バカと鴉と召喚獣   作:蒼書生

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2014 12/08 一部修正


問23

 僕は保健室で、横になって眠ろうとしていた。まだ、包帯は取れずにいる。左目を覆う包帯は絶対に取ることはない。

 

 

「鴉君、病院には行っているのかしら?」

 

「………」

 

 

 僕は目を横にそらす。だって、病院は苦手だもん。前にも、人を車いすに座らせようとしてきたもの。それも、怖い形相で追いかけ回されちゃ、恐怖が来るでしょうし。

 

 

「……はぁ。駄目よ? 行かないと、治らないんだから」

 

「……だって、先生が怖い形相で追いかけてくるんだもん。僕は、車いすに乗るほど重傷でもないのに」

 

「——それ、訴えてもいいのよ?」

 

 

 結局、保健室に来た西村先生と、Fクラスに戻ることになった。

 

 

「鴉、お前は無茶するなよ」

 

「はい、西村先生。僕はFクラスの皆と楽しく、過ごせたらいいなと思います」

 

「そうか、なら思う存分楽しめ!」

 

「はい!」

 

 

 色々と話して、Fクラスに着いた。西村先生がドアを開く。

 

 

「皆、清涼祭の出し物は決まったか?」

 

「今のところ、候補は黒板に書いてある三つです」

 

 

【候補① 写真館『秘密の覗き部屋』】

 

【候補② ウェンディンク喫茶『人生の墓場』】

 

【候補③ 中華喫茶『ヨーロピアン』】

 

 

「……補習の時間を倍にした方が良いかもしれんな」

 

「……すみません。僕もそうした方がいいと思います。Fクラスがバカの集まりだということが、もう否定すら出来ません」

 

 

 駄目だ。もう、このFクラスは手遅れとしか言えない。どうして、そういう案ばかり出てくるんでしょうね。

 

 

『せ、先生! それは違うんです!』

 

『そうです! それは吉井が勝手に書いたんです!』

 

『僕らがバカなわけじゃないんです!』

 

 

 補習の時間が増やされたくないからと、皆は必死になって抗弁する。明久をバカ扱いして、逃れようとしているしか思えない。他人に責任を押し付けるのは、さすがにダメですよ。

 

 

「馬鹿者! みっともない言い訳をするな!」

 

 

 西村先生の一喝に、皆は思わず背筋を伸ばす。

 

 さすが、教師です。クラスメイトを売って、その場を逃げようとする魂胆を見抜いていたんですね!

 

 

「先生は、バカな吉井を選んだこと自体が頭の悪い行動だと言っているんだ!」

 

「……それは、流石に僕も同意しますが明久は勉強嫌いなだけですよ。ちゃんと教えれば、理解してくれますし」

 

「ちょっと、鴉!? それはどういうことなんだよ!」

 

 

 そういうことです。他に言うことはないので、諦めてください。

 

 

「まったくお前らは……。少しは真面目にやったらどうだ。稼ぎを出してクラスの設備を向上させようとか、そういった気持ちすらないのか?」

 

 

 ええ、僕は最初から分かっていました。このような発想すら、Fクラスにはないんでしょう。

 

 

『そうか! その手があったか!』

 

『何も試召戦争だけが、設備向上のチャンスじゃないよな!』

 

『いい加減、この設備にも我慢の限界だ!』

 

 

 一気に活気づき、出し物を考え始める彼らに、僕はちょっと目眩を覚える。

 

 

「西村先生、僕はつくづく思います」

 

「………」

 

「僕、Fクラスの皆(秀吉を除く)が頭のネジ一本抜けているんじゃないかと。どうして、こうまでバカなんでしょうか」

 

 

「鴉、それは思っていても心にしまっとけ。それから、諦めろ。Fクラスはバカの集まりだ」

 

 

 西村先生、流石にそれは言い過ぎだと思うのですが……。僕はどう言えばいいんですか。

 

 

「Fクラスの出し物は、中華喫茶にします! 全員、協力するように!」

 

 

 いつの間に、出し物が決まったみたい。僕はどうしようかな。

 

 

「鴉、ワシとやらんか?」

 

「で、でも……。僕は、包帯だらけだから醜いよ?」

 

「大丈夫じゃよ」

 

 

 秀吉はそう言うけど、そういう需要ってあるのかな? 厨房の方がいいと思うんだけどなー。

 

 明久は大丈夫だろう。だって、姫路さんたちがいるのだから。頑張ってね、応援はしないけどね。

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