ハイスクールヒーローズ-THE ULTIMATE HERO'S-   作:絶狼ゼロ

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二つの意味で…あまりにも長かった!(泣)
只、この投稿に達までに、ゲーム分野とDVD/BDと2つずつ、個人的な朗報です。
先ずはゲーム分野にて、懐かしいPS1での幻のゲーム
“仮面ライダーアギト”と、
“ザ・グレイトバトルⅥ”が、10年以上の時を得て、遂に手に入れたという嬉しさです!
因みにグレイトバトルⅥは、ウルトラマンパワードがプレイヤーキャラの一体なので個人的に嬉しいです!
(補足するとスーファミのグレイトバトルⅣでもパワードがプレイヤーキャラです。)
そして、DVD/BDの方では、ストブラⅡDVD全巻と…ウルトラマンパワードBDを手にしたという喜び!
もう断言します!
ウルトラマンパワードの根っからの“ファン”であることを!!

まあ戯れ言は置いて、過去に修正した分も含めて、お願いします!
(駄文ですけど)

因みにサブタイトルを隠しましたが、これに引っかかったら、貴方は…“にせウルトラファン”の烙印を押されてしまいますのでご注意を!!
それと、お得意様達の許可を得て、初のコラボが発生します!

古代怪獣ゴモラ
原始怪鳥リトラ
宇宙怪獣エレキング
カプセル怪獣Eミクラス
カプセル怪獣Fウインダム
カプセル怪獣アギラ
怪獣ボール・セブンガー

宇宙大怪獣ベムスター
装甲怪獣レッドキング
殺し屋超獣バラバ
超古代怪獣ゴルザ
超古代怪獣Fゴルザ
超古代竜メルバ
宇宙海獣レイキュバス
宇宙戦闘獣コッヴ
宇宙戦闘獣超コッヴ
奇獣ガンQ
暴君怪獣タイラント
超合体怪獣ファイブキング
異次元人ヤプール
ネオ生命体ドラス
クロウロード
スネークロード
ジャッカルロード
ショッカー戦闘員
登場!!

コラボ作より、
ウルトラマンティガ
ウルトラマンネクサス
参上!!

OP:ウルトラマンパワード

ED:W-B-X



悪魔・ヤプール襲来!/異界のウルトラマン降臨!
第14話 激突!ヤプール軍団VSパワード軍団


冥界・ルシファード領のとあるパーティー会場…、そこではリアスの親族や友人達が集まっていた。

その中には、リアスの眷属であるイッセー、祐斗、小猫、アーシアに、強力な助っ人である涼太郎、鋼賀、美琴、翼の姿もあった。

 

そして、ケンイチは妹の雪菜と共に、リアス、朱乃、サーゼクスに案内され、とある一室に連れてこられた。

なんでも会って貰いたい方々がいるという。

因みに雪菜を連れているのは、不貞な悪魔がゲスい目で近づくのを防ぐ為で、

美琴と翼は涼太郎と鋼賀によるガードがあるが、流石に自分の妹を護るのに手一杯であり、雪菜のガードが手薄に成りかねない。

そのためにケンイチに動向させたのだ。

暫く待っていると、グレイフィアがある方々を連れて来た。

その方々にリアスが一番に反応した。

 

リアス

「“お父様”!?

“お母様”!?」

 

それは、リアスとサーゼクスの両親、グレモリー家現当主のジオティクスと、妻のヴェネラナだった。

 

サーゼクス

「ケンイチ君、此方の2人は、私とリアスの両親でね、君に話をしたいと頼み込まれたんだ。」

 

ケンイチ

「成る程…ね。

大方俺に文句でも言いにきたのかな?」

 

ジオティクス

「いやいや、寧ろ逆の話をしたいんだ。

娘の“貞操”を守ってくれた君にね。」

ヴェネラナ

「あなた、少し話が拗れていますわ。

本当に言いたいことはそんな事では無いのに。」

 

ジオティクス

「おや、諌められてしまったな。」

 

ケンイチ

「おいおい…」

 

リアス

「お父様ッ!?お母様ッ!?何を言っておられるのですか!?」

 

父の口から、“貞操”という単語が出て、顔を真っ赤にして声を上げたリアス。

そしてケンイチは思った。

 

ケンイチ

「(やっぱりサーゼクスと親父さん、似てるなぁ。とんでもないフランキーだぜ。

にしても親父さんて、それなりに若いけど…お袋さんは詐欺だろ?

普通だったら明らかに成人を越えて“嫁さん”に“子持ち”の息子と、もう直ぐ高校を卒業する時期が近い娘が居て、

“この若さ”は反則だろ?リアスと比べたら明らかに“親子”じゃなくて“姉妹”で通るぞ?間違い無く。

まあそれだけ、悪魔の生命力が凄いんだろうけど…俺も人のことを言えた事ではないな。

ウルトラマンから見れば、悪魔の寿命なんて人間と変わらないようなもんだしな。事実、悪魔連中の年齢を人間年齢に換算すれば数千年程度で年寄り扱いだろうけども…ウルトラマンは数千年程度だとまだ中学生や高校生とか、大学生だもんな。)」

リアスの両親があまりにも若過ぎる事に対してだが、ウルトラマン“そのもの”でもある彼からしてみれば当然か!みたいな自己解釈で納得していた。

 

ケンイチ

「そういえばサーゼクス、フェニックス家の状況はどんな感じなんだ?」

 

サーゼクス

「フェニックス卿の話だと、ライザー君は完全に塞ぎ込んだという話だよ。

なんでも、君に対する恐怖症ができちゃってね。

オマケに今までの勝利が不正によるという事が明らかになったことで、フェニックス卿直々の大目玉を受けた事で、さっき君が言った通り、もう再起不能だと言う事さ。」

 

ケンイチ

「そうか。

まあ…流石にやり過ぎた感があるけどな、ああいった己の欲望を満たす為に他の奴を巻き込む奴に対しては怒りが爆発しやすくてな。

そうだ!雪菜達から聞いたんだが。」

サーゼクス

「何かな?」

 

話の途中であることを思い出したケンイチは、サーゼクスにその事を聞いた。

 

ケンイチ

「ライザーの奴が“自分の妹を眷属”としてゲームに参加させていたことについてだが?」

 

サーゼクス

「聞かれると思っていたよケンイチ君。

レイヴェル・フェニックスはあの後、母であるフェニックス夫人とトレードされたのさ。

一応ライザー君としては、自分の妹に、レーティングゲームの勉強ということで、置いていたとフェニックス卿から聞いたよ。」

 

ケンイチ

「そうか…ま、今度会う機会があれば少し話したいもんだ。」

サーゼクス

「おや?彼女に“気がある”のかい?」

 

ケンイチは、いつかレイヴェルと話をしたい考えていたが、サーゼクスがそれを茶化す。

 

リアス

「ケンイチィ~…(黒)」

 

朱乃

「ケンイチ君…貴男は“ロリコン”だったのですか…?(黒)」

 

雪菜

「お兄ちゃん、ダメですよ?そんな事をしちゃ。」

 

サーゼクスが茶化したせいで、リアスと朱乃からは黒いオーラが出ていた!

 

ケンイチ

「おいおいおいおいッ!?何か誤解してるだろ!?

アイツの妹に話を着けるだけだ。

人間を見下す行為がどれほど愚かか、解った筈だからよ。」

リアスと朱乃から出た黒いオーラに身の危険を感じたケンイチは完全全力全開否定を行う!

 

リアス

「でもケンイチと話したらあの子多分…」

 

朱乃

「“殺し文句”を言われて“堕ちる”可能性が大有りですわ。」

 

ケンイチ

「えっ!?俺、そんなに殺し文句言ってるのかよ?」

 

雪菜

「少しは“自分の言葉に責任を持った方”が良いですよお兄ちゃん。

只でさえ、

“歩く殺し文句のフラグメーカー”

と涼太郎先輩や鋼賀先輩が仰っていましたから。」

 

ケンイチ

「そりゃあ無いだろ~、てか涼太郎と鋼賀の奴!とんでもねえ事を言うんじゃねえよ!全く…。」

 

ジオティクス

「ハッハッハッ!

ケンイチ君はやはり、とても色々な者達に好かれているね。」

 

ケンイチ

「なんかすいません…お見苦しい感じを見せたようで。」

 

ヴェネラナ

「いえいえ、貴男のようなお方だから、娘も貴男を信じられると思いますわよ?」

 

ケンイチ

「まあ、信じてくれたからこそですね。

俺の今回の闘いは…。」

グレモリーご夫婦は、ケンイチがとても馴染みやすく、リアス達を本当に友と見ている事が解り、彼ならば娘を託せるんじゃないかと考えた。

リアスの未来を守ってくれるのならば、例え悪魔ではない別の種族・光の戦士ウルトラマンであるケンイチに任せても良いと感じた。

それに本当なら自分達には既に“純血の孫”が居るのだから、リアスにはもう家を継ぐだけで良いのだ。

 

サーゼクス

「そうそうケンイチ君。折り入ってお願いが有るんだけれど、良いかな?」

 

ケンイチ

「何だよサーゼクス?

お願いって?」

 

するとサーゼクスがケンイチに頼み事をした。

その頼み事は、ケンイチとって悩ましいモノだった。

 

サーゼクス

「私や“息子”と記念写真を撮ってくれないかな?

可能なら“ウルトラマンの姿”でなんだが…駄目かな?」

 

それはケンイチ=ウルトラマンとの記念写真を取りたいということであった。

 

ケンイチ

「訳を聞いて良いか?」

 

サーゼクス

「私の息子はヒーロー好きでね、勿論今回のレーティングゲームを私と一緒に観戦していたんだ。

そして、ライザー君の悪行を懲らしめる君の勇士を観て“大ファン”に成ってしまったんだ。」

 

リアス

「本当ですかお兄様!“ミリキャス”がケンイチの!」

 

サーゼクス

「ああ、そうなんだリアス。人間を愛したウルトラマンが、人間ではないリアスの為に全力で闘い、リアスの為に本気に成って怒り、リアスを救ったその勇士に凄く興奮してね、こんな事を言ったんだ。

“本物の正義のヒーロー”

だって。」

 

リアス

「“ミリキャス”がそんな事を。」

 

ケンイチ

「………ちょっとばかし、時間をくれないか?」

 

サーゼクス

「構わないよケンイチ君。」

 

サーゼクスの言いたい事を理解したケンイチは考えた。

それは、前世におけるちびっ子の頃のケンイチも憧れた、

“ウルトラマンと写真を撮りたい”

ということであった。

 

だがこういう行為は本来、

“ウルトラマンが空想の産物”

であるが故に、

ヒーローショー等で初めて行える事なのだ。

しかし…今の自分は、“オリジナルではない紛い物”、

そして、

“己は本当に正義のヒーローとは言い切れない”。

 

確かに今までウルトラマンを名乗って来たが…己はウルトラマンを名乗るのに相応しいのか?

その疑問が生まれたのだ。

本当にこの世界の子どもに“愛と勇気”、“夢と希望”を与えているのかと。

するとそんな兄の悩みに気付いたのか、妹・雪菜がケンイチに近付き、右手を取る。

 

ケンイチ

「雪菜?」

 

雪菜

「お兄ちゃん、自分の思うことをやりましょうよ。

“思い出して、ウルトラマンを愛した子ども達を”。」

 

ケンイチ

「ッ!ウルトラマンを愛した子ども達…。」

 

雪菜

「そして今、

お兄ちゃんを

“心からのヒーロー”

と思う子がいるんです。子どもの願いを叶えるのも“ウルトラマン”ですよ。」

 

ケンイチ

「ッ!」

 

雪菜の言葉に、ケンイチは思い出した。

空想といえども、

ウルトラマンは、子どもの願いを叶えていたと。

彼が覚えいる限りでは、“ウルトラマンガイア”と“ウルトラマンコスモス”にそんな出来事が有った。

ウルトラマンガイアに会いたいと願う子ども達の真意は、彼への“頑張れ”という応援と“何時も護ってくれてありがとう”という感謝の想いだった。

故にそれを知ったガイアは、子ども達への御礼に一緒に空を飛んだのだ。そしてコスモスもまた、力尽き瀕死の状態だった己を救ってくれた子どもへの恩返しに、その子どもの願いを聞いた。その願いは“ウルトラマンと空を飛びたい”

というものだった。

彼は快く受け入れ、その子と空を飛んだのだ。

その事をケンイチは思い出して、決意を固める。

 

ケンイチ

「(妹に教えられるとはな…粋な真似をしやがって)

良いぜサーゼクス。

ウルトラマンに成った上で、写真を撮ってな。」

 

サーゼクス

「オオッ!?

ありがとう!ケンイチ君!では早速、グレイフィアに頼んでミリキャスを連れてきて貰おう!」

 

サーゼクスは、ケンイチの言葉に喜んで、我が子を呼んだ。

 

リアス

「ケンイチ、本当に良いの?」

 

ケンイチ

「良いんだ。

コレで子どもの夢が叶うなら、それに越したことは無いさ。

何よりも子どもの笑顔が、俺は一番大好きだからな。」

 

朱乃

「素敵ですわよ、ケンイチ君。」

 

リアス

「ええ、本当に素敵よ。」

 

ケンイチ

「へへッ!何時、何処でも、どの世界でも、子どもは世界の宝だしな!

何よりも笑顔が一番だ!」

 

リアスと朱乃に素敵と言われたケンイチは、少し照れつつも、己の正直な心を打ち明けた。

 

すると、グレイフィアがやってきた。

そして彼女の側には、小さな紅髪の少年が居た。

 

グレイフィア

「お待たせしました、サーゼクス様。」

 

サーゼクス

「ありがとう、グレイフィア。

ケンイチ君、この子が私の子どもの

“ミリキャス”だ。

ミリキャス、ご挨拶だよ。」

 

ミリキャス

「はい!お父様!

“ミリキャス・グレモリー”です!

初めまして!

ケンイチさん!

雪菜さん!」

 

自己紹介するミリキャスは、とても元気が良かった!

因みに雪菜を知っているのは、サーゼクスから渡された参加人数及び、名簿欄を読んだためである。

 

雪菜

「とても可愛らしいですね!そう思いますよね!お兄ちゃん!」

 

ケンイチ

「ああ、ちびっ子の男の子だが、サーゼクスに負けない素質を持ってるな。」

一目でミリキャスの才能を見抜いたケンイチ…お見事!

その後ケンイチは、片足立て膝になるようにしゃがんだ。

この行動は、子どもと目線を一緒の位置にする事で、“対等の目線”というのがケンイチの流儀である。

何よりも、子どもがずっと自分を見上げていると、その子の首が痛くなるからというのも、彼が対等の目線にする理由である。

 

ケンイチ

「初めまして、

俺は“櫂ケンイチ”…又の名を、

"ウルトラマンパワード"だ。

宜しくな、ミリキャス!」

 

そう簡単な自己紹介をしつつ、ミリキャスの頭を撫でる。

 

雪菜

「私は“櫂雪菜”、ケンイチお兄ちゃんの妹です。

宜しくお願いしますね、ミリキャス君!」

 

雪菜も同じようにしゃがむが、ケンイチと同じ方法でしゃがむと、“ミリキャスが間違ってスカートの中のパンツを視てしまう”可能性を考慮して、両膝を突いた立て膝となって、ミリキャスに自己紹介をした。

 

ミリキャス

「はい!宜しくお願いします!」

 

ケンイチと雪菜の行動に、リアスと朱乃、グレモリー夫婦、そして、“サーゼクス夫婦”は、関心するのだ。

相手と対等の目線で話そうだなんて者は、中々居ないのだから。

 

ミリキャス

「ケンイチさん、

この度はリアス姉さまを助けてくれて、ありがとうございます!ライザーさんにリアス姉さまを取られたくなかったので、本当にありがとうございます!!」

 

ケンイチ

「へへ、君は純粋で素直だな。ま、あの鶏野郎はもう、君の大好きなリアスに手を出すことは無いからな。」

 

ミリキャス

「はいです!

