第9話「勝利と自由の為に」
side:明久
雨宮さんから聞いた話だと姫路さんの相手は、あの霧島さんがいるオベリスクブルー、
そして対戦はお互いの大将である、姫路さんと霧島さんの対決となった。
2人のデュエルはどちらも一歩も引かず、どちらが勝ってもおかしくはない状態だったそうだ、最後は、僅かな差で霧島さんが勝った……みたい
「ゴメンネ……でも、ヒメちゃんは頑張ったんだよ! ……だから、
ヒメちゃんを責めないで」
そう雄二にお願いをする彼女の姿は、いつも見せている天真爛漫な彼女とは違っていた
その顔は姫路さんのことを思ってのことか、不安で今にも泣きそうであった。
「ああ、姫路も全力を出してデュエルをしたんだ、責めはしないさ。
元々、半分は俺の我侭に付き合ってもらっているわけだしな」
「……ユウ君」
「後で翔子が使ってたカードの情報が欲しい、それを姫路達にも伝えておいてくれ」
「うん! あっ、でも、その前に」
雨宮さん、どうしたんだろう? 元気になったかと思ったら、急に彼女の頬が、
ぽっと赤く染まった。もじもじと、恥ずかしそうに指先を絡めて体を揺らし出し
「………え~と、その~……み、みた?」
と、大変僕達には答えにくいことを聞いてきた。「みた」というのは彼女がさっき
転んだ拍子にスカートから見える、女性のアレ的な物を隠す、アレ的な布の事を
言っているのだろう。
「「……………」」
僕と雄二はどう答えるか悩んでしまう。……正直に言えば全く見えてはないのだけど、
え? なら素直に言えって。 僕だってそうしたいよ。ただ……
「しっかり! ムッツリーニ君! 何で輸血パックなんていつも持っているのとか、色々ツッコミ所はあるけど。鼻血の出しすぎで死にましたなんて、そんな情けない死に方しないで!」
唯一見たであろうムッツリーニがあの状態だ、ここで僕らが「見てない」っと言っても
信用性はないだろう。それに下手に言葉の選択を誤りでもして、姫路さんと美波に知れ渡ったら………きっと僕の命はないだろう。
と、考えているうちに救世主が現れた
『ツユリよぉ、んなパンツ見られたくらい気にすんなよ』
空気が読めていない1匹の犬が彼女に話しだし、それにより標的は僕らからドロロへと
変わった
「なによ! ひょっとしてドロロまで見たのね、乙女の秘密を! ドロロのエッチ!!」
『ばばばっ、バカ言ってんじゃねぇ! 見てねぇよ、んなもん。大体何が乙女だよ!
……あんなガキ臭いもんはいてて………あ、やべ』
「ドロロ~!!」
雨宮さんは、顔を真っ赤にしたまま逃げ出したドロロを追いかけて行き、姿は見えなくなっていた。……ありがとうドロロ、君の犠牲は無駄にはしないよ
「さて、そろそろ次の試合の時間だ。行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい」
side:雄二
俺は会場に着くと、少し遅れて対戦相手が現れた。服装を見る限りオベリスクブルーか、それも3年の。まぁここまで来たんだ必然的にこうなるよな。
「なんだぁ、オシリスレッドじゃねえか。ここまで来るなんて、よっぽど運が良かったのかそれとも相手が弱すぎたのかぁ」
「さあな、デュエルすればわかるんじゃねぇか」
「へっ、言うじゃねえか。なら、お望み通りに」
「「デュエル!」」
【先行】阿久井 有人《アクイ アリト》
LP/ 8000
【後行】坂本 雄二
LP/ 8000
「ドロー、俺はライフを払い、魔法カード『簡易融合』を発動」
『簡易融合(インスタントフュージョン)』
通常魔法
1000ライフポイントを払って発動できる。
レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとして
エクストラデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、
エンドフェイズ時に破壊される。
「簡易融合」は1ターンに1枚しか発動できない。
阿久井 有人 LP:8000 → 7000
「俺は『バロックス』を特殊召喚する」
『バロックス』
融合モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻1380/守1530
「キラーパンダ」+「ガーゴイル」
「さらに、チューナーモンスター『ダーク・リペアラー』を通常召喚」
『ダーク・リペアラー』
チューナー(効果モンスター)
星2/闇属性/悪魔族/攻1000/守1300
このカードが自分フィールド上から墓地へ送られた時、
自分のデッキの一番上のカードを確認して
デッキの一番上または一番下に戻す。
「早速、シンクロ召喚か」
「その通り、いくぜレベル5のバロックスに、レベル2のダーク・リペアラーを
チューニング!」
☆5 + ☆2 = ☆7
