番外編「いつもと違うデッキ」
「ねぇ、たまには違うデッキでデュエルしてみない?」
「どうした明久、突拍子もなく?」
僕の何気ない一言に反応した雄二、いや僕も自分で何言ってるんだとは思うけど。
「んー、ただふと思ったんだけど、僕達っていつも同じデッキを使っているでしょ」
「まぁ、そうじゃのう。」
「それで皆、どんなデッキかってわかっているから大体それに対応しているでしょ」
「・・・・・・・・・たしかに」
「だからさ、たまには違うデッキを使ってみないかなっと思って」
「じゃあさ、折角だからみんなが作ったデッキをランダムで使ってみない」
と、雨宮さんの提案だ。うん、おもしろそうだね。見渡すとみんなも特に不満とかないようだ
「なら、いっそトーナメントにでもしてみてみないか。幸い明日は金曜日で土日は休みじゃしのぉ」
「よしじゃあ、明日の放課後、明久の家に集合だ。各自デッキを忘れるなよ」
雄二の締めで今日は解散した。
そして次の日、すでに僕の家に集まっているのは、放課後そのまま来た雄二、秀吉、
ムッツリーニ、少し遅れて美波と姫路さん。ヒロと雨宮さんはさっき電話で確認したら
もうすぐ来るそうだ。
「ヒロらが来たらもう一度説明するが、ルールの確認だ。形式はトーナメントの勝ち抜き戦でライフは通常通り8000で行う、使うデッキと対戦相手はクジで決める。
あとはまぁ別に難しいことではないが2つほど注意だ、1つ、負けたやつはいいが
自分の出番が来るまで別室にて待機、2つ、負けたやつは自分のデュエルの内容を話さない事。これだけは守ってくれ、何か質問はあるか」
と、雄二の質問に先に手を上げたのは姫路さんだ
「試合ごとのデッキの調整はしてもいいですか」
「折角作ったデッキなんだ、抜かれたりしたらそいつも気分はよくないだろ、
だからデッキ調整は無しだ。ただエクストラデッキに余裕があれば追加するのは認める。他は」
「雄二、さっきの言った2つの注意はどうして」
折角だからみんながどんなデュエルをするのか見てみたいんだけど
「それは、より臨場感を出すためだ。次の相手は誰でどんなデッキを使うのかわからない方が、おもしろそうだろ」
「なるほどね(ピンポーン)、っとヒロたちが来たみたいだ」
「こんにちわ~、アキ君おじゃましま~す」
僕が玄関に向かうとそこにいたのは、相変わらず元気そうな雨宮さんと・・・・・・って!
「・・・・・・明久君、おはよう」
「どうしたのヒロ、なんだか凄くやつれているんだけど、あと朝はとっくに過ぎているよ」
普段の2割増し元気な雨宮さんに対し、昨日から一睡もしてないってくらい眠たそうなヒロ。瞳から生気が乏しく見えるのは僕の気のせいであってほしい。
心配になって一夜でどうしてそんなになったか聞いてみると。
「実は、昨日ツユリちゃんと遅くまでやってて寝られなかったんだ」
「・・・・・・・・・夜遅くまでやって(ブシャアアアアアアァァァ!)」
居間からムッツリーニの鼻血の音と倒れる声が聞こえた。ムッツリーニ君の耳はどれだけ高性能(エロ限定)なんだ。
・・・・・・でもねムッツリーニ君の考えはおそらく間違いだ。
「それって、デッキ調整で遅くまでデュエルしてたってことだよね」
「・・・・・・そうだけど、それがどうかしたのアキ君?」
「?」
「いやなんでもないよ」
僕が何でそんなことを聞くのかわからないって顔をしているヒロと雨宮さん。
また居間のほうから「・・・・・・・・・ばかな」とムッツリーニの囁き声が聞こえた気がしたけど気にしない、
まったくムッツリーニったらすぐにそっちのほうを想像するんだから無駄死に・・・いや無駄鼻血だったね。
「それでヒロ、手応えのほうはどう」
「・・・・・・・・・明久君、それは聞かないで」
あれ、なんとなく聞いただけなんだけど、聞くとヒロの目がさっきよりも空ろに・・・僕、地雷踏んじゃったかな
「まぁ、上がってよ。もうみんな来てるし」
さていつまでも2人を玄関で立たせても申し訳ないので、僕は2人を家に上がらせた。
それにさすがに心配になってきた・・・・・・早く鼻血を拭かないとカーペットが染みになっちゃうし
『いや主よ、心配するのはご学友のほうだろう』
と、僕の隣にいる(実はずっといた)スターダストが何か言ったような
そうしてムッツリーニの止血と掃除も終えて、トーナメントが始まった。
そして2時間程がたった今は決勝戦、数々の強者をなぎ倒し決勝まで上り詰めたのは僕と雄二だった。