ケンイチさん、これからも、リアス姉さまを護って下さい!」

 

ケンイチ

「ああ、俺が側に居る限り、リアスや皆を…、守り抜いてやるよ!」

 

リアス

「こ!?こらミリキャス!?もう、恥ずかしいじゃないの!ケンイチも!!」

 

朱乃

「あらあら、羨ましいですわね、“部長”?」

 

リアス

「朱乃!?からかわないでよ!?」

 

朱乃

「うふふ。」

 

愛しい甥っ子の無垢な発言に対し、ケンイチは真っ直ぐ即答する。

ミリキャスは別に深い意味で言ったのではないが、ケンイチの迷いの無い一言で少し戸惑い、朱乃にからかわれたリアス。

正に種族を越えた信頼関係が、確かに実在した。

 

ケンイチ

「よし、んじゃあサーゼクス、カメラはオーライか?」

 

サーゼクス

「スタンバイ出来たよ、ケンイチ君。」

 

ケンイチ

「よっしゃ。

じゃあやるぜ!フッ!!」

 

カメラの準備を確認したケンイチは、内ポケットに手を入れてフラッシュプリズムを握り、引き抜く感じで天に翳し、スイッチを押して点火!

(バチュンッ!!グワンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュゥゥゥゥンッ!!!バチュンッ!!バチュンッ!!)

 

グレモリー夫婦

『オオッ!?/まあ!』

 

ミリキャス

「わあ…!」

 

フラッシュプリズムの点火時に発生した凄まじい輝きに、ジオティクスとヴェネラナは驚き、ミリキャスは釘付けだった!

一方のリアスと朱乃、サーゼクスとグレイフィアは、共通の思いを持つ。

“何時見ても、暖かい輝きだ”と。

 

そして輝きが消えれば、右腕を天に伸ばし、左腕は頭部の真横に曲げて、背筋をビシッ!と伸ばした、櫂ケンイチが変身したウルトラマンが、三度参上した!

 

ウルトラマン

「どうだ、ミリキャス?生のウルトラマンは?」

 

ミリキャス

「とても格好いいですッ!!お父様!早く写真を撮りましょうよ!」

 

サーゼクス

「ハッハッハッ、慌てない慌てない。」

“本物”のウルトラマンを見たミリキャスは大興奮で、サーゼクスを急かす。

 

サーゼクス

「それじゃあケンイチ君。お願いするね?」

 

ウルトラマン

「ああ。

ミリキャス、行くぞ。

よっと!!」

 

ウルトラマンは撮影の体勢に入るために、ミリキャスを抱え上げた。

 

ミリキャス

「わあ!凄い逞しい筋肉ですね!!」

ウルトラマン

「邪悪と闘う為に、鍛練は一切欠かさなかったからな。

それじゃあミリキャス、自分だけのポーズ、

『ウルトラショット!』を構えるんだ!どんなポーズでも構わないからな!」

 

ミリキャス

「はい!」

 

ウルトラマンにそう言われたミリキャスは、定番のピースで構えをとる。

対してウルトラマンは、右腕でミリキャスを抱えているため、カメラに左手の甲を向け、中指と薬指を曲げて、親指、人差し指、小指を開いた状態の、

ウルトラマンゼロ宜しく、“フィニッシュ”の仕草である。

 

サーゼクス

「それじゃあミリキャス、ケンイチ君、此方を向いて。」

カメラを構えたサーゼクスの方へ、ウルトラマンが向き、サーゼクスはシャッターを押す。

 

端から見ていた雪菜は、少し笑みを浮かべていた。

嘗ては兄が憧れていた側だが、今は逆で、子どもの夢を叶えようとしていることに、嬉しかったのだ。

幾らか写真を撮った後、サーゼクスがこんな事を言った。

 

サーゼクス

「よし、次は私とグレイフィア、父上と母上に、リアスと朱乃君、そして雪菜も一緒に撮ろうじゃないか。」

 

まさかのこの場に居る全員で写真を撮ろうという考えだ。

 

ジオティクス

「オオ、サーゼクス!素晴らしい提案だ!宜しいかな、ケンイチ君?」

ウルトラマン

「ええ、勿論です。」

 

サーゼクス

「ありがとう。

グレイフィア、カメラの台座を用意して欲しい。」

 

グレイフィア

「解りました。」

 

ヴェネラナ

「全く、申し訳ありませんね、雪菜さん。主人と息子が、貴女のお兄さんに色々な要求をしてしまって。主人と息子ってば、子どもっぽい考え方が似通っているのですよ。」

 

興奮気味の旦那・ジオティクスと息子・サーゼクスの若干の暴走とも言える状態、妻として、母として呆れていながら、雪菜に軽く謝罪をする。

 

雪菜

「いえ、お構いなく。お兄ちゃんは、出来るだけ多くの望みを叶えて上げたいんです。

それが、ウルトラマンである自分にしか出来ない事でもありますから。」

 

ヴェネラナ

「本当に、あなた方御兄妹は素敵ですね。さあリアス、朱乃さん、並びましょう。」

 

リアス

「は…はい、お母様。」

 

朱乃

「はい、ヴェネラナ様。」

 

そう会話をしつつ、ミリキャスを抱えているウルトラマンの側まで寄る。

そして、グレイフィアがカメラの台座を用意してセットし、時限シャッターに切り替えて、全員がウルトラマンを中心に並ぶ。

 

更にサーゼクスは、ウルトラマンと握手してもらったのだ。

実はその行為は、

ウルトラマン=ケンイチがサーゼクスを信頼した証としての行動である。

こうする事で、サーゼクスとウルトラマンは協力関係にあるといえるモノをついでに作ったのだ。

 

何はともあれ、これでミリキャスは、父、母、祖父、祖母、姉と言うべき叔母とその親友と一緒に、ウルトラマン=ケンイチとその妹・雪菜と写真を撮り、大喜びだった。

幾つか撮って終了し、ウルトラマンはケンイチに戻った。

 

サーゼクス

「ありがとう、ケンイチ君!ミリキャスがこんなに喜んでくれたとは、予想外だよ!

さあミリキャス、お礼を言うんだよ。」

 

ミリキャス

「はい、お父様!

ケンイチさん!ありがとうございます!!」

 

ミリキャスは子どもだからこそ、純粋無垢にお礼をケンイチに言った。

ケンイチ

「ああ、どういたしまて!ってなッ!」

 

そう言つつもケンイチは、何処か照れくさそうに鼻の下を擦って、ミリキャスの頭を撫でた。

 

ジオティクス

「さてと、長く引っ張ってしまってすまないね。

食事にしようか。」

 

サーゼクス

「ええ、父上。」

 

漸く用事が終わり全員が会場へ向かおうとした…その時!!

 

ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

 

『ッ!?』

 

なんと!?ケンイチの持つメモリーディスプレイが警告音を発した!!

 

ケンイチ

「ッ!?まさか!?」

 

直ぐにメモリーディスプレイを取り出し、画面を見ると…危険度のランクが印されていた!

以前戦った敵にも、危険度が存在しているのだ。

そして危険度は、F~Aのランクによって印され、FEは人間との共存の可能性有り、DCは興奮状態の暴走であり最悪の場合は撃破、BAは侵略目的及び意図的な殺戮や虐殺に捕食等の確実撃破といったモノに分けられる。

最初のケットル星人はBランクで、二番目のノスフェルはAランクである。

因みにツインテールはBランクであり

イカルス星人はAランクである。

だがコレが印されるのはあくまで、

“怪獣”、

“超獣”、

“魔獣”、

“宇宙人”、

“怪人”、

“魔人”、

“妖怪”、

“ロボット”、

“スペースビースト”、

そして“悪魔”、

“天使”、

“邪神”といった、

“ウルトラマン”と関わりを持つ存在にしか反応しないのだ。

 

そして今回の危険度は…信じられないランクだった!

 

ケンイチ

「危険度…“Sランク”だと!?」

 

そう、“Sランク”である!

 

雪菜

「お兄ちゃん!

“Sランク”って…まさか!?」

 

ケンイチ

「最悪の敵だ…まさか嫌な予感が当たるとは…何て事だ!!」

 

リアス

「ケンイチ、いったい何が…?」

 

リアスが心配になって声をかけた。

 

ケンイチ

「リアス、もしかしたら俺は…いや“俺達”は…“死ぬ”かもしれない…!」

 

リアス

「ど、どういう事!?」

 

ケンイチ

「今回の敵は…、

『本物の悪魔だ!』」

 

サーゼクス

「“本物の悪魔”…!?いったいどういう意味なんだい?」

 

“本物の悪魔”で“危険度Sランク”。

コレが意味する答えは…こういうことである!!

 

???

「フッハッハッハッ、冥界に住む下等な“同族”よ…我は貴様らの“主”だ!

跪け!!」

 

『ッ!?』

 

ケンイチ

「ッ!この声…間違いない!!」

 

突如響いたドスの効いた声が、冥界中に響き渡り、冥界中の誰もが震撼した!

そしてケンイチは確信を持った!

そう、“異次元の血塗られた赤い悪魔”である事を!!

そして同時に涼太郎から連絡が入った!

 

涼太郎

『ケンイチ!

今の声聞いたか!?』

 

ケンイチ

「ああ!ザルバの警告は、正しかった!!“ヤプール”が来やがった!!」

 

そう、

“異次元人ヤプール”が…襲来したのだ!

 

リアス

「“ヤプール”って、何者なの?」

ヤプールを知らないリアスはケンイチに聞いた。

 

ケンイチ

「ウルトラ戦士の因縁の宿敵の一体であり、ウルトラ兄弟からは、“本物の悪魔”と呼ばれる異次元人だ!」

 

リアス

「ウルトラ戦士の宿敵という事は…ウルトラマンの敵という事なのね!」

 

ケンイチ

「ああ、そして奴は…幾度倒されても、様々なウルトラ戦士の前に現れては、惨い謀略を用いて苦しめてきたんだ。」

 

朱乃

「待ってケンイチ君!さっき、“ヤプールは幾度倒されても”と言いましたが、何故幾度も復活したのですか!?」

 

ケンイチとリアスの会話に、疑問の単語があったので、朱乃は聞いた。

 

ケンイチ

「それは奴が“不死身”だからだ!」

 

リアス

「不死身!?」

 

朱乃

「まさかフェニックスと同じ能力を!?」

 

この言葉にリアスと朱乃は驚愕したが、考え方が違う事気付くケンイチは、ヤプールの“最悪”の説明する!

 

ケンイチ

「いや、フェニックスの不死身とは次元が違いすぎる。

もっと最悪な不死身だ!」

 

朱乃

「え!?」

 

リアス

「もっと最悪!?」

サーゼクス

「どういう意味なんだい、ケンイチ君?」

 

そして次のケンイチの言葉に、嘗て無い程の驚愕に見舞われた!

ケンイチ

「ヤプールの不死身の意味は、

“生命体がこの世に存在している限り、ヤプールはその生命体の持つマイナスエネルギーを糧としているから”

ヤプールは不死身なんだ!」

 

『ッ!?』

 

サーゼクス

「それはまさか!?逆に言えば、

“あらゆる全ての生命体が消滅しない限り、幾度だって蘇る”という事なのかい!?」

 

ケンイチの言葉の意味に気付いたサーゼクスは驚いた。

 

ケンイチ

「その通りだサーゼクス。

ヤプールは全てのマイナスの感情である、怒り、悲しみ、怨み、苦しみ等を己のエネルギーにしているんだ!

だから奴が完全に消滅には、あらゆる生命が消えなくてはならないんだ。」

リアス

「そんな!?」

 

朱乃

「まるで悪魔でありながら、死神のようですわ!?」

 

ケンイチ

「ああ、そして奴の狙いは…!」

 

漸く理解したリアスと朱乃だが、ケンイチはヤプールの目的を直ぐ察知した瞬間、ヤプールが動く!

 

ヤプール

「聞け!愚かな冥界の悪魔共と雑魚な魔王共よ!

今すぐこの“兄妹”を“追放”し、我の前に差し出せ!!

さすれば貴様ら悪魔共は人間を思いのままにする事が出来るぞ!」

 

ヤプールは冥界中に演説をするかのように己の声を響かせる。

そして、ある“兄妹”を“追放しろ”と要求してきた!

リアス

「ある“兄妹”ですって!?」

 

ケンイチ

「やはりな…奴の狙いは、“俺”と“雪菜”だ!!」

 

朱乃

「どういう意味ですか!?」

 

ケンイチが確信したとき、ヤプールはその“兄妹”の名を言った!!

 

ヤプール

「その兄妹の名は…

“櫂ケンイチ”、

“櫂雪菜”だ!!

この2人は我が憎き、

“光の一族”の力を持つ者だ!!

特に“櫂ケンイチ”はその光の一族の持つ“光の力”が強いが為に、

“光の戦士・ウルトラマンパワード”

に覚醒した“人間”の男だ!!

許されざる存在であるが故に、その妹である“櫂雪菜”も同じだ!

その女は貴様達悪魔の天敵と言える魔力の無効化の武器と術式を持ち、更には光の一族の力を持つ、兄の力の“一部”が流れているのだ!!

決して許される存在では無い!!

三分間の猶予を与えてやる。

必ず差し出せ!!

言っておくが、我の言葉を信じないならば、我が“下部共”を解き放ち、冥界を本物の地獄にしてやろう!

フッハッハッハッ!!」

 

そう言うとヤプールの声は、高笑いと共に遠ざかっていった。

 

通信を繋げていたケンイチは、涼太郎と対策を即時練った。

 

涼太郎

『どうするよケンイチ!ヤプールの眼中には、お前と雪菜だ!みすみす仲間を売るような真似を、俺達が絶対するわけがねえ!!』

ケンイチ

「そいつは理解しているが、此処の冥界の悪魔連中がどう考えているかだ。

それにヤプールは、約束を守るような奴じゃない!」

 

涼太郎

『ああ。只でさえ、人間を見下している奴が、冥界の悪魔を見下さない訳がねえからな。

現に、“愚か”と言ってやがったからな!』

 

ケンイチ

「それ故に、此処の冥界連中がどう反応するかだ。」

 

雪菜

「お兄ちゃん、先ずはみんなと合流しましょう。」

 

ケンイチ

「そうだな雪菜…、涼太郎!鋼賀達とイッセー達を集めといてくれ。

俺と雪菜、リアスと朱乃もそっちに合流する。」

涼太郎

『良し解った!

時間もあまり無え、なるべく早く頼むぜ、“総司令官殿”!』

 

ケンイチ

「なんだよ“総司令官”って?」

 

涼太郎

『何だ?気に入らないか心友?

なら、“大隊長”が良いか?』

 

ケンイチ

「涼太郎…後で覚えてろや…。」

 

ケンイチは涼太郎が地味にからかって来たので、必ず報復する事を予告して通信を切る。

 

ケンイチ

「たくぅ、場が白けちゃったじゃねえか彼奴のせいで…ふう。」

 

リアス

「ケンイチ、どうするの?」

 

ケンイチ

「遅かれ早かれ、後手に回らざるを得ない状態だ。

しかも相手が本物の悪魔だ。

サーゼクス、悪魔連中はどんな感じだ?」

 

ケンイチは現在状況を確認するため、サーゼクスに悪魔達がどんな反応をしているか聞いた。

 

サーゼクス

「これは酷いかもね。仲間の魔王達に聞いてみたけど、魔王を除いて他の悪魔達は質の悪い悪戯だと思って無関心だよ。」

 

ケンイチ

「おいおい…予想より斜め上行っちまったぞ。事は一刻を争うっつうのに!」

 

そう言いつつ、ケンイチは直ぐにグレイフィアに向かい合う。

 

ケンイチ

「取り敢えずグレイフィアさん、悪いけど親父さんとお袋さんとミリキャスを避難させてくれ!

