綿月豊姫として生きるONE PIECE 作:なんてことだ……
影の終わり
「……あ」
影がしまったというように声を漏らす。影は、ゆっくりと膝とおぼしき部分を折り、床に手をつく。がっくりと
「しまったああああぁぁぁぁ……!!」
影は
ミスを犯した“神”は、自分の存在をもってそのミスを無かったことにしなくてはならないのだ。そして、影はまさに自分の存在でそのミスを消そうとしている。
その証拠に、だんだんと影が薄くなり、足から消えていく。影が完璧に消えたとき、影が犯したミスは無くなっているのだろう。
「……………消えたく無いなぁ」
ポツリと呟いた何気無いその言葉。それに反応するかのように影のまわりに複雑で怪奇な紋様が現れる。それは白く発光し、影がその光を浴びるとそこから存在が無くなっていく。しかしその存在はミスを無かったことにするために使われるのではなく、影が呟いた言葉を叶えようとするために働いているようだった。
「なっ!ちょ、なによこれ…!?」
影は紋様の働きを止めようと身を
「あっ…ぅ……くそ!」
悪態をつくも現状は何ら変わらない。それどころか、ますます悪化していく一方だった。影は何とかしようとするもその方法がわからない。わかったとしても、実行に移すことはできないだろう。
「こんな……ことでっ…!!!」
紋様の光が強くなっていく。このままでは影は“神”としての義務を果たすどころかさらにしてはいけないことをすることになる。それだけは嫌だった。
影は“神”としての仕事に誇りを持っている。それだけに、責任を逃れようとする自分の言葉に激しい怒りを覚え、同時に情けなくもあった。
「このまま、じゃ……!…っ」
影が仕方がない、というように、
絶対に頼りたくない、同じ“神”でありライバルであり、影より遥かに多くの力を持つ対の名を。
「【■■■■■】っ!」
影の視界は柔らかいオレンジ色の光に包まれた。その色は、影のよく知る対の色で。
最後に影は、姿を戻し、ふんわりと泣きそうな笑みを浮かべていた―――……。
ありがとうございました。