駆逐聖姫 春雨   作:隙間風

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extra operation
STAGE_E01 翔鶴深改救出作戦 


 

 

 

 

 

「殺してはならない。しかし決して容赦してはならない」

 

~深海棲艦救出作戦心得序文~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駆逐聖姫 春雨

 

STAGE E01 翔鶴深改救出作戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渾作戦と名付けられた大規模作戦から数ヶ月。

かの戦いにおいて、ヒトからは空母水鬼と呼ばれる深海棲艦は、裏切り者やソロモンの悪夢の手にかかり、為すすべなく轟沈の憂き目に遭った。

その後再起不能一歩手前の状態で深海棲艦に回収された彼女は、膨大な時間をかけて修復され、最近になってようやく再び海上に立つこととなったのである。

 

どこまでも静かな夜の海。

深海棲艦の泊地と化した小島にて空母水鬼は先の戦いを思い出し、儚げですらある可憐な美貌を憎悪に歪める。

 

『オノレ、オノレ、憎ラシヤ……』

 

何一つ為すこともできず、海の底に叩き還された己の無様を悔い悩み、そのような目に遭わせた忌々しい連中を憎み通す。

空母水鬼から立ち上る濃縮された負の感情は、やがて紅蓮の炎と化し夜の海を禍々しく照らす。

そんな時。

配下の深海棲艦の一体から通信が入った。

 

『敵連合艦隊、重雷装ニテ出現セリ』

 

と。

ようやく雪辱を果たすときが来たようだ。

空母水鬼は口元を邪悪な笑みに歪め、艤装を展開すると抜錨を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何ダ、コレハ)

 

それが空母水鬼が最初に抱いた感想だった。

艦載機を通して目にした敵艦隊は、確かに重雷装ではあった。

確かに連中はみな、魚雷を装備していた。

だが。連中はみな【魚雷しか装備していなかった】

 

それも駆逐艦や巡洋艦だけではない。

戦艦や空母までもが魚雷を両手に握り行進していた。

戦艦は主砲を持たず。

空母は艦載機を積まず。

無理やりに魚雷発射管をくくりつけて。

恐らくアレではまともに撃ち出すことも出来はしないだろう。

だというのに、彼女たちはみなその兵装の全てを魚雷で埋め尽くしていた。

 

(何ヲ、考エテイル……?)

 

どう考えても愚行以外の何物でもない。

事実、敵艦隊は満身創痍であった。中大破していない艦のほうが少ない。

当然といえば当然である。

空母はまったく航空戦ができず。戦艦の火力は限界まで落ち込み。最低限でしか索敵も対空迎撃も対潜攻撃もできない。

 

むしろこんな装備で道中の警戒網を突破し、空母水鬼の喉元まで迫れたのは奇跡に近いだろう。

素はよほど優秀な艦隊なのだろうと空母水鬼は評価した。

だからこそ余計にこの愚行は腑に落ちなかった。

 

(一体、何ガ狙イナノダ……?)

 

疑問が大きくなるにつれて。

しだいに。空母水鬼はなぜか背筋に氷柱を差し込まれたような奇妙な感覚に襲われた。

それが「恐怖」と呼ばれる感情であることに、いまだ憎悪と狂気に飲まれていた空母水鬼は気付く事ができなかった。

そして気味の悪さから、それ以降自身の目で彼女たちを偵察する事はやめてしまった。

 

やがて目視できる範囲まで敵艦隊が近づいたころ。

空母水鬼はもうひとつの違和感に気が付いた。

なぜ、連中は。

満身創痍のあの連中は。

 

【あんなにも穏やかに笑っているのだろう?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな、空母水鬼……否、翔鶴よ」

『……』

「翔鶴姉、助けに来たよ!」

『……』

 