ヤプールの事だ、恐らくとんでもない謀略を張り巡らせているに違いない。

巻き込む訳にはいかねえ!」

 

グレイフィア

「解りました、ケンイチ様。

旦那様、奥様、直ちにご避難ください。」

 

ジオティクス

「解った、ケンイチ君、もし良ければ、今度はゆっくり話そうじゃないか。」

 

ケンイチ

「構いませんよ。

ミリキャス、またな。」

 

ケンイチはミリキャスに別れの言葉を言うと、

 

ミリキャス

「はい。負けないで下さい、ケンイチさん!」

 

ミリキャスなりの応援の声をくれたのだ。

 

ケンイチ

「ありがとな。

頼む、グレイフィアさん!」

 

グレイフィア

「はい、さあミリキャス、サーゼクス様とリアス様、そしてケンイチ様は大丈夫だから、行きましょう?」

 

ミリキャス

「はい、“お母様”。」

 

ミリキャスはグレイフィアに連れられて、ジオティクス、ヴェネラナと共に避難した。

 

ケンイチ

「よし、涼太郎達と合流しよう。

サーゼクス、あんたも手伝ってくれるとありがたいんだが。」

 

サーゼクス

「問題無いよ、冥界を守るのが魔王だからね。」

 

ケンイチ

「そうかい。

んじゃあ雪菜、リアス、朱乃、行くぜ!」

リアス、朱乃

『ええ!』

 

雪菜

「はい!お兄ちゃん!」

 

サーゼクスの協力を得て、ケンイチ達は涼太郎達の下へ向かった…が!?

 

ケンイチ

「…ッ!?」

 

突如、ケンイチが一瞬体勢を崩して膝を着いた!?

 

リアス

「ケンイチ!?」

 

サーゼクス、朱乃

『ケンイチ君!?』

雪菜

「お兄ちゃんッ!?」

 

その光景に心配したリアス達は直ぐに駆け寄る。

 

ケンイチ

「(しまった…やっぱり幾らチートな肉体でも、“連続変身”は流石に応えるか…ヤ、ヤッベェなぁ…!)

大丈夫だ、少し“足がモツレた”だけだ、問題無い、行くぞ。」

 

そう言って再び立って走る。

不安ながらもリアス達はケンイチの後を追ったが、雪菜は見逃さなかった…いや不確定だが、感じた。

兄の“疲労”を…。

 

雪菜

「(お兄ちゃん…まさか!?)」

 

一方、涼太郎達はというと、突然のヤプールの宣戦布告を聞いて、イッセー達を集めて事を説明していた。

 

涼太郎

「いいなお前ら、今の声は質の悪い悪戯じゃないからな!」

 

イッセー

「けど先輩方、どうしてそのヤプールは、ケンイチ先輩を其処まで狙うのですか?」

 

鋼賀

「ヤプールはウルトラマンの宿敵の1人だ。永久の如く、長きに渡って激闘を繰り広げて来たんだ。」

 

祐斗

「永久の如くって、そんなに長くも!?」

 

涼太郎

「ああ、故に地球侵略を何度も邪魔された上に、侵略を阻止されまくっているんだ。

ウルトラ戦士に怨みがあって当然だから、“最悪のストーカー”だ!」

 

鋼賀

「しかも奴は、あらゆる生物達のマイナスエネルギーを生命力にしているから不死身なんだ。」

 

アーシア

「ふ!?“不死身”ってまさか!?」

 

小猫

「フェニックスと同じなんですか…!?」

涼太郎と鋼賀がヤプールについて説明中、ケンイチもリアス達に説明した“ヤプールの不死身”に反応したイッセー達。

勿論涼太郎と鋼賀は釘を刺す。

 

涼太郎

「悪いがヤプールの不死身は、フェニックスより質が悪いぞ。」

 

祐斗

「どういう事ですか?」

 

鋼賀

「奴は言わば、全ての生命体の負の感情、マイナスエネルギーを生命力にしているんだ。

しかもそれは、この世に生物が存在する限り、奴は何度倒されようとマイナスエネルギーがある限り、何度だって蘇る!」

 

イッセー

「そ!?そんな!?

それじゃあ、どうやっても完全に倒せないという事ですか!?」

涼太郎

「ああ、オマケに奴はウルトラマンを殺す為ならあらゆる外道な手段だって使って来やがる、

“残忍”で“狡猾”で“凶悪”で“邪悪”で“最悪な悪魔”だ!この世界にいる冥界の悪魔とは“別格な程桁違い”だ!」

 

アーシア

「そ!?そんな存在が居たのですか!?」

 

小猫

「どうしてこの世界を狙ったのですか…」

 

涼太郎と鋼賀の説明から、驚愕の事実を知り恐怖するが、

小猫は素朴な疑問を思い出す。

そう、何故ヤプールはこの世界にやってきたのか?

 

涼太郎

「これは予測だが、奴が侵攻した世界は常にウルトラマンが居る世界だ。

故に奴は、何処の世界でもウルトラマンが一人でも居るなら、敢えてウルトラマンの居る世界へ行き、ウルトラマンを殺した上でその世界に居るあらゆる生物を己の手駒として“超獣”に改造するだろう。そしてその後、元居た世界に戻って、光の国のウルトラマン達を挑発する気だ。」

 

イッセー

「ち!?“超獣”に改造って、そんな!?」

 

祐斗

「それに、元の世界に戻って挑発だなんて、何故そのような回りくどい事を!?」

 

鋼賀

「奴と因縁の深い光の国のウルトラマンに突きつける為だ!“貴様達が愛した地球と生命体は、我らヤプールが占領した!”と。

その後で生命体を超獣に改造し、光の国のウルトラマン達・宇宙警備隊と戦争を起こす気だ!」

涼太郎

「オマケにウルトラマンは自責の念を背負う事になっちまう!ヤプールに無理矢理改造されてしまった者が地球の生命体なら特にな!」

 

涼太郎と鋼賀の、ヤプールに対する危険性を知ったイッセーは、戦慄に包まれる。

 

イッセー

「どうすればいいんですか!?」

 

涼太郎

「兎も角今は、ケンイチや部長さん達と合流だ!

表に出るぞ!」

 

涼太郎の統率の下、鋼賀と美琴と翼、イッセー達は会場を後に、表に出た。

 

しかし此処で、ヤプールがトンでもない行動を起こした!

 

ヤプール

「ふん、“ネズミ”がコソコソしよって…しかし冥界の悪魔共は我の言葉を真に受けずにいるとは、人間より愚か過ぎるな。

ならば…冥界に相応しく、地獄を見せてやろう!!

パワード暗殺計画の始動だ!」

 

異次元空間で冥界を見ていたヤプールは、自分の思っていた通りに事が運んでいた為、直ぐに決行した。

そう…、“ウルトラマン暗殺計画”を!!

 

ヤプール

「行け!

超獣共!怪獣共!

冥界を本当の地獄に招いてやれ!

そして行け!

ロードよ!

ショッカー戦闘員を引き連れて、“ネズミ共”を始末しろ!」

 

ヤプールが号令を出した!まだそれ程時間も経っていないのに!!

 

そしてその号令を合図に…“地獄”が、始まってしまった…!!

 

冥界の空が…硝子が割れるかの如く亀裂が入り、大きな音を立てながら砕け、禍々しい異次元空間が現れた!

 

冥界悪魔、特にルシファード領の誰もが目に入った。

 

ケンイチ

「ちぃッ!?やっぱり野郎は、最初っから時間通りに待つ奴じゃなかったか!!」

 

リアス

「な…何なの?

空が割れるなんて!?」

 

サーゼクス

「あの禍々しい異空間はいったい!?」

 

涼太郎達と合流するためにケンイチ達は疾走していたが、ケンイチが空の割れる音が聞こえたと言って、外に出たので後を追った為、リアス達はこの現象を目の当たりにしたのだ。

そして異次元空間から、合計“8体”の“怪獣達”が、姿を現し、冥界の地に降り立った!!

それは…ケンイチにとっても、悪い意味で印象に残っている怪獣達だった!

 

ケンイチ

「な!?あれは!?

“宇宙大怪獣ベムスター”!

“どくろ怪獣レッドキング”!

“殺し屋超獣バラバ”!

“超古代怪獣ゴルザ”!

“超古代竜メルバ”!

“宇宙海獣レイキュバス”!

“宇宙戦闘獣コッヴ”!

“奇獣ガンQ”!」

 

それは正く強敵の揃いの怪獣である。

ベムスター、レッドキング、バラバ、ゴルザ、メルバ、レイキュバス、コッヴ、ガンQの8体は、歴戦のウルトラ戦士達と激闘を繰り広げた怪獣達である!

特にベムスターはウルトラ兄弟のジャックやタロウ、メビウスに対して圧倒的な戦闘力を見せた程である。

ジャックは己の技が全て通用せず、撤退に追い込まれてしまい、タロウは一度完敗してしまい、メビウスに至っては喰われかけたのだ。

更にベムスターはウルトラ兄弟以外にも、ヒカリやゼロ、ギンガとビクトリーにエックス、そしてウルトラマンオーブらを相手に戦い、何れもその戦闘力で苦戦させたのである!

更にウルトラ戦士を敗北に追いやった者ならば、レイキュバスも同じである!

奴はウルトラマンダイナが、まだ伝説の英雄になる前に激突しており、怪獣では珍しい属性チェンジを持ってフェイントを仕掛け、ダイナを氷漬けにした程の実力者である!

他にも今現れた怪獣達の殆どがウルトラ戦士達と何度かに渡って戦ってきた強敵が多いのだ。

『わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?』

 

『いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?』

 

明らかに見たこともない魔獣やドラゴンとも違う、大怪獣を目視したルシファード領の悪魔市民は、パニックを起こし、我先へと逃げる!

 

 

サーゼクス

「なんという事だ!?

ドラゴンなんてちっぽけに思える程の威圧と迫力を感じるじゃないか!?」

 

ケンイチ

「クソッ!ヤプールめ!よりによって強豪揃いの怪獣達を差し向けるとは!?」

 

雪菜

「マズいです!お兄ちゃん!」

 

怪獣達を見てサーゼクスやリアス、朱乃は戦慄に駆られ、ケンイチと雪菜は冷や汗を垂らしている。

 

涼太郎

「ケンイチ!!」

 

ケンイチ

「ッ!涼太郎ッ!みんなッ!!」

 

其処に、建物内に居た涼太郎達が合流した。

 

鋼賀

「すまない、お前の気配を探すのに苦労した。」

 

涼太郎

「結構ヤバいぜコレは!?

お前の嫌な予感はかなりの確率で当るけど、今回に限ってヤプールに加えて大量の、しかも強豪揃いの怪獣達だぞ!

どうする!?」

 

ケンイチ

「どうするもこうするも無えよ!

先ずはサーゼクス、今直ぐにこの領内の悪魔に通達してくれ!

“戦えない者は避難を!戦える者は戦えない者の護衛をしろ!”

という通達を頼む!」

 

サーゼクス

「しかしケンイチ君、まさか君達だけで戦うつもりかい!?」

 

ケンイチ

「んなわけ有るか!

ただ“信用出来る奴”に頼みたいんだ。

あんたやリアス達とかな。」

 

サーゼクス

「そうか…わかった。直ぐグレイフィアと一緒に領内の皆に通達しよう。」

 

ケンイチは、自分達が戦い易いように、サーゼクスに領内の者達に避難指示を出すよう頼み、サーゼクスは全体に通達するために転移した。

そして、行動を起こそうとケンイチ達。

 

とその時!!

 

…クケケケケ…

 

ケンイチ、涼太郎、鋼賀

『ッ!?』

 

突如不気味な笑い声が、ケンイチ達3人に聞こえた!

そして3人は警戒しながら周りを見渡す。

 

朱乃

「ケンイチ君?

どうしたのですか?」

 

朱乃が気づいて少し近づいた瞬間!

 

ザルバ

『鋼賀ッ!嬢ちゃんの上だ!!来るぞぉッ!!』

 

鋼賀

「ッ!ケンイチ!涼太郎!」

 

ケンイチ

「みんな伏せろッ!!」

 

リアス達

『ッ!?』

 

涼太郎

「“死”にたくなかったら言うとおりにしろッ!!」

 

雪菜達

『ッ!?早く伏せて!!』

 

ケンイチ達が伏せろと大声で言って戸惑うリアス達は理由を聞こうとした途端、兄達の意図に気付いた雪菜達は直ぐさま伏せさせた!

 

そして!

 

ケンイチ

「頼む!鋼賀ぁッ!!」

 

鋼賀

「承知…ハアアアアッ!!」

 

そして、鋼賀はケンイチの指示に動き、赤鞘から牙狼剣を瞬時に引き抜き、刀身をザルバに近付けて、烈火炎装を発動し、牙狼剣を天に向けた!!

 

すると!?

 

???

「グギャアッ!?」

 

鋼賀

「オオオオッ!!ハアッ!!」

 

???

「ギャアアアアッ!?」

 

“黒い何か”が牙狼剣に突き刺さった!

そして鋼賀は突き刺さった牙狼剣を振り下ろし、その“黒い何か”を切り裂き、“黒い何か”は燃え盛りながら、爆死した!!

 

ザルバ

『流石だぜ鋼賀!

ケンイチと涼太郎もそうだが、翼達も良く鋼賀達の意図に気付いたな!』

 

「当然だザルバ、お兄さまにケンイチさんと涼太郎さんがあんなに急かす程の大声をあげるのだから。」

 

美琴

「となれば、相当ヤバいって訳なのだから、」

 

雪菜

「瞬時に解ったという事です。」

 

イッセー

「せ、先輩?いったい何が?」

 

困惑のリアス達を代表して、イッセーが質問したのだ。

 

ケンイチ

「新手だ。

それもヤプール程ではないが、かなりヤバいタイプで質が悪い“奴ら”の可能性高い。」

 

イッセー

「“質の悪い奴ら”…ですか?」

 

イッセーがケンイチに問おうとした時、涼太郎が声を上げた!

 

涼太郎

「ケンイチ、今のは間違いねえ!

“クロウロード”だ!」

 

ケンイチ

「やはり

“アンノウン”か!

となると最早猶予は無いな。

涼太郎、鋼賀、皆を頼む!」

 

鋼賀

「ああ…友よ、絶対に死ぬなよ!」

 

涼太郎

「必ず生きて帰って来いよ心友!」

 

ケンイチ

「ああ!」

 

ケンイチは涼太郎と鋼賀に雪菜達とリアス達を任せて、フラッシュプリズムを取り出して、変身しようとする…が!!

 

ケンイチ

「ッ!?(ガクッ!!)」

 

なんと、再び膝を着いてしまった!?

いったいどうしたというのだ!?

ケンイチ君!!

 

涼太郎、鋼賀、リアス

『ケンイチ!?』

 

美琴、イッセー、祐斗、小猫

『先輩!?』

翼、アーシア

『ケンイチさん!?』

 

朱乃

「ケンイチ君!?」

 

雪菜

「お兄ちゃん!?」

 

この光景に涼太郎達とリアス達は驚き近付く。

 

ケンイチ

「(や、ヤベェ…やっぱり、連続変身が祟ったか!?

少し前は、問題無かったが…ちょっと怠いぜぇ…。)」

 

そう…彼は今、己のミスで大ピンチに陥った!

 

何故ならウルトラマンへの連続変身は、自殺行為に近いのだ。

それは、体力とエネルギーを激しく消耗するため、充分に回復しなかれば、身体に異常が発生するのだ!

現に地球を防衛の任に就いていたウルトラマンメビウスは、回復していていない身体で無理に連続変身を行い、満足に戦えずに一方的に攻められたり、さらには最悪な事にその連続変身が祟り、変身不能に陥った程である。

そして今回のケンイチの場合は、ただでさえメビウス以上に、1日で既に三回も変身しているため、凄まじく体力を消費してしまったのだ!

そして若干感づいていた雪菜は、遂に確信を持って切り出した。

 

雪菜

「お兄ちゃん、駄目です!!今の体で戦えば“死んでしまいます”!」

 

リアス達

『ッ!?』

 

雪菜がケンイチに放った、“死んでしまう”という言葉に、リアス達が反応した!

そして涼太郎達は察した!

 

鋼賀

「バカッ!?なんで黙ってた!?」

 

涼太郎

「お前、最後に変身したのは何時だ!?」

 

ケンイチ

「数分前だ…ちょっと、子どもに頼み事をされたからな。」

 

鋼賀

「全く、トンだお人好しだな。」

 

涼太郎

「其処が良いところだが、こうなっちまったら元も子もねえよ!

少しは考えてやってくれ!」

 

ケンイチ

「わかっているが…兎も角今は怪獣達や超獣達が先だ!

悪いが、行かせて貰うぜ!!

