バカと鴉と召喚獣   作:蒼書生

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2014 12.08 一部修正


問5

第三問 数学

問 以下の問いに答えなさい。

『(1)4sin+3cos3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。

 (2)sin(A+B)と等しい式を示すのはどれか、①から④の中から選びなさい。

  ①sinA+cosB  ②sinA-cosB

  ③sinA cosB   ④sinA coaB+cosA sinB』

 

 

姫路瑞希の答え

『(1)X=π/6

 (2)④   』

教師のコメント

そうですね。角度を『°』ではなく『π』で書いてありますし、完璧です。

 

 

鴉の答え

『(1)すみません。勉強出来なかったので、のちほど、そちらに行きますので解説お願いします。

 (2)④   』

教師のコメント

おや?一番は分からなかったのですね、あとで西村先生が補習してくれるようですよ。でも、君は勉強熱心ですね。先生は嬉しいと思います。

 

 

土屋康太の答え

『(1)X=およそ3』

教師のコメント

およそをつけて誤魔化したい気持ちもわかりますが、これでは回答に近くても点数はあげられません。

 

 

吉井明久の答え

『(2)およそ③』

教師のコメント

先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鴉、わしと一緒に帰らんかの?」

 

「うん、いいよ?」

 

 

 僕は秀吉と一緒に学校を出た。しかし、疑問に思ったのは、どうして女子に見えるんだろう? 髪が長いからなのかな?

 

 

「して、鴉よ。その包帯と足の障害について、話してくれんかの」

 

「んー、春休みの時に交通事故に遭ったんだよ。轢き逃げかな。幸い、目撃者がいたから僕は病院に運ばれて、助かった」

 

 

 その犯人は捕まって、今頃囚人になっていると思う。

 

 

「退院が出来たのが、振り分け試験の前日。勉強しようにも、一日安静にしていないといけないから欠席したよ。左目は変わっていて、足は障害で動かしにくい」

 

 

 そう言って、秀吉に左目の包帯を取って、見せてみた。

 

 

「左目は開かなくなっていたんだよ」

 

「左目を永遠に失ったんじゃな」

 

「秀吉には、悲しそうな顔は似合わない。僕を助けてくれないかな?」

 

「うむ、わしに任せんのじゃ」

 

 

 ようやく、秀吉が笑ってくれた。いつも、僕の側で悲しそうにしていたから、心残りになっていた。

 

 

「あ、ここでお別れだね。また、明日学校で」

 

「分かったのじゃ」

 

 

 秀吉と別れて、僕は家に帰る。と言っても、両親は育児放棄したとして、近所から白い目で見られ、あらぬ噂に疲れて自殺した。だから、母方の祖父母に援助してもらっている。広い家に、一人暮らしして生活している。

 

 

「皆、餌だよ」

 

「「「「カー、カー」」」」

 

 

 一人だと寂しいから、怪我した烏や近所にいた烏を飼っている。最近、同類にされちゃったみたいで、烏たちの言葉が分かってしまった。微妙に人間離れしているかも。どこかのクラスで、島田さんを『お姉さま』と言っている女子がいるらしい。しかも、人外化すると聞いたことがある。恐ろしい黒いオーラを発して、襲いかかるんだって。

 

 

「大丈夫だよ、落ち込んでいないよ…。お前たちと同類なんだって」

 

「アー、アー」

 

「ちゃんと、人間だから落ち込まないで?ふふ、ありがとう」

 

 

 僕は烏たちに励まされた。秀吉だけは、僕を人間と見てくれている。

 

 

「あ、学園長から注文された部品を用意しないと。そう言えば、教頭からも教材の受注されていたね」

 

 

 明日の朝に渡すために、地下室の扉を開けて入る。中は多くの物が乗っている棚を置くために広く掘っている。これが、僕が『烏書房』と呼ばれる所以である。ついでに、本以外も取り揃えてみた。

 

 

「ええと…あ、これかな。あと、Aクラスのための最新型のPCも50台も用意しなくては」

 

 

 徹夜で近辺の学校に配達する物を探す。どこの店よりも品揃えが良いせいか、よく注文が入ってくる。たまに、武器の注文も舞い込んでくる。まあ、扱っていない物はないけどね。

 

 

    ***

 

 

 翌朝、早く登校して学園長室に向かう。

 

 学園長室は去年から入っているから、別に何も思っていない。

 

 コンコンとノックして、返事を待つ。

 

 

『何さ、入ってきな』

 

「はい、2年Fクラスの鴉です。以前、注文を頂いた部品をお届けに参りました」

 

「そうかい、ごくろうなこった」

 

「……学園長とも有ろう方が、そんな言葉遣いはいかがなモノと思うんですが」

 

「はん、そんなことは関係ないさね。用事が済んだなら出て行きな。それと、これを持っていきな」

 

「あ、ありがとうございます? では、失礼します。あ、うちのFクラスが問題起こすと思いますが、ご了承ください」

 

 

 そう言って、学園長室を出た足で、今度は教頭室に向かう。一度も入ったことないから、緊張してくる。

 

 

「教頭先生、入ってもよろしいでしょうか?」

 

『ああ、入ってきたまえ』

 

「はい、では失礼します」

 

 

 そう言うと、ドアを開ける。そこには、イスに座って、仕事をする竹原教頭の姿があった。

 

 