「まさか雄二が勝ち残るなんて意外だよ」
「それはこっちのセリフだ、明久」
「それは僕も驚いているよ、でさ雄二どうせならこのデュエル、負けたほうが罰ゲームを
受けるってことにしない?」
「なんだ、やけに自身があるみたいじゃないか、まぁいいぜ。じゃあさっそく」
「「デュエル!」」
【先行】吉井明久
LP/ 8000
【後行】坂本雄二
LP/ 8000
僕達はお互いのデッキをシャッフルし、デュエルディスクにセット、そしてデッキから5枚のカードを引いて手札を確認、そして驚愕した。雄二のほうも見ると雄二も僕と同じ顔をしている
((こっ、この手札は!))
そして僕は思った。おいおい最高じゃないか!
「いくよ僕のターン、僕は『手札抹殺』を発動。お互いの手札をすべて捨て、その分だけ
カードをドローする」
明久の捨てたカード
『ネクロ・ガードナー』
『ネクロ・ガードナー』
『ダンディ・ライオン』
『グローアップ・バルブ』
『黄泉ガエル』
「そして5枚ドロー、墓地に送られたダンディ・ライオンの効果で綿毛トークンを2体特殊召還」
雄二の捨てたカード
『聖なるバリア―ミラーフォースー』
『ブラック・ホール』
『大嵐』
『超古深海王シーラカンス』
『神の警告』
・・・・・・あれ?雄二の捨てたカード、ひどくない。だけど手加減なんかしないよ
それに今加わったカードを見て僕の勝利はより確信出来た
「僕は『高等儀式術』を発動、僕が召喚するのはレベル8の『仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー』このモンスターとレベルの合計が同じになるように僕のデッキから通常モンスターを墓地に送る。僕が送るのは、これだ!」
墓地に送るカード
『封印されし者の右腕』
『封印されし者の左腕』
『封印されし者の右足』
『封印されし者の左足』
『ワイト』
『ワイト』
『ワイト』
『ヘルバウンド』
「まさか!、明久お前のデッキは!」
ふっ、さすがに気づいたか雄二、でももう遅い
「現れよ仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー!そして仮面魔獣をコストに『馬の骨の対価』を発動、2枚ドローする。さらに『闇の量産工場』を2枚発動、墓地のエクゾディアパーツを4枚手札に加える。モンスターとカードをセットして僕のターンは終了だ」
吉井明久
LP/ 8000
手札:4枚
場:伏せモンスター1体
綿毛トークン DEF : 0×2体
「魔法・罠」:伏せ1枚
坂本雄二
LP/ 8000
場:なし
「魔法・罠」:なし
僕が今伏せたカードは『クリッター』これで雄二が攻撃すれば僕の手札に最後のエクゾディアがそろう、いや仮に攻撃しなくても攻撃力1000以上のモンスターを攻撃表示で召喚すれば僕のターンで自爆特攻すればいいしね。
仮にクリッターを対処しても、もう一枚は『聖なるバリアーミラーフォース』がある。さらに墓地には2体のネクロ・ガードナーに黄泉ガエルもいる。・・・完璧じゃないか
「俺のターン、ドロー。・・・・・・なぁ明久」
「なにかな雄二、言っておくけどサレンダー認めないよ」
「お前、ずいぶんと手札がいいようだがな、・・・・・・俺もなんだ」
えっ?、それっていったい
「俺は『死者蘇生』を発動する俺の墓地から『超古深海王シーラカンス』を特殊召還する」
『超古深海王シーラカンス』
効果モンスター
星7/水属性/魚族/攻2800/守2200
手札を1枚捨てる。
1ターンに1度だけ、デッキからレベル4以下の魚族モンスターを
可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは
攻撃宣言をする事ができず、効果は無効化される。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードが
魔法・罠・効果モンスターの効果の対象になった場合、
自分フィールド上の魚族モンスター1体を生け贄に捧げる事でその効果を無効にし破壊する。
「手札を一枚捨て、効果を発動する。俺が特殊召還するのは『竜宮の白タウナギ』2体とレインボー・フィッシュ2体」
『竜宮の白タウナギ』
チューナー(効果モンスター)
星4/水属性/魚族/攻1700/守1200
このカードをシンクロ素材とする場合、
