バカと鴉と召喚獣   作:蒼書生

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二巻はこれで終わり。
3.5巻を書いてから、三巻に入りますね。
さて、書き始めなきゃ。


問44

【最終問題】 現代国語

 「ユートピア」を漢字で書きなさい。

 

 

 姫路瑞希の答え

『理想郷』

 教師のコメント

 その通りです。正解ですね。

 

 

 鴉の答え

『無何有郷』

 教師のコメント

 それも正解です。主に、中国で伝わっている言葉ですね。

 姫路さんの回答にもありました『理想郷』と同じで、『素晴らしく良い場所であるがどこにもない』という意味になります。なので、二人とも正解とします。

 

 

 土屋康太の答え

『由宇戸費亜』

 教師のコメント

 分からないからと、当て字で書かないでください。

 

 

 吉井明久の答え

『湯〜とぴあ』

 教師のコメント

 分からないのでしたら、白紙でもいいので出してほしかったです。

 鴉のコメント

 何が書きたかったんでしょうか? 銭湯にありそうな名前ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、鴉。教頭室に掛かる費用を見積もってもらおうじゃないか」

 

「まあ、一応見ないと出せないので教頭室を覗かせていただきました。今回は……」

 

 

 僕はそう言って、見積書と封筒を渡した。あとは、近所の公園に向かわなくては。

 

 

「その封筒は、教頭室から出てきた書類の一部です。あとは、あの爆発で燃えて焦げました」

 

 

 学園長室を出て、そのまま何気なく窓を見たら……。う、うん。これはコメントしづらいなぁー。

 

 

「……もしかして、ずっとここで待っていたの? 暇なんだね」

 

「え、ええっ!? なんで、鴉にそんなこと言われなきゃいけないんだぁぁぁぁぁっ!」

 

「……何年、幼なじみをしてきたと思う? そろそろ、僕の気持ちを察してくれると嬉しいんだけど」

 

「……それは」

 

 

 そんな竜樹を置いて、僕は公園に向かう。と言っても、まだ怪我は治っていない。だから、何かしらに掴まりながら歩くことになると思う。

 

 明久たちも有名になったね。主に、先生たちの間で。あ、そうだ。諸経費も差し引いておかなくちゃ。

 

 

「早く、行くんだろ」

 

「た、竜樹。どうして? Bクラスでも打ち上げはやるはずだよね……?」

 

 

 竜樹に抱えられたまま、吉久たちのいる公園に向かっていた。

 

 

「鴉の怪我、治ってないだろ。無理すると、長引くんだぞ。早く治して、おふくろたちにも会ってやってくれ」

 

「……うん」

 

「む。やっと来たようじゃな。遅かったのう」

 

「おい、鴉。売り上げはどうなんだ?」

 

「あ、それは僕も気になったよ!」

 

 

 僕は持っていた封筒から、収支帳を取り出す。そして、めくってみる。

 

 

「畳と卓袱台しか、買えませんね。それと、誰かさんたちがやらかしたせいで、諸経費は西村先生が引いていったよ。主に、教頭室の修復と先生たちの給料に当てるって」

 

 

 そう言って、収支帳を封筒に入れる。そして、一言付け加える。

 

 

「……自業自得、かな。旧校舎の建て替えはするが、その他は自分でなんとかしろ、と学園長が言っていたので」

 

 

 僕はそのまま、近くのベンチに座って眺める。

 

 今思えば、Fクラスも悪くないのかも。こうして、バカみたいなことも平気でマジになって進んでやっちゃうんだから。仲間だからって、人のために理由もなく行動して私情があれとも、手を取り合って大きな差があったAクラスにも戦争を挑んでいく。そんな姿が、僕にはとても大切な思い出になる。

 

 

「――鴉」

 

「あ、竜樹。どうしたの?」

 

「いや、なんでもない」

 

「?」

 

 

 さっきから、竜樹の様子がおかしい。いつものとは違う優しさで、僕に接してくる。不覚にも、ときめいてしまうし、調子も崩されちゃうし、悩んでしまう。

 

 

「――竜樹、いつも助けてくれてありがとう。こうして、僕が学校に通えるのも、側に竜樹がいてくれたからだよ? 親に捨てられた僕が、笑っていられたのも」

 

「鴉……」

 

「僕は竜樹に感謝しているんだよ。だから、これからも側で助けてね」

 

 

 僕と竜樹が話している横で、明久は姫路さんと何かいい雰囲気を出している。まあ、姫路さんは酔っているようだけど。ん? 酔っている?

 

 

「ねえ、竜樹。皆が飲んでいるモノ、調べてくれない?」

 

「わかった。待ってろよ、鴉」

 

 

 そう言って、竜樹は一瞬で消えた。結局、何を目指しているんだろうか。

 

 

「鴉、これ酒だぞ」

 

「……西村先生来ちゃうんだけど。Fクラスは一部を除いて、信じられないみたい。だから、バカをやっていないか見に来るらしい」

 

「鴉、帰るぞ。店に残したアイツらの世話、するんだろ?」

 

「そうだね。帰ろうか」

 

 

 僕は竜樹と、その場を離れるように逃げた。さすがに、僕には明久たちを止めることはできない。

 

 

 

 

   *

 

 

 

「――鴉。昨日のアレはなんだ」

 

「……多分、西村先生がいなかったので羽目を外したんだと思います。お酒だと分かっていて、飲んでいた節があるので」

 

「そうか。またアイツらには、補習が足りないようだな」

 

 

 そう言って、西村先生は骨を鳴らして行ってしまった。うーん、教えた方がいいのかな。

 

 

「……雄二。婚姻届が受理されなかった。残念……」

 

「そりゃそうだろ。冷静に考えれば、俺はまだ十七になったばかりだしな」

 

「……だから、来年まで大切に保管することにした。今はまだ、ただの許嫁」

 

「翔子。今度お前の家に遊びに行っても良いか?」

 

「……いいけど、婚姻届は弁護士と鴉に預けてあって家にはない」

 

「随分厳重な保管だなオイ!」

 

 

 あ。しまった、雄二に見つかっちゃった。どうしよう、どこに行こう。

 

 

「おい! 鴉、婚姻届出せ!」

 

「無理だよ! 僕のは予備だし、今は持っていないから。それに……雄二じゃ取り返せないよ。竜樹に頼んで、佐古財閥に保管させてもらっているんだよね」

 

「お前も厳重だなオイ!」

 

「だって、大切なお得意様のお願いだもん。今後も贔屓にしてもらうために、頑張っちゃった」

 

 

 僕は竜樹に頼んで、その場を離れた。実をいうと、西村先生が雄二の背後にいたから。昨日の打ち上げについて、聞くみたいだから。

 

 今日も楽しく過ごそうかな。なんだかんだで、一緒にいるのは好きだしね。

 

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