目を覚ますと、僕は保健室のベッドに寝ていた。
「あ、鴉よ。目を覚ましたんじゃな」
「……うん。あれは、無理だね」
僕はそう言って、秀吉と共に教室に向かう。そして、大量のお茶で、殺菌する。
「そういえば坂本、次の目標だけど」
「ん?試召戦争のか?」
「うん。相手はBクラスなの?」
「ああ。そうだ」
そういえば、なんかBクラス用のエアコン室外機があったね。まさか、壊す気なの? それは、出来れば止めてほしい。新しいのを用意するのは、意外に高いんだよね。
「どうしてBクラスなの?目標はAクラスなんでしょう?」
「正直に言おう。どんな作戦でも、うちの戦力じゃAクラスには勝てやしない」
戦う前からの降伏宣言。少し、おかしいと思ったけど、明久より付き合いが短いから分からない。
まあ、Aクラスは他より学力が高い。だから、そう言うのもおかしくない。確か、上位十人は、次元が違うと言って過言ではない。僕は異常らしいけどね。
「それじゃ、ウチらの最終目標はBクラスに変更ってこと?」
「いいや、そんなことはしない。Aクラスをやる」
「雄二、さっきと言っていることが違うじゃないか」
明久は雄二の言葉に、異論を唱える。確かに、言っていることが矛盾していると思う。
「クラス単位では勝てないと思う。だから、一騎打ちに持ち込むつもりだ」
「一騎打ちに?どうやって?」
「Bクラスを使う」
僕は秀吉と一緒に、雄二の言葉の真意を考える。一体、何が言いたいんだろうか。
「明久、試召戦争で下位クラスが負けた場合の設備はどうなるか知っているよな?」
「え?も、もちろん!」
「(あれは、知らないという顔ですね)」
「(明久はバカなんじゃ)」
ヒソヒソと話していたら、姫路さんが助け舟をだした。
「(吉井君、下位クラスは負けたら設備のランクを一つ落とされるんですよ)」
「設備のランクを落とされるんだよ」
「……まあ、いい。つまり、BクラスならCクラスの設備に落とされるわけだ」
「そうだね。常識だね」
「では、上位クラスに負けた場合は?」
「悔しい」
確かに負けたら、悔しいですけど、今はそれを聞いているわけではないですよ。
「ムッツリーニ、ペンチ」
「ややっ。僕を爪切り要らずの身体にする動きがっ!」
「……はあ。相手クラスと入れ替えられてしまうんですよ」
「鴉が言ったように、うちに負けたクラスは最低設備と入れ替えられるんだね」
「ああ、そのシステムを利用して、交渉する」
「交渉、ですか?」
「Bクラスをやったら、設備を入れ替えない代わりにAクラスへと攻め込むよう交渉する。設備を入れ替えたらFクラスだが、Aクラスに負けるだけならCクラス設備で済むからな。まず、うまくいくだろう」
「ふんふん。それで?」
「それをネタにAクラスと交渉する。『Bクラスとの勝負直後に攻め込むぞ』といった具合にな」
「なるほどねー」