バカと鴉と召喚獣   作:蒼書生

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問10

「ねえ、雄二? 僕は何をすればいいの?」

 

「ああ、鴉は教室にいればいい。何もするな」

 

「それは分かったけど、皆さんは大丈夫でしょうか」

 

「安心しろ、俺の作戦はBクラスごときには破れない」

 

 

 僕は聞いて、少し不安が残る。Bクラスの代表は、汚い手段を使うことに定評があるから。

 

 

「雄二、Cクラスから協定を結びたいと申し出があった」

 

「そうか、なら俺が行こう。鴉、教室を頼む。Bクラスの奴らが荒らしに来るかもしれんからな」

 

 あ、そうか。不安というのは、このことだったのか。荒らしに来るかもしれない。

 

 

「うん、分かった。いってらっしゃい」

 

 

 そうして、雄二は何人か連れて出ていく。僕はその間、シャーペンをいくつか、ポケットに忍ばせる。

 

 

「よし、坂本が出ていったか」

 

「さて、荒らすとしよう」

 

「ああ、使えないようにめっちゃくちゃにしちまおう」

 

 

 どうやら、Bクラスの何人かが来たようだ。

 

 

「僕がいますが、どうしますか? Bクラスの【自主規制】さんたち?」

 

「うお! いやがったか」

 

「倒してしまえ、どうせ怪我人なんだから、激しい運動は出来んだろ」

 

「気絶させてしまえ」

 

 

 彼らが次々と言うなか、顔のスレスレを何かが速いスピートで通っていく。後ろを振り向くと、シャーペンが突き刺さっていた。

 

 

「西村先生に捕まりたくないのでしたら、すぐに引き返すことをオススメしますよ?」

 

 

 僕はシャーペンを取り出して、すぐに投げられるよう構える。

 

 

「く、くそっ!」

 

「覚えてろっ!」

 

「【閲覧規制】やるーっ!」

 

 

 彼らの一人が、襲いかかってきた。怪我人である僕には、なす術もない。反撃が出来ず、押さえられる。

 

 

「おい! 鴉から離れろ!」

 

「鉄人を呼んだぞ!」

 

「でかした! こいつらが逃げないように、押さえつけろっ」

 

 

 僕は、ちょうど帰ってきた雄二に助けられる。あと、もうちょっと遅かったら、僕は将来が危なかった。

 

 

「うむ、酷い嫌がらせじゃな」

 

「酷いね。鴉に影響を与えかねない行為だったよ」

 

「あまり気にするな。とは、言えないか。時間はかかるが、作戦には大きい支障はない」

 

「雄二がそう言うならいいけど」

 

 

 確かに、僕には時間がかかります。さっきのことが少し怖いです。

 

 

「それはそうと、どうして雄二は教室で鴉がこうなっているのに気付かなかったの?」

 

「協定を結びたいという申し出があってな。調印のために鴉を残した」

 

「協定じゃと?」

 

「ああ。四時までに決着がつかなかったら、戦況をそのままにして続きは明日午前九時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行動は禁止にする。ってな」

 

「それ、承諾したの?」

 

「そうだ」

 

「でも、体力勝負に持ち込んだ方がウチとしては有利なんじゃないの?」

 

「姫路と鴉以外は、な」

 

 

 そうです。僕と姫路さんは、身体が弱いのです。姫路さんの場合はアレルギーとかが、ありそうですよね。僕は分かるように、最近まで入院していたので、免疫力が低下しています。

 

 

「あいつ等を教室に押し込んだら、今日の戦闘は終了になるだろう。そうすると、作戦の本番は明日ということになる」

 

「そうだね。この調子だと本丸を落とせそうにないね」

 

「その時はクラス全体の戦闘力よりも、姫路や鴉の戦闘力が重要になる」

 

 

 多分、局所的な戦闘になるからだろう。それとも、Dクラス戦のように姫路さんに止めを刺させるのか。

 

 

「だから受けたの? 姫路さんや鴉が万全な体勢で勝負できるように」

 

「そういうことだ。この協定は俺たちにとって、かなり都合がいい」

 

 

 でも、そうすると何かがおかしい。いくら僕を襲ったからといって、その為だけに僕らと対等な条件の協定を申し出てくるなんて。根本恭二は、そんな甘い男なのだろうか。いや、何か裏がありそうだ。

 

 

「明久。とりあえず、ワシらは前線に戻るぞい。向こうでも何かされているかもしれん」

 

「ん。雄二、あとよろしく」

 

「おう。任せろ」

 

「じゃ、僕は保健室に行ってくるよ。ちょっと、包帯を巻き直してくるから」

 

「ああ。鴉も行ってこい」

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