『Fクラス 坂本雄二 & Fクラス 吉井明久
古典 211点 & 9点』
「………………明久」
「………………正直、悪かったと思ってる」
「………………」
「………………」
『………………いたたまれないとは、こういうことです』
僕は否定が出来ず、思わず本音を言ってしまう。
「よし、雄二! ここは前のようにそれぞれ個人戦で行こう! 僕は美波を受け持つから、雄二は姫路さんを頼む!」
「待て! それでは俺の負担が大きすぎる!」
明久の一言に雄二は、慌てて止めに入る。
「わかってる! だからそこは、得意の頭脳プレイでカバーするんだ!」
「なんて、無茶を言いやがる!」
いいから、さっさと試合をしてよ。観客を怒らせたいの? ただでさえ、世間で色々とバッシングを受けているのに。
「……仕方ない。こうなれば、お前の言うとおり頭を使ってやろう。――島田に姫路」
「はい?」
「なによ?」
「明久が如月ハイランドのペアチケットを手に入れようとしている、と話したよな?」
さては、また卑怯なことを思いついたな。それにしても、僕も思うことはあるんですけど。霧島さんの件は、どうなったんですか?
「それがなに?」
「一緒に行こうとしている相手が俺だという話だが――あれは嘘だ」
「「ええぇっ!?」」
僕が知らないうちに、そんなこと言っていたんですか!? うわぁ……。それはないわー。
「そ、それじゃ、一体誰を……?」
「そんなの、決まっているだろう?」
「明久が誘おうとしているのは、島田。お前――」
「えぇっ!? あ、アキってば、ウチと幸せに……」
「――の妹だ」
「殺すわ」
……島田さん、場所を分かっていて言っています? そんなんだから、彼女にしたくないランキング上位に入るんだよ。
僕は頭を抱えて、どうしようか悩む。やっぱり、姫路さんを応援した方がいいよね……。島田さんよりは、姫路さんの方が可愛い嫉妬だと思う。
「み、美波ちゃん!」
「瑞希、何よ?」
「私は吉井君を傷つけたくないです!』
そう言って、姫路さんは明久の召喚獣に向かって、大きな大剣を振り上げる。
それを明久は避けると、反撃といわんばかりに、姫路さんの召喚獣に木刀を叩き込む。
姫路さんの点数が263点に下がる。明久の点数じゃ、さすがに大きくは削れなかった。けれど、そこを見逃さなかった雄二は力を溜めに溜めて打ち出したその拳を、明久もろとも姫路さんの召喚獣に叩き込んだ。とっさの攻撃に防御を取れなかったのか、吹き飛ばされた姫路さんの召喚獣。戦闘不能は免れなかったようだ。
いつの間にか、その場には雄二の召喚獣しか立っていなかった。
『姦計をめぐらせ、味方もろとも相手を葬り去った坂本雄二の勝利です。ちなみに、僕は愉悦と共に霧島さんにプレゼントさせていただきます」
「おいっ!?」
*
仕事が終わった僕は、ステージを降りると先生に捕まった。
「なんですか?」
「お前は……俺の秘密を知ってんな?」
「……黙秘します」
「その反応、やっぱり知ってやがったか」
確かに僕は知っている。だけど、それは偶然に目撃しただけ。ただ、先生が気付かなかったのが悪い。
「周りを確認しないで、あんなことするから知られるんですよ」
「お前が見ているとは思わなかったんだ! 今すぐ、忘れろ!」
「……嫌です。では、これにで失礼します」
そう言って、僕は逃げる。校舎の中に入って、Fクラスに入った。