「静かにしなさい。この薄汚い豚とも!」
「そ、そうです……。静かにして、い、いただけますか?」
「な、何よアンタたち!」
小山が来たみたいですね。でも、作戦とはいえ、何かすみません。
「話しかけないで! 豚臭いわ!」
「アンタ、Aクラスの木下ね! そっちの子は知らないけど。ちょっと点数がいいからって、いい気になってるんじゃないわよ! 何の用よ!」
秀吉、スイッチが入っていますか? もう、演技とは思えないのですが……。
「私たちはね、こんな臭くて醜い教室が、同じ校内にあるなんて我慢ならないの! 貴女たちなんて、豚小屋で充分だわ!」
「なっ! 言うに事欠いて私達にはFクラスがお似合いですって!?」
あの……Fクラスとは、一度も言ってないんですけど。どういう思考回路なんですか?
「手が穢れてしまうから、本当は嫌だけど、特別に今回は貴女達を、相応しい教室に送ってあげようかと思うの」
「……手がよ、穢れてしまうとか……言わないのよ、本当のことでも」
「ちょうど、試召戦争の準備もしているようだし、覚悟しておきなさい。近いうちに私達が薄汚い貴女達を始末してあげるから!」
「そ、それでは、し、失礼します!」
秀吉の後を追うように、僕も退散する。女装するに当たって、怪我している部分は隠しておいたけど、バレなかったかな?
「これで良かったかのう?」
「ああ。素晴らしい仕事だった」
『Fクラスなんて、相手にしてられないわ!Aクラス戦の準備を始めるわ!』
小山のヒステリックな叫び声が聞こえてきた。作戦がうまくいったみたい。
「作戦もうまくいったことだし、俺達もBクラス戦の準備を始めるぞ」
「ドアと壁をうまく使うのじゃ! 戦線を拡大させるでないぞ!」
秀吉の指示が飛ぶ。
中断されたBクラスとの試召戦争が、再開されて、少し僕はBクラスが怖い。それに、姫路さんの様子もおかしい。
明久には知られてしまった。だから、僕は姫路さんの代わりに指示を出す。
「勝負を捨ててはいけません! 単教科で挑んでください。補給も頃合いを見て、念入りに行って!」
「左側出入り口、押し戻されています!」
「古典の戦力が足りない! 援軍を頼む!」
左側出入り口を見ると、古典の竹中先生がいた。Bクラスは文系が多いから、強力な個人戦力で流れを変えないと、一気に突破されてしまう恐れがある。
「姫路さん、左側に援護を!」
明久が姫路さんに指示をする。けれど、姫路さんは泣きそうな顔をしていた。
「あ、そ、そのっ……!」
「だあぁっ!」
掛け声と共に人ごみを掻き分け、明久が左側出入り口のダッシュする。
「……ヅラ、ずれていますよ」
「っ!!」
竹中先生は頭を押さえて、周囲を見回す。前に明久に教えた、脅迫ネタ〜古典教師編〜が、ここで役に立ってしまった……。
「少々、席を外します!』
「古典の点数が残っている人は、左側出入り口へ! 消耗した人は補給に回って!」
明久は姫路さんに近付いて、何か話していた。