“これら”は預けておくから、“アンノウン”は任せた!!」

 

涼太郎、鋼賀

『待てッ!?ケンイチッ!!』

 

リアス、朱乃

『ケンイチッ!?(ケンイチ君ッ!?)』

 

美琴、イッセー達

『先輩ッ!?』

翼、アーシア

『ケンイチさんッ!?』

 

雪菜

「お兄ちゃんッ!?」

 

ケンイチは友と妹に“あるもの”を託して、皆の制止を振り切り、走り出す!!

その涼太郎の手には、“メモリーディスプレイ”が、そして雪菜の手には“バトルナイザー、カプセル怪獣、怪獣ボール”が握られていた。

そしてケンイチは、冥界を蹂躙する怪獣達と超獣達に向かって走りながら、フラッシュプリズムを手にして、“もう一つの魂”の名を叫ぶ!!

 

ケンイチ

「ウルトラマンッ!!パワァァァァドォッ!!!!」

 

輝かしき光が彼を包み込み、右腕を大きく天に突き出し、左腕は拳が耳元の近くに来るように肘を曲げて、ウルトラマンが姿を現した!!

(身長は勿論本来の55㍍)

 

そしてウルトラマンの出現は、怪獣達と超獣達も気付き、上空の異次元空間に居るヤプールも、思ったより早い“怨敵”の出現に少し嬉しそうな声を出した。

 

ヤプール

「ほぉ…現れたのが随分早いな、追放された訳では無いようだな?

わざわざこ奴等を護るために出て来たか?

だが、コレだけの超獣共と怪獣共を相手にたった1人でどう戦う、ウルトラマンパワード?

クックックッ…。」

 

何とも不気味で不吉で物騒なセリフを言葉にして傍観者となる悪魔・ヤプール。

 

そして場所は冥界に戻り、ウルトラマンがデカく成ったことにリアス達は驚いていた!

なんせ彼の姿を見ていた時は等身大(約2㍍)であった為に、本来の大きさを知らなかったのだ!

 

イッセー

「ええぇーッ!?

せ、先輩がめっちゃデカくなったーッ!?」

 

リアス

「ど、どういうこと!?どうして!?」

 

そんなリアス達に、涼太郎が軽く説明する。

 

涼太郎

「あ~、あれが本来のウルトラマンの大きさなんだ。

ウルトラマンは殆どが自分の身体を調整出来るから、ミクロ化も出来るんだ。」

 

涼太郎の軽い説明に、リアス達はそれでも驚きを隠せないのだ。

とここで、鋼賀とザルバが口を挟む。

 

鋼賀

「涼太郎…どうやら、戯れは“此処まで”のようだ。」

 

ザルバ

『来るぞぉ!“奴らが”!!』

 

すると、鋼賀とザルバの声に反応するかのように、

“グレーの歪み”

が出現した!

 

その歪みに警戒するリアス達。

一方の涼太郎達は大方何が来るのか予想がついていた。

何故ならこの歪みは…“大ショッカー”、即ち“ショッカー”が用いる次元移動方法である!

そして中から、“奴ら”が現れた!

 

『イーッ!イーッ!イーッ!イーッ!』

 

歪みから現れたのは、全身黒タイツに骸骨の如き骨の模様が描かれた集団、

“ショッカー戦闘員”

であった!

 

涼太郎

「ちぃッ!

やっぱり出たな!

“ショッカー”!

しかも“ロード怪人”も同行してやがったから、

“大ショッカー”か!」

 

鋼賀

「かなり厄介だな。」

 

更に戦闘員の後方から、新たな怪人が姿を現した!

その怪人は、黒みがかかった青い体色に、エジプトの古代人のような姿に、顔はまんま“蛇”、それも最強の“コブラ”の顔をした怪人、

“スネークロード”

だった!

 

「明らかに一筋縄ではいかない敵ですね、生きて帰れるでしょうか?

お兄さま?」

 

鋼賀

「解らない…俺達は兎も角、ケンイチが心配だ。」

美琴

「マジでヤバいって兄さん!

本当に迫るショッカーだよ!」

 

涼太郎

「お前さり気なく上手いことを言うなよ!

兎も角、新たな“ロード怪人”が来るとはなぁ。

しかも蛇型の、

“スネークロード”

じゃねぇか!」

 

鋼賀

「皆、戦えるな?」

 

鋼賀の言葉にリアス達は戦闘体勢に入るが、朱乃だけは、少しだが震えていたのだ。

 

雪菜

「朱乃先輩?」

 

雪菜がそれに気付いた。

 

朱乃

「だ、大丈夫ですわ、雪菜ちゃん。」

 

雪菜に心配されつつも、朱乃は気を奮い立たせて戦闘体勢を整える。

涼太郎

「よし、なら鋼賀!翼!変身だ!

直ぐに片を着けて、ケンイチを援護するぞ!」

 

鋼賀

「ああ、行くぞ!」

 

「はい!」

 

涼太郎はダブルドライバーを巻き、鋼賀は赤鞘から牙狼剣を引き抜き、切っ先を天に向ける!

そして翼は、天羽々斬のアームド・ギアを取り出し、そのアームドギアの持ち手を逆さまし、そこに内蔵してあるシンフォギアのコンバーターに“聖詠”を口ずさむ!

 

[Imyuteus amenohabakiri tron…!]

(エミュテウス アメノハバキリ トローン…!)

 

それと同時に鋼賀は、天に突き刺した牙狼剣で円を描き、牙狼剣を振り下ろし、涼太郎はCメモリを左手に、Mメモリを右手に持ち、メモリのボタンを押して腕をクロスさせ、フレーズを口にしてドライバーに挿し、ドライバーを開く。

“サイクロンッ!”

“メタルッ!”

 

鋼賀

「ハアァァッ!!」

 

涼太郎

「変身ッ!!」

 

“サイクロンッ!!”

“メタルッ!!”

 

 

三人の同時の“変身”によって、翼は青白い光に包まれてシンフォギアアーマー・天羽々斬を身にまとい、鋼賀は描いた光の円の中から現れた魔天使達が金色の鎧を一部ずつ鋼賀に装着させていき、最後の頭部は鋼賀が相手を睨みつけるかのように顎を引き締めると、金色の狼が鋼賀を覆う形で装着され、黄金騎士牙狼となる。

そして涼太郎は、体の右側が緑、左が銀の仮面ライダーダブル・サイクロンメタルとなり、背負っていたメタルシャフトを手にする。

(BGM:Beyond the BLADE)

 

ダブル

「みんなッ!良いな?」

 

牙狼

「待て、また何か来るぞ!」

 

戦闘を開始使用としようとしたその時、再びグレーの歪みが現れた。

そしてその歪みから新たな怪人が姿を現した!

その怪人は、先ほどスネークロードと違うが、共通するものがあった。

それは容姿がエジプトの古代人のような容姿であったから。

そして体は黒く、顔はまるで、犬や狼に近い顔をしていた。

何よりも人間界の神話に伝わる冥府神アヌビスに酷似していた!

 

ダブル

「ッ!?“ジャッカルロード”!!

マズい、ロード怪人が二体になるとは!

鋼賀!“ジャッカルロード”を頼めるか!?」

 

牙狼

「涼太郎、水くさい話は無しだ。」

 

ダブル

「サンキュー。

部長さん、美琴達も一緒に戦闘員の群れを頼む!

トンでもねえ数だだから。」

 

リアス

「だけど!」

 

リアスは涼太郎の頼みに躊躇するが、

 

雪菜

「ダメです!リアス先輩!あの二体は

“闇の神”に付き従う“凶悪な天使”なんです!!」

 

朱乃達

『ッ!?』

 

リアス

「なんですってッ!?

あの“二体が天使”ですって!?」

雪菜の“天使”の単語に動揺した!

 

イッセー

「て、て、天使!?

あの怪人が!?

そんな!?

あれが天使だなんて!?」

 

美琴

「悪いけどマジよ!

彼奴等は、“普通の人間”を脅かす者を殺す凶悪な連中よ!」

 

祐斗

「“普通の人間”を脅かす者を殺す者?

それは人間の味方なのかい?」

 

「人間の味方であるものか!!

確かに奴らは、人間に害を加える存在を抹殺した事もあるが、奴らの真の行動理由は、“力の無い”人間には手は出さないが、“微量”でも“人の領域を超える可能性”がある“力を持つ”人間を恐れており、そして力を持つ者なら“赤子”だろうと“老人”だろうと、“胎児”にだって牙を向けるとんでもない“悪魔のような天使”なのです!!」

アーシア

「そ、そんな!?

そんな行いは天使にあるまじき行為です!!」

 

ダブル

「故に奴らの今のターゲットは、今此処に居る俺達だ!

だから、ロード怪人の事を詳しく知っている俺と鋼賀があの二体を相手するんだ!

それに戦闘員だって、数が多いと厄介なんだ!

頼む!」

 

ダブルの懸命な頼みに、リアスは首を縦に振った。

 

リアス

「…解ったわ。

必ず直ぐに援護に向かうわ!

朱乃!皆!」

 

朱乃達

『はい!部長!』

 

リアスは直ぐに朱乃達と共にショッカー戦闘員の迎撃に向かう!

 

牙狼

「翼、美琴、雪菜。

お前たちもリアス部長と共に奴らを迎え撃て。

必ず生きて帰るぞ!」

 

「はい!お兄さま!」

 

美琴

「オーライ!鋼賀先輩!」

 

雪菜

「もちろんです!先輩!」

 

そして雪菜達も牙狼の指示の下、リアス達と共に向かう!

 

牙狼

「よし、行くぞ!涼太郎!」

 

ダブル

「おうさ!

さあ来いよ!ロード!

俺達が相手になってやるぜ!」

 

スネークロード

「シャァァ…!」

 

ジャッカルロード

「グルル…!」

 

二体のロードがダブルと牙狼を視認すると、二体は共通して、右手を左肩に持って行き、更に下へスライドさせ、左の腹部にまで移動させた後、その右手を横からなぞるように左手を動かす。

これはロードが共通して、相手を抹殺する際に行う儀式である!

そして二体のロードの頭上に光の輪が現れ、其処に手を入れて武器を手にする。

スネークロードは、

『審判の杖』の呼ばれ、生身の人間ならば即猛毒によって瞬殺出来る危険な杖手に、

ジャッカルロードは、

“断罪の大鎌”と呼ばれ、如何にも死神の鎌と呼ぶに相応しい大鎌を手に、

二体は構える。

 

ザルバ

『気をつけろよ!

鋼賀!涼太郎!

ヤバい気がビンビンにするぜ!』

 

牙狼

「解っている!」

 

ダブル

「行くぞ!」

 

ダブルは牙狼は、それぞれメタルシャフトと牙狼剣を構えて突撃し、

 

スネークロード

「シャァァ…!」

 

ジャッカルロード

「グルル…!」

 

二体のロードも同じく迫り、それぞれの武器が火花を散らし、鍔迫り合いになる!

 

一方、ウルトラマンは…、

 

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

冥界を蹂躙するヤプール率いる怪獣軍団に立ち向かって行った!

 

ゴルザ

「グオオオンッ!!」

 

レッドキング

「グウウッ!!」

 

ウルトラマン

「シャッ!ダアッ!」

 

最初に向かってきたゴルザとレッドキングのフック攻撃を前転で避けて、瞬時に二体にチョップを放ち、更に二体を掴んでお互いをぶつけさせる。

 

バラバ

「ギィィィンッ!」

 

メルバ

「クエェェッ!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?フアイッ!」

 

更にバラバとメルバの二体が迫り、バラバの鎌とメルバの爪がウルトラマンに迫るが、寸で回避した!

だが其処に!?

 

レイキュバス(炎)

「キュゥゥゥッ!!」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

レイキュバスが、ウルトラマンの回避先に火炎弾を命中させた!

 

ウルトラマン

「グアァッ!?

(クソッ、やはり数が多い!)」

 

レッドキング

「キィハアッ!!」

 

コッヴ

「ギャアアッ!!」

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

ダウン状態から起き上がったウルトラマンに、コッヴとレッドキングが飛び道具を放つ!

 

ウルトラマン

「フルレェッ!?

ゲアァァァ!?

(なん…だと!?

このレッドキング、“どくろ怪獣”じゃねえ!?

“装甲怪獣”じゃねえか!!

クソッ!マジで厄介だ!)」

 

なんと!ウルトラマンが、まさかの読み違いを起こした!

何故なら、“飛び道具”を使うレッドキングは、彼が知る限りでは、ウルトラマンマックスと戦った、“どくろ怪獣レッドキング”ではなく、“装甲怪獣レッドキング”の方であった!

故に厄介なのは其れだけではない!

そのレッドキングの体内には、飛び道具の元である爆発製を秘めた岩石がびっしり詰まっている。

つまり、下手に倒せば大爆発を起こし、このルシファード領が消し飛ぶ可能性が有り得る!

かつてウルトラマンが二代目レッドキングと相対した時に、そのレッドキングが水爆を6個を飲み込んだ状況に似ているが、今回は更に他の怪獣達もいるのだ。

状況は極めて最悪だ!

 

ウルトラマン

「(更にベムスターやガンQも居るんだよな…クソ!兎も角短期決戦で一体ずつ確実に仕留めねえと!)

ヘアッ!フアイッ!」

 

ウルトラマンは、短期決戦へと行動を移し、ベムスターにパワードスラッシュを放った!

 

しかし!?

 

ベムスター

「キュエエエッ!!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?

(何ッ!?クソッ!

ベムスターめ!

八つ裂き光輪も吸収するのかよ!?

純粋な光線だけじゃねえのかよ!?)」

 

ベムスターの持つ、腹部の口の用途の広さに毒づくウルトラマンだが、更に予想だにしない事態が起こる!

それはベムスターの傍に居たガンQの目が歪んでいた!

 

ガンQ

「キュゥゥゥッ!!

ぺッ!!」

 

そして歪んだ目から、驚く事に先ほどベムスターに吸収されたパワードスラッシュが飛び出したではないか!?

 

ウルトラマン

「シャッ!?カアァ!?

(ぐ!?クソ、マジ…かよ!?まさかベムスターとガンQが、あの“ベムQコンビ”だったとは!?)」

 

“ベムQコンビ”…、

それはベムスターが相手の光線を吸収し、ガンQが吐き出して攻撃するというとんでもないコンビネーションであるのだ!

 

ウルトラマン

「(クソッ!どうすればいいんだ!?[ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!]ぐッ!?や、やべえ…!?無茶が祟っちまった!)

フルレェッ!?」

 

とここで遂に無茶したツケが来てしまった!

 

本来は、ウルトラコンバーターによってエネルギー切れによって倒れる心配を無いのだが、ウルトラマン=ケンイチはたった1日で連続変身を行使したため、体力を消耗したからカラータイマーが点滅しだしたのだ!

 

ヤプール

「お…?

随分早いな、エネルギー切れを起こすのは。

だが好機なり、ウルトラマンを抹殺しろッ!」

 

そのヤプールの号令によって、怪獣達が一斉に飛び道具で攻撃する!

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?

(があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?)」

ベムスターのベムスタービーム、

レッドキングの岩石爆弾、

バラバの火炎放射、

ゴルザの破壊超音波、

メルバのメルバニックレイ、

レイキュバスの火炎弾、

コッヴのコッヴショット、

ガンQの破壊光線をモロに受けたウルトラマンは、凄まじく吹き飛び、ルシファード領にある建物の上に落下したため、倒壊させてしまった!

 

雪菜

「…ッ!お兄ちゃんッ!?」

 

兄が怪獣達の総攻撃によって吹き飛ばされた事に、雪菜は戦闘中に声を上げた。

 

「雪菜!今は眼前の敵に集中しろ!」

 

アームドギアで、戦闘員をバッタバッタと切り倒していく翼は、雪菜にそう言った。

雪菜

「ですけど!

このままじゃ、お兄ちゃんが危険です!!」

 

美琴

「アタシらだって解ってるよ!

だけど先輩を援護出来るヒトは限られてる!

それに戦闘員が無駄に多いから尚難しいわよ!」

 

地面を軽く破壊して、其処から電撃を利用して砂鉄を纏めて剣状にした得物、

[砂鉄剣(エレクトロフェンサー)]を振るって戦闘員を迎撃する美琴は、雪菜の悲痛を理解しつつも、眼前に集中するように言う。

 

イッセー

「くっそぉ!

