまともな判断を下してくれるのはアノネデスくらいだ。

 

「まずはラステイションかしらね。実はアタシ、あの黒髪の女神ちゃん、お気に入りなのよねえ。ついついいじめたくなっちゃうタイプっていうか!」

 

…やっぱり前言撤回しようか。

 

「おいい!?抜け駆けは許さんぞ!俺様だって全然暴れ足りんというのに!」

 

「アンタたちねえ!幼女相手にいじめるとか…あ、ラステイションならいいわ」

 

ラステイションの女神はアブネスの幼女レーダーには引っかからないみたいだ。

そりゃそうか。成長するとこは…うん、成長してたし。

 

「ま、まあまあ、そう興奮なさらず…そのあたりのことも含めて、今日は皆さんで話し合いをと…」

 

「議長の貴様がおろおろしてるから、その話し合いが進まないんだろうが!!」

 

「司会進行ぐらいしっかりやれ!」

 

「聞いてるこっちがイライラしてくるっちゅ!」

 

「ひいっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

 

 

 

 

「ガラッ!」

 

ルウィーの奥にある大屋敷。そのさらに奥に位置する部屋のふすまをアブネスが乱暴に開ける。

その後ろにはアイがついてきていた。

ルウィーのなかでも特に厳重警備が敷かれているはずの場所だったが、アイにとって潜入なんてお手の物だった。

 

畳が広がる落ち着いた雰囲気の部屋には、アクダイジーンと儚げな雰囲気の茶髪の女の子が座っている。

 

七賢人でありながら、アクダイジーンはルウィーの大臣も務めているのだ。

もちろんそれはブランにはばれていない。おかげでルウィーの状況はこまかいところまで七賢人に筒抜けなのだ。

 

「ふふん、お久しぶりね。幼女女神」

 

「あなたの顔なんて、見たいとも思ってなか…」

 

ドヤ顔のアブネスに対し、茶髪の女の子、ルウィーの女神であるブランは心底嫌そうな顔で迎える。

幼女と呼ばれるのは好きでは無い。女神になったことで成長することのなくなった自身の体型をコンプレックスにしているブランは、アブネスに会うたびに毒を吐いていた。

そんなブランの心中を知ってか知らずか、アイはタックルするようにブランに抱き着いた。

 

「うっひょお!ブランちゃんお久しぶりッス!元気にしてたッスか?」

 

「アイ、久しぶりね」

 

「ブランちゃん!ブランちゃん!!=≡(っ'ヮ'c)ウッヒョオアアアアアアアアアア!!!」

 

「ちょっとおちつきなさい……ちょ、ちょっと…」

 

これまでに数度、アイはルウィーへと来たことがある。その際迷ったアイは偶然ブランと出会い、親交を深めた。

今ではアイが七賢人だというのも知っているはずだったが、波長が合ったのか二人は仲良くなっていた。

二人が同じくらいに悲しい身体の持ち主であることも作用したのかもしれない。

 

「アイ、このままだと話できないからちょっと離れててくれない?」

 

「むう、しょうがないッスね」

 

少し残念そうにアイはブランから離れる。

 

「話?」

 

「まあまあそんな怖い顔しないでよね。わざわざとっておきの情報を持ってきてあげたんだから。あーでも、どうしようかしらー。これを教えたらますます不機嫌になっちゃうかもしれないし―」

 

「話す気がないんだったら、最初から…」

 

「まあまあ、落ち着くッスよ。ほら、アブネス姉さん」

 

もったいつけるアブネスにキレそうになるブランをおさえつける。

 

「はいはい、つい最近のことなんだけど、プラネテューヌの女神二人が、ラステイションの女神と接触したらしいわよ」

 

「プラネテューヌの?」

 

「技術供与のためにラステイションを訪れたなら、正直まずいッスよねぇ。あの二国は仲がいいから教えちゃうだろうし、なによりあの二国がこれ以上シェアを得るってことは…」

 

「すでに我が国はシェアの半数近くをラステイションに奪われております。残りの半数もプラネテューヌに奪われるなんてことに」

 

アイの言葉に続けて、アクダイジーンが不安を口にする。

事前に合わせておいたわけではないが、悪巧みという点においてはアイとアクダイジーンは気が合うのだ。

 

「んな勝手な真似…させてたまるかよっ!」

 

ブランが叫ぶと同時に、彼女の周りを光が覆う。

その光は彼女を他の女神と同じく変身させる。

髪は白く染まり、えんじ色と白色を基調としたプロセッサを身にまとう。眼は先ほどまでの穏やかさを感じさせずに鋭く尖っている。

 

「ひゃああっ!?い、いきなり変身して怒鳴んないでよ!相変わらずキレやすい幼女ね!」

 

「うおうっ、耳がキンキンするッス…」

 

「おい、今幼女って言ったな?幼女って言ったよな!?」

 

女神化したブランはキレやすく、さらに一度キレてしまうと落ち着かない。

女神であるがゆえに強いというのも厄介な点である。

 

「お、落ち着いてください!何かないのですか?他国に好き勝手させないような方策などは…」

 