他のシンクロ素材モンスターは全て魚族モンスターでなければならない。
『レインボー・フィッシュ』
通常モンスター
星4/水属性/魚族/攻1800/守 800
世にも珍しい七色の魚。捕まえるのはかなり難しい。
雄二のフィールドがあっという間に埋まってしまった
「そしてレベル4の白タウナギにレベル4のレインボー・フィッシュをチューニング!」
☆4 + ☆4 = ☆8
「深き大地に眠りし魔の竜が今、目を覚ます、天地を揺るがす絶対なる力をみよ
シンクロ召喚! 羽ばたけ、レッド・デーモンズ・ドラゴン」
「きたなレッド・デーモン、しかもまだチューナーと非チューナーがまさかもう一体!?」
「いや今回はこいつを使うレベル4の白タウナギとレベル4のレインボー・フィッシュを
オーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。
現れよ! 『ジェムナイト・パール』」
『ジェムナイト・パール』
エクシーズモンスター
ランク4/地属性/岩石族/攻2600/守1900
レベル4モンスター×2
「まだだ、儀式魔法『救世の儀式』を発動、レベル7のシーラカンスをリリースし『救世の美神ノースウェムコ』を儀式召喚する」
『救世の美神ノースウェムコ』
儀式・効果モンスター
星7/光属性/魔法使い族/攻2700/守1200
「救世の儀式」により降臨。
このカードが儀式召喚に成功した時、
このカードの儀式召喚に使用したモンスターの数まで、
このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードを選択して発動する。
選択したカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードはカードの効果では破壊されない。
「もういっちょ、1000のライフを払い、手札の『簡易融合』を発動、エクストラデッキから『水陸両用バグロス』を特殊召還」
坂本雄二 LP : 8000 → 7000
『簡易融合』
通常魔法
1000ライフポイントを払って発動する。
レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとして
エクストラデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃する事ができず、
エンドフェイズ時に破壊される。
「簡易融合」は1ターンに1枚しか発動できない。
『水陸両用バグロス』
融合モンスター
星5/水属性/水族/攻1850/守1300
「陸戦型 バグロス」+「海を守る戦士」
・・・・・・す、すごい、まさか1ターンで融合、儀式、シンクロ、エクシーズを
召喚するなんて
しかもどのモンスターもステータスが高い(バグロスは微妙だけど)。でも僕の伏せは
ミラーフォースなんだいくらモンスターを揃えても、いや、クリッターを破壊さえすれば
僕の勝ちは決まるんだ。恐れることなんて何もない!
「・・・・・・さぁ来い雄二!」
「おいおい、明久何を言っているんだ、俺はまだ俺のメインフェイズは終了してないぜ」
・・・・・・なん、だと
「このモンスターの召喚には儀式、融合、シンクロ、エクシーズモンスターを1体ずつ除外しないといけないんだ、だがその準備も出来ている。
俺のモンスターをすべて除外し光臨せよ。『創星神 sophia』!」
『創星神
星11/闇属性/天使族/攻3600/守3400
このカードは通常召喚できない。自分・相手フィールド上に表側表示で存在する、
儀式・融合・シンクロ・エクシーズモンスターをそれぞれ1体ずつゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。このカードの特殊召喚は無効化されない。
このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外のお互いの手札・フィールド上・
墓地のカードを全てゲームから除外する。
この効果の発動に対して魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
「さて、さっそくだがソピアの効果発動、召喚に成功したときこいつ以外のお互いもカードをすべて除外する。・・・・・・明久、お前の墓地も手札もすべてだ。」
・・・・・・・・・・・・ゑ?