艤装を半壊させた艦娘どもが、まるで旧友に対するかのように、にこやかに語りかけてくる。

敵の戯言を聞きながら、なるほど、と空母水鬼は内心で頷いた。

自分は連中の仲間の誰かに似ているらしい。説得して仲間に引き入れようと言うのだろう。

愚かなことだと空母水鬼はほくそ笑んだ。

 

それは連中が魚雷を満載している理由にはならないのだが、もうどうでもいいのだろう。

理解不能な気味の悪さが消えたことに満足しつつ、空母水鬼は自らの艦載機を繰り出した。

自分を姉と呼ぶ空母に艦載機が無いことは知っている。もはや為す術は無い。

 

(「姉」ノ手ニカカル絶望ヲ噛ミシメナガラ沈ムガイイ……)

 

しかし。

 

『……エ?』

 

大量に展開される敵艦載機を目の当たりにしながらも、艦娘たちはまったく動揺していなかった。

魚雷を両手に握り、穏やかな笑みを絶やすことなく、一直線に空母水鬼目がけて前進する。

ゆっくりと。ゆっくりと。

 

『……沈ンデシマエ!』

 

再び胸中に湧き上がる薄気味悪さをかき消すように、空母水鬼は己の艦載機に攻撃を命じる。

深海棲艦の攻撃機と爆撃機はただちに命令を実行、雷撃と爆撃の同時攻撃により敵の連合艦隊を蹂躙した。

 

連合艦隊とはいえ、元より魚雷しか持たずしかも半壊した艦隊だ。

これで完全に止めを刺したと確信し、空母水鬼は思わず安堵の息をついた。

だが。

 

ばしゃり、ばしゃり、と。

 

「ひどいよ、いたいよ、翔鶴姉ぇ……」

 

大破した艤装で沈みかけながらも、泣き笑いながら海を掻き分けてゆっくりと空母水鬼へと迫る敵の空母。

その手には魚雷が握られていた。

 

『……ッ!?』

 

ばしゃり、ばしゃり、と。

 

「効かぬ! この程度、お前の感じている嘆きと悲しみに比べれば如何ほどのものか!」

 

頼もしげに微笑み、力強く海を踏みしめる戦艦。

重装甲ゆえに他の艦の盾となり続けたのだろう。セリフとは裏腹に、全身は焼け爛れ千切れかけ、見るも無残な有様であった。

千切れかけたその手には魚雷が握られていた。

 

『ヒッ……!?』

 

ばしゃり、ばしゃり、と。

 

「うふふふふふ……ほぉら翔鶴さん? この酸素魚雷、北上さんが貴女のために資材をたくさんたくさんたくさんたくさんたぁぁぁくさんつぎ込んで改修してくれたのよ?」

「もうやめてよー大井っちったらー」

 

手に取った魚雷に頬ずりしながらうっとりと語りかける二人の重雷装艦。

髪の長い片方は頭部から激しく出血しており、顔の大半をどす黒く変色した血で染めていた。

 

『ヒィィッ!?』

 

ばしゃり、ばしゃり、ばしゃり、ばしゃり、ばしゃり、ばしゃり、ばしゃり、ばしゃり、と。

 

「翔鶴さぁん」「待っててね」「今助けてあげるから」

「うふふふふ……」「あはははは……」「きゃははは……」

「きゃははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

 

さて。

この状況で。一つのことに空母水鬼は気が付いた。

 

『ア、アア……』

 

もしも。

もしもあの魚雷を握った■■どもが自分の元に辿り着いてしまったら。

 

【自分はどうなってしまうのだろうか】

 

と。

そう気が付いてしまった。

 

『……ヒ、ア、アアアアアッ!!』

 

空母水鬼は半ば狂乱して、第二次攻撃を艦載機に命じようとした。

だが、それは果たせなかった。

全火力を■■どもに叩きつけんと腰掛けていた艤装から立ち上がりかけた瞬間、何者かに足を掴まれ、海に引きずり倒されたからだ。

 

「ツ・カ・マ・エ・タ」

 

