オーバーロード二次創作 久々ログインで異世界転移   作:結城マサヒト

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この作品は丸山くがね様著、オーバーロードの二次創作です
オリジナルキャラクター、捏造改竄等が出てきますので、ご注意下さい。


プロローグ

 西暦2138年某日

一人の男が、自宅のマンションに帰ってきた。

 

 

--ようやく終わったか。

 

 

 そんな感傷を抱きつつ、一人暮らしにしては広い2LDK

半自律型無人ハウスキーパーサービスを利用していなければ、埃に塗れていたいたであろう自宅に久々に腰を落ち着ける。

ここしばらくは、帰って来てはいたものの、寝る為だけの場所になっていた。

 

 

「さて、久々の自由な時間だと思って満喫しようか。」

 

 そう呟いた男、五辻泰弘(いつつじやすひろ)はソファーに体重を預ける。

というのも、自身は全く乗り気ではなかったのだが、会社命令で3年前に所謂発展途上国、その支社の立ち上げに行っていたのだ。

 

 

 退職するか本気で悩んだのだが、所属している会社と出向先の子会社で、二重に給料が出る事もあり赴任する事を決めた。行ってしまったからには仕方ないとしっかりと働いてそれなりに評価されていたのだが・・・1年後に軍事クーデターが発生。

 自らはクーデターの際の混乱に乗じた襲撃に巻き込まれ、命は無事だったものの負傷。

日本との外交関係を気にしてか、クーデターを起こした軍事政権側から治療は受けれたものの、情勢が落ち着くまで軟禁。ようやく開放されたは良いが子会社は撤退し、日本の本社へ召還。

 戻ってみたら当たり障りの無い、負傷によるお悔やみポストが割り当てられていたのだ(何ヶ月も職場を離れており、赴任していた人員が戻ってきて、人手は余っていた)。

 早期退職も可能との話も受けた為、辞表を提出して身辺整理を済ませて退職してきた所である。

 

 

退職した会社はかなり大手の商社の為、周りからは憐れみの目で見られたが、泰弘(やすひろ)本人は実はそんなに気にしていなかった。

 元々海外赴任も、本当は行きたく無かったのだ。会社命令で赴任し、行ってみると案外面白くなったが、クーデターの際に撃たれたせいで(本社の避難判断が遅れて巻き込まれた、という事情も含めて)、退職金に色もついた。

 

 

「本当に久しぶりだ・・・せめてインフラ--通信関係だけでもまともな国だったら良かったんだけどなぁ。」

 

 そう呟きつつ、やや大きめの箱に大事にしまわれていた、体感型ゲームコンソールを取り出し、起動していく。

 

 

 海外赴任するまで、泰弘はDMMO-RPG<Dive Massively Multiplayer Online Role Playing Game> 仮想世界で現実にいるかのごとく遊べる体感型ゲーム、その中でも一際人気のあったYGGDRASIL(ユグドラシル)というゲームをプレイしていたのだ。

 本当は赴任先でも休日ぐらいはプレイしたかったのだが、赴任先の通信技術では、通信速度、容量共に満たせずプレイ出来なかったのだ。

 しかし、当分は働かずとも十分に暮らせる資金も手に入ったので、しばらくはプレイ出来なかった時間を取り戻そう。と考えているのだった。

 

 

 しかし----

 

「・・・・・・ユグドラシル、サービス終了のお知らせ!?・・・嘘だろ!?」

 

 プレイしようとコンソールを起動し、ゲームを起動する前の公式ページを開いた途端に飛び込んできたのは、受け容れ難い情報であった。

 全盛期よりはプレイ人口が減っていたものの、3年前はサービス終了という話は一切無く、そんな心配はしていなかったのだ。

 赴任先からは、ユグドラシルの情報を見てしまうと日本に帰りたくなってしまうので、情報を調べていなかった事が裏目に出てしまった。

 

 

「・・・・・・しかもサービス終了は今日じゃないか!・・・くそ!とにかくログインして・・・」

 

 すぐにログインボタンを押すものの、3年間分のバージョンアップインストールが始まり、焦りを生む。現代では高速回線とハードの処理能力の高さにより、それほど時間はかからないが、今は1分1秒が惜しい。

 現在時刻は22時30分。バージョンアップ終了までは1時間と表示されており、サービス終了まで僅かな時間しか残されていない。

苛立ちを覚えながら、ふとフレンド用メッセージの通知がある事を確認し、開いていく。

 

 現状を尋ねるメール

 近況報告をしてくれているメール

 引退報告メール

 

 かつてユグドラシルで共に歩んだ友人たちからのメールだった。

 

「・・・こんな事なら、帰国上の手続き--は無理にしても、ほとんど必要の無い引継ぎを放り出してでも、ログインすべきだったかな・・・・・・。」

 

ここ一ヶ月は日本に居たのだから、ログインしていればもう少しはユグドラシルに別れを告げる時間が、何よりかつての友人たちに会う時間があったのだ。

そんな後悔を抱く中、最後のメールを開く。

 

 

「モモンガさん・・・やっぱり貴方は居ますよね。」

 

---ユグドラシル最後の日を、皆で集まって過ごしませんか。---

 

 

 ユグドラシルをプレイしていた際に所属していたギルド、<アインズ・ウール・ゴウン>そのギルド長であるプレイヤー、そして友であるモモンガからの、招待状だった。

 

 

 バージョンアップの残り時間と現在時刻を確認し、溜息をつく。

 

「何でいつもバージョンアップの予測時間はズレるんだ・・・。」

 

メールを読んでいて思ったより時間が経過していたが、現在時刻は23時55分。

ほぼ更新は終わっているが予定の時間をオーバーしている。

ログインしたらすぐに会おうーーモモンガさんは絶対に最後まで居るだろう。

それに---今日が最後の日だ。他の皆も何人かは居るだろう。

そう考え、バージョンアップ完了の文字を見つつ意識がログイン特有の暗転する瞬間を迎える。

 

 

 

 ---23:56--

一人のプレイヤーがユグドラシルへ、<アインズ・ウール・ゴウン>へと帰還した時刻である。

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