世界が君を砕いても・・・。   作:鵜飼 ひよこ。

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更新、遅れてごめんなさい。
2話でUA500♪



第3輪:黄昏に、宵闇に。(刀剣視点)

 それは熱病のように俺を動かす。

 

『貴方は逃げて!』

 

 ズキズキと頭を最悩ませる痛み。

この世の何処へ逃げよというのか。

 

「今日は何書いてるのさァ?」

 

「だ~か~らっ、人様の日記帳を堂々と覗き込むナ!」

 

 青年と・・・あれは刀剣か。

 

「まぁまぁ、アタシと主は特別な仲じゃないか。」

 

「激しく語弊と誤解を呼びそうだな。」

 

 笑い合う主従の声が更なる痛みを叫ぶ。

 

「いやさ、歴史を変えようとする奴等を倒して、歴史を修正していくのは目的なわけだろう?」

 

「・・・・・・ソレ、今更言うの?主、ボケた?」

 

「ボケてない!話を最後まで聞け!で、何が言いたいかってつーと、誰が本来あったはずの"正しい歴史"と改竄された"間違った歴史"を判別するんだ?もしくは、どうやって変えられようとしている歴史を察知する?」

 

『この構図って本当に"正しい"のかしら?』

 

 審神者であろう彼の発言に、己の身の内で警鐘が響く。

 

「余計な考えは戦いの邪魔になるんだろうけど・・・歴史が現在の時点で改竄される事を含めて、正しいと認識されるとか・・・でも、そもそもその考えでいくと、俺達の戦いの"勝敗自体"が・・・ん?」

 

 その先を言わせない、聞きたくがない為に。

きっとそうなのだろう・・・その為だけに俺は彼等の前に姿を現す。

 

「アンタ、誰?」

 

 不躾とも、不遜ともとれるその声がと姿だが、不思議と嫌悪感はない。

どことなく懐かしくもある。

彼女と似ているからであろうか?

 

『むねちー、また眉間にシワ寄ってるよ?スマイルスマイル。』

 

 彼女?

彼女とは一体誰の事だ?

 

「俺か・・・俺の名は三日月宗近。」

 

「みかづき・・・確か、鶴りんの兄貴の?」

 

 鶴・・・りん?

 

「鶴りんて呼ぶと、またキレられるよぉ?この前、取っ組み合いの喧嘩になりかけたのに、主は懲りないねェ。鶴りんの刀匠が三日月宗近の弟子だっただけで、刀剣の兄弟ってのは、普通同じ刀匠が打ったものを言うんだヨ。」

 

「おぉっ、あのぽこぽこいる半ズボン藤四郎軍団か。て、オマエも鶴りん呼んでんじゃねぇか。」

 

 ぽむと手を打つ青年に傍らにいる大太刀・・・彼は次郎太刀だったか、が苦笑する。

 

「主は仇名をつけないと覚えられないのかい?」

 

『おぉっ、骨喰ではないか、懐かしい!』

 

「三日月宗近って言えば、天下五剣とも謳われる・・・。」

 

「お?どした?調子が悪いのか?こっちで座って茶でも飲んで休んで行けよ。」

 

「はァ・・・我が主ながら、器がデカいのか、ブッ飛んでるというのか・・・。」

 

 青年の勧めるまま、彼等の横に座す。

これまた不思議な感覚だ。

 

「天下五剣というより、ただのじじぃだな。」

 

 何より自分で欲したものでもないのだが・・・。

 

「俺の名は直だ。まぁ、天下五剣の凄さは良く解らん。解らんが、だが、しかし、だがしかし、俺が最近会う刀剣、皆変なヤツばっかりじゃないか?」

 

「はいよ、お茶。」

 

「どうも。」

 

 大太刀が煎れた湯呑を受け取ると、何故だか笑みがこぼれる。

 

「・・・酒、入れてないよな?」

 

「同じ悪戯は3回以上はしっませぇーん。」

 

「2回はするのかよ。」

 

 妙な既視感はあれど、嫌な気はしない。

それに何故だか、彼の横は・・・。

 

「全く。出だしがおネェの大太刀に、洗濯が大変そうで漂白剤に漬け込みたくなる純白鶴りんに、緑ジャージ。で、今度は自称じじぃ。自分の相方じゃないとはいえ、オマエ等本当に刀剣かよ。」

 

 鶴りんというのは、先程の会話からして鶴丸國永の事であろう。

緑ジャージ・・・とは?

緑と言えば、石切丸と鶯丸が浮かぶが・・・あれらは少なくともジャージとやらではないな。

となると・・・。

 

「御手杵・・・の事かの?」

 

「あぁ、そう、そんなん。何かローマ帝国史の皇帝に出てきそうな。」

 

「何よ、ソレ?」

 

「そんな感じじゃね?オテギヌウスⅡ世とかって。」

 

 よくは解らぬが、意外性のある若者とだけ評しておくべきか・・・。

 

「何でⅡ世なのか?」

 

 思わず横槍を入れてしまった。

 

「突っ込むトコロはソコ?」

 

 いやはや、次郎太刀に俺まで呆れた目で見られてしまったな。

 

「いやぁ、意外と面白いな、流石、天下五剣。」

 

「面白さで頂く号ではないのだが・・・。」

 

「あ、そうだ!お近づきの印にコレやるよ。この前の戦の報奨とやらで、黒ゴンに2個貰ったんだけどさ。ウチ、刀剣はジロたんしかいないから、1個どうぞ。ジロたんにも。」

 

 無造作に手に何かを押し付けられる。

 

『はい、コレ。貴方にアゲる。』

 

「あらァ~、主からの贈り物なんて、アタシってば愛されてるぅ。」

 

「ハイハイ、アイシテマスヨー。」

 

「これを?頂いても?」

 

 手に押し付けられたのは、小さなお守り。

 

「うん。何でも敵からの攻撃を軽減する呪符が入ってんだと。眉ツバもんだけど、無いよりマシだろ?気休め的に。」

 

「もぅっ、身も蓋もありゃじない。こういうのは気持ちの問題なの!」

 

「そんなムキにならんでも・・・あ、今度また貰ったら藤四郎軍団にでもやるか。アイツ等、なんとなく体力低そうだし。」

 

『短刀なんざ、幾らでも代えはいらぁな。勿体ねぇ。』

 

 途端にジクジクと心の臓の奥から沁み出て来るようで、思わず掌の"お守り"を握り締める。

そうだ、人間は"天下五剣"の名だけで、俺を見る生き物だとしか思ってなかった。

愚かで、哀れな・・・。

 

『天下五剣でも三日月宗近でもなく、私にとってはむねちーなの!』

 

 それはもう遥かに遠くて・・・。

 

「おぃ!」

 

 ぎゅっと誰かが腕を掴む。

その感触に、微かな音に、はっとなる・・・彼の、左腕か・・・?

 

「何だよ、"むねちー"?まさか、アンタもジロたんと同じで愛されてるぅ~とか思っちゃったりしてる?」

 

 そう・・・その感触は・・・懐かしくて・・・そして遅過ぎた・・・。

 

「いや、そなたのような審神者に逢えて良かったと、な。」

 

 出逢うのが・・・余りにも・・・・・・遅過ぎたのだ・・・。

 

 




く、口調が良くわからんようになってきた・・・。
あ、2016年の手帳をむねちーにしようか悩んでます(謎)
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