「天空に輝く死の星よ、地上に舞い降り、愚者の魂を裁け
シンクロ召喚、 刈り取れ『天刑王 ブラック・ハイランダー』!」
『天刑王(てんけいおう) ブラック・ハイランダー』
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2800/守2300
悪魔族チューナー+チューナー以外の悪魔族モンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
お互いにシンクロ召喚をする事ができない。
1ターンに1度、装備カードを装備した相手モンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターに装備された装備カードを全て破壊し、
破壊した数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
「げっ、そのモンスターは!」
「どうやら知っているようだな、そう! コイツがいる限り互いにシンクロ召喚は
できない。シンクロ主体のお前のデッキとは相性は最悪なのさ! 悪いな下調べはしているのさ」
「くっ(やばい)」
「おっと、その前に素材にしたダーク・リペアラーの効果があったな。
えーと、デッキトップは……そのままだな。1枚伏せて、ターン終了だ」
阿久井 有人
LP/ 7000 手札:3枚
場:天刑王 ブラック・ハイランダー ATK:2800
「魔法・罠」:伏せ1枚
坂本 雄二
LP/ 8000 手札:5枚
場:なし
「魔法・罠」:なし
まいったな、いきなりシンクロ召喚を封じられるとは、だがこの手札なら
まだ何とかなるか
「俺のターン、俺はモンスターとカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
「なんだよ、もう終わりか? 遠慮するなよ、シンクロ召喚はしないのかよ。
俺のターン、ドロー」
ちっ、言いたい放題だな。
「俺は、『キラー・トマト』を召喚」
『キラー・トマト』
効果モンスター
星4/闇属性/植物族/攻1400/守1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分のデッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を
自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
※トマトは、嫌いです
「シンクロ主体の魔轟神のステータスは低い、ならこいつで十分だ。キラー・トマトで
攻撃」
「なら攻撃宣言時、『聖なるバリア-ミラーフォース-』発動。これでお前のモンスターは全滅だ」
『聖なるバリア-ミラーフォース-』
通常罠(準制限カード)
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。
「見え見えなんだよ! ミラフォにチェーンして『サイコ・ショックウェーブ』を発動」
『サイコ・ショックウェーブ』
通常罠
相手が罠カードを発動した時、
手札から魔法または罠カード1枚を捨てて発動できる。
自分のデッキから機械族・闇属性・レベル6のモンスター1体を特殊召喚する。
「手札の魔法か罠を捨て、俺のデッキから『人造人間-サイコ・ショッカー』を特殊召喚するぜ!」
捨てたカード
『光の護封剣』
『人造人間-サイコ・ショッカー』
効果モンスター
星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
お互いに罠カードの効果は発動できず、
フィールド上の全ての罠カードの効果は無効化される。
「サイコ・ショッカーが場にいる限り、全ての罠の効果は無効となる。
せっかくのミラフォも無駄になったな。バトルは続行だ」
俺のモンスターは、守備力600の『クリッター』。2800のハイランダーの攻撃で破壊されてしまった
「おやおや、予想通りの低ステータスだな。そんなモンスターで俺に勝つ気なのか」
「生憎、こいつの能力は攻撃力じゃないんでね、墓地のクリッターの効果を発動」
『クリッター』
効果モンスター(制限カード)
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
「この効果で俺は、『魔轟神ガルバス』を手札に加えるぜ」
「それがどうした! 続いてサイコ・ショッカーとハイランダーでダイレクトアタック」
坂本雄二:8000 → 5600 → 2800
「メインに入って俺は、『封印の黄金櫃』を2枚発動」
『封印の黄金櫃』
通常魔法
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。