海中にて自身を抱きとめる敵の潜水艦は、やはりどこまでも優しげに微笑んでいた。

しかし、やはり手に握られた魚雷と、どこまでもどす黒く濁りきった瞳を直視して。

 

どかん、と。

 

衝撃と共に。空母水鬼は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウ、ウウ……?』

 

何か。とてつもなく恐ろしい何かを予感しながら、空母水鬼は目覚めてしまった。

周辺を見渡すと、どうやらそこは自分が泊地として利用していた小島だった。

そこかしこから黒煙が上がり、味方の反応も無い。

自身の艤装も全て解除されてしまっている。どうやら完全に制圧されてしまったらしい。

と。

 

「おお! 目覚めたか翔鶴よ」

『ヒィッ!?』

 

背後から声がかけられる。あの地獄の亡者のような戦艦の声だ。

一度意識をシャットアウトしたことにより多少クリアになったはずの思考は瞬く間に恐慌に侵された。

空母水鬼は兎にも角にもこの場を離れようとしたが、その前に亡者戦艦に羽交い絞めにされた。

修復剤でも使ったのか、だいぶ損傷は消え去っている。

 

「そう恐れることは無い。悪いようにはせん、全て我々に任せておくがいい」

『ナ、何ヲ……』

「よしいいぞ北上、一思いにやってくれ」

「はいよー」

 

気の抜けた声と共に至近距離から四十門の酸素魚雷が一斉に空母水鬼の頭部に向けられる。

止めを刺す気かと、憎悪を宿した瞳で前方の北上を睨みつける。

しかしそこで意識の混濁から少し回復した空母水鬼は気付いた。

 

『……ッ!?』

 

いくら何でも距離が近すぎやしないか。

いや、近すぎるどころかこれは至近距離だ。これでは確実に撃った本人も巻き込まれてしまう。

そもそも自分の背後には味方もいるではないか。まさか味方ごと……?

よほどに追い詰められているならまだしも、こんな状況でそんな手段に出る必要がどこにある!?

それに何故わざわざ目覚めを待ってから雷撃処分など……。

 

まったく理解できない敵の凶行に空母水鬼の思考が再び混乱する。

だがそんな彼女の混乱を見抜いたか、背後で長門がやさしく説明した。

 

「安心するといい翔鶴。この魚雷は妖精さんの超技術により特殊な改修が施されていてな。

 スイッチを切り替えることで、どれだけ撃ち込んでも損傷が中破を超えることがない非殺傷魚雷になるのだ!」

『……ハ?』

 

意味が分からない。本能が、理解を拒んでいる。

 

「むろん痛いことは痛いがな。だがせめて、お前にだけ辛い思いはさせんぞ……!」

 

翔鶴(仮)の身を案じると言うよりは、自分の言葉に酔っているかのように叱咤を送る戦艦。

 

「あたし装甲薄いからさー、早めにしょうきにもどってねー、翔鶴さん」

 

生気の抜け落ちた瞳と声でヘラヘラと笑いながら魚雷発射管を向ける重雷装艦。

 

「翔鶴姉頑張って……! 私信じてるから!」

 

泣き笑いで祈る自分を姉と呼び続ける正規空母。

 

「がんばれ、がんばれ!」「翔鶴さん、がんばってー!」「翔鶴さんファイトぉ!」

 

周辺を取り囲み虚ろな笑みと共に適当なエールを送る駆逐艦たち。

 

(アア、ソウカ)

 

空母水鬼は悟った。

 

(コイツラ狂ッテルンダ)

 

そして。

どこまでも静かであった夜空に連続する爆音が轟きわたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ア、ガ、ガ、ガ、ア、ア、ア、ア、ダ、マ、ガ、ガガ……』

 