わらわらと群れてきて、全然減らねえ!」

 

アーシア

「イッセーさん、ご無理なさらないでください!

イッセーさんにもしもの事があったら!」

 

祐斗

「そうだよイッセー君!

あまり無理は駄目だよ、君は病み上がりなんだから!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

小猫

「そうです…。」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

イッセー

「解ってる…解ってるよ!

けど俺が不甲斐ないせいで、俺の為に力を使いまくって、エネルギーが足りない状況なのに、皆を守ろうとして、先輩が必死で戦ってるんだ!

先輩の弟子である俺が、こんな所でへこたれる訳にはいかねえだろ!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?』

 

イッセー達はアーシアを護りつつ、3人で戦闘員を迎撃していた。

ショッカー戦闘員自体は、戦闘力が常人より多少上なだけの改造人間であるため、元々戦い慣れしている祐斗と小猫は勿論、ケンイチと雪菜に戦闘の指導を受けていたイッセーは難なく立ち回っていた。

 

だがイッセーは、自分の為に殆ど力を使い、今尚身体が危険な程疲労しているにも関わらず、皆を守ろうとしているケンイチ=ウルトラマンを見て、祐斗や小猫以上に果敢に戦闘員を攻める。

 

リアス

「消し飛びなさいッ!!」

 

朱乃

「雷よ!ハアッ!!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?イーッ!?イーッ!?イーッ!?』

 

リアス

「拙いわ!

余りにも多すぎる!」

 

朱乃

「このまま持久戦が続けば、確実に誰かがやられてしまいますわ!」

 

リアスと朱乃も、お互いの息のあったコンビネーションで、戦闘員を殲滅していくが、わらわらと蟻のように、無駄に現れる戦闘員に、2人は着地して背合わせになる。

 

リアス

「早く全滅させて、ケンイチと涼太郎、鋼賀の援護をしないといけないのに!!」

 

朱乃

「…まるで、“それを見越している”かのような大群ですわ。」

 

リアスと朱乃は直ぐに宙を舞い、再び戦闘員に攻撃を仕掛ける。

 

そしてダブルと牙狼は、闇の神に仕える邪悪な天使、二体のロードを相手にしていた。

 

ダブル

「ハアッ!デエイッ!オリャアッ!」

 

スネークロード

「シャァッ!」

 

ダブルとスネークロードは、お互いのロッドから火花が散る程の凄まじい攻防が繰り広げられている!

 

牙狼

「ハッ!!ふんッ!!」

 

ジャッカルロード

「グルルッ!!」

 

牙狼とジャッカルロードも剣と大鎌を交差させ、火花が散っていた。

 

ジャッカルロード

「ガウッ!」

 

するとジャッカルロードは、埒があかないと考えたか、凄まじいスピードで走り出す!

牙狼

「ッ!なんて速さだ!」

 

ザルバ

『鋼賀、落ち着け。

動きに惑わされるな、音を聞き取れ。

お前さんなら、問題無いだろう?』

 

牙狼

「ふッ、愚問だな、ザルバ。

俺を誰だと思っている。」

 

ザルバ

『そうだったな、鋼賀!』

 

牙狼=鋼賀は、ザルバの助言に耳を傾け、ガロフェイスの中で目を瞑り、精神を研ぎ澄ませる。

その微動だにしなくなった姿勢を見たジャッカルロードは好機と判断し、大鎌を振るいながら牙狼に飛び出した!

 

牙狼

「…ッ!そこかぁッ!!」

 

バキィッ!!

ジャッカルロード

「グガアァッ!?」

 

常人に聞こえる事は無い僅かな音を聞き取り、位置を割り出した牙狼は、振り向きざまにストレートパンチを繰り出し、ジャッカルロードに命中させた!

 

ザルバ

『流石だぜ鋼賀!

ドンピシャじゃねぇか!』

 

牙狼

「このまま続ける!」

 

牙狼はそのままジャッカルロードを追撃する。

 

スネークロード

「シャァッ!」

 

ダブル

「ちぃッ!?

この野郎!突風を吹かせやがって!?

まどろっこしいッ!」

 

一方のダブルも、スネークロードと戦闘中だが、予測不能と言ってもいいスネークロードの突風攻撃に参っていた。

ダブル

「こうなったら賭けてみるか?来いッ!“ファング”ッ!」

 

Fメモリ

『ギャアアオオッ!!』

 

ダブルは戦況を打開すべく、賭けとしてF(ファング)メモリを呼び出した!

そして、今までどこに居たのか?

ダブルの声に反応して、野獣のような鳴き声と共に恐竜のような小型のロボットに見えるFメモリが現れ、ダブルの手に収まる!

 

ダブル

「力を借りるぞファング!」

 

ファングメモリ

『ガオッ!』

 

ダブルはファングメモリを畳むように変形させ、尻尾となる後部を回転させてメモリを出現させる。

 

スネークロード

「シャァッ!」

 

ダブル

「ッ!?危ねえッ!!」

 

だがその一連の動作を、スネークロードが見逃す筈も無く、不意打ちを仕掛けてきた!

ギリギリ避けたダブルはMメモリとCメモリを直ぐに抜き、Jメモリを取り出し、ドライバーに挿す。

 

ダブル

「ファングのお出ましだ!

見せてやるぜロード、今の俺の“全力”をよッ!!」

 

『ファングッ!』

 

ダブルは左手に持ったFメモリを右のスロットに挿すと同時に開き、ファングの胴体を、ドライバーに被せるように引き倒す。

 

『ファングッ!ジョーカーッ!』

 

するとまるでファングメモリは、恐竜の顔に成り、“メモリを食っている”かのような印象になった。

 

そしてダブルは、目つきが鋭く、右側が白、左側が黒の、身体能力ならばどのフォームの追随を許さない強力な形態、

『ファングジョーカー(FJ)』

にチェンジした!

 

スネークロード

「クシャァッ!?」

 

ダブル

「さてと…悪徳天使さんよ、地獄の底まで…俺と“相乗り”しろやッ!」

 

FJにチェンジしたダブルは、猛々しい獣の如き構えで向かって行く!

 

ダブル

「ふんッ!ウォッ!ワァッ!」

 

スネークロード

「グワギャッ!?」

 

ダブルの凄まじい猛攻にスネークロードは一気に形勢を逆転された。

 

ダブル

「へッ!先ずは“コイツ”を受けてみろ!」

 

そしてダブルは、顔となったFメモリの先端である角を一回叩く。

 

“アームファングッ!”

 

ダブル

「ふんッ!」

 

するとその音声と共に、右手首から白い刃、“アームファング”が姿を現す!

 

ダブル

「ウォラァッ!!」

 

スネークロード

「グシャァッ!?」

 

其処からは、明らかに一方的に殴りつつ切り裂きまくる!

まるでヤクザの如くに!

更にFJは戦闘力がどのフォームよりも高いため、破壊力抜群のパンチがスネークロードに炸裂しまくる!

ダブル

「ふんッ!!ダァリャァッ!!ウォリャァッ!!」

 

スネークロード

「グワギャッ!?」

 

最後の一撃を受けたスネークロードは見事にぶっ飛ばされた!

そして…ダブルには幸運を、ロード達には不幸を与えた。

 

それは…、

 

ジャッカルロード

「グガアァッ!?」

 

スネークロード

「グワギャッ!?」

 

なんと!?

牙狼と交戦中のジャッカルロードの上にのしかかる形でぶっ飛ばされたのだ!

 

牙狼

「ッ、涼太郎!」

 

ダブル

「おう鋼賀!

邪魔したか?」

 

牙狼

「いや、逆に良いタイミングだった!」

 

ダブル

「そりゃあ何よりで!」

 

ダブルと牙狼がお互いを確認しあうが、ロード達はと言うと…?

 

ジャッカルロード

「ガウッ!!ガウガウガウッ!!」

 

スネークロード

「シャァッ!?シャウシャウ!!」

 

…揉めていた…。

なんとも言い難い光景である。

 

ザルバ

『おい鋼賀、涼太郎、奴らが揉めているぞ?』

 

牙狼

「なんとも言えないな。」

 

ダブル

「だが寧ろチャンスだ、一気に奴らを畳み掛けよう!

俺が奴らを怯ませる。

鋼賀はその間に準備しといてくれ!」

 

牙狼

「承知。

直ぐ片づけてケンイチを援護しなければ、取り返しがつかなくなる!」

 

ダブル

「だな、良し行くぜ!」

 

その間にダブルと牙狼は、ロード達を仕留めるため行動に出る!

そしてダブルは再びファングの角を叩くが、今度は二回叩いた。

 

“ショルダーファングッ!”

 

すると手首に装着していた刃が今度は右肩に現れた!

そしてその刃を手に取る。

 

ダブル

「コッチを見ろや!

ロード共!食らえ!

ファングブーメランッ!」

次に刃を、文字通りブーメランのように投擲する!

コレがショルダーファングの特徴である!

 

ロード達

『ッ!?グワギャッ!?』

 

鋭いブーメランとなった刃は、ロード達の至る所を切り裂きまくる!

 

牙狼

「ハア…、ふんッ!!」

 

そして牙狼は、牙狼剣に炎を灯し、それを地面に突き刺す!

 

すると地面から緑の炎を纏った“鳳凰”が出現した!

 

そして牙狼は、その背中に飛び乗り、ロード達に突撃する!

 

牙狼

「凰牙烈空(おうがれっくう)ッ!!

つアァァァァァァッ!!」

 

ロード達

『グギャアァッ!?』

 

牙狼の放った凰牙烈空は、ロード達に命中し燃え盛る!

 

ダブル

「ラストはコレで決まりだ!」

 

そこにダブルが、ファングの角を三回叩く!

 

“ファングッ!マキシマムドライブッ!!”

 

ダブル

「行くぜ!ハアッ!!」

 

それはマキシマムドライブの発動であった!

マキシマムを発動したダブルの右足首に刃が現れ、ダブルは大ジャンプからライダーキックの構えを取りつつ、身体全体を逆時計周りに高速回転させる!

それはもう目が回るんじゃないかと言わんばかりの速度で!

 

ダブル

「ファングストライザァァァァァァァッ!!!」

 

ロード達

『ガアァァァァッ!?』

 

未だに牙狼の攻撃で燃えているロード達に、駄目押しのFJが放つ必殺技、ファングストライザーが炸裂した!

 

そしてダブルが着地した後、ロード達は一瞬動かなくなり、上半身と下半身がズレて消滅した!

 

牙狼

「良し!片付いた!」

 

ダブル

「なら急ごうぜ!

ケンイチが危ねえッ!!」

 

ダブルと牙狼がロード達を撃破し、ウルトラマンの援護に向かうために駆け出す!

 

一方、雪菜達も一気に決めるために動き出す!

 

「このままでは埒があかない!

雪菜!美琴!

我々の大技を奴らにお見舞いするぞ!」

 

美琴

「オーライ、翼!

いっちょ、

“超電磁砲(レールガン)”

をぶちかましてやろうじゃないさ!!」

 

雪菜

「解りました!

もう私だって、お兄ちゃんに護られる弱い妹じゃ…無いんです!」

 

最強の兄を持つ妹たちもまた、群がる戦闘員を殲滅するため、個々の持つ大技を放つ準備に取り掛かる!

 

雪菜

「リアス先輩!皆さん!

少しの間だけ援護をお願いします!」

 

リアス

「どうすると言うの?」

「我々が大技を放ちます!」

 

美琴

「いっちょ大きなモノを撃ちますから!」

 

雪菜

「ですから、フォローをお願いします!

時間も有りません!」

 

リアス

「解ったわ。

朱乃!行くわよ!」

 

朱乃

「了解、部長!

雷よ!ハアッ!」

 

リアス

「イッセー!祐斗!小猫!アーシアの傍から絶対離れないで!」

 

イッセー達

『はい!部長!』

 

雪菜達の提案を承諾したリアスは朱乃と一緒に、戦闘員を牽制する!

 

美琴

「んじゃ、見せてやろうっと!

生身で、人間がぶっ放す“超電磁砲(レールガン)”を!!」

 

「先ずは、私からいく!」

 

美琴はコインを手に構え、翼は脚部のバーニアを噴かせ、宙を舞う!

 

「私は決して…仲間を失うものか!!

テヤァァッ!!」

 

『千ノ落涙』

 

宙を舞う翼は、大剣となったアームドギアを戦闘員の群れに投擲し、直ぐに千ノ落涙を放つ!

 

そして千ノ落涙は、アームドギアを素通りし、戦闘員に突き刺さる!

 

更に直後にアームドギアは、更に巨大化した!

 

「私は…暗闇を切り裂く刃になろう!

ハアッ!!」

其処に翼は、恐らくケンイチと涼太郎が見ていれば間違いなく突っ込むであろう、ウルトラマンと仮面ライダー顔負けの急降下キックを繰り出して、アームドギアを蹴り押す!

 

「ハアァァァァァァッ!!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

『天ノ逆鱗』

 

戦闘員の群れに突撃していく巨大な翼とアームドギアは、戦闘員の群れの中心の地面にアームドギアをぶっ刺した!

その凄まじい余波が、戦闘員の群れを襲い、爆風によって吹き飛ばされていく!

更に!!

 

美琴

「アタシらをナメんじゃないわよ!

いっけぇぇぇぇッ!!」

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

美琴が翼の天ノ逆鱗で倒しきれなかった戦闘員に向かって、必殺武器、“超電磁砲(レールガン)”を、遂にぶっ放す!

この一撃で翼と合わせて、大半の戦闘員を殲滅した!

そして駄目押しの!

 

雪菜

「私は…光の戦士、ウルトラマンパワードの妹…光の剣巫、櫂雪菜!

地球と人類を愛した無敵のウルトラマンの妹として…此処から先は、“私の闘い(ケンカ)”ですッ!」

 

雪霞狼を構えた雪菜が、呪術、魔術、仙術を自らに注ぎ込み、瞳の色が青く変化した!

 

雪菜

「覚悟は出来ましたね…?

乱れ無双…、

“雪霞繚乱”ッ!!

ハアァァァァァァッ!!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?イーッ!?』

 

そして己を身体強化した後、木場にも負けない超スピードで戦闘員に迫り、凄まじい剣戟による乱れ切りを繰り出しては、一気に貫く!

 

イッセー

「マジかよ…とんでもなく強すぎでしょ!?」

 

イッセーの言うとおり、わらわら群がっていた戦闘員の群れが完全に消えた!

 

リアス

「コレが…人間の底力なのかしら?」

 

コレにはもう開いた口が塞がらない。

 

美琴

「ふぅ、やっと片付いたね。」

 

「よし、ケンイチさんの援護に…」

 

戦闘員の殲滅を確認後、ウルトラマンの援護に向かおうとしたその時!!

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

ウルトラマンが近くまで吹き飛ばされてきた!?

 

雪菜

「ッ!?お兄ちゃん!?」

 

ウルトラマン

「ゲアァッ!?」

 

ウルトラマンは如何にもボロボロだというのがよく解るぐらい、フラフラになりながらも立ち上がる。

が…、

 

ウルトラマン

「フレェッ!?」

 

やはり膝を着いてしまった!

 

そしてウルトラマンに迫る8体の怪獣達!

 

 

ヤプール

「フッフッフッ、哀れだな、“異界”のウルトラマンパワード。

貴様に取って、この冥界やこの世界に生きる人外の生命体は、“護るに値する”のか?」

 

ウルトラマン

「…どういう、意味だ?ヤプール!」

 

突如ヤプールはウルトラマンに、この世界の人外は護るに値するのかと聞いてきた。

 

ヤプール

「言葉の通りだ、ウルトラマンパワード。

この世界の悪魔共を始めとする天使共や堕天使共は、貴様がかつて救ってやった命であり、人間への忠告をしたのにも関わらず、3つの種族は人間に頼らねば滅びると言うのに、その頼っている者共は人間を見下し、あまつさえ自分達の都合の良いように管理するという愚行を行っているのだぞ。

現に貴様を慕う龍の力を持つ小僧と、その小僧を愛する小娘は、本来人間として生きられた筈だ。

だが、堕天使共は自分達の都合でその小僧と小娘を殺した。

更にその死んだ小僧と小娘の持つ人間の身に余る力欲しさに、同じ悪魔に転成させて戦力に加える悪魔共。

そして何よりも人間を家畜同然に考えている天使共。

明らかに貴様の想いは届いていないぞ。」

 

ヤプールはまるで全てを見ていたかのような言い方していたが、そんな種族事情は、ウルトラマン=ケンイチは始めっから理解していた。

 

-世界は直ぐには変わらないと。-

 

だが、もう一つわかっている事があった。

ウルトラマン

「…確かに、テメェの言うとおりかもな、ヤプール。」

 

ヤプール

「ほぉ…、

否定しないのか?

