連載していきたいと思います。
亀更新ですがまったりしていきたいです。
七時、起床時間を告げるベルがベットの上から鳴り響く。
大声で喚く目覚まし時計を黙らせると僕はカーテンを大きく開けて、レースカーテンから覗く光彩を網膜で感じ取る。
しかし起きたばかりの目には厳しく、瞼を細める。
僕は服を着替え、同じ部屋の相方を起こす、彼女はもぞもぞしたと思えば僕の手を跳ね退けてもう一度枕に顔を埋めた。
いい加減に起きないと遅刻してしまう僕は彼女をほっといて食パンをオーブンに突っ込む。
すると彼女は少し白く細い腕を僕の足に絡めた。
「おーい、鏡花さん?七時半過ぎですよ。」
そうしゃがみこんで言った僕の顔をいきなり起き上がり見つめる。
きょとんとしているが。
首を傾げる。まるで子猫。
するとやっちまったと言うような顔をする。
「大丈夫、今日は日曜だよ。」
すると眠たげな声で彼女は目を擦りながら呟く。
「いじわる」
それからせかせかと彼女もピンクギンガムのパジャマを脱ぎ、ワンピースを着こなし二人がけのダイニングに腰掛ける。
パンの焼ける香ばしい香りが部屋を包む。
僕はオーブンを開け、角が焦げた食パン二枚を大判の皿に乗せバターと蜂蜜をかける。
その間彼女はキャビネットからコーヒーを取りだしポタポタドリップし始めた。
コーヒーがドリップしきると彼女はフィルターを殻を取ってから三角コーナーに折り畳んで捨てた。
いただきますと二人が小さく声を発してパンを取る。
プレートにはサラダが山盛りに盛ってある。レタスは芯が残っていたが噛みきった。
ドレッシングはかかっていないので味気ない。
彼女は口を開いた。
「ねぇ、冬希?」
僕は焦げ目を千切って口に入れ「んー?」と返事する。
彼女はコーヒーを啜り一息ついて話始める。
「冬希は大学どうすんのさ、私たちもうそろそろ出なきゃいけないんだよ?」
この話題は再三してきている、しかし結論は出ていない。
春夏冬養育所。
ここは簡単に言えば孤児院。高校生までの生活施設。
しかし、先生は月曜に来るだけで基本的にアパートとかわりない。
家賃四万の1K。古い木造アパートだが網戸の据え付けが悪い以外には不自由していない。
だがこのおんぼろからは今年で住めなくなる。なぜなら、来年は取り壊されてしまうからだ。理由は二つ。老朽化による維持費の倍増。もう一つは僕ら二人しか入居者がいないからだ。
そう春夏冬町は海辺の小さな集落で人口は二千足らず。
小中高が公立でほぼエスカレーターで、産業は漁業と塩作り。
そんな町の小さな二人の活動記録。