僕がその効果に呆然としている間に、創星神から放たれた神秘的な光に、僕と雄二の手札と墓地のカードはまるで天に召されたかのように、すぅっと消えてしまった。
そして現在のフィールドはこうなっている
吉井明久
LP/ 8000
手札:0枚
場:なし
「魔法・罠」:なし
坂本雄二
LP/ 8000
手札 : 0枚
場:創星神 sophia ATK: 3600
「魔法・罠」:なし
「これでフィールドはがら空きだ、ソピアでダイレクトアタック」
「あべし!」
吉井明久 LP:8000 → 4400
「これでターンを終了だ」
雄二の長い1ターンが終わり、ようやく訪れた僕のターンだけど、
・・・どうしようまるで勝てる気がしない。いやいや弱気になるな僕!誰が作ったデッキかはわからないけどここで諦めたら、作ってくれた人に失礼だ。
それに僕のライフはまだ残っているんだ。まだ勝てる望みはきっとある。
ただ手札と墓地とフィールドにカードがなく、対して向こうには攻撃力3600のモンスターがいる。ただそれだけじゃないか。僕はまだ諦めない!
「いくよ、僕のターンドロー!」
ドローしたカードを確認する僕。・・・残念だけどこのカードは逆転するものではないけど。
「(次につなげることは出来る!)僕は『一時休戦』を発動、お互いに1枚ドローして次の僕のターンまでお互いに受けるダメージは0となる。1枚ドロー!」
「ドロー」
さらに加わったカードを見る。・・・・・・どうやら僕のデッキも(今だけだけど)諦めるなって言っているみたいだ
「僕は『異次元からの埋葬』を発動、除外されている僕のカードを3枚まで墓地に戻す」
墓地に戻したカード
『ネクロ・ガードナー』
『ネクロ・ガードナー』
『黄泉ガエル』
「僕はこれでターンエンドだ、まだ終わらせないよ雄二!」
「(明久の野郎、相変わらずここ一番で粘ってくるな。敵に回ると厄介なもんだ)
俺のターン、ドロー。 (・・・・・・だが)」
「俺は2枚カードを伏せ、ターンエンド(次で終わりだろうな)」
吉井明久
LP/ 4400
手札:0枚
場:なし
「魔法・罠」:なし
坂本雄二
LP/ 8000
手札 : 0枚
場:創星神 sophia ATK: 3600
「魔法・罠」:2枚
おそらくここだ、ここでせめてあのモンスターだけでも倒さないと、僕に逆転のチャンスはきっと無いだろう。でも、僕は最後までデッキを信じて戦うのみ!
「僕のターン、ドロー! ・・・・・・!」
「どうした明久」
「スタンバイフェイズ、墓地の黄泉ガエルを復活、そして僕は『ブラック・ホール』を発動、
お互いのモンスターをすべて破壊する! どうやら神様はまだ僕に戦えと言っているみたいだ。」
「・・・・・・悪いがな、明久」
「ん?」
「神はお前にそんなん望んでないみたいだぜ。ライフを半分払い、『神の宣告』を発動!」
坂本雄二 LP:8000 → 4000
『神の宣告』
カウンター罠(制限カード)
ライフポイントを半分払って発動する。
魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし破壊する。
えっ!?
「これでブラックホールは向こうだ。さぁどうする明久。」
「・・・・・・ターンエンド」
まだ、だっ、大丈夫だ、墓地には攻撃を防ぐネクロ・ガードナーが2体いるんだ
雄二がモンスターを召喚したってまだ終わらないさ
「俺のターン、・・・今お前の考えている事なんかだいたい想像できるが、これで終わりだ。俺は『異次元からの帰還』を発動する」
坂本雄二 LP:4000 → 2000
『異次元からの帰還』
通常罠(制限カード)
ライフポイントを半分払って発動する。
ゲームから除外されている自分のモンスターを
可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。
エンドフェイズ時、この効果で特殊召喚した全てのモンスターは
ゲームから除外される。
「さぁ、異次元より舞い戻れレッド・デーモンズ・ドラゴン! ジェムナイト・パール!
