バカと鴉と召喚獣   作:蒼書生

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問33

「例の連中って、あの常夏村コンビ? まさか、そこまで暇じゃないでしょ」

 

「どうだかな。ひとまず様子を見に行く必要があるな」

 

「そうだね。少なくとも、噂がどこから流れて、どこまで広がっているのかを確認しないと」

 

「お兄ちゃん、葉月と一緒に遊びにいこっ」

 

 

 葉月ちゃんは嬉しそうにはしゃいで、明久の手を握る。やっぱり、明久はフラグを立てているしか思えない。それも、かなり危ないフラグである。いつか、明久が殺されるんじゃないかと思うほどに、やられているから、

 

 島田さんを応援するのは止めようかな。照れ隠しなのか、イラついたからなのか、明久の関節を逆方向に曲げている。その前だって、あれだけボコボコに殴っておいて、何もなかったかのように話しかけているから、明久のことが嫌いなんだと思う。

 

 

「えっとですね……短いスカートを穿いた綺麗なお姉さんが一杯いるお店――」

 

「なんだって!? 雄二、それはすぐに向かわないと!」

 

「そうだな、明久! 我がクラスの成功のために、(低いアングルから)綿密に調査しないとな!」

 

 

 聞いた瞬間、二人は全力ダッシュしていく。どうして、そこまで全力で生きていくんだろう。

 

 

「アキ、最低」

 

「吉井君、酷いです……」

 

「お兄ちゃんのバカ!」

 

 

 姫路さんたちは、口々に明久を罵倒する。まあ、確かに女子を放っといて行ってしまうのは酷いと思いますね。

 

 コンコンとノックされ、竜樹が顔を覗かせてきた。珍しく、真面目な表情をしている。

 

 

「鴉、Aクラスで昼食でもどうか?」

 

「どうしたの? 珍しいね、いつものアレを言わないなんて」

 

「お前が三年に恥ずかしい目に遭わされただろ? だから、心配だから一緒についてきてやる」

 

「……ありがとう」

 

 

 僕はそう言って、竜樹と一緒にAクラスに向かう。昔からの親しい仲だと側にいるだけで落ち着く。

 

 

   *

 

 

「三人共、何をしているの? 営業妨害だから、早くどいてほしいんですけど」

 

「か、鴉! どうして、ここに?」

 

「ああ、隣の奴は……Bクラスか」

 

「…………!!(パシャパシャパシャパシャ!)」

 

 

 駄目だ。約一名、さっきから撮り続けているんだけど。どう見ても、盗撮しているようにしか思えない。これで、敵情視察とか言うなら、呆れるよ。

 

 そうこうしているうちに、島田さん達も来たみたい。

 

 

「Aクラスの喫茶で、昼食でも食べようかと思って。竜樹は……その、あの三人に会った時に助けてもらおうと思って、ね……」

 

「……鴉、思い出さない方がいい」

 

「あの三人が、ぼ、僕を脱がして……っ!」

 

 

 僕は耐えきれず、Aクラスに入る。竜樹も、その後を追って入った。明久も雄二を引きずって、入ってきた。

 

 

 入り口の近くで、霧島さんが立っていた。

 

「……お帰りなさいませ、ご主人様」

 

 

 そう言って、出迎えてくれた。まあ、霧島さんのために雄二の情報をリークしているんだけどね。それは放っておいてもいいか。

 

 

「……お帰りなさいませ。今夜は帰らせません、ダーリン」

 

 

 その後に聞こえたのは、雄二だけ大胆にアレンジされた出迎え。わーお、霧島さんったら大胆ですねー。

 

 

「お席にご案内いたします」

 

 

 霧島さんが歩き出したので、僕たちもついていく。

 

 竜樹は、さっきから僕を見ているんだけど。何か、ついているのかな? それとも、心配しているのかな?

 

 

「……では、メニューをどうぞ」

 

 

 霧島さんが立派な装丁のメニューを渡してくれた。これも、僕が協力して作ったから最高の出来である。Aクラスだから、立派な装丁にしてくれと言われた時は、デザインに悩んだよ。

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