俺の名前は大穂翔(かける)。
特に何の取り柄もなく普通の高校生活を満喫していた。
バイトをするわけでもなく、部活をするわけでもない。
そんな俺も入学当初は少しモテていたらしい。
自慢ではないが、俺の顔はこの高校の中の上ぐらいで自分に自信のない女の子なら告白してくれる。
そんな顔だった。
しかし、俺の人気は入学1か月にして崩れ去った。
それは俺の趣味にあった。
俺の趣味、それは・・・・・
スクールアイドルという高校で行うアイドル活動を応援することだった。
俺が応援するユニットはμ'sというグループで俺の通う高校からすぐ近くにある音ノ木坂学院を拠点とするアイドルだ。
高坂穂乃果、南ことり、園田海未、星空凛、西木野真姫、小泉花陽、矢澤にこ、綾瀬絵里、東條希の9人で活動していて、なんでも音ノ木坂学院の廃校の危機を乗り越えるためにアイドルを始めたらしい。
俺は健気に頑張る彼女たちが応援したくなり、それを行った結果、オタクというキャラ付けをされてしまった。
まあμ'sを応援している俺にとってはあまり関係なかったが。
そんな中、俺は高校の理事長に呼び出された。
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「大穂くん。これはあなたが書いたものですか?」
そういって理事長が見せてきたのは俺が開設、運営をしているμ's応援サイトだった。
素直に答えるのは恥ずかしいが俺に突きつけるとは何かしらの証拠を持っているだろうから素直に答えることにした。
「はい。そのサイトは僕が作って更新しているものです。」
そう俺が言うと理事長は目を輝かせた。
「そうですか。やはりあなたなのですね。このサイトを運営しているのを気づいたのは音ノ木坂学院の理事長です。」
俺はいまだに話が掴めないでいると、
「折り入って相談なのですが、音ノ木坂に転校してμ'sのマネージャーをする気はありませんか?」
俺は即座にyesと答えようとしたが、1つの疑問が浮かんだのでそれを理事長に突きつける。
「待ってください理事長。まず音ノ木坂は女子高なので俺はいけないはずでは?」
「その点は大丈夫よ。この転校のはなしは音ノ木坂から持ってこられた話だもの。それでどうしますか。行きますか。」
俺は誘惑と理事長に押し負けついに音ノ木坂に行くこととなった。
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「よし、準備は万端っと。」
今日は俺の転校して初めての登校日だ。
さすがに女子高とあって通学路には女の子たちであふれかえっている。
すると、どこかの会話が聞こえた。
「今日の話、聞いたー?こんな時期に転校生が来るらしいよ。しかもその人は男の子でさらに2人もいるんだってよー。」
「えーほんとうに?音ノ木坂は女子高だよ。そんなことあるの?」
すでに俺の転校の話は伝わっているらしい。
ん?ちょっと待て。さっきの女の子は転校生は”2人”と言わなかったか?
まあいい。南理事長に聞けばわかることだ。
そう思い、俺はさっさと学校へ向かった。
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コンコン
「失礼します。」
俺は丁寧にノックしてから理事長室へと足を踏み入れた。
しかし、そこにはすでに先客がいた。
「南理事長。この度は音ノ木坂学院への転校をさせていただきありがとうございます。」
「いえいえ。あなたもせっかく頑張って勉強して受かって次は大学受験というときに急に転校の話を持ち掛けられて大変だったでしょう。」
「そんなことはありません。むしろありがたいぐらいです。」
「転校して来てくれてありがとう。歓迎します。ではさっそくで悪いけど3年生の教室へと向かってくれるかしら。もうすぐ担任がくるはずだから。」
「ありがとうございます。では失礼します。」
そういってその男は理事長室を出ていった。
俺は先客がいたことに驚いていたがそうもいられないのですぐに理事長へと話しかけようとしたが、理事長に先を取られた。
「あら。おはようございます。あなたもすぐにこちらへいらしてくれたのね。」
理事長にそんなことを言われたがそれに返事をするわけでもなく、挨拶をするわけでもなく、1番気になっていたことを理事長へとぶつけた。
「理事長。挨拶もせずにこんなことを聞くのは失礼だとは思いますがそれを承知で聞きます。あの人はいったいだれなんですか?」
「彼もあなたと同じ理由でここ、音ノ木坂へ転校してきたの。名前とかそういう個人情報みたいなのは放課後、本人に聞いてみたらいいと思うわ。」
それを聞いた俺は戸惑いを隠せないでいた。
μ'sの非公式応援サイトは自分しかやっていないと思っていたので驚きつつもやはり自分と同じような人に実際に会えたことで少し安心していた。
なんせもともといた高校ではスクールアイドルを応援しているというだけで周りから冷たい視線を浴びていたからだ。
「そうだったんですか。急に失礼しました。今更ではありますが、転校の要請ありがとうございます。この転校でもいろいろな特別待遇をしていただけるそうで。」
「まあ急に呼び出しをしている側としてはそのぐらいはしないと。転校は歓迎するわ。じゃあ早速1年生の教室に向かってちょうだい。」
「では、失礼します。」
俺は理事長に言われた通り、1年生の教室へと向かおうとした。
「あれ?教室どこだっけ?」
俺の高校生活は前途多難だ。