【第五問】清涼祭アンケート
学園祭の出し物を決める為のアンケートにご協力ください。
『喫茶店を経営する場合、ウェイトレスのリーダーはどのように選ぶべきですか?
【①可愛らしさ ②統率力 ③行動力 ④その他( )】
また、その時のリーダーの候補を挙げてください』
佐古竜樹の答え
『【④その他(幼馴染み)候補……鴉】
教師のコメント
鴉君と幼馴染みでしたか。それじゃ、今までに鴉君に言ったことについて謝りましょう。
吉井明久の答え
『【①可愛らしさ】候補……姫路瑞希(訂正) 木下秀吉(訂正) 島田美波』
教師のコメント
用紙についている血痕が気になるところです。
鴉のコメント
さすがに、島田さんを可愛いと言っていいのでしょうか? 結構、暴力的なので恋愛の協力は出来そうにありません。僕も命が惜しいので。
坂本雄二の答え
『【④その他(結婚相手)候補……霧島翔子】』
教師のコメント
どうしてAクラスの霧島さんが用紙を持ってきてくれたのでしょうか。
僕は竜樹と別れて、Fクラスに戻る。廊下を通っていると、声が聞こえてきた。
『ああ。コレを――明久が着る』
……。これは、何かの聞き間違いですか。ただでさえ、明久と雄二は有名人になってきているのに。
ドアを開けて、中に入ると
「大好――愛してる」
「……ごめん。明久は欲望に忠実だったね」
それだけ言って、僕はキッチンに入る。
『ちょっと待って!? 鴉、君は勘違いしてるんだ! 僕にそんな趣味はないよ!?』
否定するような明久の声が聞こえたが、僕は聞いていないと思い込む。何も聞いていない。さて、そろそろ食材が足りなくなっているだろう。あと、いくつで無くなるか確認してから、紙に記して貼っておく。こうすれば、補充する時に分かりやすい。
キッチンを出ると、土屋――ムッツリーニが出血多量で倒れていた。あらら、幸せそうな顔だね。まあ、明久辺りが処置してくれるだろうし、いいかな。
*
「四回戦の審判を、ですか? でも、僕は一介の生徒ですし、それは先生に任せた方が……。そ、それだけは誰にも言わないでください! あれは知られたくないんですよ……。昔の恥ずかしい思い出なんですっ!」
「――それじゃ、引き受けるよな?」
「……はい」
全く、あんな脅しをしてくるとは思わなかったよ。どうして、まだ覚えているんですか……。
「……それでは、後日秘密を流しておきますね」
そう言って、職員室を出るとFクラスに向かう。職員室からは声が聞こえた。
『おい、ちょっと待ってやゴルァ! 戻ってこいっ!』
あの先生、前から態度が悪いんだよね。昔はやんちゃな不良だったらしい。西村先生には頭が上がらないみたいだけどね。さて、更衣室に向かって、着替えるとしようかな。
更衣室のロッカーで、僕はある物を出す。少しだけ緊張するけど、クラスの出し物のためには頑張らないとね。
「僕も仕事しますね」
ドアを開けたあとにそう言って、僕はホールで仕事を始める。やっぱり、この格好に目が行くよね……。竜樹が用意したみたいだけど、どこから持ってきたんだろう。
「和風美少年……だと……!?」
「ハァ……ハァ……」
「その少年、お姉さんといいことしないかい?」
「一万円あげるから、私の部屋に来ないか」
うわぁ……。変なお姉さんたちを釣ってしまった。竜樹め、これを想定して渡してきたのか。
「すみませんが、もう僕は予約済みなので、残念ですが行けません」
笑って、そう答えるとキッチンに入っていく。あ、これが俗にいうコスプレだったのか。しまった……まさか、自分がやるとは思わなかった。
「……鴉、明久に伝言を頼む」
「分かったよ、それで伝言は?」
「……茶葉がなくなったから持ってきてほしい、と」
「じゃ、行ってくるね」
僕はキッチンを出て、明久の元に向かう。途中、捕まりそうになったけど、無事にたどり着いた。
「明久、ムッツリーニから伝言だよ。『茶葉がなくなったから持ってきてほしい』言ったからね」
そのまま、キッチンに戻っていく。そういえば、教頭先生がいたけど、何をするんだろうか。ただ、学校を乗っ取ろうとしているのは聞いたことある。ただ、それだけのことだけど。
「……すみません。これから、ちょっと用事があるので抜けます」
そう言って、僕は校庭に向かった。気が向かないけど、やるしかないですよね……。
あ、着替えるの忘れた。仕方ない、このままで行くか。