北上と、次いで大井も。二人の重雷装艦によるそれぞれの零距離一斉雷撃が終わり。

その場に残ったのはボロ雑巾より酷い有様になった四体の軍艦だった。

それを遠巻きに見守っていた周囲の艦娘たちが盛大に歓声を上げた。

一番間近で見守っていた空母が声援を送る。

 

「大丈夫!? 頑張って、頑張って、翔鶴姉!」

 

翔鶴姉って誰だよ。

絶望的な頭痛と混濁する意識の狭間、空母水鬼は内心でツッコミを入れた。

 

幸か不幸か、非殺傷という戦艦の言葉に偽りはないようだった。

どこまで狂気の領域に踏み込めばそんな訳の分からない改修が可能になるのか。

炸裂するたびに確かに爆炎を上げ、衝撃と灼熱と激痛をもたらすというのに、ダメージは艤装までで、肉体への損傷はまったくありはしなかった。

 

……これが知性を持たない通常の深海棲艦であれば、何の意味もない自滅行為にしかならなかっただろう。

人形相手に道化芝居を演じ続けるようなものである。

しかし空母水鬼は深海棲艦とはいえ、狂気を狂気と認識できてしまうだけの知性を備えた上位種であった。

しかも自身の狂気は周囲に満ちた菩薩の笑みで塗り潰され、自身の憎悪は魚雷で磨り潰され、精神を護る防壁はもはや何も残ってはいなかった。

 

「さあ、バケツ持ってこい。まだまだ続けるぞ」

『  』

「今日は特別でな……長期戦を期して明石と速吸も連れてきているのだ。

 バケツも魚雷もまだまだ沢山あるから安心するといい」

『  』

 

自身と重雷装艦たち、そして空母水鬼にバケツの中身をぶちまけながら、頼もしげに微笑む長門。

その背後では工作艦と補給艦がにこやかに手を振っていた。

その瞳は濁っていた。

 

「頑張れ、我々も辛いのだ! 頑張るのだ翔鶴!」

 

その瞳は理解しがたい熱を宿し濁りきっていた。

 

『ア、アアアァアア……』

「安心するのだ翔鶴、ビッグセブンの名にかけてお前が正気を取り戻すまでこのごうも……もとい救出作戦は続けるぞ!」

『ヒィィィッ!?』

 

そして自身の放つ紅い光が夜の海に照らし出す、どこまでも穏やかな、どこまでもおぞましい、どこまでも濁りきった、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔笑顔笑顔笑顔笑顔笑顔笑顔笑顔――

 

『――』

 

ぽきん、と。

ついに空母水鬼の心は折れた。

 

「よし! 次は取って置きの、とてもたのしいきもちになれるガス入りの魚雷を……」

『ハ、ハイ! 思イ出シマシタ! 私ハ翔鶴デス!!』

「……!!」

 

それは魚雷がもたらす苦痛よりも理解できないモノを目の当たりにし続けた恐怖とストレスがもたらした屈服であった。

 

「本当!? 本当に思い出してくれたの、翔鶴姉!?」

 

空母娘が狂喜を宿して飛び出してくる。その瞳は濁っていた。

 

「私たちの妹の加賀や赤城のことも思い出してくれた!?」

 

何が何だか分からないが、とにかく肯定しておかなければ。

 

『エ、エエ、勿論ヨ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しん、と。

その場が完全に静まり返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も笑っていなかった。

特に空母は完全に表情を削ぎ落とし、その瞳は危険な濁りかたをしていた。

感情の消えた、それこそ深海棲艦のような声音で空母がつぶやく。

 

「ごめん、長門さん。まだダメみたい」

『エ……?』

「うむ、だが悪くない傾向だぞ。恐怖心から嘘をつくなどという高度な人間性を見せたのだ。きっともう少しの辛抱だ!」

『何デ、ダッテ、ア、アアア……』

「長門さーん、■■の再装填終わったよー」

『ヒィ、ア、ヤァ■■■ア……』

「今度こそ、■■■■に■■■てあげないと、ねぇ。■■さん?」

『ヤ、■■ダ、イ■■■■■!』

「■■■■」

『■■■■、■■■■!!』

「■■■■■!」

『■■■■■■■■■■■■■■■■!!』

「■■■■」

「■■■■」

「■■■■」

「■■■■」

「■■■■」

『』

 