ウルトラマンパワード?

貴様の愛した人間が、言いように玩具にされているのだぞ?

最終的には、自分勝手に“はぐれ”にしておいては処分する、我と似たようなものだぞ。

貴様はそれを蔑ろにする気か?」

 

そんな言葉を投げられたが、ウルトラマンはこう言った。

 

ウルトラマン

「だがなヤプール、その行いも含めて、直ぐには無理でも、いつの日か過ちを正せる日が来ることを、俺は信じている!

それに少なくともリアスは、堕天使に殺されたイッセーとアーシアを転生させた理由は、戦力なんて二の次だ!

理不尽に殺されたからこそ、その奪われた命を助けてやったんだ!

テメェのような、真の残虐な本物の悪魔と一緒にするんじゃねえッ!!」

 

リアス

「ケンイチ…」

 

この、ヤプールとウルトラマンの会話は、しっかりと周囲の付近に居る者達にも聞こえていた。

特にリアスは、驚きと嬉しさの二つが身体を駆け巡っていた。

彼が其処まで、自分や悪魔を想ってくれていた事に。

 

ウルトラマン

「だから…俺は、テメェに屈する訳にはいかねえ!」

 

ヤプール

「そうか…やはり貴様も、“ウルトラ兄弟”と同じだな。

故に…何も護れん!!

レッドキング!」

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!!」

 

ウルトラマン=ケンイチの心が、ウルトラ兄弟と同じお人好しであると解ったヤプールは、レッドキングに“ある場所”を攻撃させた。

それは…避難中の悪魔市民にであった!!

 

ウルトラマン

「ッ!?させるかァッ!!」

 

即座に気づいたウルトラマンは、身体に鞭を打ち、駆け出す!

 

『うわぁぁぁぁぁッ!?』

 

レッドキングが吐き出す岩石爆弾が迫り、悪魔市民は恐怖に駆られ、腰を抜かして顔を背ける。

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

しかし、割って入ったウルトラマンが悪魔市民の盾になった!

 

ヤプール

「…意地でも、その下等生物共を護るか?

ウルトラマンパワードよ。

ならばレッドキングよ!

そのまま攻撃していろ。

バラバ共よ、奴の仲間の“ネズミ共”を、捻り潰せ!」

 

ウルトラマン

「なッ!?何ッ!?ガアァッ!?」

 

するとヤプールはそれを待っていたかのように、バラバ達で雪菜達とリアス達に攻撃を仕掛けた!

 

イッセー

「ヤバッ!?

部長!?逃げましょう!?」

 

リアス

「無理よ!間に合わないわ!!」

 

ウルトラマン

「止めろォォォォォッ!!」

 

怪獣達

『ガアオォッ!!!』

 

ダブル

「ヤッベ!?皆から離れすぎた!」

 

牙狼

「マズい!」

 

怪獣達が個々の飛び道具を放とうとした…その時!!

 

ピカーンッ!!

 

雪菜

「ッ、え?“ゴモちゃん”!?」

 

なんと、兄から預かったバトルナイザーが輝いた!

そして其処から、一筋の光が飛び出し、バラバ達を纏めて吹き飛ばした!!

 

怪獣達

『グオォンッ!?』

 

そしてその輝きが大きくなるにつれて…、巨大な“恐竜”型の“怪獣”が、ウルトラマンに負けないド派手な着地をしながら姿を現した!

 

それは、雪菜達は勿論、リアス達、特にイッセーには、その怪獣には見覚えがあった。

何故ならその怪獣は、イッセーの修行相手になってくれた、頼もしい怪獣であったのだ!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

イッセー

「ご、“ゴモラ”!?」

 

そう、“古代怪獣ゴモラ”である!

 

ヤプール

「なぬッ!?何故此処にゴモラが居る!?」

 

ヤプールは予期せぬ乱入者に動揺した!

更に!!

 

ピカーンッ!ピカーンッ!

 

雪菜

「え?

“リトちゃん”?

“エレちゃん”?

“ミクちゃん”?

“ウィンちゃん”?

“アギちゃん”?

“ガーちゃん”まで?」

 

なんとバトルナイザーから更に二体の怪獣、

“原始怪鳥リトラ(S)”

“宇宙怪獣エレキング”、

カプセル怪獣と怪獣ボールから、

“E(エレキ)ミクラス”、

“F(ファイヤー)ウィンダム”、

“アギラ(story0版)、

“セブンガー”

が立て続けに出現した!

 

そしてミクラスは、レッドキングを吹き飛ばして、ウルトラマンを救出した!

 

ウルトラマン

「ッ!ゴモラ!

それにお前ら!」

 

驚くウルトラマンだが、無理もない。

本来、ウルトラマン=ケンイチの指示によって出現する怪獣達なのだ。

 

なのに何故、総動員で出現したのか?

 

雪菜

「ゴモちゃん?

どうして?」

 

ゴモラ

「キシャァッ!」

 

雪菜がゴモラに問いかけたら、ゴモラは鳴き声を上げた。

 

そして、その疑問に答えたのは…、

 

ダブル

「簡単だぜ雪菜。

ゴモラ達は、ケンイチの正義の心に触発されたんだ。」

 

牙狼

「ああ、やはり適わないな。

彼奴の正義の心は、ゴモラ達にも火を灯すのだからな。」

 

ザルバ

『コイツは俺様も驚きだ。

正に彼奴は可能性の塊だぜ!』

 

雪菜

「ッ、涼太郎先輩!鋼賀先輩!」

 

美琴

「兄さん!無事だったんだね!」

 

ダブル

「おいおい美琴、さも死んだみたいな言い方すんなや。」

 

「お兄さま!

ご無事で何よりです!」

 

牙狼

「すまないな。」

 

雪菜

「それより先輩!

ゴモちゃん達がお兄ちゃんの正義の心に触発されたのは、本当なんですか!」

 

ダブル

「コレが証拠だ。」

 

ダブルと牙狼が雪菜達の側にやってきて、ダブルがウルトラマンから託されたメモリーディスプレイを見せると、其処には“文字”があった。

『オイラ達も戦うぜ!旦那一人に負担を背負わせるもんか!!行くぜ!皆!(ゴモラ)』

 

メモリーディスプレイの翻訳機能で表示されたゴモラの声であった。

 

リアス

「あの怪獣達が、ケンイチの為に立ち上がったの?」

 

ダブル

「ああ!

もう心配はいらねえ!

ゴモラ達!

ケンイチを頼んだぞ!」

 

[BGM:英雄の詩]

 

ゴモラ達

『グオォンッ!!』

 

ダブルの願いに応えるかのように、ゴモラ達は各々咆哮を上げる!

因みにセブンガーは、腕をガコンガコンと振るっている!

 

ウルトラマン

「ヘッ、助かるぜ、お前ら!

行くぞ!」

 

ゴモラ達と並び立ったウルトラマンは、ヤプールの刺客共に立ち向かった!

 

ゴモラ

「キシャァッ!」

 

ゴルザ

「グオォンッ!」

 

先ず、ゴモラとゴルザ、二体の古代怪獣バトルが勃発!

更に!!

 

アギラ

「ギャオギャオッ!」

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!」

 

アギラとレッドキングがぶつかり合う!

 

はたまた空中では!

 

リトラ

「キュエェェェッ!」

 

メルバ

「クエェェェッ!」

 

 

リトラとメルバが並々ならぬ空中飛行をしながらお互いに火炎弾と光弾を発射しては、相殺する!

 

ミクラス

「クワァァァァッ!」

 

ベムスター

「キュエェイッ!」

 

更に更に、ミクラスとベムスターがお互いにラリアットを繰り返しては、お互いに命中するが、両者共にタフな怪獣であり、まだまだピンピンしている!

 

エレキング

「キイィィィィンッ!!」

 

レイキュバス

「ギュゥゥッ!!」

 

此方も水中戦に特化した二体のスペースモンスター、エレキングとレイキュバスが、放電光線と火炎弾を相殺し合っている!

 

ウィンダム

「グワヮヮヮヮンッ!」

 

コッヴ

「ガァオォンッ!!」

 

そして此方、お互いにメカニカルな皮膚を持つウィンダムとコッヴが、己の得物(とウィンダムは片方が素手)で殴り合っていた!

 

セブンガー

「(ガコンッ、ガコンッ、ガコンッ、ガコンッ。)」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

一方此方は…ガンQが破壊光線やら何やらで攻撃しまくっているのに、セブンガーは全く怯まず突き進み、その剛腕でガンQを袋叩きにしまくる!

 

ウルトラマン

「(ピコン!ピコン!ピコン!)

フアイッ!」

 

バラバ

「ギイィィィィンッ!」

 

最後は、ゴモラ達の救援で再び熱き闘志を燃え上がらせて立ち上がった光の戦士ウルトラマンと、殺し屋超獣バラバが、ドッグファイト中である!

 

ゴモラ

「キシャァッ!!」

 

ゴルザ

「グオォンッ!?」

 

おっと!ゴモラが、迫力あるドロップキックをゴルザに炸裂させた!

だがゴルザも負けていない!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!!」

 

なんと!?自ら前転して大玉になり、ゴモラに突撃!!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!?」

 

流石に反応できず、ゴモラに直撃して火花が散った!

しかしゴモラも立ち上がる!

 

ゴモラ

「キシャァァァァッ!!!」

 

するとゴモラは、再び向かってくるゴルザに対し、なんと!?

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

怪獣にしては芸達者!

ジャンプしては一回転して、その要領で尻尾を振るい、ゴルザを叩きつけた!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!?」

 

今の一撃が応えたか!たまらず元に戻って座り込んだ!!

 

ゴモラ

「キシャァッ!」

 

そして着地したゴモラは距離を取る!

 

するとゴルザは、

額を紫に点灯させ、

破壊超音波を放った!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!!」

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

だがゴモラも負けじと、頭部の三日月角にエネルギーを集中させ、鼻の位置にある角から放つ超振動波で対抗した!

 

ヤプール

「ええいッ!ゴルザ!特別にマグマエネルギーを与えてやる!ゴモラを葬れ!」

 

と此処でヤプールが横槍を入れて、ゴルザに力を注入した!

するとゴルザは、忽ち身体の所々が赤く変化した強化体、

“ファイヤーゴルザ”

に変貌した!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!!」

 

パワーアップしたゴルザの破壊超音波は、紫からオレンジ色がかかった赤に変化した!

そしてゴルザがパワーアップしたことで、ゴモラの超振動波が押され始めた!

 

雪菜

「頑張って!ゴモちゃん!」

 

その光景を見た雪菜が、声援を送る!

すると、ゴモラがその声援を受けた事で力が漲ったのか、様子が変わった!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

突如ゴモラの身体が“青く輝き”、体色が文字通り薄い青色に姿を変えたのだ!

 

雪菜

「ゴモちゃんが変わった!?」

 

美琴

「あ、“青いゴモラ”!?」

 

「これはいったい?」

 

雪菜達が驚きを露わにしているが、ダブルが牙狼が推測した。

 

ダブル

「鋼賀!さっきのゴモラの変化…あの“レイオニックバースト”に似ていなかったか?」

 

牙狼

「ああ、俺もそう思った。

青い…レイオニックバースト…。」

 

ダブル

「いや、本来の持ち主のケンイチがウルトラマンだからさしずめ、レイオニックバーストならぬ、

“ウルティメイトバースト”

と言った所か。」

 

ダブルと牙狼がそのように推測する。

 

そして更に、ゴモラの放つ超振動波は、赤色光線に加えて青い螺旋が混じり、威力もまして、ゴルザの強化型破壊超音波を押し返した!

ゴルザ

「グオオオオンッ!?」

 

そしてゴルザの頭部に直撃し、頭から爆散していった!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

ゴモラはコレを見て、勝利の咆哮を上げる。

今…ゴモラとゴルザ、この二体による古代怪獣バトルは…ゴモラに軍配が上がった!

 

アギラ

「ギャオギャオッ!」

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!」

 

さて此方は、アギラとレッドキングがお互いに殴り合っている!

 

アギラ

「ギャオッ!」

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

おっと!アギラがレッドキングにアッパーをぶちかました!

レッドキング

「キィハァァァァッ!!」

 

アギラ

「グウウンッ!?」

 

しかしレッドキングは耐え抜き、頭突きでアギラを攻撃!!

コレにはアギラも流石に頭を抑えながら後ずさって怯んだ!

しかし此処でレッドキングに悲劇が!?

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!」

 

レッドキングが破壊した建物から大きな瓦礫を持ち上げて、アギラにぶん投げようとしたその時!!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

なんとセブンガーにボコボコにされていたガンQが飛ばされてきて、レッドキングの尻尾の上にのしかかる形で倒れ、踏んづけた!

 

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

余りの痛みに、思わず瓦礫を放り投げたレッドキング!

更に悲劇は続く!

 

その放り投げられた瓦礫は宙を舞い…レッドキングの足の指に、ダイレクトアタック!!

 

ガッチィィィィィィンッ!!!!!!!!!!!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

見事に足の指を挟んだレッドキングは、まるで人間が足の指を痛めた時と、全く同じくように、

足の指を抱えてピョンピョン飛び跳ねる!

更に不幸は未だに続く!

 

グキッ!!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

先程落とした瓦礫を間違って蹴ってしまい、更に鈍い音が鳴り、痛がっている!

そしてガンQは、その文字通り巨大な目に砂やら石やらが入ったか、もがきながら起き上がれないでいた。

その間に合流するアギラとセブンガー。

そしてアギラはセブンガーに頭を下げる。

正に、『ありがとう』と言っているように。

 

そしてアギラとセブンガーは、レッドキングとガンQに突撃する!

 

今度はセブンガーがレッドキングに殴りかかった!

 

セブンガー

「ガコンッ!ガコンッ!」

 

ゲシッ!ゲシッ!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

セブンガーの剛腕が左右からレッドキングをぶん殴り、そのレッドキングは…頭上にガッツ星人と思しき可愛らしい雛鳥がピヨピヨと飛んでいた。

 

アギラ

「ギャオッ!ギャオッ!」

 

ドカッ!バキッ!デシッ!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

アギラに無理やり起こされたガンQも、アギラが放つ容赦のパンチ攻撃が、ガンQの目にぶち込まれる!

そして倒れ込んだガンQの足を掴み、勢いよく放り投げた!

そしてその投げた先は…!

 

ドガンッ!!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

またもやレッドキング、しかも今度は頭部に直撃!!

コレは痛い!

ガンQはそのままレッドキングを押し倒したが、レッドキングは怒りを露わにし、なんと!?

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!!(怒)」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

レッドキングがガンQに襲いかかった!

恐るべきレッドキングの腕力が、ガンQを殴りつける!

アギラとセブンガーそっちのけで、

殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!蹴る!殴る!殴る!

と延々と怒りをぶつけていた!

最早ガンQはとばっちり以外の何ものでもなかった。

が!?またまたレッドキングに更なる不幸が舞い降りる!

 

メルバ

「クエェェェッ!?」

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

なんと空中戦闘中のメルバが落下し、レッドキングとガンQの上にののしかかった!

そしてアギラとセブンガーの近くには、

 

リトラ

「キュエェェッ!!」

 

メルバと戦い、勝利したリトラが舞い降りて、嬉しそうにアギラとセブンガーの周囲を飛んでいる!

なんとリトラ、メルバとの空中戦を制したのだ!

正にデカけりゃ良いってもんじゃねえ!

