第十三話 対空戦 後編
前編のあらすじ
青木と猪狩は初めてマザーシップを目の当たりにし、驚きを隠しきれなかった。そこで、
前田は、戦闘記録班班長の早送 進に6年前の
戦闘映像を引っ張り出してきてもらい、
青木と猪狩はその映像を基にマザーシップの弱点と立ち回り方を覚えていた。
青木はその映像で不可解なことを見つけた。
ストームチームにはもう一人隊員がいた。
そいつは鈴村といって6年前の戦いで殉職したらしい…とその矢先にブレインの部下を捕まえ、聞き出した情報はなんとその鈴村は生きているということ、しかも敵側として!
これからの戦いはどうなるのか? 鈴村は生きてるのか?(読者は知ってると思いますが。)
前田は、鈴村の安否が気になってしょうがなくなっていた。そこに、
「大変です!またマザーシップが襲来してきました。現在レンジャーチームを先鋒として送り込んでいますが、至急援護必要となります。すぐに向かって下さい!」とレンジャーチームの隊員が情報を伝えに来た。
「場所はどこだ?急ぎなら準備しながら聞く。」と前田が言った。
レンジャーチームの隊員が「はい。」と頷くと、詳細な情報を話し始めた。
「場所は永代橋近辺で、進むスピードは前回と変わらず遅いです。今からいけばちょうど間に合うかと思われます。」と話した。
「なぜ、橋ばかりを狙うんだ?しかも隅田川
流域?なにかあるのか?」と轟が言った。
前田がなにかピンと来ていた。
「もし、健一が生きてるなら、そこを狙うのもわかる。それは…」
まだ前田と鈴村が若手だった頃、
「巨大生物って不死身なのか?倒しても倒してもまた沸いてくるし、この先どうなるのかなぁ?なぁ健一!」と前田が言った。
その時きれいな花火が流麗なダンスのように
儚く散っていた。
「俺はな、この綺麗な花火を毎年見られるようになるまで立ち向かうつもりだ! アリだろうがなんだろうがこの景色を守るためならな! 玉屋ーー!」と鈴村がなんだか楽しそうに話した。
そんな顔を隣で見ていた前田も自然と笑みがこぼれるのであった。
「あいつは隅田川の花火大会が大好きだった。 だから、あいつがいなくなってから今度は俺があいつが守りたかった花火を、あの景色を守らなきゃと思っていたのに、あの時俺が見捨てなきゃ、あいつが敵側の味方なんかする筈がなかったんだ!」と前田が哀愁漂う感じで話した。
「前田、あれは仕方ないことだろ! みんな鈴村を救いたかった。でも、あの状況じゃ誰も行けなかったよ、もう自分を責めるな。」とEDF本部長が言った。
いろんな思いが交錯する今回の戦い、一体どうような展開が待っているのであろうか。
永代橋に着いたストームチームは先についていたレンジャーチームと合流し、戦いを始めた。 今回の敵も新型ドローンがメインだったので、 作戦通り、佐々木メインで、まず遠距離からレンジャーチームのゴリアスD2で、新型ドローンの敵数を減らして、佐々木のイズナーや、サンダースナイパーで新型ドローンを蹴散らしていく。 続く第二波の新型ドローンも作戦通りに進めていく。
前田はヘリを要請し、後方からマザーシップにダメージを与えようとするが、勿論ヘリに搭載されてる武器では、撃つだけ無駄であった。
「前田、無駄な攻撃はやめろ!弾の無駄だ!」と本部から無線が飛ぶ。
「健一!いるんだろ!一言謝らせてくれ!
あの時は本当にすまなかった。 俺のことを許さなくていい。だから、お前が好きだった
この景色を自ら無くそうとするなよ!」と本部の命令に耳も貸さず、前田が拡声器を使って呼びかけた。
すると、
「今更遅いんだよ。 もう俺はあの時から変わったんだ! 俺は闇に身を落とした。自らな!
邦広、俺はお前を殺したくはないんだ。でも邪魔するというなら、容赦はしない!行くぞ!」と鈴村が答えた。
前田の気持ちは複雑だった。
生きていて嬉しかった。でも戦わなきゃいけない。 だけど今の健一は全くの別人だ。昔とは違う。なんせ今の前田は、EDFストームチームの隊長の前田邦広なのだから。
決心は……ついた。
「健一、お前が守りたかったものしっかり守らせてもらうぜ!全員ジェノサイド砲に向かって攻撃開始!」といつもの前田が戻って来た。
そして一斉にジェノサイド砲に向かって攻撃を開始する。
「おい!ジェノサイド砲の装填はまだか!」と鈴村が怒号を飛ばす。
「こちらEDF本部、巡航ミサイルの準備が整いました。いつでもOKです。」連絡がはいる。
「こちら前田、了解した。10秒後発射でお願いします。」と前田がいった。
「鈴村様、あと20秒で発射できます!」とブレインの部下が言う。
この10秒の差が運命を分けた。
巡航ミサイルがジェノサイド砲に向かって一直線に飛んでいく。
「ジェノサイド砲出力100%!発… 」と言いかけた時にはもう遅かった。
「鈴村様!ジェノサイド砲に多大な損傷を受けた模様!発射できません! 」と焦りながら部下が言った。
「巡航ミサイルジェノサイド砲に命中!多大な損傷を与えました!」と一報が入ると、
EDF勢は湧き上がった。
そして、相手方は尻尾を巻いて逃げていった。
「邦広、この借りは必ず返す!」と悔しがりながら思っていた。
「健一、生きていてよかった。 俺は昔のお前を必ず取り戻す!あの時のようにまた花火見ような。」と遠くに消えていく球体に向かって言った。
親友同士の戦いは前田の勝利で幕を閉じた。
いや、まだまだこの戦いは続くのであろう。
いつか、手を取り合うまで。
第十三話 対空戦 後編 完
次回 第十四話 魔の降る日 お楽しみに!