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『■、■■■■■■■!!!!!』

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『■■■■!!』

 

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「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■■■」

『■■……?』

 

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『■■……』

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『■■■■■■■■■■■■■■■■……!』

 

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「■■■■■」

「■■■■■!」

「■■■■■」

「■■■■■」

『■■■■■!』

 

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『翔鶴型航空母艦1番艦、翔鶴デス。

 一航戦、二航戦ノ先輩方ニ、少シデモ近ヅケルヨウニ、瑞鶴ト一緒ニ頑張リマス!』

ぶつん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

###TIPS

 

深海棲艦救出作戦心得

 ・基本は笑みを絶やさずに。

 ・余裕を持って救出作業を行うため、周囲の脅威は完全に排除し安全を確保すること。

 ・しょうきにもどるまで相手の話は聞き流せ。どうせ意味の通る会話にはならない。

 ・仮鹵獲後は頭部以外への救助行動は基本的に効果がないため行わないこと。

 ・救助行動は絶対に救い上げるという断固とした決意と誠意を持って行うべし。

 ・救助行動の前には各自テンションを可能な限り上げておこう。合法ならば手段は問わない。

 ・無理を通せば道理は引っ込む。

 ・必要な物は三つ。愛と魚雷と狂気だ。

 

 

翔鶴深改救出作戦

 突入部隊はランカー艦隊のひとつであり、数多くの艦娘が所属しているが翔鶴は未着任だった。

 全ては空母水鬼をビビらせるための演技である。

 ただし全員魚雷装備で敵支配海域の最深部まで踏み込める実力は本物(の変態)

 作戦に参加した艦娘は全員補助スロット拡張済みであり、高位ダメコンも積んでいた。

 また周辺の友軍に支援を要請しており、ルート外の敵艦隊が空母水鬼の救援に向かうのを阻止していた。

 作戦終了後、大本営に記録映像を提出したが、ドン引きされた。

 記録映像を閲覧した電は卒倒した。

 暁は漏らした。

 でかい暁も漏らした。

 春雨深改は鼻で笑った。

 

 

長門

 艦隊で唯一演技をしていなかった。全て素である。

 作戦前の会議にて、彼女にこの手の演技をさせるのは難しいと判断され、概要の一部を知らされず作戦に参加することとなった。

 作戦終了後に記録映像を閲覧、当時の自分たちを客観視してしまい、しばらく引きこもった。

 

 

瑞鶴

 長い間敬愛する姉の翔鶴が着任していなかったため、少し病み気味だった。作戦中も三割ぐらいは素である。

 その分もあってか翔鶴深改の正式な着任時は狂喜した。

 今は仲睦まじく共に鎮守府で暮らしており、仲間と共に翔鶴深改の記憶が戻る手助けをしている。

 なお余談だが、これより数日後にこの艦隊は翔鶴の建造に成功する。

 

 

どこまでもどす黒く濁りきった瞳

 明石が開発したコンタクト型ジョークグッズ。

 視力を損なうことなく死んだ魚のような目になれる。

 光を反射しないヤンデレアイや青赤黄色の各種光を放出する深海棲艦アイも存在する。

 酒保にて割と好評販売中。

 

 

がんばれ

 がんばろう

 

 

翔鶴深改

 人類が味方につけた深海棲艦だ

 それは深海棲艦の上位種だ

 それは航空母艦だ

 それはeliteだ

 それは翔鶴をモデルに造られている

 それはしょうきにもどっている

 それは魚雷がトラウマだ

 それはとても運が悪い

 それは翔鶴ではない

 

 

 

 




やさしいせかい
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