 

そして、更に怒りを爆発させたレッドキング。

今度はメルバに殴りかかり、ボコボコに殴る!

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!!」

 

ブチブチブチブチ!!

 

メルバ

「クエェェェッ!?」

 

アーッと!?レッドキング!

怒りのあまりメルバの羽をもぎ取った!?

コレではメルバ、丘の上の河童!

または、牙をもがれたライオンであります!

しかしこの暴れん坊のレッドキングに遂に天罰が下った!

 

メルバ

「クエェェェッ!!」

 

ズバッ!!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

なんとメルバが己の鎌状の爪で、レッドキングの喉元を一発で切り裂いた!

そしてそのレッドキングは様子がおかしくなった!

先程まで威勢がよかったレッドキングが微動だにしなくなり…前のめりに倒れたのだ!?

 

レッドキング

「…………………」

 

レッドキングは今の一撃で絶命したのだった…。

暴れん坊のレッドキングと呼ばれたコイツがこうもあっさりと…。

 

だが、メルバは油断していた。

 

リトラ

「キュエェェッ!!」

ドガンッ!!

 

メルバ

「クエェェェッ!?」

 

突如メルバの頭部に爆発が起こり、そのメルバの頭部が無くなっていた!

その後、何事も無かったかのように、メルバの死骸は倒れ込んだ!

この謎の正体は…なんとリトラがパワーアップした、ファイヤーリトラとなって放ったファイヤーストライクであった!

 

イッセー

「す、すげぇッ!!

ゴモラは勿論だけど、他の皆も超強えッ!!」

 

ゴモラ達の戦闘を観ていたイッセー達は、驚かざるをえない!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

だが一方でガンQは最早残念であった。

またもやアギラにボコボコに殴られ続けていた!

 

リトラ

「キュエェェッ!!」

 

とそこへ、リトラがまたもやファイヤーリトラとなり、ガンQ目掛けてファイヤーストライクを放った!

 

アギラ

「ギャオギャオッ!!」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

するとアギラはそれに合わせて、ガンQを掴み、ファイヤーストライク目掛けてブン投げた!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

流石のガンQも、巨大な目による吸収が間に合わず、ファイヤーストライクの直撃を受けて、大爆発をおこして敗れた!

ミクラス

「クワァァァッ!」

 

ベムスター

「キュエェイッ!!」

 

さて此方は、ブサイクな顔に似合わない怪力を持つ水牛型の怪獣・ミクラスと、可愛い見た目からは想像出来ない凶悪な暴食と戦闘力を持つ鳥型の怪獣・ベムスターがドッグファイト中である!!

 

ミクラス

「クワァァァッ!」

 

ベムスター

「キュエッ!?」

 

おっと!

ミクラスがベムスターに優勢だぞ!

果敢にベムスターにパンチを繰り出すミクラス!

更にベムスターへ、角による攻撃!

 

ベムスター

「キュエェイ!」

 

ミクラス

「グワワワ!?」

 

おっと、此処でベムスターが反撃した!

翼状の腕でビンタ!ビンタ!ビンタ!と連続で攻撃からの、肘打ちタックル!

この攻撃に、ミクラスはかなり吹き飛ばされたが、ミクラスとて簡単にやられるタマではない!

勇敢に戦っている仲間や、罪無き者を守る為に戦っているご主人の力になるために、再び闘志を燃え上がらせて、立ち上がる!

 

ベムスター

「キュエェイ!」

 

さあ此処でベムスターは、ミクラスに向かって頭部の角から放つベムスタービームを放った!

 

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

だがミクラスはそれを、走りながら横に飛んで避ける!

ベムスターは追撃しながらビームを放つが、怪獣とは思えない身軽なステップで左右に飛びながら避けつつ、ベムスターに迫るミクラス!

 

そして!!

 

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

ベムスター

「キュエェェッ!?」

 

突撃しながら己の角をベムスターに向け、突き刺した!!

そしてそのままベムスターを持ち上げて!

 

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

ベムスター

「キュエェェッ!?」

 

エレキミクラスの名の通り、凄まじい電撃を放つ!!

ベムスターは、ミクラスの角から直接伝わって来る凄まじい電撃をモロに受けて、絶命した!

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

そしてミクラスは、絶命したベムスターを放り投げて、勝利の雄叫びを上げた!

 

一方此方は…、

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

レイキュバス

「ギュゥゥゥッ!!」

 

水陸両用の“宇宙怪獣”と“宇宙海獣”の戦闘が勃発中である!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

おっと!

エレキングが驚く事に、アクロバティックに動いてみせた!

レイキュバスに向かって走りながら側転してからの“力道山チョップ”を放つ!!

 

レイキュバス

「ギャウッ!?」

 

思わぬ行動からのチョップ攻撃を受けたレイキュバス。

更に其処から、相撲宜しくの如く、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張りからの猫パンチ!

この連続攻撃は、レイキュバスにかなりダメージを与えた!

だがレイキュバスも反撃だ!

 

レイキュバス

「ギュゥゥゥッ!!」

 

エレキング

「ギィィンッ!?」

 

右腕の巨大な鋏を大振りして、エレキングを殴った!

コレにはエレキングも頭を抱えて痛がる!

だがエレキングも痛みに耐えきった!

 

エレキング

「キィィィィィン!!」

 

レイキュバス

「ギャウッ!?」

 

負けじとエレキングは、己の尻尾をレイキュバスに巻き付かせた!

そして!!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!

 

レイキュバス

「ギャババババババッ!?」

 

必殺の感電攻撃、

“エレキングコレダー”

を発動!!

かの有名な電気ウナギや電気ネズミが放つ威力よりも強烈な“千万ボルト”の電撃がレイキュバスを襲った!

凄まじい電撃がレイキュバスの全身を駆け巡る!

だがそんなダメージを受けつつも、レイキュバスは、火炎弾で反撃する!

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

だがエレキングも、口に電撃エネルギーを溜め、

“電撃光線・ボルテックビーム”

を放って、火炎弾を撃ち消し、更にそのままレイキュバスに追加攻撃!

 

レイキュバス

「ギャババババババッ!?」

 

エレキングコレダーとボルテックビームの二重電撃攻撃に、レイキュバスは動かなくなって絶命した!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

レイキュバスが動かなくなったのを確認したエレキングは、勝利の咆哮を上げた!

 

ウインダム

「クワァァァッ!!」

 

コッヴ

「ガァオォンッ!!」

 

さて此方はウインダムとコッヴの殴り合いである!!

 

ウインダムは、左腕のファイヤーショットでぶん殴り、右腕の素手でぶん殴ったりと、交互に攻撃する!

一方コッヴも攻撃をくらいつつも鎌状の両腕で殴る!

 

コッヴ

「ガァオォンッ!!」

 

ウインダム

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

おっとコッヴ!!

両腕の鎌状の手でウインダムを掴み、ウインダムを投げた!

その投げられたウインダムは、建物の上にのしかかり、破壊しながら倒れ込んだ!

 

ヤプール

「良いではないか、コッヴよ!

お前にもゴルザと同様に力をやろう。」

 

その光景を見ていたヤプールは、コッヴに邪悪な力を流し込んだ!

 

コッヴ

「ガァァァァァッ!?」

 

すると、ヤプールに力を流し込まれたコッヴに異変が起こった!

コッヴは所々が変化し、更に一回りも巨大化したパワーアップ形態の、

『超(スーパー)コッヴ』

へと変貌した!!

 

ウインダム

「クワァァァッ!」

 

だがウインダムは臆することなく直ぐに立ち上がり、左腕のファイヤーショットを構えて、火炎弾を撃ち込む!

 

超コッヴ

「ガァァァァァッ!」

 

対して超コッヴも両腕を前に組み合わせ、その後に額から

“フラッシュコッヴショット”

を放ち、火炎弾を相殺する!

更に相殺しつつ、火炎弾を押し返し、ウインダムに直撃する!

 

ウインダム

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

フラッシュコッヴショットが命中し、ウインダムの体から火花が散る!

ウインダム大ピンチ!!

とその時!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

レイキュバスとの戦いから勝利をもぎ取ったエレキングが放電光線を放ち、超コッヴに直撃した!!

 

超コッヴ

「ギャウッ!?」

 

 

更に立て続けに!

 

ミクラス

「グワァァァァァ!!」

 

ミクラスが体当たりを超コッヴに放ち、ダウンさせた!!

 

そしてウインダムに駆け寄るミクラスとエレキング。

そんなウインダムは、しっかり立ち上がり、ウインダム達は頷き合う!

そして超コッヴは立ち上がり、再びスーパーコッヴショットを放とうとするが!?

 

ミクラス

「グワァァァァァ!!」

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

ミクラスが超コッヴを捕まえて感電させ、其処にエレキングを放電光線を撃ち込む!

 

超コッヴ

「ギャババババババッ!?」

二重の感電攻撃に超コッヴは、大ダメージを受け、極めつけはウインダムが決める!

 

ウインダム

「クワァァァッ!」

 

ウルトラマン

「ッ!?

オイ!ウインダム!!

お前何処で覚えたんだ!?

その

“ウルトラギロチン”!?」

 

ウインダムは両腕を前に重ねて、次に斜めに傾けて腕を交差するように開きながら、スライドさせた!

 

すると、ウルトラマンもびっくり!?

なんと、ウインダムが

“ウルトラギロチン”

を放ったではないか!!

 

真っ直ぐ超コッヴに飛んで行くウルトラギロチン…いやさしずめ、

“ウインダムギロチン”

と言った所か?

そのウインダムギロチンは超コッヴに向かって行き、

 

超コッヴ

「ギャァァァオッ!?」

 

超コッヴは、見事に首をぶった切られた!

ゴロンッ!

と、頭部は地面に落下して、胴体の腕はだらんと垂れて、体は前のめりに倒れた!

 

ウインダム

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」

 

ミクラス

「グワァァァァァッ!!」

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

そしてミクラス、ウインダム、エレキングは、勝利の雄叫びを上げた!

 

イッセー

「やったぁッ!!

ゴモラ達が勝ちましたよ!部長!」

 

リアス

「ええ!後は…、頑張って、ケンイチ!」

 

朱乃

「ケンイチ君、どうか負けないで下さい!」

 

ゴモラ達がゴルザ達に勝利した事により、残るは超獣バラバとウルトラマンだけである!!

故にリアスと朱乃は、ケンイチが無事に帰ってくる事を祈っている。

 

「…まさか押し付けられたコイツが役に立つとはな。」

 

とダブルは言うと、ケンイチから預かったメモリーディスプレイを操作する。

そして転送画面で“あるもの”を転送する。

 

ダブル

「“リボルギャリー”、転送っと。」

 

するとダブルの近くに、ダブルの顔を模した巨大な大型特殊装甲車、

“リボルギャリー”

が転送された!

 

祐斗

「ッ!!涼太郎先輩!それは?」

 

小猫

「車…?」

 

リボルギャリーに気付いた木場と小猫がダブルに聞いた。

 

ダブル

「コイツは、

“リボルギャリー”。

ハードボイルダーの後輪を換装する事が出来る上に、装甲車の名の通り頑丈だ。」

 

そう言いつつ、リボルギャリーに近づき、リボルギャリーのダブルの顔部分が展開され、中にハードボイルダーとその後ろに、リボルバーのように準備された2つの後輪が有った。

ダブルはハードボイルダーに跨がり、

 

ダブル

「よし、“ガンナー”で彼奴を援護しに行くか!!」

 

ハードボイルダーの後輪を換装し、大砲を装備した、戦車の如き砲撃形態、

“ハードガンナー”

になり、発進した!

 

ダブル

「ちょっくらコイツでケンイチを援護してくるわ!」

 

美琴

「兄さん!先輩を頼んだよ!」

 

 

牙狼

「しまった!

涼太郎に先を越された!

翼、俺もケンイチの援護に行ってくる!」

 

「はい!お兄さま!

我々は、奴らの再来に備えて待機します!」

 

雪菜

「涼太郎先輩!鋼賀先輩!

お兄ちゃんをお願いします!!」

 

ウルトラマンの援護に出撃しようとするダブルと牙狼に、雪菜は兄の事を頼んだ。

 

ダブル

「当然だ雪菜!

なんたって、ケンイチは…!」

 

牙狼

「ああ!俺達の、掛け替えのない“心友”だ。

彼奴が居なければ、今の俺達が無いと言っても過言じゃない!」

 

ダブル

「応さ!」

 

その言葉を雪菜に伝えて、ダブルはハードガンナーにアクセルを掛け、牙狼は脳内で鷹をイメージして宙を舞い、光に包まれて

“翼人・牙狼”

となり、空を飛行して向かった!

 

そしてウルトラマンは!!

 

ウルトラマン

「(ピコン!ピコン!ピコン!)

フアイッ!」

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

カラータイマーが点滅していようがお構い無しに、超獣バラバを相手に果敢に立ち向かう!

ウルトラマンは飛び蹴りを放ち、すぐさまバラバに掴み掛かり、膝蹴りから首にチョップと腹部に連続パンチを繰り出す!

だがバラバも負けじと、両腕でウルトラマンの首を掴み、ブン投げる!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

投げられたウルトラマンだが直ぐに立ち上がり、バラバに組み掛かるが再びバラバに投げられる!

 

ウルトラマン

「(くッ!?

流石は超獣、並の怪獣とは訳が違うぜ。

流石にこのままじゃじり貧だ。

なんとか気をそらせねえと勝機は無ぇぞ…?)」

 

どうにかしてバラバを攻略しようとするウルトラマンだが!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?」

 

バラバが右腕の鎖付き鉄球から鎖を射出し、ウルトラマンの右手に巻き付いて縛る!

 

ウルトラマン

「ヘアッ!?」

 

バラバ

「ギィヤッハッハッハッハッ!!」

 

ウルトラマンは必死に巻き付いた鎖を解こうしているがなかなか解けない!!

更に其れをあざ笑うかのようにバラバは左腕の鎌でジリジリと手繰り寄せる!

そしてもう確実に至近距離の攻撃が命中する距離まで手繰り寄せられた!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「フウレッ!?ゲアァッ!?」

 

バラバは引き寄せたウルトラマンに鎌を振るい、トドメを刺そうとする!

だがウルトラマン抵抗し、鎌を避けて、左手でバラバの左腕を抑える!

しかしコレでは状況は不利であることに変わらない!

ウルトラマン、大ピンチだ!!

 

とその時!?

 

ゴモラ

「キシャァァァオンッ!!」

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

ウルトラマン

「シュワッ!?

フアイッ!!」

 

なんとゴモラが乱入!!

ゴモラテールを放ち、バラバを吹き飛ばして、ウルトラマンの窮地を救った!

 

ウルトラマン

「ゴモラ…悪いな、助かった。」

 

ゴモラ

「キシャァァァオン。」

 

ウルトラマンがゴモラに礼を言うと、

 

牙狼

「立ち上がれケンイチッ!!

 

ダブル

「ヘコたれんなウルトラマン!!」

 

ウルトラマン

「ッ!」

 

ウルトラマンの近く飛んで来た牙狼と、ハードガンナーに乗って来たダブルが、ウルトラマンに激を送った!

ダブル

「この宇宙をヤプールから護る気があんなら、お前のバカみたいな熱血と、バカみたいなド根性で押し返してやれよ、“ケンイチ”ッ!!」

牙狼

「お前の決して諦めることをしない姿勢と、絶望を希望に変える奇跡を、この世界でも示してくれ、“ウルトラマン”ッ!」

 

しかしまあ激励の送り方がどうにもめちゃくちゃな気が…。

 

ウルトラマン

「…言ってくれるぜ、涼太郎ッ!!鋼賀ッ!!

やってやろうじゃねぇか!!」

 

まさかの、またまた闘志が燃え上がった!?

正に“熱血バカ”だ…。

 

(BGM:光の戦士-THE ULTIMATE HERO-)

ウルトラマン

「ダラァァァァァッ!!」

 

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

ウルトラマンのダイナミックなラリアットがバラバに見事と炸裂した!!

 

ウルトラマン

「シャッ!」

 

バラバ

「ギャウッ!?」

 

更にのしかかり、交互にチョップからの交互にパンチを繰り出し、そのまま尻尾へ移動して持ち、

 

ウルトラマン

「フアヤァァァァッ!!」

 

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

豪快に持ち上げて、背負い投げの要領でバラバを地面に叩きつけた!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

だがバラバも負けじと起き上がり、頭部に付いている剣を、ウルトラマンに射出した!