ノースウェムコ! そして・・・バグロス! さぁこれがどういうことかわかるよな。」
えっと今フィールドはこうなっているから
吉井明久
LP/ 4400
手札:0枚
場:黄泉ガエル DEF:0
「魔法・罠」:なし
墓地:ネクロ・ガードナー2体
坂本雄二
LP/ 2000
手札 : 0枚
場:創星神 sophia ATK: 3600
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK: 3000
救世の美神ソースウェムコ ATK: 2700
ジェムナイト・パール ATK: 2600
水陸両用バグロス ATK: 1850
「魔法・罠」:0枚
うん、大体わかった。つまり
「何か言い残すことはあるか」
サレンダーしてもいいですか?
「却下だ」
「デスヨネー」
「なら全員で攻撃だ」
「ぎゃあああああああぁあぁぁぁぁ!」
吉井明久 LP:4400 → 0
坂本雄二: WIN
「うむ、見事なデュエルじゃった」
「・・・・・・・・・いいものを見せてもらった」
「それにしても坂本、よくそんなモンスター出せたわよね」
「ああ、それ自体は俺も驚いている。それにこいつを作ったやつにもな」
確かに、デュエル中は違和感なかったけど、普通に考えてシンクロや融合、儀式に
エクシーズモンスターが必要なモンスターって、揃えるだけでも難しいよね。
・・・・・・だったら誰が作ったのかな、このメンバーの中でそれが出来そうなのは姫路さんだけだと思うのだけど、僕があれこれ考えていると、後ろから
「えへへ、凄いでしょ!、私のデッキ!」
と、元気よく主張する雨宮さんの声が、って雄二が使ってたの雨宮さんのなの!?
「すごいや雨宮さん、でも大変じゃなかった?」
「? 何のこと」
「いや、ほら、そのデッキ調整とか。大変じゃなかった?」
でも雨宮さんがこのデッキを作ったって言うのが本当ならヒロが寝不足なのも納得がいく。
彼はきっと何度も彼女のデッキの相手をしていたんだろうな。それも1度や2度じゃなくてデッキがうまく回るまで、何回もそりゃあ寝不足にもなるよね。
僕が脳内でそう結論を出したところで雨宮さんは、さらりと
「うんうん、調整とかしてないよ。これ昨日作ったままのデッキだもん」
「「「「「「嘘だ!」」」」」」
僕達は彼女が今言ったことが信じられず、口を揃えて言ってしまった。
もちろんそんな事を言われた雨宮さんは『心外だ』と言わんばかりに頬を膨らませながら
「嘘じゃないもん!」と反論してきた。
いや、彼女が嘘を言ってないっていうのは皆、頭では理解しているんだけどどうしても
納得できないんだ。
と、ここで今まで黙っていたヒロがフォローに入ってきた
「ツユリちゃんの言っていることは本当だよ。むしろデッキ調整で遅くなったのは僕なんだ。
何回デュエルしても勝てなくて。しかもその殆どに『創聖神sophia』出てくるんだもん。
・・・・・・ついでに明久君が使ってたのが僕のデッキね。・・・・・・僕って何をやってもダメなんだぁあ」
やばい、さっきからヒロが語れば語るほど彼の瞳の色が徐々に薄くなっているし、
もはや最後のセリフなんて自虐的だし、い、いけない何とかしてフォローしないと
「そんなことないよ。たまたま調子が悪かっただけだって、1回や2回、いや10回や20回負ける事だってあ・・・・・・」
「・・・・・・・・・かい」
「え?」
「もう百回くらい調整しながらやっているのに、それでも負ける僕って・・・・・・うぅっ」
「ヒ、ヒロ! そんな泣かないで、そ! そうだ今日はとことんデュエルしよ、ね!
いつものデッキでさぁ!」
「うむ、そうじゃな! 違うデッキを使ってみて面白かったがやはり慣れ親しんだデッキでデュエルするのが一番じゃな」
「・・・・・・・・・賛成!」
「そ、そうだな。よし明久さっきの罰ゲームは『今日はとことん遊びつくす』だ。夜まで
派手にやるぞぉぉぉ!」
「「「「「「おおお!!!」」」」」」
「え、まだまだ遊べるの。やったぁぁぁ!」
そうして僕達は本当に朝までぶっ続けで遊んだのだった。
ちなみにこの後の僕の成績はさっきのデュエルで運を使い果たしたようで全敗だった。
終わり
ご意見・ご感想、誤字・脱字の指摘などお待ちしています。