「2年Fクラスの鴉です。注文を頂いた教材などをお届けに参りました。それで、どちらに置いていけばいいんですか?」

 

「ああ、あとで他の先生に頼んでもらうので、隅にでも置いておけ」

 

「はい、では失礼します」

 

 

 僕は言われた通りに、台車に乗せていた物を置いておく。

 

 

「では、またの注文をお待ちしています」

 

「ああ、ご苦労様。また、頼むかもしれないがすまないな」

 

「いえいえ、仕事ですから」

 

 

 そう言って、教頭室を出た。

 

 そして、教室に向かって、試験を受けに行く。減らされていないけど、残りの3教科を受けていないから。

 

 

「んー、困ったな。そういえば、貰ったこの腕輪は何かな?」

 

 

 多分、学園長室に入った時に学園長に渡された腕輪。説明書もあったから、読んでみた。

 

 

「ええと…『この蒼緑の腕輪は、教師の代わりに立ち会いが行える。ようは、お前さんに教師代理をお願いするさね。まあ、全教科担当してもらうさ。皆には内緒にしな』…」

 

 

 僕は蒼緑の腕輪を左腕に填める。多分、欠陥品だと思うんだけど。学園長のことだから、平均点以上じゃないと、発動しないかも。

 

 

「はあ…、気が重くなってくるよ」

 

 

 教室のドアを開けて、入る。

 

 相変わらず、僕の卓袱台と座布団だけ高級である。まあ、嬉しいからいいんだけど。そう思っていたら、ドアが開いた。

 

 

「おはよー」

 

 

 そう言って、入ってくる明久。

 

 

「おう、明久。時間ギリギリだな」

 

「ん、おはよう雄二」

 

 

 明久は雄二に近付く。

 

 

「皆には、何か言われなかったの?」

 

「ん? 何がだ?」

 

「Dクラスの設備のこと」

 

「ああ。皆にはきちんと説明したからな。問題ない」

 

「ふーん」

 

 

 明久はすぐに、興味を無くしてしまった。そう言えば、明久は島田さんに何かしたみたい。あとが怖いな。

 

 

「それより、お前はいいのか?」

 

「何が?」

 

「昨日の後始末だ」

 

「あ、聞きましたよ。島田さんに何か被せたんですってね」

 

 

 僕は怖いから、遠くから話しかけた。おや? 皆も明久から離れたよ。とうやら、後ろに立つ鬼女がいるから。

 

「吉井っ!」

 

「ごぶぁっ!」

 

 

 どうやら、殴られたみたい。床に倒れた明久の視線が、島田さんのスカートに行く。

 

 

「し、島田さん、おはよう…」

 

「おはようじゃないわよっ!」

 

 

 かなり、ご立腹みたい。まあ、あんな事すれば、誰でも怒りますよね。

 

 

「アンタ、昨日はウチを見捨てただけじゃ飽き足らず、消化器のいたずらと窓を割った件の犯人に仕立て上げたわね…!」

 

 

「そういえば彼女にしたくない女子ランキングが、更に上がりましたね」

 

 

「そうよ、鴉が言うとおり上がったじゃない!」

 

 

 僕は肩に停まっていた3丁目の賢吾という名の烏と、朝食を食べていた。なんでも、好物は意外にリンゴみたい。驚きだね!

 

 

「でも、いつもはここで殴っていたけど、アンタにはもう充分罰が与えられているようだし、許してあげる」

 

「うん。さっきから鼻血が止まらないんだ」

 

「いや。そうじゃなくてね」

 

「ん? それじゃ何?」

 

「一時間目の数学のテストだけど」

 

 

 そう言って島田さんは楽しそうに告げる。

 

 

「監督の先生、船越先生だって」

 

 

 その瞬間、明久はドアを開けて、廊下を疾駆する。てか、いつの間に何があったの!?

 

 僕が不思議そうに思っていたら、秀吉が教えてくれた。

 

 どうも、雄二の策略に引っ掛けられて、いつの間にか船越先生のお相手にされてしまったみたい。

 

 

「……僕にはどうすることも出来ない」

 

「そうじゃな。わしらには、何も出来ないじゃろ」

 

「あ、島田さん。明久の写真集はどうですか?」

 

「んん……買ったわ!」

 

「毎度あり、一冊300円だよ」

 

 

 そう言って、島田さんに袋に詰めた明久の写真集を渡し、お金を受け取る。

 

 ちなみに、ムッツリーニと共同製作してみました。話しかけたら、ちょうど僕に用事があったみたい。なんでも、製本の技術がないから、僕に製本してほしかったらしい。まあ、僕もムッツリーニの写真技術がほしかったから、了承した。提携して、ムッツリーニ商会の製本と印刷を任された。もちろん、見返りに写真集などは僕が販売させてもらう事になっている。

 

 

「鴉よ…、仕事するのが好きなんじゃな」

 

「うん、楽しいから」

 

 

 僕は秀吉の耳元で囁く。

 

 

「(秀吉のお姉さん、僕の店で× ×を買っていったよ)」

 

「(なんじゃと!関節をヤられなかったのじゃ!)」

 

「(大丈夫だよ、もう手に入らない絶版本だから)」

 

「(なるほど、機嫌を損ねると手に入らんのじゃからのう)」

 

 

 ヒソヒソと話してから、席に座る。

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