「この効果で『ブラック・ホール』と『死者蘇生』を除外、俺のターンは終了だ」
阿久井 有人
LP/ 7000 手札:0枚
場:天刑王 ブラック・ハイランダー ATK:2800
サイコ・ショッカー ATK:2400
キラー・トマト
「魔法・罠」:なし
封印の黄金櫃 : 0ターン目
坂本 雄二
LP/ 2800 手札:5枚
場:なし
「魔法・罠」:なし
……今の手札なら、サイコ・ショッカーは対処できる、問題はハイランダーの方だな
あいつがいる以上俺のデッキがうまく回らん、何とかしないとな。まぁ今はドローしてから考えるか
「俺のターン、ドロー。(おっ、このカードなら行けそうだ)俺は、魔轟神ガルバスを
召喚だ」
『魔轟神ガルバス』
効果モンスター
星4/光属性/悪魔族/攻1500/守 800
手札を1枚墓地へ捨てて発動できる。
このカードの攻撃力以下の守備力を持つ、
相手フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。
「そして、手札の魔轟神グリムロの効果、こいつを墓地に送ってデッキから『魔轟神獣キャシー』を手札に」
『魔轟神獣キャシー』
チューナー(効果モンスター)
星1/光属性/獣族/攻 800/守 600
このカードが手札から墓地へ捨てられた時、
フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。
「ガルバスの効果、今加えたキャシーを捨てて、守備力1500のサイコ・ショッカーを破壊する。さらにさっき捨てたキャシーの効果で、お前の自慢のハイランダーを破壊するぜ」
「なんだと!」
「そっちのトマトにも退場願おうか、もう一度ガルバスの効果を使って守備力1100のキラー・トマトを破壊する」
捨てたカード
『魔轟神クルス』
「墓地に行ったクルスの効果も発動、墓地にいるレベル4以下の魔轟神…グリムロを特殊召喚。そしてバトルフェイズだ、ガルバスとグリムロでダイレクトアタック」
阿久井 有人 LP:7000 → 5500 → 3800
「メインフェイズ2に入って、手札の『魔轟神ミーズトージ』の効果を発動する」
『魔轟神ミーズトージ』
ューナー(効果モンスター)
星2/光属性/悪魔族/攻 400/守 200
このカードを手札から墓地へ送り、チューナー以外の自分フィールド上の
「魔轟神」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターはフィールド上に表側表示で存在する限りチューナーとして扱う。
「こいつを墓地に送って、魔轟神ガルバスをチューナーにする。」
魔轟神ガルバス ← チューナー化
「モンスターをチューナー化するカードだと!?」
「邪魔なカードもなくなったことだし、遠慮なくやらせてもらうぜ
レベル4のグリムロに、レベル4となったガルバスをチューニング!」
☆4 + ☆4 = ☆8
「深き大地に眠りし魔の竜が今、目を覚ます、天地を揺るがす絶対なる力をみよ
シンクロ召喚 羽ばたけ! レッド・デーモンズ・ドラゴン」
「ちっ、シンクロ召喚を許しちまったか!」
「1枚伏せて、俺はターンエンドだ」
「ドロー、俺の場にモンスターがなく、さらに墓地の闇属性が5体以上いる場合、
『ダーク・クリエイター』を特殊召喚する」
『ダーク・クリエイター』
効果モンスター
星8/闇属性/雷族/攻2300/守3000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地に闇属性モンスターが5体以上存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
1ターンに1度、自分の墓地の闇属性モンスター1体をゲームから除外する事で、
自分の墓地の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚する。
「こいつは、墓地の闇属性を除外して、ほかの闇属性モンスターを復活させることが
できる。俺はバロックスを除外して、ブラック・ハイランダーを特殊召喚!」
「またそいつかよ」
「俺はこれでターンエンドだ!」
阿久井 有人
LP/ 3800 手札:0枚
場:天刑王 ブラック・ハイランダー DEF:2300
ダーク・クリエイター DEF:3000
「魔法・罠」:なし
封印の黄金櫃 : 1ターン目
坂本 雄二
LP/ 2800 手札:1枚
場:レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK:3000
「魔法・罠」:伏せ1枚
(耐えろ、このターンさえ耐えれば。次のターンに封印の黄金櫃で除外したカードが
戻ってくるブラック・ホールで奴の場を全滅し、死者蘇生でハイランダーを蘇生すれば
俺の勝ちだ!)