 

だが、ウルトラマンは冷静に!

 

ウルトラマン

「シャッ!シュワッ!!」

 

白刃取りで受け止め、バラバに投げ返した!

 

ドザシュッ!!

 

バラバ

「ギャウッ!?」

 

見事にバラバの胴体に突き刺さった!

そしてバラバは、足取りが覚束ない!

そして知らぬ間に、ウルトラマンに背中を向けてしまった!

コレがバラバの運の尽きだ!

 

さぁ!行くぞ!

“空から迫る大超獣!!”

 

ウルトラマン

「ダラァァァァァッ!!」

 

ドガンッ!!

 

バラバの後頭部に向かって、ウルトラマンが流星キックを放った!

 

バラバ

「ッ!?ギャババババババッ!?」

 

するとなんと!?

バラバは目玉が飛び出し、混乱状態に陥って辺り駆け巡る!

今だウルトラマン!

“正義のヒーロー”

 

ウルトラマン

「フアヤッ!!」

 

ウルトラマンは距離を詰め、バラバの左腕の鎌を上に勢いよく払いのけた!

すると鎌がすっぽりと抜けた!

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

そしてウルトラマンは大ジャンプして、宙を舞っている鎌を手に取り、

 

ウルトラマン

「フアヤッ!!」

 

空中からバラバの背中に向けて鎌を投げつけた!

 

ドザシュッ!!

 

バラバ

「ッ!?ギィィィヤァァァッ!?」

 

己の武器が、己に突き刺さったバラバは、最早風前の灯火!

 

ウルトラマン

「今だ!行くぜ!

涼太郎ッ!鋼賀ッ!ゴモラッ!」

 

ダブル

「応よ!くらえッ!!」

 

牙狼

「承知!

ツアァァァァァッ!!」

 

ウルトラマンは好機と見て、ダブルと牙狼、ゴモラに指示を出し、ダブルはハードガンナーの大砲から惜しみなく砲弾を放ちまくってバラバに命中させていき、牙狼はバラバの頭部に着地し、バラバに連続斬りを放つ!

ゴモラ

「キシャァァァオンッ!!」

 

そしてゴモラは三日月角にエネルギーを溜め、バラバに突撃し、鼻の角を突き刺した!

 

それと並行して、ウルトラマンは目が赤くなり、右腕は合掌するような構えを取り、左腕は斜め下に構えて、ほんの少しだけ上に動かす動作を行う!

 

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

ゴモラ

「キシャァァァオンッ!!」

 

一方ゴモラは、バラバに対し、必殺技である“超振動波”を撃ち込む“ゼロシュート”を放った!

 

ウルトラマン

「…!シュワァッ!!」

 

そしてその後方で、ウルトラマンは両腕を十字に組み、スペシウムエネルギーと光エネルギーをスパークさせて、

"メガ・スペシウム光線"

を放った!

 

しかしこのままでは、ゴモラも巻き添えになってしまう!

 

しかしゴモラは、主人の意思を読み取ったか?

 

ゴモラ

「キシャァァァッ!!」

 

なんと直撃直前でゴモラは後転してバラバから離れた!

故にメガ・スペシウム光線は、バラバに直撃した!

 

バラバ

「ギャババババババッ!?」

 

当のバラバは、最初にゴモラから受けた

“超振動波(ゼロシュート)”

に加えて、

ウルトラマンの

"メガ・スペシウム光線"

の連携技、

“超振動スペシウム光線”

の直撃を受けたのだ!

 

この攻撃に耐えきれる訳も無く、大爆発を起こして、跡形も無く消え去った!

 

ダブル

「いヨッシャァァァッ!!」

 

牙狼

「よし!やったッ!!」

 

リアス、朱乃

『やったァッ!!』

 

イッセー

「やったぞぉ!

先輩が勝ったッ!!」

 

祐斗

「よし!!」

 

アーシア

「はい!やりました!!」

 

小猫

「凄いです…、あの状況から…、不可能を覆すなんて…!」

 

「コレこそが、最後まで諦めず、不可能を可能にする…それがウルトラマン。

ウルトラの奇跡そのものだ!!」

 

雪菜、美琴

『バンザァァァァイッ!!』

 

最後に残ったバラバが消滅したのを見て、ダブル、牙狼、雪菜達、リアス達は歓喜を表した!

 

『オオッ…』

 

ルシファード領の悪魔市民は、ヤプールの刺客達を撃破した、ウルトラマンと、彼の使役するゴモラ達を見て、感謝と同時に何か言いようもない恐怖心も持ち、複雑な気持ちとなったのだ。

 

ウルトラマン

「…ふう…アリガトな、ゴモラ達。

ゆっくり休んでくれ。」

 

ゴモラ達

『ガァオォッ!!』

 

ウルトラマンが労いの言葉を贈り、ゴモラ達は光になって雪菜が持っているバトルナイザーとカプセル怪獣、怪獣ボールに収まっていった。

 

雪菜

「お疲れ様です!

ゴモちゃん!皆さん!」

 

ウルトラマン

「ヤプールッ!!

テメェの刺客は撃破したぞ!

後はテメェだけだ!!」

 

ウルトラマンは最後の力を振り絞り、ヤプールに立ち向かうべく、異次元空間に飛び込もうとするが…?

 

ヤプール

「…フハッハッハッハ、コレで“終わった”と思うのか?

ウルトラマンパワード?」

 

ウルトラマン

「何ッ!?

どういう意味だ!!」

 

ヤプールは、意味深な事を言ったのだ。

 

ヤプール

「教えてやろう、

最初は貴様を葬ればそれで良かったが…本命は、貴様がバラバ共を“倒す”事にあったのだ!

貴様を確実に倒し、この世界を絶望に叩き落とす為にな!」

 

ウルトラマン

「何だとッ!?」

 

なんと、全てはヤプールの思惑通りに事が進んでいたのだ!

そしてヤプールは、左手を突き出して、“有るもの”を見せた!

それは…“紅いリング”であった!

 

ダブル

「ッ!あれは?」

 

牙狼

「“ダークリング”か!?」

 

ダークリング…それはこの世で、

“一番邪悪な心を持つ者が手に出来る”、

悪しき力の権化であった!

 

ウルトラマン

「何故テメェがダークリングを!?」

 

元々転生者であるウルトラマン=ケンイチや涼太郎達は、ダークリングの存在を知っていたのだ。

何故なら…彼らは、

“ウルトラマンが50周年を迎える直前で命を落とした”

為、ウルトラマンオーブや変身アイテム、対を成す力等の前情報をある程度知っていたため、ダークリングの事知っていたが、ダークリングの

“真の能力(ちから)”

までは知らないのだ。

 

ヤプール

「簡単だ。

我が邪悪だからだ。

故にこうする為だ!」

 

ヤプールがそう言うと、ダークリングを持つ左手を上に掲げた!

 

ヤプール

「蘇れ…光に敗れし数多の怪獣達の怨念よ、一つの肉体に成りて、ウルトラマンを抹殺せよッ!!」

そう叫ぶヤプール。

すると、ウルトラマンとゴモラ達に倒されたバラバ達の怨念と、予め用意していた怪獣や超獣の怨念が現れて集い、

“カード”に成って、一枚ずつダークリングにスキャンされていく!

 

ダークリング

『レッドキング!

バラバ!

シーゴラス!

ベムスター!

ハンザギラン!

キングクラブ!

イカルス星人!

超合体ッ!!

“タイラント”ッ!!』

 

最初にスキャンされた七枚のカードを合わせると…恐るべき凶悪無比の合体獣、

“暴君怪獣タイラント”

が、両腕を合わせて火花を散らせ、咆哮を上げながら姿を現した!

 

タイラント

「グギャァァァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「なん…だとッ!?

“タイラント”だとッ!?」

 

恐るべきタイラントの出現に、ウルトラマンだけじゃなく、ダブルと牙狼、雪菜達とリアス達も驚きを隠せない!

更に!?

 

ヤプール

「タイラントだけではない!!」

 

再びヤプールは、残り五枚のカードをダークリングにスキャンする!

 

ダークリング

『ファイヤーゴルザ!

メルバ!

レイキュバス!

ガンQ!

超コッヴ!

超合体ッ!!

ファイブキングッ!!』

 

新たにスキャンされた五枚から、タイラントに匹敵する恐るべき合体怪獣、

“超合体怪獣ファイブキング”

が、悪魔の如く翼を広げて、地面に降り立ち、咆哮を上げながら現れた!

ファイブキング

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「マジかよ…ファイブキングまでかよ…!?(こりゃマジで死ぬぞ…)」

 

只でさえ限界を通り越して戦い抜いたウルトラマンだが、その矢先に、明らかに先程の怪獣達よりも別格で凶悪な怪獣達である!!

最早…彼は、真に限界だった!

だがヤプールは、コレだけに終わらない!

 

ヤプール

「それとネズミ共は、暇を持て余すだろう?

“コイツ”と遊んでいるが良い。」

 

そうヤプールが言うと、リアス達と雪菜達の近くで雷が落下した!

 

リアス

「な、何!?」

警戒するリアス達と雪菜達と、戻って来たダブルと牙狼。

 

そして煙が晴れて、一体の“飛蝗怪人”が姿を現した!

 

だがその飛蝗怪人に、ダブルと牙狼、雪菜達は戦慄した!!

 

何故なら、その飛蝗怪人を知っていたのだ。

腹部にコアを持ち、キメラの如く恐ろしい顔をしていたのだ!

 

牙狼

「なん…だとッ!?

あれは、まさか!?」

 

ダブル

「やべえ、ケンイチも最悪で、こっちも最悪だ!

“ネオ生命体・ドラス”ッ!?」

 

そう…それは恐るべき悪魔の実験によって生み出された、

急速進化と驚異的再生能力を持つ“最強にして最悪”、そして“最凶にして凶悪”の怪物、

“ネオ生命体・ドラス”

であった!

 

ドラス

「…ねぇ“パパ”、あの“お兄ちゃん達”と“お姉ちゃん達”、食べて良いの?」

 

ヤプール

「ああ、好きなだけ食え。

お前の思うがままにな。」

 

ドラス

「わぁ~い…ありがとう、“パパ”。

それじゃあ…“頂きま~す”!」

 

ヤプールから行動を許可されたドラスは、ダブル達に迫り来る!!

 

イッセー

「や、やべえ!?

足が竦んで動けない!?」

 

リアス

「なんて恐ろしい怪物なの!?

冥界の魔獣達が可愛く見えちゃうじゃないのよ!?」

 

リアス達はドラスに恐怖し、身動きがとれなくなってしまった!

 

ダブル

「クッソッ!!

やるっきゃねぇ!

鋼賀、行けるか!?」

 

牙狼

「…こうなれば、あの世だろうと、地獄だろうと相乗りしてやるぞ、涼太郎!」

 

ダブル

「へッ!有り難い話だ!

必ず生きようぜ!

俺達は、“死ぬ訳には”いかないんだ!」

“アームファングッ!”

 

牙狼

「ああ!行くぞ!」

 

ザルバ

『嫌いじゃないぜ、お前さん等の覚悟!

俺様も付き合ってやるぜ!』

 

だがダブルと牙狼は、アームファングと牙狼剣を構えて気を奮い立たせ、怪物・ドラスに立ち向かった!

一方のウルトラマンも、死ぬ覚悟で、タイラントとファイブキングに向き合う!

 

ウルトラマン

「俺は、死ぬ訳にはいかないッ!

必ず、2体の暴君を倒してみせる!!

フアヤッ!!」

 

ウルトラマンがタイラントとファイブキングに向かって行った!!

 

ヤプール

「フッフッフッ、愚かな事を…。

最早貴様は長くは戦え無いはずだ、ウルトラマンパワード。

貴様さえ居なければ、この世界の制圧など軽いモノだ。

最後の挨拶だ。

さらば!ウルトラマン!!」

 

果たしてウルトラマン達は、ヤプールの侵略から冥界と人間界、そして地球と宇宙を守れるのか!?

 

一方…ルシファード領のとある街角の路地裏に、二人の人間が居た。

 

片方は白を基調とした制服を着ている、

“高校一年生の少年”であり、もう片方は、ラフな服装に身を包んだ、

“大学生と思しき青年”であった。

しかし彼等は、

“この次元”

の人間ではない。

時空を越えてやってきたのだ。

 

青年

「君もあの“ロリっ子”に呼ばれて来たのかい?」

 

少年

「はい、貴方も同じなんですか?」

 

青年

「うん、その“ロリっ子”に、

『その世界のウルトラマンが、闇に倒されてしまう。

力を貸して欲しい!

“ウルトラマンティガ”!』

っていう風に頼まれてね。」

 

少年

「同じですね。

俺もそう言われました。

只その時に、初めて俺のウルトラマンとしての名前を知りましたよ。

今まで気にしてなかったんですけど、

“ネクサス”って言うんですね、俺がウルトラマンに変身した時の名前って。」

 

青年

「しかし君が“デュナミスト”だったなんてね、多分一番若いかもね。」

 

少年

「そうですか?」

 

青年

「まあとりあえず、積もる話も有るだろうけど…今の優先事項は、ウルトラマンパワードを助けることだよ。

共に戦ってくれるね?」

 

少年

「無論です、そのために来たんですから。

この世界の希望を絶やさないために!」

 

なんと、この2人は“ウルトラマン”であった!

そして2人はそう会話して、懐から

“変身アイテム”

を取り出す!

青年の方は

“クリアーなスティック”、

少年の方は

“赤石とエメラルドのコアが埋め込まれ、鞘に収まった短刀のスティック”

を手にする。

 

青年

「そういえば、名前聞いてなかったね。

僕は“五代マドカ”って言うんだ。」

 

少年

「俺は、“櫻井一樹”って言います。

行きましょう、マドカさん。」

 

マドカ

「うん、行こう…一樹君!」

 

一樹

「はい!」

 

2人は決意を固め、

各々変身アイテムを振るう!

 

マドカは右手に持ったスティック、

“スパークレンス”

を前に突き出し、左腕を後ろにした感じで、腕を十字に組み、正面から見たら時計廻り、マドカから見たら逆時計廻りの要領で右腕を下から移動しながら、スパークレンスを天に突き出し、翼状の部分展開する!

一方一樹も、右手に持ったスティック、

“エボルトラスター”

を一度見て、

鞘を左手に持ち、抜刀するように引き抜き、エボルトラスターが輝く。

そしてもう一度収める感じで体を屈めて、再び一気に振り上げる!

 

そして2人は…輝く正義の光に身を包まれながら、気合いの一声を上げた!!

 

マドカ

「ティガァァァァッ!!」

 

一樹

「オオオオオッ!!」

 

二つの輝きから、2人の勇者が現れた!

 

片方は、超古代の時代に現れ、

闇に立ち向かった古の光の戦士、

“ウルトラマンティガ”!

 

そしてもう片方は、数多の適能者に受け継がれ、失われた輝きを取り戻す、

“守護神”が弱体化して正体を隠した絆の光の戦士、

“ウルトラマンネクサス”!

 

今、“超時空大決戦”が、幕を開けた!

 

つづくッ!!

 




次回予告
(ザルバナレーション)
BGM:牙狼~SAVIOR IN THE DARK~(ラストサビ)

おいおい、こりゃマジでヤバいぞぉ!?
このままじゃ、世界が危ないぜ!?

んッ!?

おいあれは、ウルトラマンか!?

それに何だ彼奴等は!?

鋼賀達の仲間だって!?

益々カオスだな!!

次回、『光の仲間』!

ウオォッ!?
アツい!!アツいぜぇッ!!

※サブタイトルの答えですが、パワード最終章の物です!

一つは、
『パワード暗殺計画』、
そしてもう一つは、
『さらば!ウルトラマン』
ですが、
初代ウルトラマンと間違えた方、貴方は“にせウルトラファン”だッ!!

何時の間にか、この作品のお気に入り登録が、55になってた…。
この駄文をお気に入り登録してくれた方々、ありがとう御座います!!

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