城下町のダンデライオンー櫻田家の次男は変人?ー《凍結中》   作:ションタ

2 / 16
本編
プロローグ


––––––櫻田家。

それ程珍しい苗字ではないが、櫻田家は普通の家庭とは違い、特殊なところがある。

 

まず、櫻田家は家族全員を合わせて12人の大家族。父の総一郎と母の五月。そして10人の子供達––––上から葵、修、奏、幸、茜、岬、遥、光、輝、栞の四男六女で構成されている。

 

ここまで聞くとただの大家族だが、実は違う。

一つは、櫻田家の大黒柱である櫻田 総一郎はこの国を統べる王様––––つまり、櫻田家はこの国の王家の一族ということになる。

そしてもう一つ。王族である櫻田家の兄弟姉妹達には全員、特殊能力が備わっている。能力は1人一つ、皆それぞれ違うものを持っている。

 

以上の二つが、櫻田家が普通の家庭とは違う、特殊なところ。だがそれ以外を除いけば、彼らは一般人とさほど変わらない普通の生活を送っている。

 

––––––これはそんな家族のお話。

 

 

 

–––––––*–––––––

 

 

 

「幸ちゃん朝だよ! 起きて!」

 

 

ぐうすか眠っている少年の体を揺らし、起こそうとしている少女––––彼女の名前は櫻田 茜。櫻田家の三女で、高校生になってまだ日が浅い、花をも恥じらう15歳の女の子だ。

 

 

「んァ……んだよ母さん……。今日は日曜日だぜェ……。もう少し寝かせてくれよォ……」

 

「私はお母さんじゃないよ!? それに今日は月曜日だし! ほら、そんなこと言ってないで早く起きてよ!!」

 

 

茜に起こされている少年––––彼の名前は櫻田 (こう)。櫻田家の次男で茜の双子の兄だ。赤く染まった髪に、どこかのスーパーな野菜人を彷彿とさせる髪型。目つきは鋭く瞳の色は髪の色と同じ赤色をしている。

こんななりだが、一応この物語の主人公でもある。

 

幸は目をゴシゴシこすりながら、横たわっていた体を起こす。茜は幸が起きると、やっと起きたかと言わんばかりに「ふぅ」と一息吐く。

 

 

「ん、くわァ〜……はよ〜す茜」

 

「おはよう、幸ちゃん。ほら、起きたんだったら早く着替えて! 学校遅刻するよ!」

 

「へいへい、わァ〜たわァ〜た」

 

 

茜に適当な返事をすると、ベッドから立ち上がり、体をふらつかせながらTシャツを脱ぎ始める。

 

 

「ちょっ、なな何してんのっ!?///」

 

 

すると、その光景に顔を赤くさせて焦り出す茜。

 

 

「んァ? 何って着替えじゃねーか」

 

「そ、そうだけど………あぁもう!!」

 

 

幸が答えると、彼女は顔を赤く染めたまま早歩きで部屋から出て行ってしまう。

 

 

「……なんだったんだ?」

 

 

茜の行動を幸は疑問に感じるが、今は着替えを済ませるのが先決だと思い、彼は着替えを再開させる。

 

 

「あァ、めんどくせェ……。どうして中学高校ってのはこう堅苦しい格好しねェといけねーんだろうなァ……。小学校の時みたいに私服でいいじゃねーか」

 

 

学校の制服に対し愚痴をこぼすも、着替えを着々と進める。

そして数分後、最後にブレザーを着用し着替えを完了させる。

 

 

「うしっ、こんなもんだな! さーて、今日も一日適当に頑張りますか!」

 

 

気合いを入れ自室を後にする幸。

もしここに茜がいれば「『適当』は余計でしょ」と、一言ツッコんでいたに違いないだろう。

 

––––––こうして、櫻田 幸を中心とした櫻田家の物語が幕を開けるのだった。

 

 




感想などがあったらよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。