オーバーロード二次創作 久々ログインで異世界転移   作:結城マサヒト

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ストックを作ってから投稿をと思っていた時期が、私にもありました。
書いてみると我慢出来なくなる不思議!




ナザリックへの帰還

 

 ユグドラシルへのログインが完了し、黒曜石の輝きを放つ円卓が中央にある部屋へと出現する。

 

 

 プレイヤー・ネーム『ヤスヒロ』

黒を基調として、白や赤の装飾が入っている足元まで覆うローブを纏い、青い刀身が異彩を放っているが、一見すると儀礼用のような細剣を腰に差している。

顔は一見人間種とあまり変わらないようにも見えるが、頭部から二本の捩れた角が生えており、何より背中にある漆黒の翼が人間種ではない事を物語っている。

 

 

 アンデットの種族に属する生ける屍(リビングデッド)殭屍(キョンシー)を経て得ることが可能な種族、飛天夜叉(ひてんやしゃ)である。

 ちなみにプレイヤーネームは初DMMO-RPGという事もあり、あまり考えず本名で入力してしまった結果である。後々少し後悔し、課金アイテムで名前を変更する事を考えた事もあったが、愛着が出来てしまったので結局そのままにしている。

 

 

「この感覚、久しぶりだなぁ…。」

 

 およそ3年ぶりのユグドラシルキャラクターに感慨を覚えつつ、慌てて辺りを見渡すが、荘厳な部屋に相応しい沈黙が広がっており、ヤスヒロ以外のプレイヤーの姿は無い。

 

 

「まさか…皆もうログアウトしてしまったのか!?……そうだ!」

 

 慌ててコンソールを開き、ギルドメンバーのみ閲覧する事が出来る、ギルドメンバーのログイン状況を確認する。

しかし、記載されているほとんどの名前が灰色--非ログイン状態になっているが、

自らとギルド長である『モモンガ』はログイン状態である白文字で表示されている。

 

 

「モモンガさんはいる…!---モモンガさん!お久しぶりです、ヤスヒロです!」

 

 モモンガがログインしている事を確認し、すぐにプレイヤーチャットにてコールを行う。

しかし、返ってきた応答は『現在、対象のプレイヤーチャット機能がオフとなっています。』というシステムメッセージ。

 

 

「うおおい!こんな時に!うぐ……どこだ…自分ならどこに居る。」

 プレイヤーチャットが繋がらなかった事に焦りつつ、自分ならユグドラシル最終日にどこに居るかを考える。

ナザリック地下大墳墓以外---それは自分なら除外する。

ユグドラシルで歩んで来た場所は多くても、やはりホームはナザリック地下大墳墓だ。

10階層からなるナザリックを、思い出しながら考える。ふと二階層のとある場所で思考を止め、自分ならそこに居るかもしれない--という考えを抱く。

しかしそうなると、モモンガさんなら宝物殿のパンドラズ・アクターだ。

かつてモモンガさんに案内されて、パンドラズ・アクターに初めて会った時の自慢気な様子を思い出しながら考える。

 

モモンガさんは宝物殿か。

そう考え、自らの指にはまっているリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン---アインズ・ウール・ゴウンのメンバーすべてが保有しているマジックアイテムで、ナザリック地下大墳墓内であれば、一部の場所を除いて自由に転移出来るようになっている。---の能力を使い、転移しようとする。

 

 転移しようとしたその瞬間、本来あるべき物が、鎮座していない事に気付く。

記憶通りであれば、そこにはギルド武器が---ヘルメス神の杖(ケーリュケイオン)をモチーフとしたスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが鎮座していたはずだ。

各ギルドにつき一つしか所持が出来ず、ギルド武器が破壊されれば、ギルドの崩壊を意味する。だからこそ、安全な下階層であるここに保管されていた。

ヤスヒロもギルド武器を作成する為に、レアモンスターから極稀にドロップするアイテムを得る為有給を取ったりと、思い出深い一品だった。

 

「・・・・・・ギルド武器がここに無いという事は……玉座の間?」

 確信は無いが、モモンガさんは非常に和を重視し、自分勝手な行動はほとんどした事がなかった。そんなモモンガさんがギルド武器を持ち出したとしたなら、勘に近いものであるが、玉座の間に居るような予感があった。

しかし、10階層はリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンによる転移が禁止されている区域が多く、玉座の間は転移禁止区域に指定されていたはず。

玉座前の広場に転移するか---そう考え現在時刻を確認し、衝撃を受ける。

 

 

---23:59:50---

 

 残り10秒---転移しても間に合わない時間だ。

久しぶりのナザリックに感慨を覚えてしまい、時間が思ったよりも過ぎてしまった--。

ならばと一縷の望みをかけて走り出す。

きっちり24時ではなく、サーバーダウンが1秒でも長くズレ込む事を願って。

本当は広間まで転移すれば一番早いのだが、転移を行う事によって、サーバーから弾き出されてしまう事を恐れて(転移を行うと、システム上再読み込みがかかってしまう為、過去のメンテナンスの際は、メンテナンス時間直前に転移を行うと、いち早く強制ログアウトがかかってしまうという事例があった)。

 

 

「頼む・・・・・・!最後ぐらいずれ込んでくれ!」

 弾くように扉を開き、まるで白亜の城のような荘厳さと絢爛さを備えた世界を走る。

磨き上げられた通路を、開いたままにしたミニステータスウィンドウ、その現在時刻を注視しながら走る。

59:55、56、57、58---間に合わない事はわかっている。だからこそ強制ログアウトされないように祈りつつ注視する。

59、00。

円卓の間を出て一つ角を曲がった所で時間が来る。ゴクリ、と息をのみ---

 

1、2、3---

 

「いよっしゃああああああああああ!!」

本来終了時間であった、24時を過ぎても強制ログアウトが起こらない。

その事に歓喜を覚えて叫びながら、二つ目の角を曲がる。

 

 曲がった所で、前方に驚いたようにこちらを見つめる姿があった。

一瞬ギルドメンバーの誰かかと期待したものの、すぐにナザリックに41人居るNPCメイドの一体だとわかる。

本来であればじっくりと見たい所であるのだが、サーバーダウンが延期になったとはいえ、それが1分なのか1時間なのかわかっていない以上、その余裕は無い。

そのままメイドの前を駆け抜けようとして---

 

 

「……ッ……ヤスヒロ様!」

 

 

あり得ないはずの出来事が起こり、足を止める。





玉座の間に転移しなかった裏(メタ)の理由は、多分次の話でわかります。


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