「俺のターン、魔轟神レイヴンを召喚」
(奴の場には、攻撃力3000と1300のモンスター、ハイランダーは倒されてもダーク・クリエイターは残る。)
「バトルだ、レッド・デーモンでダーク・クリエイターに攻撃」
「バカが! そのトカゲの攻撃力と俺のモンスターの守備力は同じ3000倒せるわけないだろうが!」
「それくらい分かっているさ、レッド・デーモンは守備モンスターを攻撃する場合
ダメージ計算後に相手の守備モンスターすべてを破壊する効果があるのさ
……まぁ、その代わりエンドフェイズに俺の場の攻撃宣言をしてないモンスターを
破壊するデメリットもあるがな」
「てことは、俺のモンスターは」
「そう全滅さ、そしてレイヴンでダイレクトだ」
阿久井 有人 LP:3800 → 2500
「だが、これでテメェのモンスターの攻撃は終わった、次のターンで俺の勝ちだ!」
「……いいや、終わるのはお前だ。リバースカード、オープン『破壊神の系譜』」
『破壊神の系譜』
通常罠
相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを破壊したターン、
自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8のモンスター1体を選択して発動する。
このターン、選択したモンスターは一度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
「守備モンスターを破壊したターン、レベル8のモンスターはもう一度攻撃できる
そして、レッド・デーモンのレベルは8だ」
「ばかな!」
「レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタックだ」
阿久井 有人 LP:2500 → 0
坂本 雄二 WIN!
※
side:明久
「お疲れ、雄二」
「おう」
「でも、雄二君。もし相手がレッド・デーモンの効果を知ってたら、
ダーク・クリエイターもハイランダーも攻撃表示で出してたんじゃないの?」
「ああ、それなら大丈夫だ。」
雄二は今さっきドローしたカードを見せてきた、……そのカードは
「『エネミーコントローラー』か、なるほどね」
このカードには2つの効果があって、1つはモンスターの表示形式を変える効果、
もう1つは自分のモンスターをコストに、相手モンスターのコントロールを得る効果
つまり……どういうこと?
「………仮に1体だけが攻撃表示でも、これで守備に変更すれば結果はさっきと同じ」
「そして、2体とも攻撃表示でもレッド・デーモンで1体を倒し、エネコンを使って
残った方のコントロールを奪って、レイヴンと攻撃すればライフは0になる……か、
流石だね雄二君」
「まぁ、結果論ではあるけどな」
あれ? 僕だけが話についていけてない
「これで残すは決勝だけだね」
「ああ、そして相手は翔子だはっきり言って楽には勝てないだろうな、だが俺はここまで来れたのは他でもないみんなの協力があってのことだ。感謝している」
雄二がいつも一緒にいる僕でも覚えのないほど、素直に礼を言った
「ゆ、雄二、どうしたのさ。らしくないよ?」
「ああ。自分でもそう思う。……だが、これは偽(いつわ)らざる俺の気持ちだ」
そんなこと言われると、なんだか僕まで胸が一杯になってくる。ヒロもムッツリーニも
同じ気持ちだろう、僕達がよくここまで来れたな、って。
「ここまで来た以上、絶対翔子達にも勝ちたい。勝って、手にするんだ。勝利と、俺の自由を!」
「「「おおお~!!」」」
雄二の最後の一言は余計だけど、僕らのモチベーションは高まった。残す試合はあと1つ
そして相手は学年主任の霧島さん率いるAクラス、だけど僕らは負けない!
おわり
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