「それを考えんのが大臣の仕事だろーがっ!?」

 

「そーだそーだ!しょくむたいまんだー!」

 

「おい、お前もノるんじゃないっ!」

 

落ち着かせようと放ったアクダイジーンの言葉は火に油だった。

さらに怒りを増すブラン=ホワイトハートにアイも乗っかる。

 

「くそっ!ざっけんな!後からぽこぽこできた国のくせに、人の国のシェアを勝手に持ってきやがって!」

 

ブランはぎりりっと音がするほどに拳を握る。

 

「わたしがどんだけ女神やってきたと思ってんだ!長い間、一人だけで…!」

 

「ブラン様…」

 

ブランが人のために女神という仕事をしてきて長く経つ。

最初はなにもわからず、すべてが手探りだった。失敗の連続の中、それでも彼女はあがいた。人々はやがてそんなブランの姿を信仰するようになった。

そしてようやく、ブランは揺るがない安全と基盤を手に入れた。

そのはずだった。

 

「おい、プラネテューヌの女神共は、今もラステイションにいるんだよな?」

 

「しばらくはいるんじゃないッスかね?いろいろ教えてもらうわけッスし」

 

「よし。ちょっと行ってくる」

 

「は?どちらへお出かけで?」

 

「ラステイションだよ。女神が固まってんならちょうどいい。まとめて叩き潰してやる!」

 

言うやいなや、ブランは背中に透明な翼を現し、素早く飛び立った。

 

「ああっ!ブ、ブラン様ー!」

 

「あらー…ひょっとして煽りすぎちゃった?まあ、こっちにとっては好都合だけど」

 

「まー大丈夫じゃないッスかね。殺し殺されなんてことにはならないと思うッスよ」

 

 

 

 

「えええ?そ、それでルウィーの女神が、ラステイションに!?」

 

「ああ、向かってしまったのう。まだ着くには時間がかかるじゃろうが」

 

七賢人のアジトに戻ってきたアブネスとアクダイジーンは事の顛末を話した。

 

「たた、大変じゃないですか!どど、どうしましょう、どうしましょうー!」

 

「慌てないでもいいでしょ。これで女神同士が潰しあえば、こっちにとっては利益になるんだから」

 

「そんな簡単なことじゃないですよお!どっちの女神が負けても、その国に住む人たちは大変なことになっちゃうし…。それ以前に、戦争になっちゃうかもしれないんですよ!?」

 

僕はレイの様子を見て、すぐさま案を考える。

面倒なことになったな。

 

「戦争!?いい響きだ…武者震いがするなあ!」

 

「それこそ願ってもない展開だ。人間同士が醜く争いあう…はっ、最高だ!」

 

コピリーエースとマジェコンヌが笑うが、レイは反対に顔が青くなっていく。

戦争になれば、たくさんの人間が死んでしまう。そうなるのはレイの本望ではない。

 

「あれ?そういえばアイは?」

 

「なんでも、焚き付けちゃったものの心配だから見に行くそうよ」

 

「七賢人なのにルウィーの女神と仲いいからなぁ、あいつ。アイにルウィーの女神を止めてもらうってのは?」

 

「難しいじゃろうなあ。あの剣幕ではとてもとても」

 

ため息をつきながらアクダイジーンが答える。

どうやらかなり挑発してしまったらしい。

 

「ふうん。だとしたら、どうにかその状況を利用する手を考えるしかないわねえ」

 

「女神が争わずに、僕たちが有利になる方法?」

 

そんな方法あるのだろうか。

いくらなんでもアノネデスでも…

 

「ふむ…うん。これならイケるかしら?ちょーっとやっつけな作戦だけど」

 

すぐさま思いついたみたいだ。

しかし、あのアノネデスが迷っているところを見るとかなりの賭けかもしれない。

 

「ねえ、コピリーちゃん。あなた、そろそろ暴れたいーってこぼしてたわよね?」

 

「まあ常にこぼしてるけど」

 

「では、ついに俺様の出番なのか!?」

 

 

 

 

ラステイションとルウィーの国境では、未だに女神化を解いていないブランと、走って追いかけたために肩で息をしているアイがいた。

いくら女神と言えどもラステイションの国境警備隊に止められては待つしかない。

 

その国境警備隊がラステイションの女神ノワールの所へ走っていってから30分が経過していた。

 

「くそっ!いつまで待たせやがんだよ!」

 

「女の子がそんな汚い言葉使っちゃいけないッスよ」

 

「うるせー!女の子云々はお前に言われたくないんだよ!」

 

「うひー、耳が痛いッス。ヤマトみたいッス」

 

耳をふさぐリアクションをしながらアイがうなる。

今ではそれなりに女の子らしい恰好をしているが、これもレイやアノネデスにやってもらっているのだ。その光景を見ながらヤマトはいつもアイに説教している。

 

「しかし、時間たったせいで妙に落ち着いてしまったじゃねーか。まさか本当に力ずくでぶっとばすってわけにはいかねーよな…」

 

冷めてしまったブランはこのあとのことを考えなかったことに頭を抱える。

 

「それじゃ帰るッスか?」

 

