インフィニット・ストラトス~織斑一夏は陛下の右腕~(凍結) 作:鈴木颯手
俺の名は織斑一夏。
姉に「ブリュンヒルデ」と恐れられる姉を持ったせいで出来損ないと言われ続けたものだ。
我が織斑家には俺の他に三人の兄弟がいる。
長女の織斑千冬。
長男の俺。
次男の織斑秋十。
次女の織斑マドカ。
この四人だ。
ハッキリ言って俺以外の三人は優秀だ。織斑千冬は言わずもがなIS乗りの中で一番強いとされ、秋十は文武両道で誰にでも優しく接し学校で一番の人気者。マドカは成績は秋十より劣るけどスポーツ及び武道は織斑千冬以上と言われている。
そんな兄弟の中で俺は一人だけ平凡だった。成績も普通。運動も人よりできる程度。武道も全然。
だからか、織斑千冬はいつも俺だけをしかる。
『秋十が100点でマドカは98点、なのに一夏は89点か・・・。全然ダメだな。ちゃんと勉強しているのか?』
この時テストはすごい難問で皆半分も取れていなかった。それを明人から知らされている筈なのに千冬は俺を叱った。
『罰として今日の夜ご飯はお前が作れ』
『姉さんさすがにそれは・・・』
『秋十。お前は心配する必要はない。全てお姉ちゃんに任せていればいいんだ』
『・・・うん』
こんな光景は日常茶判事でさすがに俺は慣れてしまった。
そんなある日、俺はさらに過酷な状況へと落とされる。
インフィニット・ストラトス。通称『IS』によって。
インフィニット・ストラトス通称『IS』は天才科学者篠ノ之束によってつくられたパワードスーツである。
元は宇宙開発を手助けするために作られたものだが今では兵器として使われている。
しかし残念な事にISには一つの欠点があった。
それは『女性にしか使えない』と言うものである。
これにより女尊男卑となり男にとっては辛い日々の始まりとなった。
そして織斑千冬はそのISを用いた大会『モンド・グロッソ』で優勝を果たしている。
それにより世の女性たちは織斑千冬を『ブリュンヒルデ』と呼びはやし立てた。
結果、俺は更に苦しい生活を送らなければいけなくなった。
そんな生活をしていたある日俺と下の弟妹と『第二回モンド・グロッソ』に出場する姉の応援に行くためにドイツに渡った。
しかし応援に行って終わる筈もなかった。
俺は、誘拐された。
「・・・ここは?」
「気が付いたか坊主」
工場と思われる場所で俺は両手両足を縛られた状態で床に置かれていた。
「・・・確かトイレに行ってその後・・・」
「そう、そこで俺らが誘拐したって訳だ」
「・・・何のために」
「そりゃあ勿論織斑千冬の決勝戦の不参加だ。安心しろ坊主。織斑千冬がこちらの指示に従えばお前を帰してやるよ」
男はそう言っていたがしばらくして別の男が慌てて入って来た。
「大変だ!織斑千冬が試合に出てるぞ!」
「何だと!?」
男はそう言って近くに置いていたテレビをつける。そこにはすでに試合は決まったのか織斑千冬がインタビューを受けていた。
『優勝おめでとうございます』
『ありがとうございます』
『この気持ちを誰に伝えたいですか?』
『家族である秋十とマドカに伝えたいです』
『あれ?もう一人弟がいませんでしたっけ?』
『?私には秋十とマドカしかいませんよ』
『え?でも確か一・・・』
それいじょうテレビからは何も聞こえなくなった。男がテレビを蹴ったからである。
「ど、どうするんですか!?このままじゃ・・・」
「慌てるな。こいつを殺してさっさとずらかれば問題ない」
そう言って男は拳銃を取り出し俺に向けた。
「じゃあな坊主。恨むなら自分の姉を恨むんだな」
そう言って男は引き金を引いた。