「それもいいかもな。会う前だったら、いくらでも言い訳できるだろーし…」

 

 

「お待たせー。来てあげたわよ」

 

そんな希望を打ち砕くかのように、ラステイションの女神が現れた。

もちろん女神化して。

 

「げっ、今来やがるのかよ」

 

「げっってなによ。人の顔見るなり失礼ね。あら、隣の子は誰かしら?」

 

「タイミング悪すぎッス!もうちょっと空気読むッスよ、ぼっち女神!」

 

「ぼ、ぼっちじゃないわよ!」

 

度肝を抜かれたのか、ノワールは必死に否定する。

仕事一辺倒でこの三年間ほとんどネプテューヌやプルルートに会っていないことは、何度も偵察していたアイにはお見通しだった。

 

「あの子、見ただけでノワールをぼっちだと見抜くなんてなかなかやるね!」

 

「だからぼっちじゃない!あなたたち失礼すぎるのよ!」

 

隠れているつもりなのだろうか、近くの草陰にしゃがんでいたネプテューヌがはやし立てる。その隣にはプルルートもいる。

やはり、国境に置いたモンスターはプラネテューヌの女神たちが倒したのだろう。

 

「ふん、思ったよりちゃらついたツラしてやがるんだな」

 

「ちゃらついた?ああ、挨拶が遅れたわね、初めまして。ラステイションの女神、ブラックハートよ。私もびっくりしてるわ。伝統あるルウィーの女神が、こーんなお子様だっただなんて」

 

「余計なお世話だ!」

 

「そーッス!お子様体形なのはブランちゃんが一番気にしてるんッスよ!」

 

「うるせー!!」

 

ルウィーとラステイションの女神、その二人の間にバチバチと火花が散る。

 

「それより、いい加減用件を言いなさいよね!ルウィーの女神が、私の国に何の用なの?」

 

「そ、それは…ええと、その…てめーの国が気に入らねーから、それで…」

 

 

「どうもよろしくッス。ウチはアイって言うッス」

 

二人の喧嘩をよそに、アイはネプテューヌとプルルートの横に座った。

 

「お、おおう。このタイミングでいうんだ…。うん、よろしくね!わたしはネプテューヌ!プラネテューヌの女神なんだ!」

 

「よろしくね~。わたしはプルルートって言うんだぁ。おなじくプラネテューヌの女神だよ~」

 

「おお、じゃあこの場には女神が揃い踏みってことになるッスね」

 

さっそく握手を交わし和気あいあいとする三人だったが、そばではにらみ合いが続いている。

 

「歯切れが悪いわね。女神自ら足を運んできたくらいだもの。よっぽどのことなんでしょ?いくら私の国が気に食わないからって、わざわざ口喧嘩するために来たとも思えないし」

 

「え、う、あ…当たりめーだろ!そんな暇な女神いたら、見てみてーもんだぜ!」

 

「うわあ、図星ッス…」

 

ぼそっとアイがつぶやく。

 

「せ、急かすんじゃねーよ!い、いいか。耳の穴かっぽじってよーく聞け。えっと、だから…」

 

「ブラックハート様ー!事件です!一大事ですー!」

 

ブランが悩みに悩んでいると、国境警備隊の一人が顔を青くして戻ってきた。

顔が青いのはブランがここに来た時も同じだったが。

 

「はあ!?またあなたなの!?」

 

「また?」

 

「ブランが来たって知らせにきたのもあの兵士さんなんだ。いや、ただの使い捨てキャラかと思いきや、まさかの再登場とは…さすがのわたしでも読み切れなかったよ!君、なかなかやるね!」

 

「なるほどそうッスか。でもモブでそれはしつこいぞ☆」

 

「は、はあ…」

 

ネプテューヌとアイの独特の雰囲気にのまれ、警備隊員は力が抜けたような顔になる。

 

「ってそんなのはどうでもいいのよ!一大事なんでしょ!?」

 

「うおわっ!?そ、そうでした!ついうっかり!我が国のゲーム工場が、何者かの襲撃を受けているとの報告を受けまして、それで慌てて…」

 

「なんですって!?その何者かっていうのは?」

 

「え?いえ、わかりません。わからないから何者か、なわけでして」

 

「それはわかってるけど!人数とか規模とか、大体の報告はあったでしょ?

 

「あー…すいません。そこまで聞いてませんでした」

 

ノワールと隊員の漫才にアイたちはずっこけた。

 

「とにかく急いで向かわないと。ちょっと、ルウィーの女神!」

 

「え?な、なんだよ?」

 

「結局何しに来たかわからないけど、これ以上余計なことするんじゃないわよ!いいわね!?」

 

「わたしたちもいかないと。そんじゃまったねー!」

 

「ばいば~い」

 

「あ、ああ。ばいばい…」

 

「また今度ッス」

 

あまりに突然の事件に、嵐のように去っていった女神たちに手を振り、ブランはポカンとしていた。

しかし数秒の間があったあと、突然地団駄を踏み始めた。

 

「うああああ!本当に何しに来たんだ!わたしはよぉっ!?」

 

「いやあ、無駄骨ッスね」

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